【優しい話】『自転車のチェーン』など短編10話【5】 – 心温まるちょっといい話 まとめ

【優しい話】『自転車のチェーン』など短編10話【5】 - 心温まるちょっといい話 まとめ 優しい話

 

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優しい話 短編10話【5】

 

 

1

数年前、小学校低学年の息子と自転車でファミレスに行った。
入り口に中学生か高校生ぐらいの柄の悪い男の子が数人たむろってて
感じ悪かった。
食事も終わり外に出るとまだいた。
やだなーと思いつつ帰ろうとしたら息子の自転車のチェーンが外れてしまった。
今まで直した事もないしどうしようかと四苦八苦してたら
男の子達が「どしたんすか?」と来て「あ、俺やりますよ」って一人の子が直してくれた。
「いいよー悪いし。」とか言ってたんだけど周りが
「こいつ自転車屋だから大丈夫っすよ」「俺一応プロなんで任せてください!」
チェーンを触るから手が真っ黒になってしまっていたので詫びたら
「いいっす。こんなの慣れてるんで。気をつけて帰ってくださいね。」
お礼にジュースでもおごろうかと言ったが頑なに断られた。
息子とお礼を言って帰ったけどみかけで判断してごめん。と思った。

 

2

こないだ子供と公園でボール遊びしてたんだが、息子が明後日の方向に蹴り飛ばして近くの川にぽっちゃん。
息子はフェンスにかじりついて泣き出したので、仕方ないと諭していると
すぐ近くの工事現場の作業員の人が「どうしました?」って声かけてくれた。
事情を話すと「あ、あれですね。ちょっと待っててもらえますか」って戻っていって
ハシゴでもあるんだろうかって待ってると、ショベルカー持ってきた。
んでバケツ部分にもう一人が乗って、アームを下ろしてボールを回収。
たかがボールの為にわざわざ申し訳なく恐縮してると、
「この機械は人を便利にする為のもんですから」と言ってまた仕事に戻っていった。
本当に有り難かった。
それ以来、息子は重機のミニカーに凝る様になってしまった。

 

3

電車を乗り換えるときに定期を落として、
走り回って探しているときに気付かずに鞄から落ちた折り畳み傘を拾ってくれた人。
落とした定期を届けてくれた人。
また別の日に定期を落として、改札前で止まっていたら拾ってくれていた人。

東京も捨てたもんじゃないなと思った。

 

4

昔の話だが、10歳ぐらいの時にイタリアンジェラートとか言うアイス屋で、
小遣い叩いて200円ぐらいのカップアイス買ったら、財布から小銭を出す時に手を滑らせて落とした
その当時の小遣いが月600円か700円ぐらいだったから、あまりのショックと恥ずかしさに涙目になったわ

どうにか気を保って支払いをし、落としたアイスを拾って、ティッシュで床を拭いてたら、
近くの席で座ってクレープ食べてたカップルが、「ちゃんと床拭いて偉いねぇ」とか言ってくれて優しかった
落としたけど見知らぬ人に褒めてもらえたからもういいやと思って、
拭き終わってからお釣りを受け取ろうと顔を上げたら、お姉さんが凄く良い笑顔で同じアイスを差し出してた

え、でも一個分しかお金払ってないし・・・と言ったら、クレープ担当のお姉さんまで一緒になって、
お金の事は気にしないで、どうぞと言って差し出してくれた
今度は落とさないように財布をカバンにしまってから受け取って、ありがとうとお礼を言ったよ
みんな優しかったから、結局うれし泣きしながらアイスを食べた

 

5

小学校上がったくらいのころの話。

家で弟と留守番してたら、焼いも屋さんが通りかかった。
いつもお母さんが家にいるときは、焼いも食べたくてもスルーされていたので、
弟とふたりきりだったし、今日はお姉ちゃんらしくごちそうしちゃうぞ!と思って
あわてて飛び出してって焼いも屋さんを捕まえた。
あとから追いかけてきた弟と並んで、単価を聞くつもりで
「ひとついくらですか?」と聞いたら、焼いも屋のおじちゃんはどうやら
私がなけなしの貯金をはたいて焼いもを一個買って弟と分けると思ったらしい。
で、ニコニコしながら「50円だよ」と一本を新聞紙に包んで渡してくれた。
二本買おうと思っていた私は呆然。
おじさんは私がニホン、と言う前にニコニコしたまま去ったのであった。

