『ゆびきりげんまん』など短編5話【41】 – 感動する話・泣ける話まとめ

『ゆびきりげんまん』など短編5話【41】 - 感動する話・泣ける話まとめ 感動

 

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感動する話・泣ける話まとめ 短編5話【41】

 

 

ゆびきりげんまん

いっぱいの幸せをありがとう。
私は幸せ者だ。
だって最期にあなたの顔を見れたから。
これも日頃のなんとやろなのかな?

病室のベッドで手を握りながら彼女は言う。

最期ってなんだよ。
お前は死なない、そうだろ?

泣きながら返す僕を見て笑いながら

○○前言ってたよね?
私が先に死んだら俺も後追うよって。

震えた声で彼女が言う。

あぁ、すぐに行くから先行って待っててな!

俺は本気で返した。
彼女がいない世界なんてきっと色のない世界と同じだと思うから。

ありがとう。
でも、絶対に来ないで。
その言葉が聞けただけで私は満足だよ。
あぁ、幸せだなぁ。
いい?
あなたは絶対に違う人を見つけて幸せになってね?
私の事は忘れて下さい。
大好きなあなたの足枷にはなりたくないの。
絶対に私の後を追わないで!!
約束しないと化けて出ちゃうよ?(笑)

返事が出来なかった。
ここで返事したら彼女がもうすぐ死ぬ事を
認めてしまうようで怖かった。
頭では理解してるつもりだが本当に認めたくなかったのだ。

ゆーびきーりげーんまんうーそついたら…

そうかすれた声でいいながら彼女は天国へ旅立ちました

あれから2年

好きな人は出来ないや。
だってお前じゃなきゃ意味ないもん。
お前とじゃなきゃ楽しくないもん。

でもな、後を追おうと思ったけど
約束守って追わなかったよ。
俺まで死んだらお前との思い出が
この世界から消えてしまうから。

辛いよ、毎日本当に辛いよ。
いつかは俺もそちらに行きます。
その時はいっぱいいっぱい話しようね?
いっぱいいっぱい抱きしめて
いっぱいいっぱい頭なでて
いっぱいいっぱいキスをしよう。

幸せをありがとう。
あとすこし頑張って這いつくばってでも、
生きてみます。

 

 

オバケでもいいから時々会いにきてね

5年前に飼っていた茶トラ猫。

姉が家出同然で出ていってしまって家の雰囲気が暗かったので、私は家ではできるだけ明るく振舞っていましたが、本当は、家族に仕事や恋愛の悩みを相談したりしたかったんです。

でも、そういう雰囲気じゃなかったので、夜眠るときや、誰もいないときに、その猫によく相談しながら泣いていました。
相談といっても、猫だから黙って私を見ているだけだったんですけどね。

その猫は、私のお布団の中が好きで、毎日夜になると、ニョロニョロと入ってきては、背中と腰の中間くらいのところにずっしりと寄りかかって眠っていました。
その子が病気でなくなって、裏庭に埋めるときに、手紙を書いて一緒に埋めました。
「いろいろお話を聞いてくれてありがとう。オバケでもいいから時々会いにきてね」
みたいな内容を書きました。

つい2、3日前のこと。
相変わらずの人間関係からのストレスで貧血状態になり、横になっっていました。

うとうとしていると、猫がニョロニョロとお布団の中に入ってくる気配。
今は別の猫を飼っているので、そいつだ思って気にしてなかったら、ちょうど背中と腰の中間の辺りに、寄りかかったのです。
ほんのりあたたかくて、ずしっと重い感じ。。。ん?この重みは…!!
「…心配して来てくれたの?!」ってお布団の中をのぞくと、すーっと重みが消えて、誰もいませんでした。
全然怖くなくて、むしろ死んじゃっても心配かけてる自分が情けなくて、しくしく泣いてしまいました。
泣きながら眠ってしまったら、夢にはご飯を食べてる茶トラ猫がでてきました。

目が覚めてから、お線香をあげて、猫のエサをお供えしました

 

