嫁に愛してると言ってみた【9】
□ □ 1 □ □
この前、妻に誕生日だったのでケーキと花束とワインを買って帰った。
娘たちも一緒にお祝いして、たくさんケーキを食べて
普段より早くベッドに行った。
娘たちが寝た後、二人でワインを飲んでいた時に
妻から愛しているって言われた。
何度もワインを飲みながらゆっくり言うんだ。
俺は前の彼女にひどい裏切りをされて、
吹っ切るために見合いをして2ヶ月で結婚を決めた。
結婚前の半年にお互いの友人に紹介したり、
知り合いからも祝福されて結婚した。
見合いで短時間で結婚したから、
妻から愛しているって言われたことってほとんどない。
見合い結婚ってそんなものかと思っていた。
なぜ、愛していると言ってくれるのと聞くと
私だけを見てくれるのがわかったからと言うんだ。
ずっと前の彼女の事を心に残していると思っていたから言えなかっただけで、
初めて会った時から好きだった、結婚して幸せ
少し酔った顔で真直ぐ話してくれた
俺の友人に前の彼女の事を結婚前に聞かされて、
俺を支えて欲しいと頼まれたって
俺の心の中には前の彼女の事が消えないだろうと思っていたらしい。
妻が偶然に俺が書いた掲示板の書き込みを読んで
前の彼女を忘れて、妻だけを見てくれるようになった事を感じたので
どうしても言いたかったといわれた。
転載禁止のスレに書き込んでいたのに読まれたことや
前の彼女の事を詳しく知っている事に驚いた。
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元の書き込み
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10年前のクリスマスの苦い思い出
あるサークルに入っていて、メンバーに明るい女性がいた
その彼女にはサークル内に、彼氏がいてたんだけど、
男に二股かけられていた上に
もう一人の女性を妊娠させて結婚した
失恋して落ち込む彼女を慰めるうちに、
仲良くなり告白されて付き合んだ
可愛い彼女で、本当に毎日が楽しかったんだ、
今振り返っても、あれほど楽しい日々はなかったと思う
3年の交際期間に喧嘩もあったけど、隠し事のない交際のはずだった
彼女とクリスマス前の土日の予定を持ちかけたら、仕事で会えないから
そのかわり、イブ(平日)にクリスマスデートをする事になったんだ
そんな時、学生時代にバイトで世話になった洋菓子店から、
土日暇だったら手伝ってくれって頼まれた
会社にばれるのは、まずかったので、
マスクと帽子を被って店に立っていたら
彼女と元彼が、クリスマス用のペアのケーキセット買って行った
彼女は、去年のクリスマスにあげたコートを来ていた
手伝いが終り、彼女のアパートが見える場所に車に乗って待っていたら
彼女と元彼が腕を組んで、
俺が売ったケーキセットもって部屋に消えて行った
車の中で聞いていたFMで、須藤薫のセカンドラブが流れたんだ
ああ、彼女にとって俺は二番目なんだと
同じケーキセットを彼女のマンションのドアノブに同じケーキセットを下げて
二番目だけどメリークリスマスってメッセージを付けて、その場を離れた
サークルのメンバーには説明して、サークルもやめた
彼女からのメールも着信も拒否したんだ
彼女の友人から初めてだから、許してあげてってメールが来たけど
あの日が、初めてでも、100回目でも、俺が二番目であることは変わりない
彼女は元彼とはそれっきりだったらしく、今も独身でいると聞いた
彼女とその後一度も会うことなく別れた、
俺は忘れるように、すぐに見合いをして結婚したんだ
妻になった人は、地味で大人しい人だけど、
人を裏切らないほどには優しくて二人の娘も出来たよ
家族で遊びに行った帰りの電車で、うたた寝する妻と娘たちと手を繋いで
座っていたら、じっとこっち見ている女性がいた、元彼女だった
彼女だった人があのコートを着て、俺を見つめて涙を一滴ながして
次の駅で降りて行った
憎しみも愛情も何も感じなかった
ああ、これで自分の中で彼女の事は、終わることができたんだと思った
政令指定都市だけど、私鉄がない位の田舎
洋菓子店は、地元では有名なお店だけど
今までクリスマスケーキはその店では買ってなかったんだ
彼女の事を思い出したくなくて、買えなかったんだろうね
妻と娘のプレゼントと10年ぶりにその店のケーキ買って帰ろうかな
□ □ 2 □ □
昨日の夕べ言ったら、
「うはwww珍しい事言ってるwww変な事言ってるwwwwww」
……なリアクション。
高校→大学と続いた、くされ縁の嫁には、サプライズも何もなかったぜ(;´Д`)
おまけに、真似したがり絶賛中の2歳半娘まで
「えんなここゆってゆー、えんなここゆってゆー」
と真似してヒャッハー状態になるわで、
パルプンテ言う前に多少なりとも抱いた緊張感が吹っ飛んだわ。
ただ、夜中の嫁がやたらアグレッシブだったのは、
パルプンテがいい方に働いたと思いたい。
□ □ 3 □ □
明日は嫁の誕生日だ。
オレ、明日の仕事が終わったらパルプンテ唱えるんだ。
オレだって勇者になるんだ、オレだって!
