墓場まで持っていく話 短編10話【8】まとめ

墓場まで持っていく話 短編10話【8】まとめ

 

 

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墓場まで持っていく話 短編10話【8】

 

1

N市の大手Aに勤めている、私の母の従兄弟Sが
会社の金を横領してた。もう時効かも。Sの元妻Rさんが
これをネタに、離婚の慰謝料としてはかなり法外な
2700万をふんだくる事が出来たので確かです。横領額は不明。
Rさんは両家の子女で、学歴もコネもないSがA社に入社することができたのも
Rさんのおかげだった。だがSは、人のよさそうな外見とは裏腹に、
浮気はするわ、超マザコンだわ、Sの箪笥の引き出しには
女物の下着がびっしりだわ等など。。。で、Rさんは疲れ果て、
Sと離婚。
SはRさんの口利きでA社に入ったにもかかわらず、
今もA社に通勤中。かなり、あつかましい。
おまけにSは、実力もないくせに世渡りだけは上手いらしく(母はそう言う)、
A社で今も順調に出世している模様。
今も横領してんだろうか・・・ばれない事に味をしめ、
まだやってるかもな
Rさんが漏らさなかったとしても、なんで会社内で
ばれなかったのか疑問。母曰く「上もやってるか、
周りがそうとうアレなんじゃないの。」
・・・今を時めくA・・・

この話を母から聞いて、なんだかえらく腹がたったので
実名でどっかに流そうかと思ったが、Rさんと母は
まだ親交があるらしく、Sのことなどどうでもいいが
Rさんに迷惑がかかると思うと悪い気がする。

つう訳で
ここに書かせて頂きました。

ああ、すっきりしたー

 

2

ついてしまった嘘を、墓場まで持っていこうとおもう。
祖父の代までは医師ばかりの家系だったのに母の代から誰も医学部に入らなくなってしまった我が家。
私の姉・兄も全滅だったので、私が最後の頼みの綱として、2浪もさせてもらった。
なのに、3浪目決定の日をむかえてしまった。

あの日、親に今年も落ちたとは言えずについ「受かってた・・」と大嘘をついてしまった。
言ったとたん母親のはしゃぎ様が異様だったので「ヤバイ!」と思ったが、家に帰ってから素直に謝ろうと思い、帰路についた。
が、1時間後家に着いたら、親戚中が集まっちゃってて祝いの大騒ぎで家の中が大変な事になっていた。
見ると、近所に住む小中高の友人達まで一緒にお祝いしてくれていた。

今更嘘でしたとはどうにも言えなくなってしまい、そのまま部屋に行き荷物と預金通帳を纏め、家出した。
知り合いの居ない行った事も無い田舎町まで逃げて、そこで風呂なし3畳家賃1万の部屋を見つけた。
大家さんには正直に事情を説明して、その部屋を1年間身元保証無しで貸していただき、
親元に「1年だけまっていてください」と手紙を書き送り、皆についてしまった嘘を悔いて恥じて、
その日から352日間を知らない町の暖房も冷房も無い部屋で猛烈に勉強をした。
春も夏も無く、誰とも話さず携帯もPCも音楽も無く毎日毎日勉強だけの毎日を過ごした。

嘘をついてしまい、それを成就させるためにあんな苦労をした自分を大バカ者だと思うけれど、
そのお陰で念願の医学部に入学できた。しかも、受かったと嘘をついた大学よりもレベルの高い大学に・・
それが功を奏したようで、周りは「もっと上を狙いたいから黙って家出してまで再受験したんだね!」と
良いように誤解してくれて、でかした!偉い!とめっぽう誉められてしまった。
でも、嘘をついた自分はまだ嘘つきのまま。なのに事を明かせない自分を軽蔑している。

 

3

私の母と祖父のの墓場話。
母の母、つまり私の母方の祖母は、末期の胃がんだった。
でも本人には胃潰瘍だと話している。
本人は幸いにも、手術から20年経った今も健在。
母方の祖父も癌だった。こちらは大腸。
祖父は自分の妻が末期がんであったことを、勿論知っていた。
実直さだけが取り柄で、嘘など到底つけないような人だったが、
祖母だけには「お前は胃潰瘍だ」と嘘をつき通し、
大腸がんの手術の5年後、秘密を抱えたまま天に召された。
自分が癌だということは、祖父は判っていたらしい。
生前、一時期夫婦仲が悪く、祖母に罵倒される祖父を見てきた母は、
今は仲良く暮らしているが、祖母には複雑な感情があるようだ。
今も「お父さん(祖父)には苦労をさせられた」という祖母を見て、
(祖父が祖母に酔って暴力を振るった時期もあったらしい)
つい「あなたは癌だったのよ!」と暴露してしまいたくなる時もあるというが、
祖父の遺志を継いで、母も秘密を守りつづけている。

 