時々彼女は夢に出てきてくれる

もう2年も前の話になる。
その頃俺は医学生だった。

彼女もいた。
世の中にこれ以上いい女はいないと
思うくらいの女だった。

しかし、彼女は若いのにもかかわらず、突如として静脈血栓塞栓症でこの世を去った。
その時の自分はたぶん
相当精神不安定に陥っていたと思う。

葬式のとき、彼女の母親が俺にこう告げた。
「あの子、亡くなる直前にあなた宛てにこんな言葉を言ったわ・・・」

『○○君は易しいね。私が死んだら相当落ち込むかもしれないけど、落ち込んじゃだめだよ。ずっと一緒なんだから。私のような人をたくさん救ってね』と。

そしてそのまま眠るように亡くなったらしい。

その彼女の言葉を聞いた俺は、涙が溢れ出してきた。
今までにない量だった。
彼女の最後の言葉に俺のことで、つまり俺のことが一番大切にしてくれたなんて思うとよけいに溢れてきた。
俺はその時、亡き彼女に誓った。
お前の命は絶対に無駄にしない!と。

そして今現在、俺は心臓外科医をやっている。
もうあんな悲しい結末は経験したくないからでもあり、彼女に誓ったからでもある。

時々彼女は、俺の夢の中に出てきて
とびっきりの笑顔をみせてくれる。
その最高の笑顔は、俺の活躍を祝福してくれる。
そして俺を立派な医師になるための道に導いてくれるのだ。

 

 

左半身の麻痺

交通事故に遭って左半身に少し麻痺が残り、 日常生活困るほどではないけど、歩くとおかしいのがばれる。

付き合い始めの頃、 それを気にして一歩下がるように歩いてた私に気付いて 手をつないで一緒に並んで歩いてくれた。

家に帰ってから訳を聞かれて
「○君に恥ずかしい思いをさせたくなかったから」
って言ったら
「どうしてそんな考え方をするんだ」
と怒られたので
「大好きだった○君と付き合えてるだけで幸せだから。私と付き合うことで○君に少しでも嫌な思いをさせたくないから」
と言ったら

泣きながら私の両手を持って、目の中を覗き込むようにして諭してくれた。

「俺はお前と付き合ってあげてるわけじゃない。
俺がお前を好きで一緒にいたい、付き合いたいと思ったから付き合ってるんだ。
お前の体のことなんか、ずっと前から知ってたけど、一緒に歩いて恥ずかしいなんて一回だって思った事はないよ。
お前がそんな風に考えてるのが俺は悲しい。
俺に気を使わないで。
自分の事を恥じないで。
もっと自信をもって胸を張ってほしい。
ずっと並んで歩こうよ。
お前は俺の自慢の彼女なんだから」

私のことをここまで思ってくれる人には絶対会えないと思う。
すごく嬉しくて、涙が止まらなかった。

今は、どこに行くときも並んで歩いています。

 

 

俺もうダメみてぇだ

ゆいへ

なあ?俺もうダメみてぇだ。
なんでだ?お前に出会うまでは
死にたいぐらい毎日が退屈だった。
でも今は俺すげえ生きたい。
なんで病気に勝てねえんだろ?
俺いつからこんな弱なった?
毎日死に近づいてるって感じる。
もっと生きてえよ。

寂しがり屋なお前の事おいて死ねねえしな?
ずっと傍にいてやらねえとお前はだめだろ?
泣き虫なくせに俺が病気で苦しんでるからって
俺の前では笑ってたよな?

お前辛かっただろ?

なのに俺はお前に弱いとこばっか見せてたな
俺が死んだら誰がお前の涙拭く?
俺な…何度も何度も神様にお願いした。
「もっと生きたい」って…。

でも無理みてえだ。

ごめんな…
約束守れなくて…
結婚しよって言ったのにな
俺はもうすぐいなくなるから結婚できねえ
俺はお前の事幸せにできねえし
この先一緒に居る事もできねえから
お前には世界一幸せになってほしいから…
結婚っていう形でお前の人生縛りたくない
お前の事をほんまに大事にしてくれる人と
幸せになってほしい。

俺な、20年間生きてきて愛してるって
心からそう思った女を幸せにできないって
マジで辛いし悔しい
だけどお前が幸せになれない事の方が辛いから…
だからお前は前に進むんだぞ?
俺の死をちゃんと受け止めるんだぞ?

ゆいの事マジで大好きだ

最後に一つお願いがある…
心の奥のどっかでいいから…
俺の事覚えといてください。
雅人っていう男の事をどうか覚えててください。

じゃあまたな!
さよならはいわねえから。

彼は私の事を本当に愛してくれました。
私も彼を本当に愛してました
今も彼を愛してます
今は会えないけど彼は私の心の中で…
永遠と生きつづけます。

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