田舎の伝承『鬼猿・食猿』など全4話|怖い話・不思議な話

田舎の伝承『鬼猿・食猿』など全4話|怖い話・不思議な話 田舎

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田舎の伝承|怖い話・不思議な話

 

十和田湖

 

十和田湖って知ってる?
十和田湖で泳いだり、クワガタ好きの俺は十和田湖周辺はでかいオオクワガタが採れる事で有名で、
初夏にワクワクしながら1人自炊車泊旅行に向かった。

湖はめちゃ透明度が高く、暑かったから湖に飛び込んだ。
かなり深い湖底を見た時パニックになって溺れる所だったが、
足元にでっかい丸太みたいなのが俺を浮かせた挙句、浅瀬に運んでくれた。
マジで千と千尋の神隠しのハクみてーな蛇が、反射する湖面から見えた時鳥肌だった

近くの漁師に、ネッシーみたいな感じの十和田湖で聴いたりします?って聞いたら、
地元の人間に、湖でクネクネした灰色の竜神様が5月にワカサギの群れを追っかけるのを見た人もいるらしい。
で、その後に、「竜神様は見た人間の一番嫌いな奴を殺すんだ」って言われて、
色々あって恨んでいた母親を考えたら泣きたくなり、助けてと願いまくってた。

ちなみに一泊もしないで帰った嫌な旅行だった。

連休明け会社に行く朝に、母親が倒れたって連絡が来た。
アレだって思い、すぐ田舎に帰省した。
昔からガンの治療をしていた母親の治療費が馬鹿にならず、結婚も諦め死にたいと願っていた時もあった俺は、
母親が苦しんでる姿を見た時、どうせ生きる意味が無い俺の命をあげて生きて欲しいと願っていた。
8時間後、慌ただしい感じが病室で聞こえた。
医者「あれ?」

その一言を聞いただけで治療室に母親は運ばれた。
2時間くらいで医者来て、
医者「お母様の転移してるガンが小さくなっている」
え?って聞いたら、
医者「お母様のガンがどんどん小さくなっているんです。こんな事初めてです」

結局2週間後に母親は、ガンが小さくなり最終的に無くなると言う有り得ない事が起こり退院した。
今も元気で春にはフキノトウのバッケ味噌を送ってくれたり、
嫁の家族が開業医で保険はこれが良いなど教えてくれて、昔みたいに苦しい思いは無くなった。

竜神様を見た人間は一番嫌いな奴を殺す。
聞いた時恐ろしいと思ったが俺を救ってくれた。
今思えば十和田湖に旅行行くきっかけは、夢で変な形《w》の湖を飛んで感動してたからだっけ。
長野の人間を秘境十和田湖の竜神が救ってくれた意味はわからないけど、
俺が手掛けた遊覧船が今年十和田湖で入水する。

 

 

六甲山に出る牛女

 

六甲山に出る牛女ってしってる?
実際アレを見た人に話聞いたよ。

『牛女』にも色々種類あるらしいけどね。
走り屋の間の噂では、牛の体に女の顔(般若という話もあり)で、車の後を猛スピードで追っかけてくる『牛女』。
あと、丑三つ時になると出る女の幽霊で『牛女』。
最後に、女の体に牛の顔の『牛女』。私が聞いたのはこの牛女の話。
体験者は友人の両親だ。

4年ほど前のお盆の頃。2人は弟夫婦と共に、墓参りの為、実家に帰省した。
4人は墓参りをし、実家で夕食をすませてから帰ることにした。
他の3人は酒を飲んでいたので、おばさんが運転手、助手席にはおじさんが、後部座席には弟夫婦が乗り込んだ。
実家を出たのはもう真夜中近くだった。

