”嫁に愛してると言ってみた”【12】『立派な母親』など全10話

”嫁に愛してると言ってみた”【12】『立派な母親』など全10話 嫁に愛してると言ってみた

 

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嫁に愛してると言ってみた【12】

 

□ □ 1 □ □

 

お盆で帰省して親戚一同集まってさ
そしたら嫁は一番年下で若いのに、子どもたちのことまとめて面倒みてるのよ
本来なら愚痴スレにでも書き込みそうなほど酷い有様だったんだけど、
嫁は文句ひとつ言わずに子どもたちの面倒みてた
子供は3歳とか4歳なのに、母親より俺の嫁大好きになっちゃって
俺も懸命に子供の相手しててさ、でもやっぱり嫁にはかなわない
なんだろうな、子供って柔らかくて温かい女性が本能で好きだよな
俺がいくら相手しても「お姉しゃまがいいー!」って嫁引っ張りだこ
なんか久々の長期休暇なのにさ、子供にとられたみたいで嫉妬しちゃって
家に帰った後、ベッドで寝不足の身体を休めてる嫁に言ったんだよ
「嫁のことが大好きだ。一番愛してるのは俺だけだ」
そしたら嫁、起きてたみたいで、はぁーと大きなため息をついた後言ったんだ
「それがどうしたの? きみが私を好きな以上にきみのこと愛してるけど?」
言われた瞬間、俺の中で涙腺崩壊した
「ごめんな、ごめんな、守れなくて、大変な思いさせて」
「きみがあんなに育児熱心だとは思わなかった、私が来て欲しいって思った時、ちゃんと来てくれた
私は自分が母親になれるのか、ずっと不安だった
けど、きみとなら、ちゃんと責任をもって子育てできる」
嫁は子供はまだいいと言ってたけど、そんな不安を持ってるなんて知らなかった
嫁は俺以上に思慮深くて、責任感が強くて、色々抱えてたんだと知って情けなくなった

その後すぐ、無事に赤ちゃんを授かった
嫁の腹でスクスクそだった赤ちゃんはかわいい女の子だ
嫁に愛してると伝えた日から一年、嫁は赤ちゃんの手を握り、幸せそうな顔をしたまま二度と目を覚まさなかった

今年、娘が嫁の命日に彼氏を連れて帰ってきた
結婚するんだ、一番にお父さんとお母さんに聞いて欲しくて、一番に報告に来たんだよ
って
あぁ、俺と嫁の育児は、無事に終わったんだ
娘達と墓参りに行って伝えてきたよ
「嫁は立派な母親だ、ありがとう、いつまでも愛してる」と

 

□ □ 2 □ □

 

なんとなく空気がうわついてる今なら、
多少恥ずかしい台詞も許されるだろう
ということで、クリスマスイブの夜言ってみた。

嫁さん、自分で買ってきた良くわからない名前の高価なコーヒー飲みながら、
お茶請け用に俺が作ったケーキがすごく美味しいと嬉しそうに笑うんで、
まずはちょっとふざけて

「そりゃまあ、しっかり愛がこもってるからねえ」

「また、そんなこと言っちゃって」

これでなんとなく雰囲気ができたような気がしたので、
ほんとだよって、付き合い始めてから今の今までずーっと愛してますよって、
茶化さずに真顔でしっかり言ってやると、猫舌な嫁さん、マグカップのコーヒーを
執拗にふーふー吹きながらまた嬉しそうに笑った。

「知ってる。ずーっと前から知ってる」

一瞬、それだけですか?今のはちょっと恥ずかしかったのに、とか思っていたら、
嫁さん今度はテーブルにマグカップ置いて

「私も、初めて好きだって言った日からずーっとずーっと大好き。愛してる」

で、またマグカップ両手で包んで執拗にふーふーと。

いまさらだが、もしかして目合わせられないほど照れてるのか?と気付いたら、
なんだか俺の方も心拍数上がっちゃったので、どもりながら”ありがとう”なんて言いつつ、
ケーキの残りを切ってくるとかなんとか言い訳してキッチンに逃げて、深呼吸した。

よく考えたら愛してるなんて真剣に言ったの初めてだわ
嬉しかったけど、これ言う方も言われる方も恥ずかしいな、やっぱり




 

□ □ 3 □ □

 

