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【山にまつわる怖い話】『ミヤマキリシマ』など 全5話|洒落怖名作まとめ – 山編【66】

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【山にまつわる怖い話】『ミヤマキリシマ』など 全5話|【66】洒落怖名作 - 短編まとめ 山系
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山にまつわる怖い話【66】全5話

 

 

長男が山に入らぬ掟

昔の彼の友人から聞いた話。
その友人(K田さん)の家はお金持ちの旧家で、実家の鎌倉には大きなお屋敷がある。
実家の裏には山があり、子供の頃からその山には行ってはいけないと言われていた。
子供のころ、K田さんは同じ夢を何回か見た。

弟と一緒に裏山に登って木の実を拾ったりして遊んでいたら、
山の上から鎌を持った恐ろしい形相の老人(男)が「K田の者はこの山に入るな!!」と叫びながら、
弟には目もくれずに、自分だけを追いかけてくる。
鎌で切り殺されると思い必死に逃げ切ると、その老人は「今度入ったら命は無いぞ!」と叫ぶ・・・
と言うところで目覚める。

そのことを父に話すと、父も同じ夢を見たことがあると言う。
弟や妹が山に入っても平気らしいが、とにかく家を継ぐ長男だけが
鎌を持った老人に殺されかける。
お家断絶の呪いをかけられたか、一族を守る山神の警告かは判らないが、
とにかく不気味なので、長男が山に入らぬ掟は守られているそうです。

 

ミヤマキリシマ

一人で山へドライブに出かけた。

この辺りの山にはミヤマキリシマが
綺麗に咲き誇るところがあるそうだ。
車で細い山道をかなり進んだ。
途中の寂れた神社に、参拝する老婆がいた。

ミヤマキリシマ?昔はよく見たねぇ…

寂れた神社の境内を見て歩いた。
もう日も暮れるし帰ろうか。
車に戻ると、はて、後部座席に
古い着物姿の女の子が座っていた。
「おらを探してんのは、おめか?」
友達は気味が悪くなり、首を振った。
「やっぱりおめだな」
びうぅーっと突風が吹くと、女の子は消えた。
後部座席には一輪のミヤマキリシマ。

 




 

扉を叩くもの

初日は土合駅から徒歩でマチガ沢出合の幕営地で一泊。
翌日は尾根伝いに谷川の双耳峰、一ノ倉岳も無事に越え、
宿泊予定地の茂倉岳の避難小屋に着いたのは確か昼前でした。
梅雨時には珍しく天気もよく、爽やかな風が時折吹いてきます。
私はこの山が七百人近い人の命を呑み込んだ山と言うことさえすっかり忘れていました。
小屋の中は大人四人が寝て荷物を置くと、ほぼ一杯の広さです。
小屋に入る時に二枚の扉の内扉が壊れて、開きにくくなっていました。
しかし、雪の季節でもないし、雨風をしのぐには十分でした。
翌日は下山予定でした。
夜半過ぎに天気が崩れ、私の頭の上にある小さな窓が風に吹かれてバタバタと音を立てていました。昼の疲れが出たのか、
その音も気にならなくなり、私はすーっと眠りに引き込まれていきました。
私はいつも山に入ると大体一時間置きに目が覚め、このときもそうでした。
何度目かに目を覚ましたのは、起床予定の三時五分前でした。
この日は私が起床係でしたので、ちらちらと時計を眺めては時の経つのを待っていました。相変わらず窓枠は雨風に叩かれ、大きな音を立てています。
しかし、重い扉はびくともせず、音一つしませんでした。
その時です。突然それまでシーンとしていた室内の静寂を破るように
外の扉が『ドンドンドンドンドン!ドンドンドンドンドン!』と
規則正しく二回叩かれたのです。
それは私が起床の声を掛けるのとほぼ同時でした。

真っ先によぎったのは、『遭難者が救助を求めているんだ』ということでした。
それにしては誰も反応しないのです。明らかに他の三人は起床の声を
待っていると言った様子でした。
風の音にしては……と考えながら時計を見ると、三時を一分ほどまわっています。
『やべっ』と思い、起床の声と共にガバッと起き上がると食当の準備に取り掛かりました  が、何かいつもと様子が違いました。
普段ならうるさいほど指示を出す四年生がじっと黙っています。
手をとめる訳にも行かず、黙々と作業をしていると、しばらくしてS先輩が
『○島、今の聞いたか?』と聞いてきたんです。
やっぱり他の人も全員が聞いたそうです。
明らかに人為的に叩いた音であると皆口々に言っています。
S先輩に『お前、外見て来い』と言われ、恐る恐る扉に手を掛けました。
本当にこのとき程怖かったことはありませんでした。
扉の向こうには誰一人おらず、ただ私の懐中電灯の明かりの中を雨と霧がサーッと流れていくだけでした。結局なんだったか分からないまま、
何も見えなかったと言うと一気に緊張が解け、皆急に饒舌に話し出しました。
その時先輩の一人が言った言葉に私は背筋がぞーっとしたことを今でも覚えています
『ここの避難小屋って結構やばいんじゃないの?だってさあ、
この山なら冬に遭難した人の遺体とかってずっと安置されてるだろうし。』
そうです。夏こそ穏やかですか、冬の谷川岳といえば、
豪雪地帯として有名で数多くの登山者の命を奪ってきた場所なのです。
あれから十五年近く経ちましたが、現在は避難小屋も改装され、
今も多くの登山者を迎え入れています。

