『体が弱い女の子』など短編5話【45】 – 感動する話・泣ける話まとめ

『体が弱い女の子』など短編5話【45】 - 感動する話・泣ける話まとめ 感動

 

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感動する話・泣ける話まとめ 短編5話【45】

 

 

花火の見えるマンション

母は、僕を女手一人で育てた。
僕の幼かったころに、亡くなった父は、マンションの10階を母に残した。
そのマンションからは、夏に花火をみることができる。

父と母が過ごした街の花火。
毎年花火の時には、窓際にテーブルを移動して、母と一緒に父を偲んだ。
花火はいつもきれいで、母はうれしそうだった。
父は、母に素敵なものを残したなっと思った。

でも、それは長くは続かなかった。
僕が高校の時に、うちのマンションの前に、もっと高層マンションが建設されたのだ。
僕は、景観が悪くなるなぁって、思ってた。

その年の花火の日、いつものように、テーブルを移動して準備してた。
花火みれるかな?って、心配だった。

花火みれなかった。見事にマンションで見えなくなってる。
音だけの花火。
あんなに悲しそうな母の横顔を見たことがない。

僕は、母を連れて、川辺に歩いていった。
母と見上げた初めての花火。

父さん、心配するな。これからは僕が母さんを笑顔にする。

 

 

母の日に何か贈る

妹に「母の日に何か送らないの?」といわれた。
社会人になってはや数年。
母の日に何か贈るなんて、小学校の授業参観以来。

たまには送ってやるか、と思ってネットで華を配達できるサーヒスをみつけ、
カーネーションを送った。

数日後。

母からのメール
「涙が出ました。花束とメッセージ、ありがとう」

たいしたことないって。
メッセージなんて、何種類か用意されているのを適当に選んだだけだから。

「忙しいでしょうに、そのこころづかいがうれしいです」

ネットで頼めるんだよ。5分もかからないよ。

「この花、押し花にして大事にするね」

そんなことせんでいいよ!
来年もまた送ってやるからさ!

 

 

体が弱い女の子

なんかスィーツwノベルにありがちな事なんだが

小さい頃から夏休み冬休み春休みになると田舎の婆ちゃんちに預けられた俺
近所に体が弱い女の子がいてさ、その家と婆ちゃんは付き合いがあったから、その子ともよく遊んだ
中学生の頃からその子の事を意識しだして、告ろうと決意したんだ
で、ちょっとカッコつけて電話で
夏休みになってそっちいったら大事な話があるって言っておいたんだよ

告ったの彼女のお墓の前だけどな
なんであの時、その場で言わなかったんだ、なんであの時寂しそうな返事に気づいてあげなかったんだって半泣き
トドメに彼女が残した俺宛ての手紙に大好きと書いてあって俺号泣

今でもまだ独身です

 

ラーメンと母ちゃん

今日珍しく俺は母ちゃんを外食に誘った。

行き先は昔からよく行く馴染みのラーメン屋だった。
俺は味噌大盛り、母ちゃんは味噌並み盛りを頼んだ。
「昔からここ美味しいのよね」って、柄にもなく顔にシワよせて笑ってたんだ。
ラーメンが出来上がると、俺も母ちゃんも夢中で麺をすすってた。
あんまりにも母ちゃんがニコニコしながら食べてるもんだから、俺もつられて笑っちまったよ。

しばらく経って、ラーメンを食い終わった俺はふと母ちゃんの方を見たんだ。
ラーメンの器に浮かぶチャーシューが一枚、二枚、三枚・・。そのチャーシューを捲ると麺がまだ沢山余ってた。
母ちゃんは俺の方を申し訳なさそうに見て、「ごめんね、母ちゃんもう年だから。ごめんね」と繰り返してた。
「んなもんしゃーねーべ」と言うと、俺は母ちゃんの残したラーメンをすすった。

そういやガキの頃、よく無理して大盛り頼んで、結局食べきれなくて母ちゃんに食ってもらってたっけ。
いつの間にか立場も逆転。あんなに若かった母ちゃんの顔も今じゃシワだらけで、背丈も頭一個分違う。

そのシワの数程今まで散々迷惑掛けたんだろうなって思うと、悔しさと不甲斐なさで涙が出てくる。
母ちゃん、こんな俺を今まで育ててくれてありがとう。
俺、立派な社会人になるわ。

 

 

持ってこなきゃよかった

中学の頃の話です。
私は当時太っていて、お世辞にも可愛いとは言えませんでした。
ところが、隣のクラスのサッカー部のかっこいい男子になぜか告白され、お付き合いすることになったんです。

私たちの交際はすぐに学校中の噂に。
「なんであの二人が付き合ってんの?」
「○○くんならもっと可愛い子と付き合えるだろうに…」
などと言われるようになり、私はすっかり自信をなくし、学校では彼を避けるようになってしまいました。

そんな状況の中で迎えたバレンタイン…。
友達の励ましもあり、付き合っていた彼にチョコを渡そうと思いました。
でも、またバカにされるから誰にも見られたくない…。
私は、薄暗い自転車置き場で彼の部活が終わるのをこっそり待っていました。

しかし、そこに現れたのはうるさい男子2人。
私を見るなり、
「お前…何やってんの?」。
「○○を待ってるわけ?あいつ、さっき可愛い後輩からチョコ渡されてたぜ。○○は絶対あの子に乗り換えるよ。早く諦めたほうがいいぜ~(笑)」

私は、その場で泣きそうになりました。
「こんなチョコ、持ってこなきゃよかった…」と思いました。
チョコを捨ててもう帰ろうと思いました。

と、その時。

彼が走ってきて、その男子を思いっきり蹴飛ばしたんです。
「てめェ、何をべらべら喋ってんだよ!!俺が誰かに乗り換えるって言ったかよ!?ふざけんな、俺の好きな女を傷つけやがって!!」
彼はさらにその男子のカバンを地面に叩きつけました。

私は、彼のあの行動に本当に救われました。
それまでは「彼は本当は私のことなんか好きじゃないかもしれない…」と思っていましたが、そんな不安も一気になくなりました。
ただただ嬉しかったです。

…まあ、その後彼は生徒指導の先生につかまってしまったので結局チョコは渡せなかったんですが。(笑)
暴力には反対ですが、気持ちは本当に嬉しかったです。

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