帰宅したお母さんにこのことを話し、
「いっこ50円だったら100円で2コ買えたよね?私ちゃんとお金持ってたのに」とふくれてみせたら、
お母さんは爆笑していました。

 

6

うちにいるデブ猫を飼いだしたのは、夜中に血まみれで道路の真ん中でジタバタしていたのを
仕事帰りに通り掛かった俺が近所の動物病院に連れこんだのがキッカケだった

夜中の流れの速い道路の真ん中にいたら、轢かれて死ぬのは目に見えていたので
とりあえず道路の端にでも移動させようと車を停めた
実際に近くで見ると結構出血していて重症っぽかった
置いておくわけにもいかず、抱き上げて車に乗せようとすると、
これぞ肉食獣!という感じで歯を剥き出しにして俺を威嚇しまくり抵抗した
トランクにあった毛布をバサっとかぶせて包み、助手席の足元に置くとぐったりしてあまり動かなくなった
素人目にもこれはヤバいと思い、うちの近所にオープンしたての動物病院があったのを思い出し
警察に捕まったら確実に免許が無くなりそうな走り方をしてその病院に急いだ
自宅兼動物病院に着き、呼び鈴を連打すると若い女の人(奥さん)がインターホンに出て
少ししてパジャマ姿の若い院長先生が目をこすりながら出てきた
ぐったりと抵抗もしなくなった猫を車から降ろし検査をしたところ、後ろの両足が折れ尻尾が潰れていた
左足は骨が突き出し、そこからかなり出血していた
車に撥ねられたようだった

一日おき位に様子を見にいくうちに情が移り退院後は俺が引き取る事になった
2ヶ月経った退院の日、動物病院は恐ろしく高いと周りに脅されていたので
「何十万請求されるんだろ?まさか100万以上なんて事無いよな?」などとビビりながら迎えに行った
退院後の注意事項を聞いて薬を貰い、会計の時、言いにくそうに言った若い院長先生の一言は鮮明に覚えている
「う~ん・・・じゃあ・・・2ヶ月なので・・・2万円貰えますか?」
しばらくは何が2ヶ月で何が2万円なのか理解できなかった
全部で2万円と理解した後、驚いた俺は正規料金を払わせてくれと粘ったが、結局2万円しか受け取ってくれなかった

現在もデブ猫はその先生が大嫌いなようだ
予防注射などで病院に行くたびに「ハァッ!」と先生を威嚇して「そんなに嫌わないでくれよ~」と先生と助手の奥さんを苦笑いさせている
初めて連れて行った頃は、すぐ潰れんじゃないかと心配になるほど患者が少なかったけど、今はいつ行ってもメチャメチャ混んでいる

 

7

昨年の夏、横浜に用事があり電車に乗った時の話です。
途中、乗り換えで見知らぬ駅で降りたのですが、乗り換えの路線の行き方がわからずオロオロ。
時間に余裕も無かったのでかなり焦っていました。
その時、おじさんが声を掛けてくださり、ご丁寧に乗り換えの路線の行き方を教えて下さいました。
今思うと、はためから見てどんだけ困ったツラしてたんだ私は、なんて笑えてきますけどw
本当に有り難かったです。
そのことを機に、今度は私が困っている人を助ける番になろう、と心に強く誓いました。
そして昨年冬、電車の中で何人かの人に駅の乗り換え法を尋ねているおじさんがいました。
尋ねたものの誰も分からず、困っているようでした。
話を聞くからに、私と降りる駅が一緒だったので、そのおじさんとは5メートルくらい離れていましたが席を立ち、声を掛け乗り換え法を教えました。
と、そこまでは良かったのですが、私が席に戻って暫くしたら、そのおじさんがこっちにやってきて私の隣の空席に座り、暫く世間話をしてから
「私は資本金100億円の会社の社長だ」と始まり、
「私の秘書にならないか」などと言う始末。
よっぽど私が、無知のお人好しに見えたんでしょうね。
人助けをするのにも人を選ばないといけないな…と、とても悲しく感じました。
でも、懲りずに人が困っていたら助けようと思います。
あの時のおじさん、本当にありがとうございました。

