山にまつわる怖い話【20】全5話
追って来た物体
渓流釣りに行った時の話
新しい釣り場探しに愛車にて出発!行き先はまたまた東北地方
地図で現在地を確認しながら川沿いをひたすら山奥に!
2時間も進むと車も通れそうも無いジャリ道になる
そろそろ沢があるはずなんだがな~と思いながら地図を見ようと
した時に、何処からか叫び声がする!
なんだ?何かあったのか?と辺りを見回し息を潜めるが異常無し
なんだったんだ?と思いながらその時は登山者か釣り人が
足でも滑らしたか位にしか思わなかった
まぁいいや、行こ行こと奥地に進む、そこでRV車を発見!?
よくこんな奥まで車で来たなぁ、あ~あ傷だらけじゃん
それに邪魔だ通れないじゃないか!運転者いないのか!釣りか?
どこの馬鹿だ!と思いながらRV車の後方の茂みにバイクを停める
そこからは徒歩で道なりに進んで行ったら500mも進まないうちに
反対側から叫び声が!なんだ?
声の方からは叫びながら男女4人組が走って来る!
オイなにがあったんだ?と問いかけるが返答は無し
ただ叫びながらひたすら走って来る
4人組の異常な行動に身構えるが4人組は私を素通りして行く
そのうちの1人が、あんたも逃げろ~殺されるぞ!
と言うので、また熊かよ。・゜・(ノД`)・゜・。
と思いながら4人組の後を追いバイクの方へと走る
私がRV車の所まで戻る頃には4人組は車内に
その場で草木を薙ぎ倒しながら旋回し走って行く
私もバイクで後を追おうとエンジンをかけた瞬間追って来た物体の
正体判明!!マジかよ~
追って来た物体の正体はまたもや熊でした
しかも以前遭遇した熊より確実にデカイ
うぉぉぉ~Σ(゜д゜lll)
これは叫びながら逃げたくなるわ!
と思いつつバイクで逃走!
ヤバイ!ヤバイ!追い付かれたら死ぬ!ぜってぇ食われる!
顔に葉っぱや枝か当たろうが痛みは無視!?
食われるよりマシや~とアクセル全開!
その時前方にさっきのRV車が現れる
劇的ショック(゜Д゜;)
こいつ遅すぎるわ!はよ行け!さっさと行け!
追い越すスペースなんかありゃしねぇんだ!
おまえが速く走らんと俺がヤバイんだぁ~
後ろにゃ熊!前にはRV車!完全に俺の命はRV車に握られてる
何度パッシングやホーンを鳴らしたかわからない
車内からは血相変えてこちらを見てる
わかってる、おまえらの目線の先にはいるんだろ、奴が!
わかってるから速く走れ~
ミラーを見ると奴はまだいる、ひたすら追ってくる
俺がなんかしたのかよ、多少脱線した人生送って来たが
間違ってもオマエにゃ迷惑わかけた事は無いぞ~熊よ!
どの位走っただろうか、Y字路に差し掛かりRV車は右に
私は左に曲がり後ろを振り返って見た、いない、奴がいない!
ヤッタ━ヽ(゜∀゜)ノ
無事に生き延びだ俺はそのままガススタ直行し
愛車に給油後、自分はベンチに座りこんだ
はぁ~釣りやめようかなぁ~イヤ待て渓流だけやめようか
等と考えながらコーヒーを飲んでいたら
店員が何かあったんですか?
バイクは汚れが酷いしお客さんは疲れてるようですよ
店員に事情を説明すると
マジですか!よく助かりましたね~運がいいですよ!と言ってきた
ありがと、悪運の間違いじゃないの?と私が言うと
店員は返答に困ったのか話をそらした
追われた車はどうなったんですかねぇ?
確かに気になる、気にはなるが確かめたくは無い
そもそもなんで追われてるだ?普通はプーさん逆に逃げるぞ?