しばらく山道を走っていると、前方の道沿いに畑がある。
あれ・・?
道路のすぐ横、畑の畦道に、着物を着た老婆が座っている後姿が見えた。
首をうなだれ、背中だけが見える。
「こんな時間におばあさんが畑にいるなんておかしいわね」
後部座席の弟夫婦とそんな会話をかわし、スピードを緩めた。
老婆はこちらに背を向けたまま、身じろぎもしない。
そして老婆の真横に来た瞬間、座っていた老婆が、クルーリとこちらに顔を向けた。
3人が悲鳴をあげる中、突然エンジンが止まった。
牛女が助手席側の窓を叩いた。
バァーーン!!
「きゃぁーーっ!早く車だして!!」
おばさんは震える手で何度もキーを回すが、エンジンは一向にかかってくれない。
「なんや!なんの音や!」
おじさんが叫ぶ。
「なんでみんな騒いでるんや!?」
「なんでって、あなたには見えないの?真横にいるのに!」
「なにがおるんや!?なんで止まってる!?」
バーーーン!!
「牛の顔の老婆が窓を叩いてるのよ!!」
「そんなもんおらん!」
「いるのよ!そこに!あなたの真横に!」
バーーーーン!!!!
何度やってもエンジンはかからない。
「どけ!かわれ!」
おじさんが運転席に移り、キーを回した瞬間、嘘のように簡単にエンジンは回りだした。
「はやくだして!」
牛女は追っては来なかった。

それから里帰りの度にその道を通るが、『牛女』に会ったのはこの1回だけだったそうだ。
「信じられへんような話やろ?でもこれ読んでみ」
一緒に話を聞いていた友人(体験者の子供)が、1冊の本を差し出した。
『太平洋戦争末期、西宮が空襲にあった。
牛の屠殺で栄えていた家が焼かれ、その家の座敷牢から頭が牛、少女の体をした物が出てきた。
”それ”は周りが見つめる中、犬を食っていた・・・』

時間の経過と共に、牛女もまた、人間と同じように歳をとっていったのか?
ではなぜ、見える人と、見えない人がいたのだろう?

 

 

コダマネズミ

 

皆さん。
皆さんはコダマネズミを御存知ですか。
猟師が獲物を求め山を歩いていると、ぽん、と何かが破裂する音が聞こえる事があるそうです。
それは、コダマネズミがはじけた音。
近寄って見てみると、そこには、背中が裂けて内蔵を飛び散らかしたネズミの死骸があるそうです。
この音を聞いた猟師は、
そっちはこだまのるいか。
こっちはしげのるい。
ぶんぶきままにくうらす。
なむあびらうんけんそわか。
と3回唱えなければ、猟を続けても獲物は捕れず、なにか障りが起きるとさえ言われています。
何故、数ある獣のなかで、コダマネズミだけがこんな無惨な死に方をするのか。
こんな言い伝えがあるそうです。
むかし、むかし。今の秋田県あたりの山中にふた組の猟師の組が入っておりました。
一方はこだま衆。
一方はしげ衆。
彼等は集団ごとに山に入り、協力しあって猪や熊、羚羊などの狩を生業としていました。
季節はもう冬。
冬の事とて獲物は少なく、気落ちしたこだま衆が狩り場を変えようと移動している道すがら。
山道に、大きなお腹を抱えた、若く美しい女が蹲っております。
「薪拾いに山に入りましたが、生憎降りる前に産気付いてしまいました。
お願いです。貴方達の小屋で子供を生ませていただけませんでしょうか?」

猟師にとって山は神聖なものです。女は山に入れない、とされておりました。
まして、お産は、死者のケガレ、(女の)月のケガレと共に、最大のケガレとされております。
(皆さん御存知のように、神社は今でもそうですね)
しげ衆の頭領は憎々しげにこう吐き捨てました。
「女、何処なりと行ってしまえ。ちっ、縁起が悪い、もう今日の狩りは終わりだ!」
女は追い立てられ、悔しそうにこだま衆を睨みながら立ち去った。
猟を終えたしげ衆たちが山小屋で粗末な食事を取っていると、
先程の女が助けを求めてきました。
しげ衆にとっても、妊婦など歓迎しかねる存在には違いありません。
しかし、あまりに苦しそうで哀れな様子に、しげ衆は、招きいれ介抱してやることにしました。
その明け方、女はなんと12人もの赤ん坊を産んだそうです。
驚くしげ衆に、女は厚く礼をのべ、続けてこう言ったそうです。
私は山神です。今日の御礼に、貴方達には山の幸を授けましょう。
明日、狩りをすれば、何でもお好みの獲物が得られるはずです。
…それにしても、憎いのはこだま衆。貴方達、猟の帰り、こだまの小屋に立ち寄ってみるがよい。
私の怒りが並み大抵のものでは無いことが判るでしょう…。

