【山にまつわる怖い話】『山神の御使い』『蜘蛛の糸』など 全5話|洒落怖名作まとめ – 山編【1】

【山にまつわる怖い話】『山神の御使い』『蜘蛛の糸』など 全5話|洒落怖名作まとめ - 山編【1】 山系

 

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山にまつわる怖い話【1】全5話

 

山神の御使い

先日母方の祖父が死んだ
祖父は若い頃から山で仕事をしていて、色々な話をしてくれた
通夜の翌日火葬が行われた

若い頃から1日も休まず山仕事をしていた祖父の骨は大変丈夫だったらしく
予定の時間より長く火葬したにも係わらず骨は殆んど崩れていなかった
仕方ないので納骨用の箸で割ろうという話になり、始めようとした時に母がある物を見つけた

祖父の遺骨の直ぐ脇に動物の牙の様な骨があったのだ
明らかに人の骨ではないし、前述の通り崩れた骨の破片でもない
参列者も火葬場の人も不思議に思う中、祖母がポツリと
「永いこと山で仕事していたから、山の神様が御使いを下さったんだ」
と言った
普段なら絶対に信じないと思うが、その時は妙に納得できた

 

人の怨念深さ

訓練の時に不思議な現象に出会った事があります。

琵琶湖の上の方、今津の辺りで夜間訓練をしていた時の事でした。
頂上に航空自衛隊のレーダーサイトがある山の中腹で、無線中継のために徹夜していた時のことです。夜、ふと誰かが見詰めているような感覚にとらわれました。

勿論、専用道路のため一般車両は進入禁止のため、部外者が入ってくるとは考えられず、また麓からかなり距離があるために徒歩で近付くとも考えられません。

しかし、確かに女性がトラックの後ろの幌の間から、少し距離をとって覗いているように感じられて仕方がありませんでした。
無線交信の間隙を縫って懐中電灯片手に周囲を見渡しました。
100メートル四方に誰も存在していませんでした。

矢継ぎ早にやってくる交信要求に忙殺されるなか、このような感覚に襲われるなどという事は今までありませんでした。
寂しそうな、恨めしそうな、思いつめたような表情の髪の長い女性のイメージが振り払っても振り払っても強烈に迫ってきて弱りました。

約30分程して急激にその感覚が薄れ、何事も無かったかのように当たり前の夜の雰囲気に戻りました。時刻は午後11時頃だったかと記憶しています。

これには後日談があり、転属した先の先輩に何気にこの話をしたところ、実はその山では殺人死体遺棄事件が過去にあり、死体が発見された辺りが私達が居た所という事を聞き、あらためて人の怨念の深さに恐怖した次第です。

蜘蛛の糸

旅の途中、山道に迷ってしまった男がいた。
日が暮れかかる中、途方にくれていると、どこからともなくたとえようの無い良い匂いがしてくる。

誘われるようにして男がその方向へ進んでいくとこんな山の中に誰が渡したものなのか、立派な橋があった。
橋の向こう側からは、三味線の音や人々の笑い声が聞こえてくる。

目をこらしてみると、綺麗に着飾った男女数名が楽しそうに宴をひらいている。
向こうのほうも男に気づいたらしく、仲間が増えたと言わんばかりに、こちらに来るようににと手招きをしてきた。

一人旅の心細さから開放された男は嬉しくなり、さっそく宴に加わろうと橋に向かって足を踏み出そうとした瞬間に男は見てしまったのだ。

夕闇の中、下の谷間に幾つものギラギラと光る目がこちらを見上げているのを。
あわてた男が後ずさり、しりもちをついてから我に返ると、目の前の橋は消えてなくなり、
静けさの中、一本の蜘蛛の糸がキラリと光り切り立ったガケのあちら側に向かって、すぅっと伸びていたそうだ。

父の知人から教えてもらいました。
子供の勝手な想像で、
『天狗がばけて人間のところに遊びに来ているんだ』などと思い込んでいました。
その人に対して怖いという感情があったわけではないのですが、どことなく浮世離れした、不思議な人でした。

 

化け物は後ろにいる

私の祖父は日露戦争に従軍したとかで、よくその当時の話を聞きました。

うろおぼえなんですが、祖父の部隊がある山中を行軍中、戦友数人とともに夜間斥候(偵察)にでたとき前方の草むらに人が立ったかと思うと急に見上げるほど背がのびていき一つ目入道がたちふさがったとのことでした。

斥候でもあるので明確に敵と分かるほかは発砲ままならず、石をその化け物に投げつけたそうですが消えないどころか、よけい背が高くなってきたそうです。

祖父は「化け物は後ろにいる」ものだと聞いたことがあるのを思い出し真後ろに石を投げつけたところ化け物は消えたそうです。
外国で一つ目入道というあたり?という感じなんですが・・^^。

 

墓場を荒らす猪

最近、母から墓場が猪らしき生き物によって掘り返されるという話を聞いた。

「なぜ猪が?それに土葬の風習も昔の話で(少なくとも10年以上昔)今は火葬のはず、それに猪は死肉など食べるのだろうか?」

母曰く、「昔、土葬された所を掘り返され、地中のミミズ等を食べるらしい・・」

この辺りはたしかに各々の家が山の中に独自に墓所を持っており、猪が出ても不思議ではない環境である。(分譲されているような整備された墓所ではない。)そして猪も餌を求めてそこより遥かに人の傍までやって来る。

現に私も何度か畑に餌を漁りに来た猪を目撃しているが、はたして猪は昔の埋葬個所を掘り起こし、土中のミミズなどを喰らうのであろうか・・・。

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