スカッとする話【短編 – 傑作選】まとめ – 全5話
先輩カップルの話
もう数年前のことだけど、当時お世話になってた先輩カップルの話。
先輩達の友達夫婦の家に突然連れて行かれ、鍋をご馳走になった。
そのご夫婦と私は面識がなかったが、大勢でよく遊んでいた人たちだったのでそれがこの人たちの中では普通なのかと思っていた。
でも鍋の準備や下ごしらえは手伝った。
先輩達と旦那さんはその間ゲームで盛り上がってた。
準備を手伝う間に奥さんと仲良くなり、携帯の番号を交換。
それ以降ちょくちょく連絡をとり、個人的にも遊ぶようになってから知った真実。
先輩カップルは週1ぐらいの頻度で夕飯をたかりに来る。
だが一度も材料を買ってきたり、手土産を持ってきたり、お金を払ったり準備を手伝ったりしたことがないらしい。
しかもカップル揃って大食い。
いつも断りたいが、旦那さんが家計など無視してOKしてしまう。
嫌だとは思っていたが旦那の友達だから黙っていた、とこのこと。
さすがにそこまで先輩達が非常識だとは思わなかったので驚いた。
週1のたかり代金をどうにか出させる、もしくは上手くたかりをやめさせる方法はないかと二人で悩んで一つの計画を立て、実行。
次に先輩カップルと遊んだ日、わざとご夫婦の家に誘い、実際待ち合わせるのはスーパーの駐車場。
一緒に材料を買って強引に割り勘にしてみた。
先輩カップルは表面上にこやかにお金を出したが、その日の帰り道は奥さんの悪口でもう大変だった。
普通に持ち寄りもなし、家を提供する人が材料費なんかも出して当たり前と思っている人も世の中にはいる。ずうずうしい限りだわ。
ちなみに、スーパーに無理やり誘導したのも私だし、割り勘を言い出したのも私。
帰りの車の中では奥さんの悪口大会でしたが、私が帰ってからは私の悪口大会だった模様。
その後先輩カップルと共通の友人から先輩カップルが私のことを愚痴っていたと密告があった。
どうも先輩カップルにしてみれば「お金が無い→お腹すいた→奥さんの手料理ただで食べる」
という流れは当然の行為だったため、それがしずらくなったのは私が悪い、という理論らしい。
先輩カップルとは馬鹿らしくなってその後連絡をとっていない。
奥さんのほうは旦那さんの手前付き合いは続いてるらしいけど、材料費割り勘が定着したのでたかられてはいないそうだ。
大音量
近所の家の息子(高校生くらい)が、毎日変な音楽やらテレビやらを大音量でかけまくって非常にうるさかった。
しかも、夜一時頃でも平気でいきなりジャーン!!とやらかす。
隣近所からも文句が出ていたようだが、一家揃ってドキュ揃いで親も逆ギレする始末。
まっとうな方法じゃ無理だな、と思った俺は仮名でそいつにラブレターを書いた。
「通学途中であなたを見るたびに胸が苦しいです。昨日、勇気を出してあなたの家まで後をつけちゃいました。○○君の好きなミュージシャンは△△なんですね。私も大好きです。運命かな?私のことを想ってくれるならまたメッセージ下さい。○○君のそばで聞いてます」
「手紙読んでくれたんですね、嬉しい!!毎日○○君の家まで通ったかいがありました。□□バンドの曲、あれは私へのメッセージですよね!『お前しかいない』なんて!うれしくて思わず泣いちゃいました」などなどデムパ娘っぽく。
4通目ほどで音は劇的に小さくなったw
半年後、また音が大きくなってきたんで
「忘れられたと思っていたのに、やっぱり私のこと忘れられないんですね!あの曲は別れた恋人を忘れられないあなたの気持ちですね。あきらめなくて良かった、一生あなたを想い続けます」
とさらに壊れかけのラブレターを出したら、それ以降ピッタリと騒音は止んだ。
ネタ土産
妹はみょうちきりんな「ネタ土産」を買ってくるのが大好き。
世界一臭いという魚の缶詰、不味過ぎて誰も食べられないような肉だか魚だかの加工缶詰(パテのような物らしいが未開封のため確認できず)、消臭スプレーに偽装してある唐辛子スプレー、食べられる虫が入っている飴、強盗に投げつける強力な染料が入ったカラーボールなど色々。
もらったときは笑いの種にはなるけど処分に困り、段ボール箱にギッチリ詰め込んで物置にしまっていた。
近所の友人と「処分に困るけどどう分別していいか分からないし、ついつい放置してしまってるわ?」
なんて話していたのを聞きつけたらしい近くの母子家庭ママが物置の鍵をピッキングして盗んでいった。
(元々ゴミ回収のときに出す予定のダンボールやプラスチックゴミなど、ゴミ同然のものしか入れていない物置だったので最初からついていた簡単な鍵のみだった)
母子家庭ママ、家で彼氏と子供と缶詰開封。
だいぶ発酵していたらしく臭い汁を撒き散らすわ、消臭スプレーとばかり思って噴射した唐辛子スプレーを顔にモロにくらって染料入りカラーボールの上に転倒するわの大惨事。
住んでいた市営住宅を追い出され、生活保護申請中だったのだが怒り狂った近所の住民に
「事実婚状態の特定の彼氏がいる上にこっそり夜の仕事をして収入もそれなりだった」
事をバラされ全てがおじゃん。
悪臭と染料が染み付いた部屋を何とかする費用も請求されたらしい。
ネタ土産セットが盗まれた時点で被害届を出していたので警察にも御用となりました。
彼氏とは泥沼修羅場で別れ、子供は泥ママの母(子供からしたら母方の祖母)に引き取られたらしい。
変態が学校の周囲を徘徊
女子高時代。
月に何度か、自転車に乗った下半身モロ出しの変態が学校の周囲を徘徊しては、下校途中の生徒を追い掛け回していた。
その変態を逆に追い掛け回してみよう、と言う企画を立てたら参加人数が百人を超えてしまった。
なんだか制御しきれなくなったが「無言」「無表情」を合言葉に計画実行。
曲がり角から沸いて出る女子高生に追い回された変態は、パニくって土手を転がりドブ川に落ち、そのまま向こう岸まで渡って逃げていった。
以来、卒業するまで一度も変態は来なくなってしまった。
私のいとこは巨漢
私のいとこ(男)は身長186cm、体重100kg超という巨漢である。
彼は子供の頃から人並み外れて体が大きく、相撲部屋からスカウトがきたこともある。
(いとこの親が「長男だから」と断ったが)
ある日、彼が私のバイト先の店に客としてやってきた。
そのとき店内には金髪のDQN(まだ10代っぽい)が3人ほどいて携帯電話を鳴らしたり、高校生のバイトをからかったりしていたのだが、そんなことは知らないいとこが私を見つけ、「おい!」と呼んだ。
いとこに背を向けて座っていたDQNたちは、自分達が「おい!」と言われたのかと思いナンダヨオラオラ喧嘩上等!といったムードで振り返ると
伯父さん(いとこの父)がパチスロでゲットした、ベルサーチのサングラスをかけた私のいとこの姿(しかも会社帰りのためスーツ着用)。
DQN、急に(´・ω・`)ショボーン
いとこはDQNの存在にも気づいていなかったのだが、DQNは途端におとなしくなり、すーっと店から出ていった。
いとこはちょっと天然入ってるのだが、このときは助かりました。
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