言われた通り、その日の狩りは、当分遊んで暮らせる程の大猟でした。
そして、帰りにこだま衆の小屋によってみると…小屋には誰もいませんでした。
しかし、小屋の片隅に…もう、皆さん判りますよね。

 

 

鬼猿・食猿

 

爺様に聞いた話。

爺様は、御年93才。
20代から80過ぎて足腰が弱るまで猟に出てた。
猟といっても職業でなく、冬季の猟期のみ趣味と実益を兼ねてらしい。
その筋では結構有名な爺らしく、20年近く地元の猟友会長をやってた。
んで、彼岸に墓参りに帰った時、洒落怖で気になった話を聞いてみた。
半惚けなんで聞き取るのに非常に苦労したが、そういう物はおったとの事。
地元では「鬼猿(きさる)」とか「食猿(くいざる)」とか呼ばれていたらしい。
昔から、猟をする連中の間で先輩から教えられている。

「ここいらだけでなく、そんな物は山じゃあっちこっちに居らあ」と言ってた。

別に定期的ってわけではないらしいが、何年かおきに獲物が居なくなる地域がでる。
そんな山に入ると、まず連れている猟犬が異常に怯えるので何となく判るという。
また、奴に近づくと獣臭とはあきらかに違う、血生臭さを感じる。
姿は大体が猿だが、熊や猪の場合もある。奴らは仲間でもなんでも皆食ってしまう。
そんな時にはすぐ山から出て、そこら一帯の山は2~3年あきらめろ。
もし山に入っても、そこで獲った獲物は触るな・持ち帰るな、触ると移るぞと
爺様は教わったとの事。
爺様が実際にそれらしき物に遭った時はまだ40代の頃、猿だったという。
教えられたとおり犬は騒ぐし、近くに獲物は居らず、臭かったという。
近くに普通より一回り大きい挙動不審の猿がいて、「これがそうか」
と思った途端に怖くなって直ぐ山を降りたそうだ。

「なんで猿なのか」と聞いてみたところ、
「猿は群れるから、しばらく食う物に困んねえからかな」って笑ってた。

爺様の所には、今でも後輩から猪・鹿・熊肉などが届けられていてたまには
山の話が集まってくる。
60才位までは、どこの山に食猿が出たとかいう話がちらほらあったというが、
ここ30年位全く話を聞かなくなったという。

これは爺様と俺の推測だが、
爺様は「町の馬鹿奴等が連れてったんじゃねえか」との事だった。
爺様の住む村も、年々過疎化が進んでおり、村の猟人口も減少する一方である。
それに反して村から出ていった者の伝で、猟に参加させて欲しいという申し込みが
どんどん増えている。
詳しくは判らないが、猟をするには地元の住民でも、各々テリトリーが決まっており、地元住民と同行しなければ許可されないらしい。
最近は地元住民でさえ、爺様連中の話は迷信と考えて小馬鹿にしたような態度を
とるものがいるというから、そいつらは町の連中にこんな話をしないだろう。
話を知らない者が、山に猟に入り散々獲物を探し回った挙句、やっと獲物を見つけたとしたら喜んで仕留めるだろう。
猿だったとしたらおそらくあきらめるだろう。
爺様も「猿は人間に似ているから撃ちたくないない」と言っている。
だが、猪や熊だとしたら喜んで持って帰るんじゃないか?
「人間に移ったらどうなんの」と聞いたら、
「俺も見たわけじゃねえから判んねえよ。おんなじようになるって事だろ」と言われた。

爺様としては山の中が静かになって喜ばしいみたいだ。

これはキヒサルという話と同じようなものだろ。

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