邪霊の巣窟
この話は十数年にも渡り自分と現妻や実兄、町をも巻き込み、恐怖のどん底に引きずり込んだ実話です。
かなり長い上に自分が書き込みに慣れてない為読みにくい部分もあると思いますがご容赦下さい。
全ての始まりは小学3年生の時でした。
兄と兄の友達3人に誘われてこの町で大人たちから「絶対に近ずくな」と
きつく言われていた場所に内緒で行く事になりました。
その場所とは今は誰もいない寂れた神社で子供ながらにかなり不気味で嫌な感じがしました。
本当は乗り気ではなかったのですが兄たちに半ば強引に誘われる形で
行く事になり仕方なく行くといった感じでした。
決行当日の昼に自分と兄は少し様子見に現地に行きました。
すると最近この町に町の役所だか町長だかから、仕事を頼まれてやって来たらしい
20代半ばくらいの男性がその場所にいて、
「君達、ここには何があっても絶対に来ては駄目だよ近づかない方がいい、早く戻るんだ。いいね?」
と言われ追い返されてしまいました。しかし兄達はその夜に計画を実行してしまいました。
まずその神社は町の高台にあり、さらにそこから伸びる坂を上がった所にあります。
その坂には鳥居が幾つも連なっておりかなり不気味でした。
最初は皆固まってあるいていたのですが誰かが
「別行動しよう」
と言い出して兄と自分、兄の友達3人に別れて行動する事になりました。
そしてしばらく歩いていると急に周りの空気というか空間自体というか・・・
とにかく何かが変わりました。
自分は兄に「帰りたい」と言おうとしたら・・
「帰るぞ、今すぐに」
と兄がいきなり言い出し、自分の腕を引っ張って引き返しだしました。
後少しで鳥居という所で兄が立ち止まり、正面を見て震えていました。
自分も恐る恐るそこをみると・・・・・。
子供が数人ほど自分らの進路を遮る様に立っていました。
その顔を見ると皆半ば白目を向いて無表情な顔をしていました。
兄は恐怖に耐え兼ね、叫びながら自分を引っ張って走りだしました。
子供たちを突っ切り、もう出られると思った瞬間・・・兄が悲鳴を上げて倒れたんです。
自分が兄の方を見るとなんと、先程の子供たちが兄にしがみついていたんです。
自分は何とか逃げて助けを呼ぼうとしましたが体が動きません。
自分の下半身がやたら重い事に気づき、目を向けると・・・・
なんと白目を向いて歯を剥き出しにした老婆が腰にしがみついていたんです。
自分は恐怖というより死を覚悟しました。
死を覚悟して目をつむると自分にしがみついている老婆が。
「おいで・・おいで・・・こっちにおいで・・」
と頭に直接響くような声で呟いてきました。
自分はそれを聞いた途端に死を覚悟したはずが物凄い恐怖心を感じ、思わず目を開いてしまいました。
すると老婆が自分の身体をはい上がって来ていて顔が目の前に有りました。
自分は力の限り叫びましたが、あんなに大きく叫んでいたのに
近所の人は何故気づかないのかと思っていました。
そして兄の友達はどうしたのだろうと思い兄の方を見ると・・・。
兄は子供たちに神社の奥へ引きずられて行ってました。
自分は必死で助けを求めて叫びました。
すると背後から聞いた事ある声が聞こえました。
「もう大丈夫だよ」
その声を聞いた途端に身体が軽くなりました。
振り返ると昼間に会ったあの男性でした。後ろからは大人たちが大勢やって来ていました。
怒ってる声や心配している声も聞こえました。
「助かった?」
と思い、兄を見るとなんとか無事なようでほっとして腰が抜けてしまいました。
男性たちが心配そうに声をかけてくれていると兄が
まだ奥に何人かいる事を告げると男性の顔色が変わり「まずい!!早く助け出さないと大変だ!!」
と言って数人の大人たちと走って行きました。
それから兄の友達は神社の中で見つかりました。
変わり果てた姿で・・・。
命は助かったけど精神をやられていたそうで、
その人たちは、そのまま町から出て病院へ行き入院したそうです。
自分たちは皆にこれ以上無いくらいに叱られました。母親たちは泣いていました。
その後で聞いたのですが、あの神社は元は普通の神社でそれなりの力を持った住職がいたそうです。
しかしなまじ力が強い為、助けを求める霊が次々と集まって来て、
最初はきちんと対処していた住職もやがて堪えられなくなりそのまま逃げ出したそうです。
本来、住職が居なくなったり取り壊されてしまう神社は、ちゃんとした儀式などを行い
場を清めてから祭ってる神を別の場所に移すという事をしなければならないそうですが。
この神社はそのまま放置された為、祭ってる神がいるのに祭る住職が居ない、
そしてまだ助けを求める霊が集まって来ているという事から、
神の性質が異常をきたし結果、邪霊の住家となってしまったとの事でした。
男性は町から依頼されて退魔士関係の本山から派遣されて来ていた人物だそうです。
その人が言うには、この神社は過去に例が無いくらいに酷い状態だそうで
浄化するにはかなりの期間が必要と言っていました。
自分たちはお祓いを受けてそのまま帰されました。
もう絶対にあの場所には近づかないと決めました。
あんな思いは沢山だと思いました。
が
あの事件はまだ始まったばかりだったんです。
数年後・・・あの時とは比べものにならない恐怖を味わう事になりました。
自分が中学3年になった時に、クラスで何かと目立つ存在のMが、
こともあろうにあの神社で肝試しをやると言いはじめたのです。
自分と自分彼女(現妻)のAも誘われましたがそれが引き金となり、
また兄や町を巻き込む事件が起きてしまいました。
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