スカッとする話【短編 – 傑作選】まとめ – 全5話
すれ違いざまにひったくられた
さっきやられた。
カップに内蓋と外蓋がついてて、外蓋からストローをぶっ刺すタイプのコーヒーを駅の中で持って歩いてたら、ベビーカーを押した女にすれ違いざまにひったくられた。
女はそのまま改札口へ…。
それはコーヒーを飲み終わってストローやら鼻かんだティッシュやらを詰めて外蓋を元通りに閉めたゴミだったんだけどね。
手に持ってたのはゴミ箱を探してウロウロしてたからなんだけどね。
ゴミとはいえひったくりには違いないので、駅の職員に事情説明だけしておいた。
係長の話
うちの係長の話。
部署で花見をした帰りに、がらの良くない人たちにからまれました。
こちらは女3のおじさん4で、相手は5人ぐらいだったと思います。
すると係長が持ってた割り箸を相手に向けてこう言いました。
「俺は素手の喧嘩は弱いけど、剣道5段なんで、棒状の物を持ったら強いよ。」
あんの細い割り箸でも、剣道5段クラスに先を向けられたら怖いものなんですね。
がらの良くない人たちは悪態つきながら背を向けて早足で立ち去りました。
余裕と迫力を見せた係長は素敵でした。
叔父さんが宝くじを当てた
叔父さんが宝くじで結構な金額を当てた。
もともと破天荒な人だったけど、突然町長選挙に出ると言い出した。
叔父さん含め立候補者は3人、対立候補は元町長のA、元町会議員のB。
叔父さんは立候補はしたものの、碌な選挙活動はせずに対立候補Aの邪魔(Aの演説中に近くで演説したり、Aの政策のアラをついた演説)っぽい事ばっかしてた。
そんな人なんで後援会も集まらず、うちの親含めた親族で頬細とバックアップしてた。
選挙の結果、ダントツでB氏が当選。
叔父さんに「残念だったね」と声をかけると
「いやいや、あの活動で受かるほど町民馬鹿じゃないだろw」
「それに俺、もともと町長なんてなる気ないよ?」としれっと言うから
「え、じゃあなんで選挙なんか出たのさ?」と聞くと
「うまく隠してたけどAは町長の立場利用してAの弟の○○建設に仕事ふって、私腹肥やしてきたクズだから、あいつを落とすため(キリッ」
「Bは線は細いけど真面目な男だから、格別町が良くなるこたないけど悪くもならんだろ」
「あぶく銭使って想定どおりの結末迎えるなんて最高の気分だぞ?まだお前にゃわからんだろけど」
と飄々としてた。
宝くじの当選金は使い果たしたから、お年玉が増えたりしなかったのが不満だけど、降って湧いたお金の使い方としては子供心にかっこいいと思った。
イケメン先輩
サークルの部室で女子数人がイケメン先輩Aと話してて、別の先輩Bが話題になって
女子たちが「Aさん知ってました?Bさんもう3年なのにチェリー君なんですよ」
「ちょっとダサいっていうか恥ずかしいですよねw」
「デブだし仕方ないけど年上のくせにってちょっと思いますねww」
みたいなことを言ってたらAさんが一言、
「周りにいる女が君ら程度のしかいないからBさんも釣り合う女がいなくて大変だろうね」
って爽やかな笑顔で返してた。
それを聞いて言葉を失う女たちを見て童貞の俺はスーッとした。
卒業証明書を発行する機械
大学の頃の話。
卒業証明書を発行する機械が少なくて、2時間待ちの長蛇の列になってて、自分もそこに並んでたんだが、しばらくして列の真ん中あたりまでいったときに、自分の前に並んでいた男の知り合いがふらっときて、前の男に横並びになる形で会話をはじめた。
割り込みかと思ったけど、完全に並んでないし単に話してるだけかもしれないので、自分はイライラしながらも並んでいた。
いよいよ前の男の番になったとき、突然その知り合いが自分の前にスッと入ろうとしやがったので、そいつに文句を言ってやったら男もまさか文句言われるとは思わずポカーンとしてたが、そうこうしているうちに自分の番が来たので、その男ほっといて機械に向かった。
そしたらその男今度は自分の後ろに割り込もうとしたんだが、自分の後ろがDQN学生ですぐに因縁つけられてた。
結局割り込み男は一から並びなおし。
ざまあみろな話でした
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