今日、買い物行った時に言ってみた。

買い物の時にちょっと抜け出して、ハートの形のネックレス買ったんだ。
嫁がハート好きだから。

それを隠し持って買い物終了。
車に戻って策略開始。

俺「あれ?顔に何か付いてるよ?ちょっと、目、つぶってごらん?」
素直に従う嫁。
隠し持ってたネックレスを嫁につけてそのままキス。
嫁「な~に?(///)いきなりw」
俺「いつもありがとう。お前がいつも笑っててくれるから俺はすごく幸せだよ。本当に愛してる。」
そこでもう一度キス。

嫁「・・・・・・・・・・。」
しばらく黙ったまま下向いてる。
何かに気づいて顔を挙げる。
嫁「・・・これ?」
なきながらネックレスを掴んで一言。
俺「いつものお礼。それとこれからもお願いってのもこめてね!」
嫁「ありがとう!」
叫びながら抱きついてくる嫁。
そこで号泣。

 

□ □ 4 □ □

 

昨日妻の誕生日なので言ってみた。
仕事帰りに花屋で簡単な花束を作ってもらい帰宅。
キッチンで忙しそうに晩ご飯の用意をしていたけどその場で花束渡しながら
俺「いつもありがとう。愛してるよ。」
妻「ありがとう。とりあえず涼しいところにおいとくね」
料理作るのが一息ついたところでうれしそうに花瓶に生けてました。
俺「今日はボジョレーの解禁日だからそっちの方が良かったかな?」
妻「ボジョレーは美味しいと思えないからもったいないよ。やすくても口にあったワインのほうがいいから。」
ワインの好きな妻はバブルの頃金融機関に勤めていて会費○万円の試飲会にも良く行っていたらしい。
今は千円もしない安ワインにお気に入りがあって時々俺が三本くらい買って帰るととても喜んでくれます。
ほかの報告者のようにドラマチックでもないけどほのぼのと幸せを感じた夜でした。

 

□ □ 5 □ □

 

嫁は猫と仲良くて、よく話しかける
今日は○○があったよーとか、眠いねーとか
当たり前だが同じ部屋にいるとそれは全部聞こえるわけだ
だから嫁がくつろぎ始めたころを見計らって猫を利用して言ってみた

俺「なあ猫」
猫「・・・(チラリと俺を見る)」
俺「ずっと言えなかったんだが」
猫「・・・」
俺「嫁のことすげー好きなんだよ、・・・あ、愛してるんだ」
猫「・・・」
俺「・・・ほ、本当だぜ」
猫「・・・(あくび)」
俺「・・・(チラリ、嫁の様子をうかがう)」

嫁はフツーの顔してテーブルに肘をついてこっちを見てた
俺「(´Д`;≡;´Д`) アレ?反応ガナイ・・・!?」

で、ちょっとして嫁が動いた

嫁「猫、猫、おいで(フツーの顔)」
猫「ニャー(嫁のところへ行く)」
嫁「猫、猫、聞いた?聞いた?(にやにやし始めるw)」
猫「ニャー(嫁が抱きあげる)」
嫁「うふふー、今俺さんが私のこと好きだってー愛してるってー」
猫「ニャー(嫁がもふもふ)」
嫁「猫、猫、いーでしょー、羨ましいー?」
猫「ニャー(もふもふ)」
嫁「そーお?羨ましいでしょー、でも俺さんは私のだからだめよー」
猫「ニャー(もふもふ)」
嫁「でも大丈夫よー、猫愛してるー、俺さんも愛してるー」
猫「ニャー(もふもふ)」
嫁「俺さん、俺さんうふふー(おいでおいでされるw)」
俺「・・・ナンデショウカ(恥ずかしくて声が出ないw)」
嫁「俺さん愛してるよー、うふふー(頭なでなでされるw)」
俺「・・・オレモアイシテマス(片言w敬語ww)」

だいたいこんな感じでしたw

俺は今日がエイプリルフールなの忘れてて
夜飯食ってるときに嫁の顔見つめながら
俺「○○愛してるよこれからも一緒に仲良く暮らそう」
嫁「は?喧嘩売ってんの?」
俺「へ?なんで?」
嫁「エイプリルフールだから嘘ってことでしょ?」
俺「エイプリルフール関係なく言ったんだけど・・・」
そしたら嫁しばらく黙った後、顔真っ赤にしながら
嫁「も、もう一回言って!!」
俺「疑ったからやだ」
そしたらしょぼーんとしながら飯食ってたから
食い終わって一緒にテレビ見てる時に
俺「ねえ○○」
嫁「なに?」
俺「愛してるよ」
とたんに嫁顔真っ赤になりました