準備は整った。あとは嫁が帰る前に逃げるだけだ!
緊張してまともにタイプできねえけどなにこれw
■
言った。
いざ本当に言うとなるとヤバイくらいドキドキするな。
毎日いる相手なのにな。
報告するわ。
簡単なスペック
オレ:39会社員
嫁:43会社員
結婚5年子梨
嫁は物欲のない奴で、さりげなく欲しいものを訊いてみても
「今欲しいもの、べつにないー」だそうで。
物持ちもいい奴で、結婚前にプレゼントしたDSLで
今だに初代どうぶつの森をやってるくらい。
3DSも『とびだせ』もいらないと。
結婚してからは道場に来ないけど、武道をやっていた頃の
習慣でアクセはつけない人だし、正直何をあげていいかわからんので、
モノとしての誕生日プレゼントはなし。
毎年誕生日には鉢植えの花をあげてたが、
今回はベタだが薔薇の花束にした。
朝はわざと嫁と顔を合わせないようにしてそそくさと会社へ。
会社帰りに花束とケーキ購入。
夕食は、寒くなってから嫁が食べたがっていたポトフと、
ポークソテーとナポリタンにオムレツを添えた
オムライス風定食とサラダをつくった。
オレは残業がほとんどない業種。
嫁はほぼ毎日残業な部署なので、準備時間はたっぷりある。
花束をオレの部屋に隠し、夕食を準備して嫁の帰りを待つ。
緊張をほぐすために神棚を拝んでから拳立て伏せなんかしてみる。
午後8時半頃、嫁帰宅。
いつものようにエアー犬のふりをして嫁を迎える。
クックックッ、何も気づかずいつも通り
お手とか頭だしゃしゃしゃとかしておるわ、嫁め。
ちなみにエアー犬ってのは、犬を飼いたいけど飼えないから
オレが犬のふりをして嫁になつきまくる遊びのこと。
嫁はツンデレエアー猫をしてくれる。デレたことないけど。
ともあれ残業を労う。
おれ「弁当箱洗っといたげるから着替えてメシ食え」
嫁「おう!オレさんかっけー!」
みたいなやりとりを期待していたら
絶妙なタイミングで義弟から嫁に電話が。
義兄の法事の相談を背中で聞きながら黙々と嫁の弁当箱を洗う。
洗い終えてから電話中の嫁にあたまヨシヨシはさせた。
嫁が着替えに行った隙に部屋から花束を持って居間へダッシュ。
食事を並べてオレスタンバイ。
が、居間には花束を隠しておく場所がない。
面と向かって渡すのはなんだか照れる。
一旦隣の仏間に置いておき、さりげなく取りに行くことにする。
食卓に向かっている嫁の後ろで花束持ったままとりあえず踊ってみる。
音と気配に気づいた嫁が振り向いて目が合う。
観念して誕生日おめでとう!と花束を渡す。
ここで嫁ちょっと涙目。
嫁の前に正座して、呼吸を整えてから。
おれ「んとな。嫁、毎日ありがとう。
仕事で疲れてるのに、毎朝弁当つくってくれて、
夜は洗濯物を干してくれてありがとう。
美味いメシをつくってくれてありがとう。
おれといてくれてありがとう。
おれの両親を大切にしてくれてありがとう。
お前と一緒になって、おれは毎日本当に楽しくて幸せだ。
これからも、あと100年くらいはよろしく頼む。
嫁、愛してる。ずっと仲良くしていこうな」
実際はこんなに上手に言えなかったけど、
だいたいこんな事を言った。
嫁も「ありがとう。オレさん、ありがとう。
嬉しい!嫁ちゃんもオレさんを愛してます。
至らない嫁だけど、これからもよろしくお願いします」
みたいなことを言ってたと思う。
というのが、嫁は泣きそうなのを我慢してたから。
きっと泣いちゃうのより、
楽しく笑って祝うほうをとったんだろうと思う。
涙声で「きゃっほーい」とか言いながら花束を花瓶に生けて、
自分の隣に置いてた。
その後は特に抱きついてチューだとか
その場でもげたなんてこともなく、
ビデオに録っておいた今日の料理ビギナーズ見ながら
食事をしながら普段と変わらないバカ話。
いつもニコニコしてる嫁だが、心なしか
普段より機嫌がいいように思えるのは旦那の欲目か達成感か。
今現在、嫁はお風呂に行ったが、
花束を花瓶ごと嫁の寝室に持ち込んだみたいだ。
「オレさんがくれたお花眺めながら寝るナリー!」だって。
喜んでくれたならよし。
こんな感じでおれのパルプンテは終わった。
劇的な効果はなかったので、諸先輩がたのような
スペクタクルを期待した向きには申し訳ない。
でもやっぱりおれは嫁と結婚してよかったと、ほんわり思えたよ。
報告終わり。長くなってしまって申し訳ない。
おまえら全員にパルプンテの加護がありますように!