祖母は、祖父のバカ正直なところを馬鹿にしているところがあって、
「あのバカ正直な人が、私を気遣って癌なのに胃潰瘍だなんて言う
気の利いたことが出来る筈がない」と思っているんですね。
同時に、自分は祖父に癌だということを隠しとおせたと思っていて、
「あの人は、私がポリープだと言ったらそれを信じちゃう」と言う。
本当は、祖父は判っていたんですよ。判ってて、必死で闘病した。
祖母は、祖父は気の小さい人で(これは真実)、癌だなどと判ったら
それだけで衰弱しちゃう、みたいに考えているんですね。
しかし、祖母だってある面で気が弱く(本人は自覚していませんが)、
祖父は「そんな妻に癌だなんて言ったら気落ちしてしまう」と気遣い、
慣れない嘘をつき、祖母はそれを嘘だと知らず今も信じているのです。
祖父は、上手く表に出せないだけでとても優しい人だったのだと思います。
母は、そういう祖父の優しさを祖母がもっと汲んであげれば、
祖父母も母ももっと幸せな時間を過ごせたのに・・・という
口惜しさのようなものを感じているのではないかと。
で、祖父を見くびるように「祖父に嘘なんて気の利いたことはできない」
「私は祖父に癌だとは悟らせなかった」という祖母を見ると、
母は「そんなのあなたの思い込みだ」と言いたくなるのではないかと。

なんか祖母、こうやって書くと極悪人みたいですが、
今はふつうの気の良いおばあちゃんで、母とも基本的に円満にやってます。

 

4

うちの墓場までもっていく話は、仲良しの従妹が本当はもらわれっ子だということ。
母親たちは知ってるけど同世代の従妹連中は基本的に知らない。
超田舎なので、緘口令もばっちり。
そして妊娠してないのに母子手帳を申請して、常々約束してあった家(違う地域)から
出生届をしてない子供をもらってきて自分の戸籍に入れた。
なので、従妹には絶対にバレナイ。
でもやっぱり、血がつながってなくても関係ないと私は思ったので
世間一般ほど血は水より濃いと思えない。

そして姉のドキュン夫に姉の子供たちをおしつけさせても、全く可哀想だと思わない。
姉が自暴自棄に阿呆なことをしていると、いい加減にしろよ捨てたなら忘れろと冷たい目で見てしまう。
自分の父親が死んだときも全く悲しくなかった。
時々自分は情緒が壊れてると思う。もしくは容量狭いのかも。大事なもの少ないから。

 

5

最近知ったことだか、うちから150メートル程離れたところに、元彼が家を建てている。
あ、元彼は大工ではありません。現在付き合っている彼女と結婚することになり、新居を新築中なのです。
家の旦那と付き合い出したとき、ちょっとかぶっていた相手なので、旦那も元彼もお互いに私を挟んで話し合いしており、
現在でも彼の名前は二人の間でも禁句です。今は何もないけど、いつか旦那と元彼が顔を合わせることになると思えば恐ろしい。
家も持ち家なので引っ越せないし。子供が生まれたら学区も一緒…。選挙の投票場所も一緒。旦那に知られずに一生を終えたいです。

 

6

学生時代電車でお漏らししてしまった。
「ここ終点だし人いないわよ、折り返しの人が入ってくる前にでてって
トイレいっちゃいなさい、濡れてるの目立たないわよ大丈夫」と
固まってる私と友達に指示をくれた見ず知らずのおばちゃんありがとう。
あちこちお店行って下の服やタオル揃えてくれた友達、
今でもあのことは忘れてるように友達でいてくれてありがとう。

一生の恥で蒸し返したくないので言葉でお礼できない。でもありがとう。

 

7

高校生の時満員の電車で立ったままうつらうつらしてて前に立ってる
OLらしきお姉さんの赤いコートを見ながら母親が買ってきた丈の長すぎる自分の
赤いコートのことを考えていてお姉さんが下りる時に何故か
私のコートが行っちゃうと思って
肩に噛み付いた様な気がします。
はっ、と目がさめたけど口が不自然に開いて乾いてたし
食感じゃないけどそれに似たものも残ってた気がします。
コートはツルツルした生地じゃなくて歯型が残るような皮っぽい生地でした。
お姉さんすみませんでした。
多分夢じゃないんだろうなぁ・・・・。

 

8

今は和解しているが、小学生の時憎くてしょうがない母親を殺すための凶器を製作した事。
延長コードの先端の銅線に当時新品のYシャツに付いていたまち針を二本付けてコンセントに差し込んで
から背後から差して感電死させようとしていた。団地の二階だったので階段に釣り糸を仕掛けて墜落死さ
せようとした事も。

墓場まで持っていく。

 

9

私は小学生の時、「ぎょう中検査」をするのがイヤでイヤで
自殺未遂を図ろうとしました。
死に方が思いつかないので包丁でお腹を刺すしかない・・と
考え、何度も実行に起こそうとしたが出来ず・・
今思うとおかしいけど、本気だった。
でも、恥ずかしくてダレにも言えない・・・

 

10

中学の夏休み、あまりにやる事がなくひまで、深夜母校に忍び込み
Y先生の机から1万円、I先生の机から没収されてた(ぼくの)
ウォークマンとM先生の机から、「B.B.」(コミック)をぱくった
のもぼくです。
K西中学の職員室一同のみなさん、ごめんなさい。
ちなみに1年O組の教室からCDラジカセを盗んだのは一緒にいた
友達のM君です。ぼくじゃありません。
中学の頃、友達のC君のオネ~チャンの原チャリの鍵をぱくり、合鍵
つくってのりまわしてたのはボクとTです。いつもさらにぼろぼろに
して返してました。
Cのおね~ちゃん、ごめんなさい。
さらにその原チャリで2ケツして駅前でOLのね~チャン狙って
タッチ&ダッシュを繰り返してたのもぼくらです。
やられたひとごめんなさい。

今まで、一杯悪い事したけど、ツケもその倍もらいました。
いまではなんとか真っ当にやってます。
そんなぼくだけど、最後にまとめてごめんなさい。

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墓場まで持っていく話
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