『遠足と食べかけのお茶菓子』など短編5話【59】 – 感動する話・泣ける話まとめ

『遠足と食べかけのお茶菓子』など短編5話【59】 - 感動する話・泣ける話まとめ 感動

 

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感動する話・泣ける話まとめ 短編5話【59】

 

 

あなたらしく

高校時代に付き合って彼女が口癖だった言葉
「やらないで後悔するよりやって後悔したほうがいいんじゃない?」
別れた後も何故か手紙のやり取りはしていた

でも、ある時からぱったりと手紙は届かなくなった
忙しいのかなぁ?なんて勝手に思っていた
しかし、最近高校時代の同級生から聞いてしまった
元カノは2年前に白血病で亡くなったと……
享年20歳だったそうです。どうやら病室で病と戦いながら
手紙を書いてくれたそうだ

もっと早く知っていれば良かった
何で教えてくれなかったのか?
そう考えるととても悔しいし悲しい
でもあいつが生きれなかった分オレが生きなきゃダメだ
この先真っ暗だけど進まなきゃ
挫折もあるだろうけど立ち止まったら彼女に言われてしまう

「やらないで後悔するよりやって後悔したほうがいいんじゃない?」って

彼女からの最後の手紙にこう書いていた

「たくさんの思い出をありがとう。高校3年間で見つけた宝物……それはあなたです
愛する事が上手な男性になってください。
いつまでもあなたらしく……笑うことを忘れないでね?
あなたの人生はこれからです!あなたなら出来るよ
自分の『生』を精一杯輝かせてください
あなたは私の理想のど真ん中だった。こんな出逢いはもうないでしょう」

あいつからの手紙を久々に読み返して号泣してしまった
そして決めた
もう後ろは振り向かない。
オレは自分の信じた道を行く
オレの背中を押してくれてありがとうな。
おまえの分まで生きて笑って幸せになります

皆さんも立ち止まっちゃダメだよ。
恐れるものはなにもないんだから
時間と共に前に進めばいい
きっとこの先には自分の信じた未来が待っているから

Just be as you are
~あなたらしく生きてください~

 

 

チロちゃんが死んだ

アナタが死んでから2週間経つね。
まだみんなチロちゃんが死んだコト受け止めてないみたい。
床にご飯が落ちたらアナタは一目散に食べに来てたね。
だからかな、まだみんなご飯が落ちるとチロって名前呼ぶんだよ。
それであっいなかったねって笑うの。

2週間前のあの日、私は友達と遊んでた。
そしたら、チロちゃんが死んだってメェルが来た。
私は笑ってみんなにチロちゃんが死んだコトを告げた。
そしたらみんななんて言ったと思う??
チロちゃんは幸せ者だねって、こんなに悲しんでくれる家族がいるんだもんねって。
なんで分かってたのかな。
あ、いつもチロちゃんの自慢ばっかりしてたからかな。
みんなの前で大泣きしちゃった。

ねぇ、チロちゃん。
アナタは幸せだった??
決して裕福じゃない家に引き取られて、
安いご飯しかあげられなくて、ちゃんとした小屋もなくて、
ダンボールで作った小屋で寝て、
病気だってわかってても病院に連れて行ってあげられなくて、
それでも幸せだった??

私はねすごくすごく幸せだったょ。
チロちゃんに出会えて、一緒に暮らせて、一緒に遊べて、ホントにホントに幸せだったよ。

チロちゃんはちゃんと天国に行けた??
きっと行けたよね。
だって私達家族にこんなに与えてくれたんだもん。
お金じゃなくて、名誉じゃなくて、目には見えない両手じゃ抱えきれない程の大きな愛を。

今チロちゃんに言いたいことは、サヨナラじゃないよ。
だってこうやって9年間も一緒に居たんだもん。
またどこかで会えるって信じてるから。

だから、あえてこう言います。
9年間ホントにありがとう。
また会える日までひとまずお休みなさい…。

 

