『20年も音信不通だったあの子』など短編5話【79】 – 感動する話・泣ける話まとめ

『20年も音信不通だったあの子』など短編5話【79】 - 感動する話・泣ける話まとめ 感動

 

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感動する話・泣ける話まとめ 短編5話【79】

 

 

産んでくれなんて頼んだ覚えは無い

私が中学生くらいの頃、ちょうど反抗期真っ最中だった。

私は母と些細な事で喧嘩になり、母から
「そんな子に育てた覚えはない!」
と言われました。
売り言葉に買い言葉で
「産んでくれなんて頼んだ覚えは無いよ!」
とつい言ってしまいました。
お前なんて産まなきゃよかったくらいの言葉が返ってくるかと思ったのに、
母は私のその言葉を聞いてから黙ってしまい、返事をする事はありませんでした。

それから月日は経ち、私が大学入学する時に戸籍抄本を大学に提出しなくてはいけなかったので、役所に取りに行きました。
その戸籍には「養女」の文字が・・・
私は父と母の本当の娘ではなかったのです。

そんなこととは全く知らずに、あの日言ってしまったあの言葉。
悔やんでも悔やみきれませんでした。
養女だと知ったとき、私は全くショックは受けませんでした。
むしろお父さん、お母さんの子として育った私って、なんて幸せなんだろうと
胸がいっぱいになったのを良く覚えています。

おかあさん、あの日はごめんなさい。
私を本当の子以上に大切に育ててくれた事、感謝しています。
私も自分の子供たちに、母が私に注いでくれたような愛情で育てたいと思います。

 

 

金庫のドアを開けた

三年前に親父が死んだんだけど、ほとんど遺産を整理し終えた後に親父が大事にしていた金庫があったんだよ、
うちは三人兄弟なんだけどおふくろも死んじゃってて誰もその金庫の中身を知らなくてさ
とりあえず兄弟家族みんな呼んで、その金庫をあけることにしたんだけどこれがまた頑丈でなかなか開かないんだよ。
仕方ないから鍵屋を呼んで開けてもらうことにしたんだけど、なかなか開かなくてさ
なんとなく俺たちは子供の頃の話を始めたんだよ、親父は昔からすごい厳格で子供の前で笑ったことも一度もなくて旅行なんてほんとにいかなかった
子育てもお袋に任せっきりで餓鬼の頃はマジで親父に殺意を覚えたよ

んで、一番下の弟が、そういうわけだからしこたま溜め込んでるんじゃねえか?
みたいなことを言い出して、その後に真中の弟も親父が夜中に金庫の前で
ニヤニヤしながらガサガサやってんのを見た とかいったから
俺もかなり金庫の中身に期待を抱いちゃったんだ
んで、そのときに鍵屋がちょうど「カギ、開きましたよ」といったから
ワクワクしながら金庫の前に行き、長男の俺が金庫のドアを開けたんだ

そしたら、まず中からでてきたのは、古びた100点満点のテストなんだ
それをみた一番下の弟が「これ、俺のだ!」といって俺から取り上げたんだよ
次に出てきたのは、なんかの表彰状、すると次は次男が”俺のだ”といいだして
その後にネクタイが出てきたんだ、見覚えがあるなあと思って気がついて叫んじゃった
「あ、これ俺が初めての給料で親父に買ってやったネクタイだ」
その後に次々と昔の品物が出てきて、最後に黒い小箱が出てきたんだよ
その中には子供の頃に家の前で家族全員で撮った古い写真が一枚出てきたんだ
それを見た俺の嫁さんが泣き出しちゃってさ、その後にみんなもなんだか泣き出しちゃって、
俺も最初は、なんでこんなものが金庫のなかにあるのかが分からなくて
なんだよ、金目のものがねーじゃんとか思ってちょっと鬱になってたんだけど
少したって中に入っていたものの意味が理解できたとき、その写真を持ちながら肩震わして泣いちゃったんだ。
人前で初めて本気で号泣しちまったよ

