『口うるさい人』など全5話 – スカッとする話 短編 – 傑作選【因果応報・復讐・武勇伝】

スカッとする話【短編 - 傑作選】まとめ - 全5話

 

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スカッとする話【短編 – 傑作選】まとめ – 全5話

 

口うるさい人

上司が3月末で退職するので(定年ではない)、後任A氏が引継ぎのために
3月からうちの部署にちょくちょく顔を出すようになった。

いよいよ上司が有給使って長らく休むことになり、
A氏が本格的に異動してきたんだけどこれがまた良くも悪くも口うるさい人だった。

特にパワハラセクハラには注意するように!というのが一番の主張。
だけど今までの部署内の空気とかそういうのを無視した上で1人騒いでいるので
部署内が妙な空気になってしまった。

例えば「異性の体に故意に触れるのはいかなる場合もセクハラに該当するので注意」
「お疲れ」「ありがとう」と肩を軽く叩くのもセクハラ、というのがA氏の言い分で
そういう微妙なことまで部署内で禁止させられた。

嫌いな人にやられるならともかく同僚に肩ポンされたくらいでそんなこと思わないよねーと
A氏不在の時にみんなでモヤモヤした。

もうひとつ、部署内には仮名だけど佐藤さんという苗字の人が2人いて、
男性と女性なのでそれぞれ「佐藤くん」「佐藤さん」と呼んでいた。

そこにさらに佐藤さんがもう1人加わって名前をどうするか協議した結果
「花子さん」と下の名前で呼ぶことにした。本人も「多い苗字あるあるですよね」と納得済み。

ところがA氏はそれもパワハラセクハラとかなんとかで苦言を呈してきた。
そして1人だけ花子さんのことも「佐藤さん」呼びするようになった。
自分が率先して行えば他の部下も追従してくるだろうと思ったんだろうね。
でもさすがに不便すぎるので私たちは従来のままで呼んでいた。

A氏「佐藤さんはいる?」
佐藤くん「僕ですか?」
A氏「いや女性のほうの」
社員「一方は食事休憩で、もう一方は倉庫です」
A氏「倉庫にいるのはどっちの佐藤さん?」
佐藤さん「戻りましたー」
A氏「佐藤さん倉庫に行ってた?」
佐藤さん「行きました」
A氏「○○の在庫はまだあった?」
佐藤さん「私は行ってないのでわかりません」
A氏「」

こんなギャグみたいなやり取りをする羽目になった結果、2日と経たずA氏も「花子さん」呼びするようになりました。
佐藤さん・花子さんはもちろん私たちもわざと面倒くさくなるような言い回しを選びましたが。
今はちょっと平和になりました。

 

 

うちのスペースと代わってくれない?

以前住んでいたマンションでのこと。
妊娠何ヶ月か知らんけどお腹が大きな奥さんがいた。
マンションのすぐ横に入居者の駐車場があるんだけど、
私が借りてたスペースは入口に一番近い所だった。
で、その奥さんは200mぐらい離れた第2駐車場を借りていた。

ある日、出勤の為に車に乗り込もうとしたところで男性に声を掛けられた。
傍らにはお腹の大きな奥さん。
「悪いけど、しばらくうちのスペースと代わってくれない?」って言われて
「え?なんで?」と言ったら
「見て分かるでしょ?うちの奥さん妊娠してんの」って言われて
「いや、見りゃ分かるけどだからなんで?」って言ったら
イライラしたふうに
「わかんない?妊婦さんを労わろうって気持ちにならない?」って。

「大事にしてねとは思うけど、ここは私が契約してるスペースですから」
って断ったら「嫌な世の中になったもんだ。君、結婚できないよ」って捨て台詞。
で、断ったのに翌日帰ってきたらうちのスペースに止めてあった。

大家さんに電話しても留守らしくて通じないし、
その妊婦さんが何号室か知らないし、どうしようって思ってたら
その日一緒にいた彼氏が近くにあるコンビニに走ってマッキー極太買ってきて
車の後部に絵を描いた。
昔タモさんがよく描いてた安産祈願の絵のリアル版。

「俺、今日は帰るからwお前は知らぬ存ぜぬの方向でw」って。
彼氏が帰ったあと、妊婦だろうがなんだろうが出て来るまで
狂ったようにクラクション鳴らしまくって
「○○-○○のナンバーの方ーーー!!!
車どけてくださいーーーーーー!!!!」と繰り返し喚き散らし
マンションの他の住人には迷惑かけたけど
やっと出て来させて移動させた。