 

呪言歌

数年前、山を歩いてたら変な人に会いました。

道の真ん中で40程の女性が震えてて、
通りかかると「一緒に下山して下さい」って泣きながら頼むんです。
その様子が尋常じゃないので、何か事情があるのだろうと快諾しました。

歩きながら訳を聞いたのですが、私の言葉には反応してくれません。
山を下りるまで私の裾を掴んでいて、
しきりに念仏(メチャクチャですが)を唱えているようでした。

山を下りきったとき、「大丈夫ですか?」と声をかけたら、
恐る恐る周りを見回して「あぁーーー」といって崩れ落ちてしまいました。
肩を貸して休憩所を兼ねてるみやげ物屋に入って話を聞いてみました。

その女性があのあたりを通りかかったときに、
どこからともなく、わらべ歌のような歌声が聞こえたそうです。
見回しても誰もいなく、気のせいだと進んでいくと、
いつの間にかまた元の場所に戻っていて、再び歌が聞こえる。
歩くとまた戻る。だんだん歌声が近づいて来たとか。
しかも、だんだん相手の声に歓喜が混じってきた。
歌は数え歌らしく、近づいてくるごとに内容が聞こえるようになり、
「よっつ、よみじはぬけだせぬ。ひがくれ、たそがれ、いのちくれ」と
数えられたところで恐怖で動けなくなり、そこに私が通りかかったそうです。

私の知る限り、その山は特に変な言い伝えもなく普通の観光名所です。
そのみやげ物屋の老いた店員さんも、そんな話は知らないと言います。
すると、一緒に下山してあげた女性は、
「以前、同じように立ちすくんで居る人を助けてあげたことがある」とポツリと語りました。

私はちょっと嫌だな、と思いました。それ以来、1人で山には入ってません。

 

山行6日目、3000メートルから一気に高度を下げる
行程は、その一年坊にとって地獄そのものだったろう。
歩き始めてすぐ、彼の顔色が非常に悪い事に気付いた。
先頭を歩いていた俺は、彼に俺のすぐ後ろにつくよう指示し、
ザックを降ろさせ、彼のザックを、俺のザックの上に細紐で
しっかり固定した。

一呼吸入れて歩き出し、ふと気付くと奴が居た。
山に入ってから、ずっと俺の視界ギリギリのところに居続けていた
あの男が今は、すぐそばに居る。
先頭の俺と二番目を歩く一年坊の間に。

ようやくテント場に着いたが、その一年坊は、テントで横に
なったきり、ほとんど動けない。
そして、図々しい事に「奴」はテントの中にまで入り込んできた。
奴は笑顔で包み込むように一年坊を外へと誘い、その都度、
動けないはずの一年坊がトイレやその他の用足しにテントの外へ出る。
俺は二人に付いて行き、奴は俺に対する不満を募らせていた。

奴は一晩中、一年坊を誘い続け、誘われるままに動きつづける
一年坊の消耗は目に見えるほどだったし、それに付き合わされる
俺にとっても、決して楽しい夜ではなかった。
一年坊と奴の間に割って入り、奴の目を何度も睨みつけた。

奴はやたら不機嫌になり、夜明け近く、初めて俺に声をかけてきた。
「どうして駄目なんだよ」

朝になると、奴は居なかった。
一年坊は、時間が過ぎるほどに元気を取り戻しているようだ。

テント場を出発した俺達の正面に、奴が居た。
奴を初めて見た場所だ。
遭難者の遺体を焼いた事もある広場。

右の首筋あたりで声が聞こえた。
「お前は、二度と来るな」

否定的に考えれば、俺自身もかなり疲れていたし、それが原因で
ありもしない何かが見えたような気がしているだけもしれない。
そうした可能性は否定しないし、多くの場合、超常現象(と思える体験)の
真相は、そんなものだろうと思ってもいる。
だが、俺自身の実感としては、その頃は妙なものをよく見ていた(と思える)
時期でもある。

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