 

8

もう何年も前の話しです。ある大雪の日の朝、帰宅途中に車が横滑りし始めてしまい、道端の小さな焼肉屋の駐車場の、入り口に入りかけたところで止まりました。
幸い後続車も歩行者もいなかったので事故にはなりませんでしたが、タイヤが空回りしてしまい、前にも後ろにも進めない状況でした。
困り果てて辺りを見回すと、焼肉屋の入り口に雪掻きが立て掛けられていました。タイヤのまわりの雪を除けば何とかなるかもしれない、あれを借りよう!と店に近づくと、ドアが少し開いてます。
声をかけてから借りようと思いドアを開けると、電気もついてないし、人の気配もありません。でも無断で借りる訳には…と思い、すみませーん!と何回か呼ぶと、店の奥からおじさんが出てきました。
理由を話して、雪掻きをお借りできますか?とお願いすると、わざわざ出てきて下さって、『こりゃあ雪を除いたくらいじゃ動かないよ~。俺が前を持ち上げるから、バックでアクセル踏みなさい』と言って、小さな体で一生懸命持ち上げてくれました。
すると通りかかった男性がおじさんを手伝い始め、さらに車で通りかかった男性もわざわざ車を降りてきて、持ち上げるのを手伝って下さいました。
皆さんのおかげで数秒で車は動き始めました。お礼を言わなきゃ!と車を降りようとしましたが、皆さんあっと言う間にその場を立ち去っとしまったので、窓を開けて『皆さん、ありがとうございます!』と大きな声で言いました。
きっと一生忘れない出来事です。あの時のおじさん達、本当にありがとうございました。

 

9

オレが駅の前で人待ちをしていた時の話し。

ひとりの女子高生が駐輪場に入って行ったところ、そこで彼女の自転車も含め7,8台が
将棋倒しになっていることに気付いた。すぐさま自分の自転車を引き起こした後 、
少し立ち止っていた。・・・と次の瞬間、なんとその娘は倒れている自転車を
1台1台引き起こし始めた。エライなーと感心してたが、その直後に意外な展開
になった。

買い物袋を抱えたババアがその娘に近づき「あんた何してんのよ!!買った
ばっかりなのよっ!!まったく勘弁座くぁwせdrftgyふじこlp;@:」
とファビョりやがった。女子高生は「いや、あ、あの・・・」と反論したげだった
が、ババアの勢いに押されて身を縮めていた。
「まったく、近頃の若い子はどうゆう神経してるんだか!」
と捨て台詞を吐いて ババアは立ち去っていった。彼女は目が点で呆然と立ち尽くしていた。
おいおいっ、なんだそれ!?だが、あっとゆう間 の事だったし、
その娘の知り合いでも何でもないのに声をかけるのも違う感じがしてオレは
何も出来なかった orz   反省。。

だが、本当に驚いたのはその後で、ふぅと大きく深呼吸をした後、
なんとその娘はまた 自転車を起こしはじめたんだよ。
で何も無かったように去って行ったワケだ。
・・・もう 2度と会う事もないだろうその娘を思い返すだけでこみあげてくる。

 

10

京都の桂離宮へ行こうとして道に迷った。
犬を連れて散歩してた女の人に聞いたら教えてくれた。

で、教えてもらった道を急いでいたら
さっきの人が自転車に乗って戻ってきて
「あそこは予約制だったけど、大丈夫??」って。
それを言うためにわざわざ自転車で??!
すごく嬉しかったです。
あのときはありがとうございました。
時間にも間に合いました。

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