 

□ □ 6 □ □

 

去年から計画してた作戦を昨日決行してきた。
小遣い少ないからコツコツと小銭を貯金して、嫁の欲しい物をコソコソと探り、足マッサージ機をギフト日時指定、嫁宛てでネット注文した。
当日、仕事終わって即帰宅。
帰宅後嫁と夕飯前にのんびり談笑。自宅前にトラックの停まる音を確認して話を切り出す。
俺と結婚してくれてありがとう。
安月給のくせに家買って、嫁にパートさせて、苦労させてごめん。
不甲斐ない俺だけど、これからもよろしく。
愛してるよ。

嫁は口開けて呆然としてたが玄関の呼び鈴で我に返り、ちょっと待っててと慌てて玄関へ。
荷物を受け取り、配達員がドアを出たのを確認して嫁を後ろから抱きしめ、誕生日おめでとうと言ったら嫁が泣き崩れた。
落ち着いた嫁と夕飯を食べて、久しぶりに一緒に風呂に入った。
布団に入ると、私も愛してると言ってくれた。

 

□ □ 7 □ □

 

結婚三年目 俺28 嫁25 小梨
ちんたらフリーターしてる時に付き合って、同棲。
そのまま出来婚ではないけれど、なし崩しのようなずるずるした感じで結婚したので
好きはともかく、愛してるなんて言ったことなかった。
ちょうど先日14日が付き合いだした記念日だったので(月は違ったけど)
花屋に注文して、嫁の好きな薔薇をありったけ
色いっぱい揃えてブーケにしてこっそり宅急便で送ってやった。
祝日で俺家にいて、ちょうどふたりで晩飯支度中にピンポーン。嫁受け取る。
「なんであなたから宅急便が来るが?」
「開けてみ」(・∀・)
箱開けて嫁絶句。いや、言葉を失う瞬間を本気で初めて見た。
カードに「5年前の8月の今日、なんの日だったか覚えてる?」って書いといた。
耳まで真っ赤になってる俺をパッと見上げた嫁の顔も、目も、真っ赤だった。
「いっつもありがとう。嫁に出会えたが、ほんまによかった。愛しちょうよ。」
「・・・えー、うそー・・・ざまに嬉しい(とても嬉しい)ありがとう。」
すごく照れくさくなって、玄関で二人して座り込んだままギュッと抱きしめてしまった。
多分俺の方が先に泣いたと思う。
嫁、これからもよろしくな。




 

□ □ 8 □ □

 

昨日、ついに言えた!

付き合い出す前に、共通の友人達と出雲大社に行ったんだ。
あそこ、縁結びの神様(らしい?)だから。

で、その2ヶ月後に俺達は付き合う事になった。

それから3年後、プロポーズ。
恥ずかしかったから、家でゴロゴロしながら「・・・結婚しようか?」みたいに。

今は幼稚園に入ったばかりの5歳の息子がいる。

気付けばもう8年以上も一緒にいる。

喧嘩も沢山した。
俺の転職で妻には心配や迷惑もかけた。
最近では「夫・妻」じゃなく「パパ・ママ」の関係。
元々そんなにラブラブじゃなく、友達の延長みたいな距離感だったけど。

で、昨日、出雲大社に行ってきたんだ。
今年は60年に一度の式年遷宮(※詳しくはググってくれw)の年だから。

そして、8年ちょっと前の「お礼参り」もしたかったんだ。

俺達は元々、神社・仏閣を見るのが好きだったから、妻は大いに喜んだ。

地元福岡を朝4時に出発→高速に乗り、到着は昼の11時過ぎ。

子供は俺の実家に預けて行った。
(息子と同年代の従兄弟がいるから、息子は喜んで実家に行ってたw)

で、いざ参拝。

2礼4拍手→お礼・お参り→1礼。
妻と一緒になれたお礼や息子が幼稚園に入った報告、家族・友人の健康、これからの未来・・・。
多分、長々と3分くらいは拝んでた。

で、顔を上げると、妻はまだ手を合わせてた。

それから、出雲そばを食べる為に店の行列に30分程並ぶ。

そして、再び福岡へ帰る。

その日は、結婚前の、無邪気だった嫁に戻ってたよ。

帰りの高速で、疲れきってウトウトしてる嫁。

なんだかふんわりとした幸せな時間・・・。

目を覚ました嫁に、「今日 長いこと拝んどったけど、何のお参りをしたん?」
と聞くと、「そんなん教えんよ/// ・・・まぁ縁結びのお礼はしといたよ。」
とニヤける妻。

・・・今しかねぇ。 やるなら今しかねぇ!!