□ □ 4 □ □
昨夜、洗い物をしている妻を後ろから抱きしめて、言ってみた。
振り向いた妻は、びっくりしたように大きな眼を益々大きくしていた。
しばらく俺の顔を見つめていたかと思ったら、ぼろぼろ泣き出した。
俺何か悪いこと言ったか?と、思っていたら、
妻が俺にしがみ付いて、私もと小さな声で言った。
あんまり可愛かったので、そのまま抱き上げベッドに運んだ。
俺47歳、妻40歳、まだまだ熱いです。
ここ2ヶ月くらい、レスっぽかったから、ここ見て勇気出して言ってみてよかったです。
□ □ 5 □ □
愛してる、なんて絶対恥ずかしくて言えないと思っていたが、
昨日決行しようと決意した。
でもそんな日に限って残業で1時過ぎの帰宅。嫁は起きて待っててくれた。
遅すぎる夕飯はいつもより豪華で、「これどーした??」と聞くと、
「あなたの帰りを待ちながらいろいろ作ってたら、こんなに多くなっちゃった」と嫁が言う。
ポトフとか白和えとか炊き込みご飯とか、消化にやさしくて夏バテ予防になるようなメニューで、
俺嬉しくって言うならいましかない、と思ったけどいま一歩勇気がでずムニャムニャ…
そうこうしてるうちに嫁が眠そうになってきた。「もう寝よっか」なんていうから、俺「ヤダ、駄目」
それで、「こうやって家に帰って、○○とゆっくり過ごす時間がいちばん大事なんだ。だからまだ寝たくない」
って言った。嫁が照れた顔で微笑む、よし次は「愛してる」だ、と息吸った瞬間、
「○○くん、愛してる」
って嫁に言われた…俺も愛してるって言ったことないけど、嫁から言われたこともない。
俺すげびっくりして、でも嬉しくて、ぱにくってたら、嫁の目に涙。
「なんか言ってみたくなったの。そしたら涙でちゃった」って…
「俺もいま、愛してるって言おうと思ったんだ」って言ったら、当然そんなの二番煎じで、
ホントにぃ~?みたいな顔された。
でも、愛を伝えようと同時に思っていたことに感動した。ていうかモジモジしてねーで、
スパッと言うべきだったな。
ふたりの初めての「愛してる」をまさか嫁に先に言われるとは思ってなかった。
□ □ 6 □ □
嫁さんが風呂入ってる間に結果報告。
仕事がかなり激務でいつも夜遅くなる俺を待っていてくれて、
元気つけてくれる嫁さんに感謝の意をこの機会に伝えよう!