疑問である(*-゛-)ウーン・・
そのうち店員が、いらっしゃいませ~と外に駆け出して行った
その先にはあのRV車が!彼らも生き延びたのである
光
高校の山岳部で飯豊連峰を縦走した。
下山日に、高度を下げ最終宿泊地へと向かった。
林の脇に川筋を見る細い道を進み、モッコ渡しを渡り、
(水面から十分な高度を取った)河原の一角の大きな木の根本に
三張りの天幕を張り、幕営を始めた。
夕食の準備と帰路の偵察を行い気分は最高、
皆で歌を歌い大いに盛り上がった。
時刻は9時前後、山行としてはかなり遅くまで騒いでいた事になる。
残った食料を平らげ、さあ寝るかと準備を始めた時、
OBの1人が不思議そうな顔をした。
「どうしたんですか」と問いかけると
「遭難者かもしれない。静かにしろ」と言う。
聞き耳を立てたが川のせせらぎ以外に聞こえない。
OBが見つめている先を追うと、懐中電灯の光が林を縫うように近づいてくる。
ヘッドランプを付けた登山者と同じぐらいの高さを、
林の木々に遮られながらモッコに近づいてくる。
自分達は次に起こるであろう事を想像し、静まり返った。
すると光が消えあたりは漆黒に染まった。
モッコ渡しは渡れば大きな音がする、異常があれば見に行き助ければいい。
静寂の中、数分暗闇を見つめていた。
突然3年生が、大きな木の梢を見つめ「何だこれは」と叫んだ。
全員が立ち上がり、彼の見つめる梢を眺めた。
そこには先ほど梢に隠れながら近づいてきた明かりが輝いていた。
10mほどの高さにかなり明るい光があった。
懐中電灯を点灯し梢を照らすと、突然明かりが消えた。
「何だ今のは」「化け物か」「何かの発光現象か」「あれを見ろ」
誰かの叫びが聞こえた。
彼の指さす方向、川に沿って20mほど下流、
今迄梢で輝いていた光がそこにあった。
光は凄い早さで川を下るように移動し、やがて見えなくなった。
光の大きさは20cmほど、丁度ヘッドランプの光のような色だった。
あれから随分時がたつが、あれが一体何だったのか未だに判らない。
義母
この間、高尾山に行きました。
お年寄りから小学生まで降りているコースを選んで、
おしゃべりしながら歩いてました。
ふと、向こうの道を見ると、なんと義母がこっち向いて立ってるんですよ。
義母は茨城にいるんですが、ちゃんとトレッキングシューズを履いてます。
で、こっちむいて、手振ってて。おいで、おいで、って。
旦那に、あれ?なんで義母さん高尾山にいんの?って聞いたんです。
旦那も、なんでかーちゃんがここに?って。
こっちも手振り替えそうと思ってたら、義母はおいでおいでしてるんではなくて
しっしっ、ってしてるんですよ。
なんだ?義母さん?って思ってたらぱっと消えたんです。
家に帰ったら義母さんは高尾さんには行っていず、
ずっとフラメンコ見てたそうで…
義母とは仲がよくて、お互い嫌いじゃないと思ってたんですが、
私をしっしっ って思ってる義母の生き霊だと思うと怖いっす…
ちん、どん、じゃーん
子供の頃の話。30年以上前のことです。
私が生まれ育ったところは、武蔵野の面影を残す森や林が多いところでした。
夏になればカブトムシやクワガタがたくさん捕れ、早朝や夕方に友達と一緒に森に入ったものです。あれは小学校の高学年になった頃だったでしょうか。
いつものようにカブトムシを捕りに行こうと集まった私たちは、今まで入ったことのない深い森に行ってみようということになりました。
その森の入り口は、線路のすぐそばでした。都心へと続くこの路線はこの付近で両側が森となり、運転手の目を休ませるのだそうです。
森の入り口で自転車を乗り捨てた私たちは、歩いて森に入りました。
カブトムシが目的ではありましたが、初めて入る深い森ということもあり、何か冒険にでも行くような気持ちだったのを覚えています。時刻は夕方の4時頃だったでしょうか。私たちは森の中へと続く道を進むと、カブトムシがいそうな木を見つけては道から外れ、次第に森の奥深くへと入っていきました。
どれくらい経ったでしょうか。私たちはいつしか、電車の音が聞こえなくなっていることに気づきました。不安になった誰かが「帰ろう」と言いました。
異論はなく、私たちは帰ることにしました、しかしまわりを見渡しても、「道」はありません。カブトムシに夢中になっていた私たちは、いつの間にか道から遠く外れていたのです。あたりはすでに薄暗く、うっすらと霧がかかっていました。
いったい「道」へ出るにはどうすればいいのか・・・? 霧に音が吸収されてしまうのか、あたりはしーんとして、物音ひとつ聞こえません。私たちは道だと思う方向へずっと歩いていきましたが、一向に道に出ることはありませんでした。
やがて一人が突然座り込み、泣きべそをかきはじめました。その不安な気持ちは一瞬で全員へ伝わりました。私は泣きたいのをぐっとこらえ、森を見上げました。