そこで鍵屋が、きまずそうに「あの、私そろそろ戻ります」とかいったんで
みんなが、はっとして涙をにじませながら「ありがとうございました」
このとき、俺は親父がどんなに俺たちのこと想っていてくれたかと
さっきまでの自分が金目当てで金庫を開けようとしたこと
子供の頃に親父に反感を抱き、喧嘩ばっかりしたことが恥ずかしくて仕方がなかった
親父は金よりもほんとうに大事なものを俺たちに遺していってくれたと思っている

 

もうちょっといっぱい会いたい

俺さあ中三から高三まで付き合ってた彼女がいたのよ
中三の冬、「同じ高校行こうね!」とか言っててブサイクの彼女(・∀・)ニヤニヤしてんのw
そしたら俺だけ受かって彼女落ちてんの
泣いたね、彼女と一緒に合格発表の掲示板の前で号泣した。

高校に入ってブサイクの彼女痩せようと思ったらしく水泳始めやがったw
腹ブヨブヨさせて必死に泳いでんのw
別々の高校だし俺もサッカーやってて忙しかったから実際見たわけじゃないけどw
お互い忙しくてたまにしか会えなかったけど楽しかったね
会うたびに彼女どんどん痩せてて可愛くなってんのw

高校三年になり彼女が今度は同じ大学に行こうとか言い出した。
俺は高校であまり勉強してなかったから彼女より成績悪かったけど
頑張って勉強したよ、死ぬほど勉強した。

1月になり受験間近って頃、彼女と会ったら風邪ひいてんの
「まだ十分脂肪付いてるから、すぐ治るだろ?」みたいにからかって笑い合ってたんだけど
それから5日後、彼女の母親から突然電話があった。
インフルエンザから肺炎を併発して彼女が死んでしまったらしい

俺は半ば信じられなくて病院に走った、必死に走ったよ。
病室に着いたら彼女の家族が集まってみんな泣いてた。
俺は彼女が死んだのが実感できなくて、その時は泣けなかったんだよね。

葬式の日、彼女の家に行くと彼女の母親に「ちょっと来て。」って呼ばれたわけよ
彼女の部屋に母親と入ったら彼女の遺品が机の上に置いてあった。
その中に手帳があったから開いて見てみたわけよ
そしたらあんまり上手くない字で
「○○と同じ大学に行く。」とか「○○から可愛いって言われるためにあと5キロ痩せる。」
「もうちょっといっぱい会いたい。」とか書かれてんの
泣いたね、そして死ぬほど後悔した

何で腹がブヨブヨのお前でも好きだったと言ってやれなかったのか、とか
もうちょっと時間作って会っとけばよかったと
声にならないほど声を出して泣いた。
涙何時になったら枯れんのよ?って程泣いた。

あれから10年経ったけど未だにあの頃の事を思い出す
俺は半年後結婚する事になったが彼女は祝福してくれるだろうか。

 

 

知ったかぶりで生活指導

我が家の一人娘は、顔どころかオツムまで両親に似てしまい中学生になった
途端ガクッと成績が下がり始めた。
こりゃいかんと塾に入れるも塾の授業も分からないと泣きつかれる始末。
旦那と話し合って家庭教師を頼むことに。

やってきたのは大学生の先生。
おっとりした女性で娘もすぐに懐いた。
親としてはせめて平均点にと思っていたのだが、何と学年30番に入った。
本人もびっくり。
先生に夫婦でお礼を伝えると
「いやいや娘ちゃんが頑張ってたので。私は見守りだけなので。」と。
だけど先生が来てから娘はなんというか勉強の要領が格段に良くなった。
おまけにお手伝いもしてくれるようになった。
前はブーたれてたのに。

娘に聞くと
「大学生になるとねー人暮らしになって、ママのやってるお仕事も一人で全部やんなきゃいけなくなるから予習のつもりでお手伝いしてた方がいーよって先生が言ってた。」と。
もう何というか感動した。

週2回に増やして欲しいと娘もやる気になっていたので、先生に契約変更をお願いすると、お断りされてしまった。
先生は医学部で看護を専攻してらっしゃるのだけど、将来色々な職業の患者さんと接することを考えて週一で色んなバイトを掛け持ちしてるんだって。
工事現場のバイトや警備のバイト、飲食店や本屋、果ては農家のお手伝いまでそりゃもう幅広く経験してた。