と思ったので帰りしなにイヤリングをプレゼントに買って帰宅。
(ちなみに今日は7時頃帰れた)
ドアを開けたら嫁さんが飛び出してきておかえりのキス。
晩飯は俺が一番好きな料理の豚の角煮を手間かかるのに
作って待っていてくれた。
ウマイ料理に舌鼓打ってる俺を
ニコニコしながらずっと見詰めてるもんだから
なんか嬉しいけど尻がムズムズする感覚を味わったよw
食後に
「俺と結婚してくれてありがとう。
いつも苦労かけてごめん」
って言いながらプレゼント渡すと、ボロボロ泣きながら
抱きついてきてこっちもちょっと泣きそうになってしまった。
そのまま二人ソファーでいちゃいちゃしながら
思い出話に花を咲かせていました。
なかなか恥ずかしくて、「愛してる」って言葉も
感謝の気持ちもあまり言わなかったけど
口に出して言葉にする事がこんなに良いことだなんて
思いもしなかったよ。
□ □ 7 □ □
さっき言ってきた
十数年ぶりに
忘れもしない結婚三年目のある日に
本当になんとなく夕食を食べながら愛してると言った
だが妻は
「浮気でもしたか?」「欲しい物があるのか?」
と疑い、そうじゃなくただ言いたかっただけと言っても
「怒らないから正直に言ってみろ」と譲らない
まず疑うことから入った妻に腹が立ち、呆れ果てた私は
「もういい。俺が何を言っても疑うだけなら
もう金輪際絶対に愛してるなんて言わない」
と宣言した
それから十数年、誕生日も結婚記念日もクリスマスも
本当にその台詞を使わなかった
意地になってたんだろうな
そうこうしてる内にあの宣言をした時には
まだ小さかった娘が来週高校入学かと考えていたら
何だか無性にあの台詞が吐きたくなった
本当に「言いたい」ではなく「吐き出したい」というような感覚だった
だから朝食を食べ終わり
食器を台所で洗物をしている妻へ持っていった時にすれ違いざまに
「愛してる。今までも、これからも。」
とだけ言って食器を置き、脇目も振らずに着替えに行った
少しの後、妻が私に飛びついてきて
ありがとう、ごめんなさいだけを繰り返してた
今日はいつに無く妻の機嫌が良い
天気も良い
花見に行き、コーヒーでも飲んでくる
□ □ 8 □ □
昨日嫁の誕生日だったから言ってみた。
さすがに「愛してる」なんて言えなかったから
安物だけどサプライズのプレゼントと一緒に
子供の前でギュ~と抱きしめて
「パパとママはラブラブなんだよ」と言ってみた。
長女7歳は「イヤ~ン」と変な声を上げて照れくさそうにニヤニヤしていた
次女3歳は嫉妬に駆られて訳の分らん悲鳴を上げて
ポカポカと俺の背中やお尻に攻撃をしはじめ
一時家中が騒然となったのには笑った。
□ □ 9 □ □
半日ほど前、ちょっと言ってきた。
俺25、嫁30。嫁は仕事の元上司。なお、俺が現在自宅勤務兼主夫。
馴れ初めは入社式ン時に嫁の胸に飛び込むというエロゲ展開www
未だに敬語が抜けきらんが、まあ、親にもこんな口調だしいいか……と思ってるがどうなんだろう。
/
昼飯の準備中だった。俺もちょっと手伝って、で、テーブルに向き合って座って、
俺「(嫁)さん」
嫁「何?」
俺「今日は何の日か知ってますかよ?」
嫁「? 分からない」
俺「教えてあげますから、ちょっと耳貸して」
嫁「? ……はいはい」
テーブルから身を乗り出してくる嫁の耳元に、こう、ッ囁いてみた。
俺「あー、」
詰まる俺。しかし言わないというコトも一度決めた以上できないので言った。
俺「愛してるょ……嫁さん」
よは本当に小さくなったが大意は伝わりきってしまっているのでもうアレだ。
嫁「……は? 何を今更www」
俺「酷っw」
無表情を装ってる嫁の耳の赤さが忘れられねぇw
□ □ 10 □ □
風呂上がりでまったりしてる嫁さんに、真顔で
「愛してる」
と言ってみたら、無言無表情でそのまま外に出て行ったのだが(´・ω・`)
で、さっきから隣の畑で耕す音が聞こえてくるのだが((((;゜Д゜))))
■
さすがに気になったので、様子見に行った。
俺「いきなりどうしたー!」
嫁 ( ゜д゜)ハッ!
嫁さん、俺の姿を見た途端、何事もなかった様に、ツルハシを器具庫に片付けて
「汗かいたから」と言って、風呂へ入っていった。呆然とする俺を引きずってw
お互いさっぱりした後、寝所でいちゃこらしながら聞いてみた。
嫁「嬉しすぎてどう表現したらいいかわかんなったから、とりあえず耕してみた」
俺 ( Д ) ゜ ゜
嫁を強く抱きしめて「次からは、素直に喜びを表現して良いから、奇行は勘弁してくれ」と言ってみた。
嫁「ごめんね・・・私も、○○さん愛してるからね、世界中の誰よりも」
の言葉を最後に、寝ちゃった(´;ω;`)
さて、今日は嫁の大好きなずぼら焼き(白あん)でも買ってくるか。
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