その後、しばらく報復があるかもと思って彼に車預けてたけど
妊婦の方は気付かずにしばらくお守りつけたまま走ってた。

 

幼馴染に復讐

昔幼馴染に仲間外れにされる、物盗まれる、虫のそばに放置される、
ボール顔面に投げてくる等の今となっては子どもっぽいいじめのようなことをされていた。

縁切れば良かったんだけど家族ぐるみで付き合いあったし家も目の前だし、
親たちの見えるとこではなにもしてこなかったのもあり、ずっと耐えていた。

まぁ学校に行けば他にも友達いるし部活もやってたしね。
そんな彼女も中学あがる頃には引っ越していき、平和になり、月日は流れて大学生。

いろいろあって出会った人(以下Sさん)がめちゃめちゃ羽振りが良かった。
理由を聞くと付き合っている体で風嬢に貢がせているらしかった。
御察しの通り幼馴染。世界は狭いですね。
なんか全然気にしてなかった昔のことがフツフツ来て、面白くなったのでSさんに便乗した。

まずSNSで偶然を装いフォロー。近況をヲチ。一方で個人ブログと風嬢の日記見つけたのでブクマ。
個人ブログにはSさんとの出会いとかケンカとか出張寂しい><とかあった。
まぁその出張の日私とお前稼いだ金で遊んでたけどな。

出張のお土産って渡したのは百貨店の物産展で買ったやつだから。
で、ご飯の約束もしたので会うことに。
私ももう昔の私ではないので何かあっても大丈夫だろうと軽い気持ちで会った。

こういうの他の方のでもよく見るけどやった方って本当に覚えてないんだよね。自覚ないっていうの?
仲良しだったよね~☆みたいな。本気で言ってんの。
サラッとでもなんでもあの時はごめんねってあれば私は手を引こうと思ってたけどね。
むしろあんまり変わってなかった。私が頼んだケーキ一口ちょうだいって言ってごっそりもっていかれた。
そのくせ自分のはくれないのな。欲しくもないけど。

幼馴染は私が自分の世界の人間とは無関係だと思っているからか、
今風嬢なことも彼氏(笑)のことも簡単に話してくれたし悩みも相談してくれた。
適当にアドバイスしてその日は解散。またご飯食べよ☆愚痴たくさん聞いて☆の連絡がくる。
鼻で笑いSさんに続行の連絡。

元々幼馴染を彼女とも思ってないSさんは外では遊びまくり。だって彼女じゃない人と一途に付き合うわけないじゃん。
いままでも幼馴染の中で不安があったみたい。だから浮気メールの中に私の名前を入れてもらった。「今日は楽しかったよ」みたいなやつ。
それを発見して幼馴染ヒス起こす。でも私とは気づかない。私の名前は「あや」みたいなどこにでもある名前だから。

その日のブログには浮気された。あやってだれ。みたいな事書かれてた。私でーすww
それでも別れないのは依存してるからかな?たまに優しくご飯連れてってもらえたりデートしてもらえるからかな?
そうしてくれって頼んだの私だけど。

他には幼馴染の働く店のスレに自演っぽい事書いたり客装って感想書いたり。
他の人もそう思ってるのか、叩く流れになった時はわくわくした。

結局私もSさんも飽きてきちゃって最後の最後に大きく貢がせてポイ。
その後に会ったらSさんの所為で~とかお店の掲示板も~とかいろいろSさんの所為にしてたけど私だからね。
Sさんだって私と出会ってなかったら今でもあなたとまだお付き合いごっこしてたかもよ。

嫌がらせはもうしないつもりだけどこれからも楽しくヲチさせてもらう予定。

 

 

自己愛性パーソナリティ障害

我ながらネクラな話ですが…

自己愛性パーソナリティ障害の特徴が顕著に現れている
社員さんがパート先に異動してきました

社員さんは
35歳 独身 彼氏いない歴10年(自称) 年収350万(推定) 顔は中の上の下(40代に見える)
実家暮らしで料理×(ポットのお湯さえまともに替えられないレベル)

伴侶に求める条件は
40歳前後 身長175cm以上 イケメン(DA PUMPのISSAがタイプ)
高収入(具体的には聞いてないけど年収500万の人をバカにしてた) 専業OK 親との別居必須
喫煙不可 珈琲不可 加齢臭不可 優しい人(訳:料理上手なYESマン)

