【優しい話】『いただきます・ごちそうさま』など短編10話【8】 – 心温まるちょっといい話 まとめ

【優しい話】『いただきます・ごちそうさま』など短編10話【8】 - 心温まるちょっといい話 まとめ 優しい話

 

スポンサーリンク

優しい話 短編10話【8】

 

 

1

先日スーパーで買い物をして店を出て歩いてたら
「お~い」とオレを追っかけてくる人が。
さっき隣で詰めていた土方風の怖そうなおっさん。

「忘れてるで」と食品をひとつ手渡してくれた。
「どうもすみません。ありがとう。」と受け取って袋に入れた。
人は見かけで判断しちゃいけないな。

まあ、オレが買ったものじゃなかったんだけどね。

 

2

出先で階段から落ちて膝を強打した。
痛いし恥ずかしいしで、とにかく家に帰ろうと
乗ってきた自転車のところまで行ったら
隣にとめてあった自転車が倒れこんでて
ハンドルが自分の自転車の車輪のとこにガッチリはまってた。
足が痛いから引き抜くにもどうも力がはいらなくて取れなくて
半泣き状態だったところにゴッツイ男性が登場
「どうしたの~???☆」って
えっと、なんていうんだろうおネニイさん?
外見どおりだけど柔らかい話し方からは想像もつかないような腕力で
自転車をはなしてくれて、何度もお礼を言う自分に
「いいのよ~♪」ってしなやかに去っていった。

自分が自転車をはなそうとしていた時、何人も通り過ぎて行って
私もそれが普通だと思ってたし、自分でなんとかしようと思ってたし。
でも、助けてもらって嬉しかった。
本当ありがとうございました。

 

3

ファミレスの窓際に座っていた高校生~大学生くらいのカップル
男「あ、雨降ってきたよ」
女「雨!あ!**んちお洗濯干してるよ!」
男「電話してあげな、電話!降り始めたばっかりだよ!」
女の子が携帯で電話し始める。どうやら窓から見える友達の家の窓に洗濯物が干してあるらしい。
女「あ、**?お洗濯!!お洗濯を中に入れて!雨だから!雨が降ってきたから!」
そしてふたりで窓の外を見つつ「頑張れ!!頑張れもうちょっと!あとひとつ!あ、お母さんがお布団も入れてる!頑張れ!と応援。
悪いかなと思ったけどちらっと窓の外を見てみたら、200mくらい離れた家に電話しているらしい。
どうやら全部終わったらしく、ひと仕事終えたような満足そうな顔の女の子。
女「あ、**?お洗濯全部頑張ったね!」

放置された電話に向かって応援してたんかいw
ちょっと吹いた。電話を切ってから「走ってお手伝いに行った方がよかったかな?「そうだね…」
落ち込むなw絶対間に合わない距離だからw

 

4

そんなにたいそうな出来事ではないけど、
例えばちょこっと何かを教えてあげたりしたとき、友人はいつも「ありがとう」と言ってくれる
メールでも、一通目になくても二通目で「送り忘れてたありがとう」と来る
会話の時にはじっとこちらの目を見て話を聞いてる
食事の時には手を合わせて「いただきます」「ご馳走様」、
食ってる最中は美味しそうな幸せそうな表情、
会ったときの挨拶、別れるときの「じゃあねー帰り道気をつけてね」
重くなく軽くもなく、誠意のこもっている「ごめんね」
すごく自然かつ滅茶苦茶当たり前なことだし、最初は重たく感じてたけど、何だか最近癒されてる

 

5

スーパーのレジでバイトしてるんだが、
こないだ近くのレジで会計してた大学生ぽい男が小銭落として遠くまでいっちゃった。
本人は気にせず支払いしてるんだけど、その後ろに並んでた女の子とおばさんがすごい気にして探してる。
結局使ってないレジの下にもぐりこんだようで、
落とした本人が会計終えた後そのレジ担当のバイトがレジ台動かして拾った。
レジのバイトとおばさんは女の子が落としたと思いこんでいたようだが、女の子ははにかんで
「わたしじゃないんですけど……」と言い男を示した
バイトが男に小銭を渡し、女の子とおばさんはにこにこ笑い合っていてかわいかった

女の子もおばさんも会計を終えてしばらくした後、女の子がまたやってきてうろうろしている
俺は何だろうと思い見ていたのだが、レジのバイトが会計を遮って
「お客さま!鍵をお忘れでしたか?」だって。
女の子は「そうです!自転車の……」といって鍵を受け取り、またにこにこ顔。
なんか萌えた。みんないい奴、いい子だった。

