山にまつわる怖い話【77】全5話
覗き込む目
俺は元々ゲー研に入るつもりだったんだが、何故かワンダーフォーゲル部に入部してしまった。
んで、今年の夏合宿に穂高に行ってきた時の話。
合宿4日目の夜、もう体も心も疲れきって普段ならくらいのゴツゴツのテントだったけど、
その日はシュラーフに入ったとたん気絶するように眠りに入った。
そして、途中で眼が覚めてしまったんで腕時計を見るとまだ3時だった。
あぁー、まだあと1時間ちょい寝れる・・・と思ってまた目を閉じようとしたら、何故か風が入ってきているのに気づいた。
サムい・・・と思いつつテントのチャックを閉めようとしたら突然テントのすぐ外にいる誰かと眼があった。
その眼は明らかにテントの中を覗き込んでいた。俺が硬直していると眼の持ち主はそっとさっていった。足音をたてずに。
だけど、テントを張ってある場所は石や小石がゴロゴロしていて、たとえ裸足で歩いても足音はたつハズだった。
俺は怖かったけど、ハンパじゃなく眠かったんでチャックを閉めてなんとなく寝てしまった。
そしてその翌朝(暗かったけど)、大急ぎで朝食をしてたりパッキングしてたりのドタバタでそのことは忘れてしまったが、
どうでもいいけど、その人を俺は勝手に幽霊だと思い込んだけど、
もし生身の人間だったら結構危なかったな・・・。
と、一応書いてはみたもののボロボロな文章なんで多々分からない所があると思いますが、そこは質問してみて下さい。
木の穴
うち県境の山村で360度山に囲まれてるんで
子供の頃は遊び場はいつも山だった。
小学生の時のある夕暮れ、悪さして親に怒られ、
外におい出されて玄関に鍵をかけられた。
しばらく玄関で泣きながら謝ったんだけども、
なかなか開けてくれないので
諦めて一人で山に入った。
いつも遊んでいた大きな木の根元の穴で丸まって一晩過ごした。
すぐに眠くなってしまったので、夜中の事は何も知らない。
でも朝になって目が覚めたら、入り口に栗が3ケ置いてあった。
誰がくれたのかわからないけど、お腹がすいてたので食べた。
甘味があって、すごくおいしかった。
食べ終わって家に戻ったら、親に心配かけた事をまた怒られた。
うちの親と近所の人達が、ひと晩中近隣を探し回ったらしい。
俺が遊び場にしていた木の穴も探したと言っていた。
が、そこにはいなかったんだそうだ。
俺、朝までそこで寝ていたはずなんだけど・・・
オーイオーイ
東海地方G県の山中でラリーの大会があり、途中で1台の車が行方不明になりました。
夜中に細く曲がりくねった山道を猛スピードで走る競技なので、事故ったり崖から落ちたりなんて珍しくなかったそうです。
で、うちの旦那もゴール後に一人で探しに行ったんですけど、谷底に注意しながらトロトロ走っていたらオーイオーイと聞こえてきました。
やはり落ちたんだと思い車のエンジンを停めて谷を覗き込んだ所、ライトも何も見えなかったけど確かに谷底からオーイと聞こえてくる。
怪我はないか、一人の声しか聞こえないけど同乗者(運転手とナビゲーターの二人で一組)は無事なのかと声をかけてもオーイとしか返ってこない。
そうこうしている内に、「見つかったぞー」と、行方不明になった車が見つかったことを知らせに仲間が来てくれました。
行方不明になった車は旦那が探していた場所よりも山頂付近で事故っていたそうです。
??と思っている最中も、まだ谷からオーイの声は聞こえてきます。ぞっとしてゴールまで戻ったそうですが。
そこはよく釣りに行ったりラリーの練習する山だったけど、あの低い声が今でも忘れられず、またその日以外にも色々あったそうで、もうずっと行ってないと言っています。
ちなみにその山はO垣Y老付近にある山で、昔は処刑場(首切場?)のあった所です。
山で呼ばれたら返事するなって聞きますが、こちらが呼び返すのはセーフってことでしょうか。
人数が決まってる
知り合いから聞いた話
「昔○○トンネルで大規模な玉突き事故あったでしょ。
そのニュースを見てた叔父(元道路公団)が、ボソッと
『・・・これで人数が合うなぁ』って言ったんだよ。
なんのことか質してみたら、
『山にトンネル掘るときはな、事故で亡くなる人数がほぼ決まってるんだよ。
だから犠牲者の葬儀費用やら補償金やら、最初に予算に織り込むんだな。
だけどあのトンネルに限って犠牲者がいなかったんだよな。
不思議に思ってたけど、やっぱり勘定が合うもんなんだな。』だってさ」
「犠牲は人じゃなければダメなんだね。パワーが強いのかね、人は」
と、その知り合いは目の前のしらすを指して、
「こいつらみたいなんじゃパワー不足だろうしな」と笑った。
巨大な手
私は高知県に住んでいるのですが、先の台風の際、山道を仕事で走っていました。
落石注意のある山道です。
台風の雨風が酷く、夜間と言うこともあり怯えて運転していました。
山道は九十九折りです。右カーブを切ったところ、前方に奇怪な光景が目にはいりました。
上空に巨大な手が現れていたのです。
目の錯覚ではだんじてありません。
手首から先の毛むくじゃらの手で、爪が長く伸び、ごつごつした黒っぽい手です。
爪は牙のようにも見えました。
特筆すべきはその手の大きさで指の先から手首まで10メートルはあります。
手は山肌を引っ掻こうとしています。
私は車を停めてその手の様子をつぶさに観察しました。
無論、怖かったですが・・・
手が山肌を二度引っ掻くと山崩れがドーンと言う音と共に起こりました。
私はただ驚き恐ろしさに震えていました。
その手に気付かなければ、私は山崩れに遭っていました。
これは妖怪の類でしょうか?
それとも何かが私を救ってくれたのでしょうか?
とにかく命があって良かったです。
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