『兄嫁の嫌がらせ』など全5話 – スカッとする話 短編 – 傑作選【因果応報・復讐・武勇伝】

スカッとする話【短編 - 傑作選】まとめ - 全5話

 

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スカッとする話【短編 – 傑作選】まとめ – 全5話

 

兄嫁の嫌がらせ

義姉(兄嫁)になんかチビチビとした嫌がらせを受けてた。
すれ違いざまに嫌味言われるとか、手土産のお菓子を私の分だけ人数分から省いたり、
本当に些細なことだったのであんまり気にしないことにしていた。
私は実家暮らしで兄夫婦とは別居で、そもそもそんなに顔を合わせてもいなかったから。

兄夫婦はお互いの仕事や日取りの関係で入籍→結婚式という順序だったんだけど、
披露宴で義姉が過去最大の嫌がらせをやらかしてくれた。

無断で私を余興のメンツに入れ、しかも明らかに私が歌えないであろう曲目まで指定されていた。
結婚式前に親族待機室(?)へ挨拶に来てくれた司会者に話しかけられて発覚した。
しかも私の順番は余興としては最後のほう。

招待客が余興に飽きてきて酔っぱらっているようなタイミングでろくに歌えない歌にオロオロする
私を見てニヤニヤするつもりだったんだろうなという魂胆が丸見え。
「いやいや無理無理」で押し通そうとしたけど、時間がー式次第がーと言われ、
スタッフに相談したら「カラオケリストにある曲なら差し替えられる」とのことなので急遽変更。

歌ってやりましたよ、振袖で民謡の祝い唄を。
祖母(現在鬼籍)が民謡を習っていたので小学生の頃に付き合いで覚えさせられてた。
しっかり習っていたわけじゃないので小節や唸りはさほどできないけど、
明るいテンポのものは子供心に歌ってて楽しかったので歌詞はあやふやでもメロディは覚えてる。
カラオケだから歌詞出るから問題ないし。

しかも偶然にも義姉の親族がその祝い唄のある地方出身だったことがわかったので、
「みなさんお手拍子お願いしまーす!」とか煽って場を盛り上げた。
義姉友人や同僚の若い人しかわからないような余興ばかりで飽きてたっぽい。
おじさんおばさんの食いつき半端なくて、おじさんからはおひねりもらったw

で、このあいだ義姉側の親族が顔を合わせたときに「あのお姉ちゃん(私)は元気か」と口々に聞かれ、
義姉がウギギッとなってたらしい。
兄がつぶさに報告してくれた。

日頃の嫌がらせに関しては兄は気付いてなかったと思う。
嫌味は人目がないときにボソッと言われるだけだし、手土産もついうっかりを装ってたしね。
「お義母さんからお出掛けするって聞いてたのでー、すいませーん」みたいな。

母は「そんなこと言ったっけ?」みたいな顔してたけど、
来訪の確認は電話だから言った言わないの水掛け論になっちゃうから
それ以上追及することもなかった。
兄が「ちゃんと確認しとけよ」って義姉に注意はするけどその程度。

披露宴は終わってから兄に「余興やるなんて聞いてない。事前に連絡よこせ」って一応クレームは入れた。
義姉から「妹ちゃんには私からお願いする。友達との余興の兼ね合いもあるから」って言われて任せてたそうだ。

それについては謝ってもらったし、義姉にその場で注意してた。
「メール送ったのに届いてなかったのかも」
「私の確認不足ですねすいません」なんてしおらしくしてたけど、
それもまた義姉のついうっかり偽装だろうね。

まぁ私も今後はやりかえす決心がついたしw

 

 

夫が浮気をしていた

夫が浮気をしていた。
毎日3時ごろに無言電話がかかってくるようになった。

最初は気味が悪かったが、ある日夫の携帯から電話がかかってきて
出るとどうも誤って押してしまったのか、向こうの音が筒抜けに。
(浮気相手がわざとかけてそのままにしたんだと思うけど、)
浮気相手との会話が筒抜けに。

帰ってきて気づいた夫は私に何か聞きたそうにしてたけど、
私は知らんふりをしてた。
「なんかあなたの電話勝手にボタン押しちゃったのか、無言電話かかってきてたよ。」
と言うと、ほっとしたのか今度から気を付ける、ごめん。と。

その日から週に一度、夫が寝ている間に夫の頭に綿棒で除毛剤をつけて一円ハゲをいっぱい作ってあげた。
夫が抜け毛がひどいと言い出したので、「何か悩み事か隠し事でもあるんじゃないの?」
と冗談めかして言うと、あわてた感じで、そんなことあるわけないと一生懸命否定をしてました。

その後反省したのかハゲだらけの夫が愛想を尽かされたのかはわからないけど、
今は多分浮気はしてないと思う。
もう2年も前のことなのに、いまだに夫の頭はまだらハゲ。
除毛剤って怖いね。

男性擁護に忙しいうちの兄

仕返しっていうか自爆だけど、横から見てて面白かった話。
一日中自分に関係ない女の悪口を言い、男性擁護に忙しいうちの兄。
かろうじてニートではなく、家業を手伝って高校生程度のお小遣いをもらっている。

学校と家とネットと漫画しか世界を知らないので、
口から出るのは女性芸能人と脳内女と政治家の悪口のみ。
ベッキーを便器ーと呼び、「男は被害者」「クズ男を選んだ見る目のない女が悪い」と
誰も聞いてないのにまくしたて、フシュシュシュと笑い声をあげている。

一日中こんななので客の前に出せず、中でずっと手作業をさせている。
親は「手伝いするだけマシ」と諦めてスルー。
私はすでに家を出ているので、兄を遠巻きに見て母の愚痴を聞くだけ。