エスパーな君へ

ねぇエスパーな君
いつもタイミング良すぎるよ

しんどい時に限って連絡くれたりする
いつも、メール返してくれないのにさ
こういう時に連絡くれるなんてズルいよ
エスパーだから分かるのかな
いつも
いつも
君には笑顔をもらってばかりだよ

ねぇエスパーな君
あなたの事諦めようと決めた時に、期待させるような言葉かけないでよ
諦めれられないじゃないですか
ますます好きになっちゃうじゃないですか
どうしてくれるのですかフった女に優しくしないでよ
いい男過ぎるでしょ
そっかエスパーだもの
上手い具合に、私の心よんでるのでしょ
ズルいなぁ

ねぇエスパーな君
どうしてそんなに優しいのですか
フったからですか
どうしてそんなに笑いかけてくれるのですか
期待するじゃないですか
これ以上好きにしてどうするのですか
タイミングよく、欲しい言葉をくれる君は凄いよ流石エスパーだね
君になにも返せてない自分が悔し過ぎるよ

ねぇ誰よりも優しい君へ
人のことばかり考えてる君へ
自分を大切にして下さい
自分本位になって下さい
自分の為に、そのエスパー能力を使って下さい
幸せに君はなれるんだよ
だってエスパーだもの

どうか、私に使わないで下さい
気にしなくていいからさ
気にかけなくていいからさ
幸せになってください

幸せになるんだよ
幸せになってたくさん笑って下さい
愛してます

 

 

火葬場に棺おけが入る瞬間

俺が小学5年のとき親父が死んだ

過労死ゆえの朝の出勤途中に死んだ
親父は最期バスを途中でおり病院を求め、まだ開いていない小児科に駆け込むと同時に事切れたそうだ。
たまたまバスで一緒だった部下がなぜ気づかなかったのかと母と俺の前で泣いて詫びた。

前日遅くに帰ってきたから俺は前日の親父の顔を見てない。
一昨日の屋根の雪降ろしで親父の頭に雪を投げて怒鳴られた顔が最期の思い出だ。
相撲の大巨人大内山のことを話してくれた。

親父とずっと喧嘩してて口を半年以上聞いてなかった姉は親父の死を聞いて卒倒した。
今まで家事など手伝いもしなかった姉が葬儀の準備や片付けは率先して行い、眠りもせずに準備した。
学校の友達が葬式に来てくれて「ウス、元気だせよ」と言ってくれた。

火葬場に棺おけが入る瞬間すべてがよぎった。
あれが走馬灯なんだと走馬灯ってのは走ってるときには見えないんだと。
走り終わって何か感覚的に感じるものだと。
火葬場の職員が機械に点火し、棺おけが入っていく。
姉と母は泣きながら抱き合っていた。

俺は叔父の手を振り払い、機械の入り口に駆け寄り
「ありがとうございました!・・・・・11年間育てていただきありがとうございました!!!うっうっうっ」
そのまま火葬場から走って近くの森で号泣した。
人が死ぬときはいつも雨か寒い冬

 

 

遠足と食べかけのお茶菓子

小学生の頃、母親が入院していた時期があった。
それが俺の遠足の時期のちょうど重なってしまい、
俺は一人ではおやつも買いに行けず、
戸棚にしまってあった食べかけのお茶菓子とかをリュックに詰め込んだ。
そして、夜遅くオヤジが帰宅。

「あれ・・・明日遠足なのか」と呟き、リュックの中を覗き、しばし無言。
もう遅かったので、俺はそのまま寝てしまった。

次日、リュックを開けて驚いた。
昨日詰めたおやつのラインナップがガラリと変わっている。
オマケのついたお菓子とか、小さなチョコレートとか・・・
オヤジ、俺が寝てからコンビニ行ったんだな。
俺、食べかけの茶菓子でも全然気にしてなかったんだけどさ。

あの時、オヤジがどんな気持ちでコンビニへ行ったかと思うと、
少し切なくなる。

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