おかしい、何かが違う。私はそう思いました。この森に入るのは初めてだったけど、近所の森には何度も入っているし、迷ったことも一度や二度ではありません。
しかしそのときは、その森に何か得体の知れない違和感を感じました。
何がおかしいかって、夏の夕方なのにヒグラシが鳴いていなかったのです。
蝉の声が聞こえない夏の森。私は、迷ったこととは別の恐怖を感じました。
その時です。森の奥から何か物音が聞こえたような気がしました。
泣いている友達に「しっ、だまって!」と言うと、全員で耳を澄ませました。
すると、確かに音が聞こえます。
ちん、どん、じゃーん、ちん、どん、じゃーん、ちん・・・。それは、鐘や太鼓、どらの音でした。「わーー、出た! おばけだー」。一人が叫びました。
全員がパニックになりました。しかし、ひとしきり騒ぎが収まって冷静になった私たちは、その音の方に行ってみようということになりました。
あたりはいよいよ暗くなり、足下もおぼつかなくなった私たちは、音の方向に必死に歩いていきました。ちん、どん、じゃーん、ちん、どん・・・。
音は遠くに聞こえたかと思うと、急に近くで聞こえることもありました。
私たちは恐怖も忘れ、音の正体を探ることも忘れ、まるでその音に導かれるように歩きました。どれくらい歩いたでしょうか。疲れ果てた私たちは前方に電車の音を聞きました。それに続いて、暗闇を切り裂く電車のヘッドライトを見たのです。
そう、私たちは入り口近くへと戻っていたのでした。もうすっかり夜になっていました。
あの鐘の音は、もう聞こえませんでした。
家へ帰った私は両親に怒られました。こんなに暗くなるまで、どこへ行ってたんだ?
森の中で道に迷って、そしたら鐘や太鼓の音が聞こえてきて・・・。
私は泣きながら言いました。すると父が急に黙り、「そうか・・・」。
そうして私の頭を撫でると、「よかったな」と。
蛇ではない何か
あんまり怖くないかもしれないけど小学校の頃の話です
家の目の前にスキー場があるんだが夏場はそこにクワガタを取りによく遊びに行っていた
その山にはゲレンデとは別にリュージュのコースがありそこが一番の穴場だった
リュージュのコースはやや長い直線と意外ときついRのコーナーがハーフパイプ状に構成されていてそれなりに傾斜もある
その日もそこに俺と友達の二人でクワガタを捕獲に行ったのだが朝から収穫は無かった
しばらくコースのなかを上のほうに向かって進んでいるとコーナーの向こうで何かが動いたのを友達が目撃した
よく蛇に出くわすこともあったのでその日もどうせ蛇だろうと友達を諭してみたのだが
「蛇よりもでかかった!」とコーナーに向かって駆け出した
当時ツチノコがブームになっていたこともあり「ツチノコかもしれない!!」と好奇心も手伝って俺も一緒に追いかけた
子供ながらによく走ったと思うがコーナーにたどり着いたときには蛇どころかクワガタ一匹見つからず
鳥でもいたんじゃないか?ってことでまたダラダラと上を目指して歩いていった
途中に第二スタート台がありそこがいつもの休憩ポイントとなっていた
スタート台から今来たコースを眺めつつ木陰で休んでいると再び友達が俺に声をかけてきた
「あれなんだと思う?」
俺が振り返ると友達はコースの上のほうを見て身じろぎせず何かを凝視していた
俺もその視線の先を目を凝らしてみた
明らかに蛇ではない何かがコースをこっちに向かってゆっくり進んでいた
最初はコースに落ちた動物かと思ったが明らかに動き方がおかしい
芋虫が這うように一定の間隔でもぞもぞ動きながら進んでいた
だんだんそれを捉えることができてくるとなんとなく形がわかってきた
「なんか人っぽく見えない?」
そう俺が言うと友達も「人・・・だよな・・・?」そうつぶやいたと思うと
「正体確かめてくる!」といってスタート台からコースに飛び降りコースを上に向かって走り始めた
俺はスタート台のスロープからズルズルと壁つたいにおりると友達のあとに続いた
友達の背中越しに「もぞもぞ動いていたそれ」がこちらの気配に気づいたのか向きを変えたのが見えた
友達もそれを見て足を速めた次の瞬間その物体は複数の黒い影みたいなものに変わって
リュージュのコースの両壁をシュルっと上って消えた
俺は友達に追いつくと正体みたか?と聞いたが友達は「いやわからん・・・」とだけ言った
とりあえず二人でそいつがいたところまで行くことにした
それが消えた地点から上のほうに向かってコース上には蛇の抜け殻のカスみたいのが続いていた
それを見て二人とも急に怖くなって大声を出しながらコースを爆走して山を降りた
特にその後怪異の類には苛まれていないので悪いモノではなかったのかな?と思っている
そんな30年以上前の話でした
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