泣ける話『バケツの水をぶっかけた』など 短編5話 – 実話 体験談まとめ

泣ける話『バケツの水をぶっかけた』など 短編5話 - 実話 体験談まとめ 泣ける話

 

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泣ける話 短編5話

 

本心からの「ありがとう」

パットともゴルフともまったく関係無い話なのですが・・…
昨日「新潟豪雨」の被災地にボランティアでお手伝いしてきました。
社長命令で社員全員(小さな会社ですが)が行きました。最初は嫌々でした。
ニュース映像を見ているだけでは実際の大変さはわかりませんね。
初老の女性が涙を流しながら僕らの泥だらけの手を握り締めて
「ありがとう、ありがとう」って。
本心からの「ありがとう」を久しぶりに聞いた気がしました。
明日は月例だったのですがたった今キャンセルしました。
これから再び被災地に行って来ます。連休はそこで過ごすつもりです。
着なくなったTシャツやポロシャツ持って。
被害の甚大な地域は洋服なんていくらあっても足りません。
偽善者と思われてしまうかもですが実際にアクションを起こせない方々でも
ハートの中にそんな火を灯せて頂きたいと痛烈に思い書き込みしました。

 

スポーツエリート

オーストラリアの乾いた大地を疾走するトラックの車内。

「ところで相棒、バックミラーにかかってるこの銀色のメダルは何なんだ?」
「いや、ちょっとしたお守りみたいなもんさ」
「おい、ちょっと待てよ。これ、本物の銀じゃねえか!」
「そんな目で見るなよ。昔、あるスポーツの大会でもらったのさ。そう、俺はオリンピックに出たんだ」
「オリンピック? 冗談よしてくれ。あれは選びぬかれたスポーツエリートだけが出られる大会だろうが。
お前みたいに一日中トラック転がしてる奴がどうやってオリンピックに出るんだ?」
「それもそうだよな、ハハハ。」
「わははは」

しかし、遠い地平線を見る運転手の青い瞳には、ある一日の光景が焼きついていた。
ありあまる資金で高級ホテルに泊り、薄ら笑いを浮かべながら会場に現れる東洋人の球団。
彼らのほとんどが一年で一万ドル以上を稼ぐプロの選手だという。

若いオージー達は燃えた。そして、全力で立ち向かい、ぎりぎりの勝利を掴みとったのだ。
たいていの人間が野球というものを知らないこの国では、誰も彼らを賞賛しなかった。
しかし、胸の奥で今も燃え続ける小さな誇りとともに。

今日も彼はハンドルを握り続ける。

ばあちゃんのぼけ

ばあちゃんのぼけは日に日に進行してゆき、次第に家族の顔もわからなくなった。
お袋のことは変わらず母ちゃんと呼んだが、それすらも自分の母親と思い込んでいるらしかった。
俺と親父は、ばあちゃんと顔を合わせるたびに違う名前で呼ばれた。

あるとき俺がお茶を運んでいくと、ばあちゃんは俺に
駐在さんご苦労様です、とお礼を言って話しはじめた。

「オラがちにも孫がいるんですけんど、病気したって見舞一つ来ねえですよ…
昔はばあちゃん、ばあちゃん、てよくなついてたのにねえ…」

そう言ってばあちゃんが枕の下から取り出した巾着袋には
お年玉袋の余りとハガキが一枚入っていて、よく見てみるとそれは
俺が幼稚園の年少のとき敬老の日にばあちゃんに出したもので、
「ばあちゃんいつまでもげんきでね」なんてヘタクソな字で書いてあったものだから、
俺はなんだか悔しくて悔しくて、部屋を出た後メチャクチャに泣いた。

 

バケツの水をぶっかけた

中学一年生の英語の授業の時。とある男子が、普通に授業を受けてて急に立ちあがったそうだ。
そして、走っていきなり教室を出ていった。教室は騒然。しかしすぐにその男子生徒は戻ってきた。
水がいっぱい入ったバケツを持って。
そして、その男子生徒の前の女子生徒にいきなりそのバケツの水をぶっかけたらしい。
英語の教師は激怒したらしい。廊下に呼び出し男子生徒を責めたんだと。

廊下に出て行き、何故そんなことをしたんだと怒鳴りつけても下を向いて黙ったまま。
それでその教師は職員室に連れていって、他の先生をゾロゾロと連れていって、怒鳴ったり
叩いたりしても口を空けず黙ったまんまなんだと。
で、男子生徒の担任はもう呆れて、親のところへ行くぞと脅し気味に言っても言わない。
結局親のところに行って、母親と父親に話しても、黙ったまま。次の日電話親に電話をしても
何も話してくれなかったという。
結局何日も尋問は続いたらしいけど、何も答えず黙ったままだったらしい。
で、仕方なくその事はそのままにして、2年がすぎ、彼が三年生になった時、ソイツの父親の仕事
のせいで、大分に引っ越さなきゃいけなくなったんだと。で、転校する前日、担任がソイツ呼び出して
「お前明日大分行っちまうんやから、2年前、なんでバケツで水ぶっかけたか教えてくれ」
って聞いたんだと。

そしたら、その男子、ためらったあげく、結局話したらしい。
で、その理由ってのが

「その日、朝からその女の子、調子が悪かったんです。ガクガク震えてて、様子がおかしかったんです。
で、その時、その子を見たら、顔は見えないけど、とりあえずイスの下から何かが滴れ落ちてたんです。
オシッコを漏らしてたんです。だから俺はそうするしかなかったんです」

 

レスキュー隊員

父親がレスキュー隊員だった。
自分にとって父ちゃんは誇りだったけど、危険な仕事だって分かってからは
仕事に行く父ちゃんに縋りついてわんわん泣く子供だったらしい。
でも、父ちゃんは「父ちゃんがお前や母ちゃんのことが好きなように
父ちゃんが助ける人たちにも、大好きな人がいるんだ」ってよく言ってた。
誰かを助けるたびに、自分が助けられてるような気がしたって。
だから、頑張って欲しい。がんがれ。新潟のレスキュー隊超がんばれ。
誰かを愛してる誰かのために、超がんばれ。

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