※年収300万あれば親子3人慎ましく暮らせる地域
※上記にフェイクは入ってません

自己愛性パーソナリティ障害特有の
自分age他人sage 妬ましいことは敏感に過剰反応して猛攻撃
が嫌になって辞めることにしました
でもやられっぱなしなまま辞めるのはムカつくから…仕返しのつもりで嘘をつくことにしました

まず適当な人に
「(社員さんが憧れてる企業)が求人を出してるの見つけて履歴書を送ったところ」
とたまたま見つけた求人内容を話して履歴書を送ったことに
1週間後
「書類選考が通過した!夢みたい!!!○日に面接があるんだけどどうしよう!!!」
と社員さんのすぐそばで聞こえるように会話を開始

「え?この前言ってたところ?(社員さんが憧れてる企業)?!」
と案の定企業名を確認されたから企業名を強調して受かれてる人を演じた

更に10日後一次面接通過の報告を社員さんの近くで行い
「これはもう確実に採用されるね♪」
みたいな感じで盛り上がった(二次面接は有給消化期間に行われる設定)

社員さんの態度は日に日に悪くなっていきましたが
裏を返せばそれだけダメージを受けているわけで…楽しくて仕方がありませんでした

そして先月17日(最終出勤日)
みなさんとお別れの挨拶をしている中で
「実はバレンタインデーに彼氏(架空)からプロポーズされまして…」
と報告
「彼氏がいるなんて聞いてないわよー!」
と質問攻めされたから

29歳 一部上場企業勤務 スピード出世で課長職 手料理ウマー 優しさだけが取り柄
と説明
「でも折角二次面接まで進んだのに辞退してくれって言われてて…」
と専業主婦を熱望されてるアピールをしていたら
バンッ!と物凄い音を立てて社員さんは部屋を出て行きました

虚しくなんてありません!!!!!!!

 

 

気分のムラが激しい人

友人未満な知り合いからの紹介で、ある小さなレストランでアルバイトをする事になった。
そのお店はビジネス街の中に有り、全く新規でオープンした洋食屋さんだった。

面接の時には店長も奥さんもにこやかで
「ウエイトレスだけしてくれたらいいからね。掃除は業者を入れるから。うちのまかないは美味しいから期待して」
とのことで、感じがいいなと思っていた。

入ってから分かった事だが、そのお店は従業員全員親類縁者のみで、親類でないのは私だけだった。
それでも最初は問題なく働いていた。

ところが、その店の人達は気分のムラが激しかった。
調理を行う店長は調理の善し悪しにもムラが有って、ある時など炊飯に大失敗して
お客様にとんでもないご飯を出す事になってしまった。

その失敗した料理を運ぶのは私だから、謝るのも私だ。
私がテーブルを回って丁寧に謝罪していると、奥で店長が待ち構えており
「お前の態度はなんだ!ペコペコしやがって。俺へのあてつけか!!」と怒鳴られた。

また、ある時も1人でお見えのお客様が食事を殆ど食べずにお金を普通に払って去ってしまった。
何故だろうかと残した物を見てみると、ハンバーグの中身が真っ赤な生焼けで、食べられるようなものではなかった。
その時にも「女のクセになんで客の様子に気付かないんだ!おかしいなと思ったら、黙ってカレーでも出せばいいんだ!」と怒鳴られた。

私への対応はどんどんぞんざいになっていき、
最初は「ウエイトレス業務だけ」と言われていたのに、トイレ掃除も命じられた。
客が入らない時は「店の前で客を呼んで来い」と言われたり、
「物欲しそうに呼び込みなんてすんな」と言われたり、日によって全く違う事を言われたりした。

他にもウエイトレス担当のおばさんは居たが、私に仕事を任せてダラダラしていた。
まかないなんて立派なものは出ず、食べて良いと言われるのは生野菜(サラダ)と白ご飯のみだった。まじで。

私は、ある時期まで黙って働いた。
そう。クリスマスまで。
クリスマス時期のレストランはどこも予約で一杯だ。
びっしり埋まった予約表を見て店長はニヤニヤしていたが、私はそんな店長を横目にほくそ笑んだ。

私はクリスマスイブの前日まで通常通り働いて、クリスマスイブから仕事をブッチした。
店から電話が掛かってきたが無視した。
すごい数の予約が入っていたから絶対に回らなかったと思う。
お店のみんながお客様に文句を言われている所や、店長がキレてる所を想像するだけでスッキリした。

お店は間もなく姿を消した。
散るべくして散ったお店だと思うから、罪悪感は皆無。

 

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