俺の中で、敬愛する長渕剛がそう叫んだ。

俺「あのさ・・・智子・・・」
妻「んー?」

「今までありがとうね。
喧嘩もよくするけど。
いつでも俺の後ろで笑っててくれて、俺は胸張って仕事に行けてる。
仕事で失敗しても、家に帰るとお前がいてくれる。
お前は、こんな頼りない俺と結婚して、正直失敗したと思っとるかもしれん。
でも俺は、本当に幸せよ。
お前は、俺の残りの人生全てを賭けても、俺が絶対幸せにするけん。
今はもうお互い30代やけど、60年後、また式年遷宮、いこう。
・・・真実味が無くなるけん、一回しか言わん・・・今までずっと言いたかったんやけど、愛しとうよ。」

・・・言えました。

うちの嫁さ、結婚式でも泣かなかったし、映画やドラマでも泣きゃしない、強い女だと思ってた。

でもさ、号泣してたよ。

で、「後悔なんてしてないよ!昔も今も幸せなんやけん!!こんなぐうたらなあたしを捨てんどってね!絶対よ! あたしも一回しか言わんけん!愛しとうよぉぉくぁwせdrftgyふじk!!!」
って言ってくれたよ。

二人で途中のPAで泣きながら抱き合って仮眠しましたww

俺、本当に幸せです!
言ってよかった!

 

□ □ 9 □ □

 

ちょっと喧嘩して嫁が俺の実家に行ってたんだが
今日帰ってきてくれて、
俺が休日出勤からコンビニ弁当買って帰ったら
湯気の立ってる料理が並んでて、嫁は無表情でこっち見てる
思わず抱きしめて
「ごめん、ありがとう
もう絶対こんなことにはならないようにするから
愛してる、絶対離さない」
って言った
恥ずかしいこと言ったと思いながら嫁をクンカクンカしてたら
「私だって怒ることあるんだから
私のこともっとちゃんとわかって
今回ばかりは私は謝らないから」
って泣きながら言われてしまった

とりあえず2人が落ち着いてからご飯食べて色々話してた
今嫁はシャワーしてる

コンビニ弁当は嫁が、こんな物!こんな物!!って言いながら食べてた

 

 

嫁の実家とは絶縁状態なんだ
嫁も俺の両親もえらく気が合うらしくよく電話してる
母親と娘で接せられて嫁は嬉しいらしい

おかげで今回、実家まで嫁追いかけて
行こうとしたら母に止められてな

 

□ □ 10 □ □

 

結婚3年、俺・嫁共に24・子無し

少し遅めのインフルエンザで会社を休んでいる俺を
必死に看病してくれる嫁に「うつるといけないから」という事で
俺に触ったら手を洗うように言った
現にクリニックで勤める俺は製薬会社が持ってくる試供品の
簡易消毒薬をもらっては家に置いているのだが
嫁はそれを使っている気配が無い
俺は「マジで頼むよ、君にまで倒れられたら大変なんだよ」と
少し強く言ってしまった
そうしたら嫁は少し泣きそうな顔で
「辛そうな顔を見るくらいなら、私がインフルエンザを貰ってあげるのに!」
なんて事を言うもんだから、俺は涙を零しながら嫁を抱きしめて
「本当にすまない…、早く治すよう善処するよ…。本当に愛してる」と言った
嫁は「〇〇がいなかったらその看病すらできないもん…、私も愛してるからね」と嫁も涙していた

これがつい3日前の話、今は大分良くなって起きてられるようにまでになった
過去のレスを見ると嫁が泣くことは珍しくないことみたいだが
男が泣くケースはほとんど無いんだろうなぁ…
俺って泣き虫で情けないとつくづく思うw
昼間寝てたから寝られない・・・_| ̄|○・・・

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