【長編- 名作】スカッとする話
絶世の美女の副園長
数年前の話です。
私は田舎町の保育園に勤務していました。
園長は空気。
実際運営は副園長が任されていました。
その副園長は、こんな田舎には勿体ない位の絶世の美女！！
しかしイケメン保護者にはクネクネ、ついでにいうとモンペにもクネクネ…
なんだかなぁと思いつつも、それなりに先生同士上手くやっていました。
そんな私も経験を重ね、徐々に大きな仕事を任され始めたのですが、その頃から副園長に必要以上に残業を強いられるようになりました。
書類は手書きが殆どだったのですが、副園長と字体が似ていた事やそれなりの文章能力があった事が考えられます。
ちなみに日中は園児達との関わりがあるので、書類関係の仕事は夕方以降（もちろん無給）となります。
最初は、けなげに頑張る私カコイイ!!なんて呑気な事を思っていたのですが、流石に体力も限界。
つーか、副園長仕事しているのか？
日中副園長がやるべき仕事は、全て私が残業してこなしているし…
勇気を振り絞って指摘してみたら、ふじこるふじこる！！
鬼の形相で罵声を浴びせられ、萎縮してしまいそれ以上追求出来ませんでした。
副園長はそんな私を見て調子に乗り、どんどん仕事量を増やす。
他の先生は、巻き込まれたくないから見て見ぬふり。
そんな生活も一年近く続き、遂に心身共にボロボロに…
吐血と円形脱毛症と不眠症を期に、一身上の都合で園を辞めた。
この時も園長は空気、副園長は新しいターゲットを見つけた為サッサと捨てられました。
退職後、新しいターゲットの子には悪いと思いつつも、私は久々のニート生活を満喫していました。
日中に愛犬と普段は行かないルートにまで散歩していると、とんでもない所から出てくるとんでもない人達をハケーン!!
副園長と保護者でした。
ラブホテルから手を繋いで出てきててポカーン。
向こうは私には気が付いていませんでした。
つーかお前ら…仕事中だろ…何やってるんだよ…
これはまだまだ叩けば埃が出てくると思い、時間がある事を良い事にその日以降の副園長の行動を監視。
そしたら卒園児の保護者や、近所のボランティアさん、バスの運転手さんまでお相手をされていました…。
書き忘れましたが、副園長は既婚者です。もう馬鹿かと…。
副園長は、こいつらとの逢瀬の為に仕事をサボり、職場を抜けだし、日中出来なかった仕事を、私に押しつけてサッサと定時で家族の待つ家に帰ってたのかと思うと腸が煮えくりかえりそうでした。
何とか復讐してやりたかったけど、下手したら返り討ちにあってしまうと思い、考えた結果、町役場の保育園を総括している部署に匿名で電話。
最初は職員さんも半信半疑でした。
その後、証拠写真（緊張で手ブレして心霊写真みたいでしたが）を送った事で何とか信じて貰えたのか役場職員立ち会いの下、緊急で職員会議を行ったそうです。
（何故か、役場のスピーカーママ経由で事の内容を知った保護者も大勢参加したらしい）
ここからは、先生達や保護者さんからの噂で聞いた内容です。
会議では、副園長は完全否認。
匿名電話なんて信憑性がない。写真は合成。
名誉毀損だ訴えてやるとマヤっていたそうですが
新人の先生が、実は…と
園児達が副園長が体育倉庫でバスの運転手さんでキスしているのを見たらしい。
と発言したのを皮切りに、実は私も私も…と、余罪がザックザク！！
保護者からは罵声や悲鳴。役所は絶句。
最終的には副園長がふじこり
「私の美貌に嫉妬しているのか？お前らみたいなブスに私のマネが出来るのか！ふじこー！」と怒鳴り散らし大自爆。
ずっと空気だった園長がスッと立ち上がり、クビを言い渡し終了したそうです。
しばらくは保護者からの苦情が酷かったそうですが、今では平和な保育園が戻ってきているそう。
園長は変わらず空気らしいｗ
副園長は何故か返品されず（舅も旦那もベタ惚れ。姑は鬼籍）今はセールスマンとして第二の人生を歩んでいるそう。
そして変わらず近所方やお客様を食いまくっているとか居ないとか…
田舎ネットワークで噂は皆知っていて、子ども達の間でも副園長は色キチの妖怪という事になっています。
しかし、美しさは相変わらずらしい。むしろ若返っているそう。
本当に、精気を吸う妖怪なのかも。
私はその後、胃潰瘍も円形もなんとか完治し、新しい幼稚園でも楽しく過ごすことが出来ています。
先輩の先生のいびりも、副園長に比べりゃ屁でも無いです。
皆様も、色キチ妖怪にはお気を付け下さい…。
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