音楽家
今回は音楽関係の話。
以前も書いたが本業は彼女は演奏者でありますが、舞台やスタジオには、
何故か幽霊話はつきものらしい。
あるコンクールの予選での話。後味悪いです。
自信満々、優勝候補だった女の子がいたのだが、その子が演奏中、あり得ないミスを出し始めた。
先生は蒼白、審査中だった彼女も「え?この子がこんな凡ミス・・?」と驚いて舞台を見ると。
彼女の顔をのぞき込むように、女が立っていた。
普段見えない主婦さんにもハッキリ見えたのだから、相当のものだったのかもしれない。
しかも、それが彼女にも見えていて手が震えてるらしいのだ。
肩くらいまでセミロングの髪の女が、首をかしげて見ている。
ついには手が止まり、「・・・・すみません!」と頭を下げて、舞台から走って逃げた。
観客も親も先生も、審査員一同も呆然だった。
しばらくざわざわしたあと、司会者が収めて次の演奏者が出たのだが、そんな事のあった直後
だから次の子もめちゃくちゃだった。(心の準備等のタイミングがずれるとけっこうきついとは
主婦さん談)
□ □ □
後に審査室で、「あれさえ無ければ優勝まちがいなしなのに。あれ何だったのかしらね?」という話が
出て、「ああ、ミスの事を言ってるのかな?」と思ってたら、その立っていや女は審査員の何人かには
見えていたらしい。
肝心の幽霊の顔ですが、主婦さんは「見えなかった」そうです。(角度的に)
見えてしまった人は、「焦点の合わない目、半開きの口で蒼白の顔。でもあの顔・・・」と
何かを口にしかけ、結局は最後まで言わなかったそうです。
でも、主婦さんは知っている。
その優勝候補の演奏者の姉が、妹には楽器では勝てないと解ったときに自殺をしたこと。
遺書には「○○(妹の名)さえいなければ」としか書かれていなかったこと。
「だってそのお姉さん、私の同期だもん。あの後ろ姿見た瞬間、ぞーっとしたわ。彼女だ!って」
その後、その末の妹さんはやはり自殺してしまったそう。
同じ場所で。でも遺書はこうだったらしい。「××(姉の名)さえいなければ」と。
「あんな状態じゃ成仏できない。でももっと凄いのはさ・・・」
娘二人を亡くした両親、翌年には妊娠したそうだ。(もちろん結構な高齢出産)
「この子こそ音楽家にする」と言い切っていたと聞いたときに、「何もわかってないのかあの親!」と
非常に気分が悪くなったそうです。
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