先日同じく自営をやっている親戚の手伝いに親、兄、私が駆り出された。他にも親戚多数。
既婚のいとこ夫婦も何組か来ていた。
その夫婦間の会話を聞いて、関係ない兄がやたら怒り始めた。

いとこA夫婦、夫が何かふざけて妻がツッコミ「ちょw働けw」→兄「働けだぁ!?男に命令するな!」
いとこB夫婦、妻が夫に「B夫クン、何々取ってきて」→兄「男をこき使うとは!夫をクン付け呼びとは何だ!」
いとこC夫婦、休憩中のおやつを妻が半分食べて残りを夫にあげる→兄「男に残飯を食わすとは!」
どう見ても仲むつまじい夫婦がイチャつきながら作業してるだけなんだけど
兄には「男を軽んじてる!男に無礼だ!」と見えるらしい。

いちいち嫁さんを捕まえてキーキー言う兄に夫たちが怒り、
「嫁に何すんだ!」「嫁に触るな!」「夫婦のことに口出しすんな!」と説教。
俺は男の味方!夫たちの代わりに戦ってやったぜ!と鼻息荒かった兄、
味方のつもりの男衆に総叩きされてショボン。

小一時間して「あいつらは騙されてる」と復活しかけたけど
夕飯の席で伯父や叔父らも加えたメンバーに説教され直してさらにショボン。
自称男の味方だったけど、男は誰も兄の味方じゃないことにようやく気づいたらしい。

まだ便器ー便器ーとゴニョゴニョ言ってはいるが大分トーンダウンした。
父も伯父らに説教されて目が覚めたらしく「そろそろあいつも40だし、あのままじゃいかんな…」と言い始めた。
今は決算前で忙しいから現状通りだけど、決算が終わったら手を打つってさ。楽しみ。

 

 

サイン本パクられた

昔付き合っていた彼、お互い推理小説好きでデートと言えば書店巡りのあと
どちらかのアパートでそれぞれ読みふけるという、私にとっては居心地のいいものだった。

が、ある時、書店で好きな作家さんのサイン会があって、嬉しくてその場で新刊を買ってサインを貰った。
彼もその作家さんのファンだったが「サインには興味がない」と言って買わなかった。

その日は他にも結構買いこんで、そのあと彼のアパートで読書デートを楽しんで帰った。
で、家に帰ってバッグの中をみたらサイン本がない。
忘れて来たかな?と思って彼に電話して聞いたら残っていないって言うし、
落としたってのはありえないし、絶対忘れて来てると思って翌日また確認したけど無いって。

結局出てこなくて泣く泣く諦めた。
それから一ヶ月ぐらい経ってヤフオクを漁ってたら(これまでも時々ヤフオクで新刊買ったりしてた)
その作家のサイン本が出てて、最初は何気なくクリックしたんだが
本の画像に写り込んだあるモノに見覚えがあった。
それで他の出品物を見てみたら明らかに彼の部屋だった。

パクられた!そう思った途端にムカついてしょうがなくて、
その次に彼の部屋に行った時、彼はトイレが近いやつなので何度か部屋を出たんだが
その隙に積読になってる未読本の中で私が既読のもの(5冊ぐらいあった)の
犯人が登場するシーンを速攻で探し出し「犯人こいつ」と書き込んでやった。
サイン本は戻ってこなかった。

 

 

介護のために仕事を辞めた

母が足を悪くして介護のために仕事を辞めたのが四年前。
あれこれ文句言われて怒鳴られながらも頑張った
大学生の妹も手伝ってくれたけど、怒鳴られる妹を見るのは辛かったからほとんど私がやった

昔から私と妹にばかり辛辣な母だったから怒鳴られるのには慣れていた
私と妹にばかり色んな制限を課してくる母だったから自分の惨めな境遇もどうでもよかった
というか麻痺してたんだと思う

家を捨てるまでは怒鳴られようが馬鹿にされようが何とも思わなかった
路地裏で背後から羽交い絞めにされて逃げた時も、親しくしていた友人が早世した時も、
今からだと考えられないことだけど全く怖いとか悲しいと思えなかった

あの状況、というか人生そのものに転機が訪れたのは凄く些細なことだった
晩ご飯食べながらニュースを見てた時に、詳しい内容は忘れたけど介護業界が云々みたいなニュースが流れたのよ

以下弟(大学生)が語ったこと要約

・介護は本来女の仕事
・他人に任せるなんて情がない
・家族の絆が薄くなっている
・女が楽をするようになったからいけない
・個人主義と行き過ぎた人権と自由をはき違えた生き方が問題
・欧米の価値観を取り入れたのがいけない。古き良き時代に帰るべきだ

なんか演説しだした弟
うんうんと頷く父と母

それを見てなんかが切れちゃったんだよね
プッツンって音が本当に聞こえた気がした
同時に、ふっと視界が開けたような気がした

別に私が我慢しなくてもいいんだって、
人からみれば凄くしょうもないことかもだけど、あれは確かに天啓だった

私が出ていけば次にこの家の犠牲者になるとは妹だと思った
離職前の貯金があれば当面の生活費+妹の大学の学費は捻出できると思って妹を連れて家から脱出した

幸いにして資格持ちだったので再就職は楽だった。
妹も私も成人していたので手続きやら何やらで苦労することもなかった

めでたく妹の就職が決まったのでこれで私の心配事はなくなった
家を出て一年近く経つのに未だ弟から罵詈雑言&救援要請メールが届く
もうどうでもいいけどね
そんなに家族の絆とやらを維持しつづけたいなら娘のことも大事にしろや

 

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