「知ったかぶりで生活指導なんてされたら、私が患者ならムカつきますからね。
その仕事のキツさとか特徴とか身を以て学んでみたいなと思いまして。
女だから断られる仕事も多いですけど、大分私もしつこいので。拝み倒しました。」

と仰るので何で家庭教師もしてるのか聞くと

「小児の患者さんで、学校を長期間休むと親御さんも本人も勉強の遅れを心配なさるんですよ。
院内学級とかもあるんですけど、少しでも勉強教えられたらいいかなって。甘い考えですけど。」って。

娘は感動して、勉強頑張って先生と同じ大学にいきたいって言い始めた。
そんで早速2人で部屋に篭って勉強してた。
娘のやる気は持続して、ついに学年一桁に順位を上げた。
旦那も私も心配になるくらい頑張って、県内有数の進学校に入学。
そこでも勉強頑張って、なんと宣言通り先生と同じ大学に合格。

先生が大学院に進学したので高校卒業まで面倒みて貰えたのが幸いした。
うちは本当に先生に恵まれたけど、他所の家庭はやる気のない大学生ばかり派遣されて散々だったらしい。
もしもうちに派遣されたのがあの先生じゃなかったらと思うと少し怖い。

にしても看護の教科書ってお高いのね…。
タイムリーに少し家計が修羅場よ。

 

 

20年も音信不通だったあの子

出会いは俺21 、相手は18歳
北海道のとある田舎町
路駐してクルマを降りたオレを向かい側の喫茶店の窓から見かけて一目惚れされ、そのあとニコニコしながらオレのクルマを追う彼女。
面識ない人だし、ヤンキーっぽい風貌だし、ちょっと怖かった。
友達と合流してから、その子のクルマを停めてなんでオレは追われてるの?って聞いたら
『名前、〇〇っていう人でしょ?カッコイイね!』なんて言われてしまい気になる存在に。
とは言えオレに付き合って3年の彼女がいて、さらに彼女の実家で同棲中。
相手も付き合ったばかりの彼氏がいた。
でも隠れてこっそり会った。
オレのこと大好きオーラ全開で、いつもニコニコしてくれてた。
それでもお互いやりたい盛りの年齢だったけどキスしかしなかった。
二人で朝の公園を手を繋いで散歩した。

出会いから2年経った頃、突然その子は街を出て東京に行ってしまった。
オレもその1ヶ月後には同棲中の彼女と入籍。
最初の嫁との結婚生活はお互いの浮気で離婚。
その後何年も女遊びも激しく、遊びでした女が妊娠し堕ろすんだろうなあと思ったら産むと言うんで仕方なく結婚。
隣町に買い物に行くのにクルマで例の上京した子の家の前を通る度、元気にしてるのかなー?幸せになってんのかなー?今どこにいるのかなー?と気にしていた。

今から2年前の夏。
仕事が終わって帰ったら嫁から離婚を切り出された
好きじゃないから離婚届にサイン。
女なんていらない 信用できない 一生一人でいいわーってなってた。

そうやって1年会社と家を往復するだけの生活をしてたある日。
Facebookのmessengerに何件か通知があることに気づく。
名前を見て思わず 嘘だろ!!と声が出た。
20年も音信不通だったあの子からだった。
『元気ですか?名前見つけて懐かしいので送っちゃったよ』って。
でも日付を見ると昨日今日届いたものじゃなく3年半も前だった。

そこからは展開が早かった。
LINEで夜中2時3時までやりとりしてた。
お互い仕事があるのに寝る時間が惜しかった。
電話で話すようになり、Facetimeで顔見て話すようになり、長期の休暇を取って東京に会いに行ったのは連絡取り合うようになってから9ヶ月経った頃。
二人でいろんなとこに旅行して思い出作った。

長年働いた会社を辞めて上京することを決意。
9月に入籍。
10月には新しい嫁が地元に帰ってきてクルマに家財道具積んで北海道から運転して嫁の住む家に引越し。
11月頭、嫁の体調が悪いのが続き、もしやと思ったら妊娠発覚。

今は幸せだなあと思う。
嫁とは笑いあって生活してる。
21歳と18歳で出会い 寄り道して43歳と40歳で結婚。
運命ってあるよ。

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