 

6

あるバス屋の朝の出来事

「もしもし…はあ、バスに忘れ物をされたのですか、お待ちください」
無線を取る司令「100号車どうぞ」
「はい100号車です、忘れ物ですか?」
「はいそうです、熊のぬいぐるみなんですが」
「はい、100号車にありましたので保管中です」
「了解」

「もしもし、忘れ物はバスにございます、バスは折り返しで
××のバス停に居りますので、そちらでお引渡しできますので」
司令「100号車どうそ」
「はい100です」
「忘れ物、取りに向かうそうです、空車でしたら出発を遅らせてください」
「了解、他のお客様おりません、出発遅らせます」

5分後「100です、お客様見えません」
司令「仕方ありません、出発してください、ぬいぐるみは次に××に向かう
200号車に折り返し地点で渡してください」
「了解」

「こちら150です、××に(違う出発点から)到着しました
お母さんと子供さんのお客様、バス停に見えてます
先の便はやむを得ず出発し、×時×分着の200号車が
ぬいぐるみを持ってくるとお伝えしました」

司令「了解」

15分後
「200です、100から受け取った熊のぬいぐるみ
お客様に手渡しました」

司令「了解、お世話様です」

相変わらず連携いいなあ、うちの会社

 

7

今日のお昼、雨の止み間に傘を持たずに近所のスーパーへ歩いた。
途中雨が降ってきて、あ~あと思っていたら、
前から来た知らないおばちゃんが「傘持ってく?」と自分の傘を差し出してくれた。
大丈夫ですありがとうございますって断ったけど、
なんか今日一日ニコニコが止まらない。

 

8

俺と兄貴は一回りほどじゃないが年が離れてて、誕生日が一緒。
ちょっと前にお互い誕生日を迎えた時に、兄貴からのメール。

「誕生日おめでとう。お互い結構年をくってきたものだな。
飯はちゃんと食ってるか?困った事があったらいつでも言え。
たった二人きりの家族だ、助け合っていこう。
たった二人きりの兄弟だ、これからもよろしくな」

両親は兄貴が中学、俺が小学校入った位の時に事故で他界した。
それから兄貴は父であり母でもあった。
兄貴がいたからこそ、兄貴だったからこそ、あの過酷な毎日を乗り越えられたと思う。

俺がいっぱしに食える様になれたのは、兄貴のおかげだ。

 

9

午後の講義が休講になったから、サークル部屋に行って寝てた。
そん時は誰もいなかった。
2時間くらい寝て起きたら、「うわっ」と声が出たくらいいっぱい人がいた。
なんでも、皆私が寝てるのでドアの開け閉めにも気を配り(外から見える)、
静かに寝かせておいてくれたそうだ。
ありがとう、みんな。

 

10

去年、国内のとある離島に彼と2泊3日の旅行にいったときのこと。
初日に彼からの突然のプロポーズをされ、感激で泣きながらOKした。
二日目にホテル内のバーで飲んでいたら、若いマスターと仲良くなり、昨日プロポーズされたと話した。
するとマスターはそのバーにいるお客さんに私たちのことを話し、お客さん全員に「おめでとう」と言ってもらえた(そのあとにお祝いのカクテルまでいただいた)。
前夜飲みすぎてべろんべろんの状態の三日目。
ホテル内のコンビニ前でアイスを買ってベンチに座りながら食べていたら、
突然立ちはだかる二人の見知らぬ姉弟。
「なんだ?」と思っていると、
姉「せーっの」
二人「コングラッチュレーション!!!」
と声を合わせて叫んでくれた。
近くには前夜にバーで一緒になったお客さんの一人がいた。
お孫さんだと思う。伝えてくれたんだなー。
でもあまりにびっくりして、「ありがとう!」をちゃんと笑顔で言えたかも覚えてない。
とにかく二人で感謝の言葉を連呼した。
すごくすごくうれしかった。
びっくりしすぎてアイス落としたけど。

帰りにはバーのマスターとホテルのねーちゃんが友達として空港まで見送りにきてくれた。
旅行地で誰かに見送られるのが初めてだったからすごくうれしくて、鼻水たらして号泣しながら飛行機にのった。
「お前汚いよ」
って言った彼氏の目もうるうるだったw

コメント

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました