【怖い話 短編集】『真夜中のドライブ』など全5話|洒落怖・オカルト・都市伝説

【怖い話 短編集】『真夜中のドライブ』など全5話|洒落怖・オカルト・都市伝説 短編
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真夜中のドライブ

【短編・オカルト・怖い話】都市伝説・本当にあった怖い話
出典:【納涼】怖い話【VIP】
82以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします2019/07/23(火) 15:49:41.210ID:7blKN20t0

 

これは私が20代の時のことです。
当時付き合っていた彼氏と一緒に、ドライブへ出かけることとなりました。
彼はとても大雑把な性格で、特に目標を決めずに真夜中でも平気で出かける人でした。
彼曰く
「夜中の方が道路が空いていてスムーズだし、観光地も楽に回れる」
のだそうです。

その日、彼はただ「山梨へ行こう」とだけ言い、夕方に出発しました。
目的地どころか泊まるところも決めていないという無計画なドライブです。
私も若かったので、何だかワクワクするという気持ちになっていました。

やっと山梨に入ったと思ったのですが、○○市というところに入ってから山道のみになりました。
真夜中なのでいくら走っても真っ暗な山の中で、民家も全くありません。
夜11時を過ぎても山道のままなので、このまま夜明けまで走り続けるしかないと思っていました。

すると道路から一歩奥に入ったところに「旅荘」という古い看板が見えました。
私達は「まさかこんなところに」と思ったのですが、側道に車を止めて奥の方を見てみると、本当に木造の古めかしい旅館があったのです。
そこで車から降りて近づいてみると、入口付近は白っぽくてキレイで、ドアのすりガラスの中にはオレンジ色の光の様なものが見えました。
「もう潰れちゃったんじゃないの?」なんて言いながら近寄ってみると、玄関の外にあったドラム缶の裏に人影が見えたのです。

私は思い切って「こちらの旅館の方ですか?」と声をかけると、その人影はこちらをチラリと見た様に思えました。
しかし何故かその人影は、ドラム缶の陰にスッと消えてしまいました。
あれ?と思い近寄って見ると…誰もいませんでした。確かに人がいたと思ったのですが…。

私は直感的に幽霊だ!と思い、彼に「逃げよう!」と言って車に駆け込みました。
ところが彼は幽霊を全く信じないタイプで
「人がいたの?何で泊まれるか訊いてみないの?」
と言って玄関まで近寄っていったのです。

私はもうほぼ半泣きです。彼は古い木でできた、すりガラス付きの玄関をノックしていました。
しばらくすると、彼が走って戻ってきました。

「何かいるっ!ドア越しにピッタリ誰かが張り付いてきた!」
と叫んでいました。
私達は慌てて車を発進しようとしたのですが、まるでホラー映画のワンシーンの様にエンジンが中々かかりません。
こんなことがあるのかとパニック状態になりましたが、やっとエンジンがかかって走り出しました。

恐怖映画では、よく振り向くと後部座席に幽霊が乗っていたり、窓の外に誰かが張り付いているのが見えるシーンがあったので、視線を絶対にそこへ向けない様、ひたすら前だけを見つめていました。
頭の中では何度も「南無阿弥陀仏」と唱えていました。

その時急に彼が「後ろが見えない」と言いました。
バックミラーを見ると、いつの間にか車のトランクが開いて上がっていたのでした。

思わず幽霊が乗ってきた?!と思ってゾワーっとしましたが、そのままでは走行できません。
さすがに怖いのでしばらく走ってから車を止めて、彼がトランクを閉めました。

もうドライブは中止で、そのまま必死で東京に戻りました。
翌朝ガソリンスタンドで給油をしたのですが、その時にスタッフの人から
「後ろ、すごい泥がついてますよ」
と言われました。
びっくりして見ると、車のトランクの辺りに泥だらけの指の様な跡がいくつもついていたのです。

もしかして幽霊がトランクをこじ開けて、乗り込もうとしていたのでしょうか。そう思うと、怖くて仕方ありません。
それ以来彼は真夜中の無謀なドライブに出かけることはなくなり、半年後に私達は別れてしまいました。
今でも忘れらない、私の恐怖体験です。

 

走行中に叩かれたドア

【短編・オカルト・怖い話】都市伝説・本当にあった怖い話
出典:【納涼】怖い話【VIP】
84以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします2019/07/23(火) 15:50:56.358ID:7blKN20t0

 

私は衣料品の縫製をおこなう会社に勤めていて、その日は外部の縫製工場にお願いしていた製品を回収するために、2tトラックを運転していました。
これは、その帰り道での出来事です。

その外部の縫製工場までは会社から片道40分ほどの距離で、ガードレールの先が深い崖になっている山道を通ります。
山道といっても、それなりに交通量があることで整備はしっかりとされていましたし、カーブは多いものの車幅にゆとりのある二車線の道路で、危ない道だと思うことはありませんでした。
夏というにはまだ早い時期でしたが、その日は雲一つないキレイな青空で、じっとしていても汗ばむような日でした。

私はゴーと唸り声をあげるエアコンの音を聞きながら、山の緑が生き生きとした山道をドライブ気分で走行していたのですが、急に強烈な眠気に襲われてしまいます。

ハンドルを握ったまま腕の力が抜けて、トラックが小さく横に動くのをなんとか抑えようとしても、だんだん力の抜ける間隔が狭くなり抑えることも難しくなっていきました。エアコンの音もだんだんと聞こえなくなっていきます。
自分が危険な状態にあるのはわかっていても心が何も感じなくなっていて、怖いと感じないから眠気は強くなる一方です。
自分が運転をしているのに、まるで他人の体験を見ているような気分になっていました。

この山道には休憩用の場所がいくつかあるから、それが見えたらすぐに入ろう…。
少しでも頭が動いている間にトラックを止められる場所に着くことを祈りながら、なんとか運転をしていたときです。

バンバンと私の右手側、運転席のドアが大きく叩かれました。車が軽く揺さぶられるくらいの強さでした。
するとそれまでの眠気がウソだったかのようになくなり、聞こえなくなっていたエアコンの唸りも鮮明に聞こえ始めました。

最初は、フラフラと走っている危険なトラックに異常を感じたバイクが、ドアを叩いたのかと思いました。
ですが辺りを見渡してもバイクの姿はどこにも見えません。
それならあの音と揺れは何だったのだろうか。まさか飛び出してきた動物でもはねたのか…それとも気づかぬ間に対向車と接触事故でも起こしたのだろうか…。
危険な状況からは脱したものの、今度は事故を起こしたかもしれないという不安が襲ってきました。

ほどなくすると道路に車両休憩用のスペースが見えたので、トラックを停車させて車体を確認しました。
しかしキズ・ヘコミなどはどこにもなく、とりあえずは接触事故等ではないことがわかりホッと胸をなでおろしました。
一応歩いて道路を引き返し確認をしましたが、音がなるような原因になるものはどこにも見つけられませんでした。

このとき私の脳裏に浮かんだのは、この道路には事故で死んだドライバーの幽霊が出るという話でした。
事実、その山道は事故が多く注意を呼びかける看板がうるさいほど出ています。
ドライバーの幽霊以外にも、殺人事件に関係するといわれる場所が何か所もある山道でした。

私はそんなものよくある噂だろうぐらいに思っていましたし、この山道は何度も通っていますが、幽霊の姿どころか恐ろしいと感じたことは一度もありません。
ですが自分がこうして実際に不可解な体験をしてしまうとは…。

あの時この体験をしていなければ、こうして自分が体験したことを伝えることもできなくなっていたかもしれない。
そう考えると、不思議な出来事の正体が幽霊だとしても「ありがとう」と言わずにはいられません。

きっと事故を起こす前に幽霊に起こされたのではないか、そんな風に思えて仕方がありません。

 

ラジオからの声

【短編・オカルト・怖い話】都市伝説・本当にあった怖い話
出典:【納涼】怖い話【VIP】
86以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします2019/07/23(火) 15:52:54.148ID:7blKN20t0

 

数年前のある日、車を運転中にとても怖い思いをしました。
その日はクリスマスが近くなった12月の金曜日で、私は遠距離恋愛中の恋人に会うために国道を走っていました。

仕事の終わる時間が遅くなってしまったため、時間はもうとっくに深夜で、都心から離れていくにつれてどんどん車の量は減っていきます。
私は疲れていましたが早く恋人に会いたい気持ちのほうが強く、休憩もそこそこに二つ先の県にある目的地を目指しました。

どれほど走ったでしょうか。時刻を見ると夜の1時半。なだらかで走りやすい国道は終わり、ぐねぐねとした山道が始まります。
さいわい周りに車はなく自分の走りやすい速さで運転できたのですが、あるヘアピンカーブにさしかかった時、かけっぱなしだったラジオが突然無音になりました。

まあ山の中だし電波が途切れたのかな~くらいにしか最初は思わなかったのですが、ザーーーというノイズの音に混じって、かすかに誰かの声が混じっています。
まあただチャンネルが混線しただけだろう、はやく治らないかなと思っていると、突然がくんと車のハンドルがとられました。
あわてて急ブレーキを踏み、山の中で私は車を止めました。

真っ暗の山道の中で、車のヘッドライトだけがあたりを照らしています。外はとても冷えていて、暖房を切るとすぐにフロントガラスが真っ白に曇りそうでした。

さっきのはいったい何だったんだろう、と思ってばくばく鳴っている心臓を落ち着けていると、先ほどのノイズ混じりのラジオから、今度ははっきりとした女性の声で

「はやく会いに来てよ」

私は鳥肌が止まりませんでした。

ラジオの電源をオフにして一刻も早く山を抜けたい、明るい道路に出たいと車を走らせました。
10分ほどしてすぐに何事もなく山を降りることができたのですが、あの時のとても生きた人間とは思えない冷たい声がまだ耳の奥に残っています。

この話をすると恋人は仕事と運転で疲れてたせいだよ、なんて笑うのですが…私にはあれがとてもただの幻聴だなんて思えません。

しかしあの声は、どことなく恋人に似ていたような…。

 

合宿での体験

【短編・オカルト・怖い話】都市伝説・本当にあった怖い話
出典:【納涼】怖い話【VIP】
88以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします2019/07/23(火) 15:55:13.204ID:7blKN20t0>>144

 

私が高校生の時の体験談です。
小学校から高校までバスケットをしていた私は、通っていた高校で毎年夏の合宿がありました。朝から晩まで練習の日々で、ミーティングは夜中まで続きました。

3泊4日の合宿での最終日。
その日はミーティングもなく最終日ということもあり、練習も早めに終わりました。
同じ地区の強豪チームと合同合宿で、みんなで楽しく話していました。

そんな中、トイレに行って帰ってきた女子が急に部屋の人数を数え始めました。
どうしたの?と聞くと、その女子がトイレに行ってみると、トイレが一つ閉まっていたのだそうです。
その子は自分以外に誰もトイレに行っていないからおかしいな…と思ったので、みんなのいる場所へ戻ってきて人数を数えてみたというのです。

その合宿先は小さなところで、私たち以外の人が泊まっている事実もありません。
そして何度数えても、部屋には全員います。

興味を持った何人かは、本当かどうかトイレを見に行きました。私は怖くて行きませんでしたが、確かに一番奥が閉まっていたそうです。

そこのトイレは洋式で横向きに座る様になっていて、扉は便座の横にあります。
閉まっているということは誰かが居るはずなので、気になった先輩達は閉まっているトイレを下から覗きました。
するとスリッパがコチラを向いているのが見えたそうです。
やっぱり誰か居る、と思って立ち上がった瞬間、上から髪の長い女の子が手を伸ばしていたというのです。

先輩達は悲鳴をあげて走って戻ってきました。
何かいることは確かで、ヤバい怖い!ということで私達は早々と布団を敷き寝ることにしました。

私はというと、昔から少し霊感が強く、小さい時からよく白い女性や手のない男性、武士のような男性を見たりしていたのでなんかやだなあと思いながら目を瞑りました。

いつもは疲れてすぐ寝れるのに、その日はなかなか眠りにつくことが出来ずゴロゴロしていました。
私はドア側に寝ていて、窓際にいた先輩に目が行きました。
薄暗かったのですが、その先輩の布団の上にまたがっている子供が見えました。ビシビシと嫌な予感を感じます。

そして私の急に体が重くなり、パッと目を開けました。
そこには…私の体の両サイドに六人の子供達が座っていました。戦時中の様な格好をした子供達でした。

その子たちを良く良く見てみると、私の耳を見ている子、私の腕を見ている子、足、目、などなど、一人一人違う箇所を見ていました。
なんでだろう?と思い良く良くその子たちを見てみたら、その見ている箇所がその子たちの体にはないのです。
私は目を瞑り「なにも出来ないよ」と心の中でつぶやきました。

手に掴まれた感触がきて「あ、やばいな」と思った次の瞬間、急に電気がパッとつき部屋が明るくなりました。
目を開けたら1人の先輩が走って寄ってきて「大丈夫?」と声をかけてくれました。どうやら先輩にも見えていたようです。

それ以降そこでの合宿はなくなりましたが…未だにあの子供たちがなんだったのかは分からずじまいです。

 

廃病院への肝試し

【短編・オカルト・怖い話】都市伝説・本当にあった怖い話
出典:【納涼】怖い話【VIP】
98以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします2019/07/23(火) 16:02:41.462ID:7blKN20t0

 

バイト先の社員さんから聞いた話です。
私は当時、四国のある県でアルバイトをしていました。そのアルバイト先に、入社したてでまだ若い男性の社員さんがいました。
歳が近い為か、仲良くしてくれて面白い話も沢山聞かせてくれたのですが、ひとつだけとても怖い話をされました。

その社員さんが大学生の頃、県内の有名な心霊スポットである廃病院に、友達3人と一緒に肝試しをしに車で出掛けた時の話だそうです。

時刻は深夜、懐中電灯を2本だけ持って、廃病院の中を一通り探検して回りました。
廃病院とはいってもまだそれほどボロボロではなくて、肝試しに来た人たちの落書きはあったけれど思っていたよりも中は整理されていたそうです。
その様子が逆に「まだここに患者が残っているのでは」と思えてとても怖かったそうです。

病院の中では怖さを紛らわせるため、お互いを脅かし合ったりしてわぁわぁ騒ぎながら歩いていました。
これといって心霊現象らしいことは起きず、無事に4人で病院を出たそうです

4人全員が車に乗り込んだのを確認してから発進。肝試しの感想を語りながら車を走らせていました。

そして少し大きな道に出たところで、後ろから来たパトカーがサイレンを鳴らしながら猛スピードで追いかけてきました。

「そこの車、止まりなさい!」

それは凄い剣幕で言われたそうです。
まっすぐな道でしたが、スピード違反はしていないし何だろう?と驚いてすぐに車を止めました。
すると、パトカーから降りてきた警官が顔を真っ赤にしながら叫んだそうです。

「何やってんだ!屋根に人を乗せて走っちゃダメだろう!」

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