『ひったくりを捕らえたときの話』など短編5話 – スカッとする話

スカッとする話【短編 - 傑作選】まとめ - 全5話

 

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スカッとする話【短編 – 傑作選】まとめ – 全5話

 

ひったくりを捕らえたときの話

1年前のちょうど今頃に、ひったくりを捕らえたときの話。

結構人の多い道路を歩いていた時、後ろからひったくりにタックルされた。
後ろから「待ってー!」とか「どろぼー!」とかテンプレートな台詞が聞こえてきたからすぐにひったくりとわかったんだけど、ひったくり犯も自分もブラックアイスバーン状態の歩道にすっころんでいたせいで、立ち上がって取り押さえようにもツルン
逃げようと立ち上がってもツルン
周りの人が取り押さえようとしてもツルン

一分か二分間くらいドリフのコントのような状況に陥っていた。
そしてようやく、刑事ドラマとかによくあるような相手の腕をひねり上げる技をかけたと思ったら、暴れるひったくり犯のおかげでツルンと転び、ひったくり犯の左肩が見事に脱臼。
漫画とかでしか聞いたことの無いような音を立てて関節が外れた。
一緒に取り押さえようとしていたサラリーマンが「うえっ」とあからさまに嫌そうな顔をしていた。

悪いのは暴れる犯人っすから、と言い訳しつつ、悶絶するひったくり犯の右肩にさっきと同じ技をかけて拘束しようとしたが、今度は右の肩を外されるのかと勘違いしたひったくり犯がまた暴れだしたおかげでまたツルン、グゴキッ

両手が使えないから立ち上がれず、氷付けの歩道でひたすらのた打ち回るひったくり犯を見ていると、こっちが悪者みたいに思えてきたけど、カッターを隠し持っていたことが後からわかったので今は後悔はしていない。

 

 

バレエの公演

娘と一緒にバレエの公演を見に行った。
結構有名な人が出るとかで長蛇の列。
漸く開場。早足でホールに向かう客達(自由席だった)。

ちょうど良い列(1列8人掛け)があって、その列の右端から1席目と2席目が空いていたので、娘と自分の二人分の席を確保し座った途端、3席目に座り4席目にバッグを置いていた60から70代位の老婆が
『どけ!』
私たち『?』
きつい方言で喚く老婆。要約すると

自分達は4人で来ている。
あんたたちが今座った2席は、後から来る私たちの連れも座る席だ。
今から荷物を置いて確保しようとしていたところだ。
だからどっか行け!

ということらしい。
吃驚した娘が立ち上がった直後に、老婆がその席にパンフレットを押し込み
『ほら!取ってるだろう!お前も(私が座っている席のこと)どけ!』と叫んだ時は物凄く腹が立った。

しかし言い返そうとした瞬間あることに気付いた私は娘を促し、運良く空いていた同じ列の左端2席に移動。

『何であんな風に言われて引き下がるの?私たち悪くないのに』と釈然としない娘に

『大丈夫。あともう少ししたら、ものすごーく楽しいことおきるから』と私。

開演時間が迫りどんどん埋まっていく座席。
2人連れできた人達が仕方なくばらばらに座る光景もちらほら。

やっと4人揃ったらしく喋り続ける老婆たち。
さっきのいざこざも話題に出てた。
『年長者には向うから譲るべき。○○さん(さっきの老婆のこと)は正しいわよ』
『私たちは足腰が弱いから許されるべき』とか。
声がでかいから良く聞こえた

そこへ見回りにきたスタッフが老婆たちに
『そこ、関係者席なので移動お願いします』

老婆たち『は?!』

座席の後ろの貼り紙が見えてなかったらしい。
私はあの時見えたけど。

さっきの老婆
『じゃああそこ(と、同じ列に座る私たちの席を指差して)はどうなのよ!!』

関係者
『1席目から6席目が関係者席で、あちらの2席のみ一般席ですので』

悪態ついたものの結局4人はばらばらに。
その直後、なんか後ろから視線を感じるので、振り返ったら、さっきの老婆が凄い顔で睨んでいた。

なので、満面の笑みで首を45度に傾け、顔のすぐ横で手のひらを小刻みに動かして昔のアイドルのように手を振ってあげた。

自分はよくこういう老婆に遭遇し、最後はなぜかすっきり→笑顔でおてて。という出来事が多い。
夫からは『お前が性悪』と呼ばれます。

 

中学時代の副担任

中学時代の副担任A(3年時)がものすごいクズだった。

気に入ってる子への贔屓・気に入らない子には陰湿な嫌がらせ、可愛い女生徒にはセクハラ・猥褻行為…というテンプレのようなクズ。

さらにうちの中学校は軽い身体障害持ちの子が結構いたんだけど(目とか耳とかの)、その子たちにも酷い嫌がらせをしてた。

妙な言いがかりをつけて「罰だ」と、目の悪い子や耳の悪い子を、その先生の授業の時だけ一番後ろの席に無理やり行かせたり、黒板に対して後ろ向きで授業受けさせたり…言うこと聞かないと内申悪くするとか脅した上でやってたからホントにタチ悪かった。

しかも担任や校長先生やらに何度も訴えて、父兄たちからもあれこれ訴えられてたにも関わらず、Aはクビにもならなければ何らかの罰を受けた様子も無かった。

校長が「大人には大人の事情が?」とかしどろもどろに言ってたから、事情は今でもわからんままだけど「何か」があったんだろうと思う。

結局卒業までどうにもならなかったわけだが、卒業前に文集(といっても一人一人のプロフィールとか、クラスの皆や先生へのメッセージとかそんなの)を作ることになり、そのためのプリントを手に取って「先生へのメッセージ」の欄を見た瞬間、クラスの心はひとつになったw

そして担任の協力のもと、こっそり文集を多めに作ってもらい(経費はうちのクラスの皆で出し合ったw)その文集をAが確実に家にいない時間を狙って、Aの奥さんと娘さんたちに送りつけてみた。

「先生みたいな弱いものいじめだぁ?い好きな人間として最低なゴミ以下のクズでも教師という職業につけるんですね!希望をありがとうございます!」

「在学中はさんざんお尻撫でたりセーラー服に手を入れたり頬擦りしたりしてくれましたね!お世話になりました♪早く死んでね☆」

「先生のおかげで『教師からいじめられる』『(いじめの内容をつらつらと記述)』という経験が出来ました。あ り が と う (ハァト) 死ねくず」

みたいに、最終的にはクラス全員どころかうちの学年 全 員 がAの悪事を事細かに書き連ね、恨み言ぶつけまくり嫌味かましまくった文集をw

家ではいい父親として振舞ってるという話を聞いてたからこそやったことだけどw

その後奥さんにも娘さんたちにも罵倒され汚物扱いされ、最終的には離婚された上に娘さんたちからも絶縁宣言されて教師も辞めてどっか行ったらしい。

その後はシラネ

 

 

ドロボー!と叫び声

捕れたてホヤホヤのお話。

通勤中、後ろから、ドロボー!と叫び声。

振り返ると、物凄い形相でカバンを握り締めて走る40代くらいの女性。

カバンはどうやらヴィ○ン?っぽい。

商店街の中なので、通路も限定されてるから、まっすぐ猪のように走ってきた。

何故か私に「どけええー!!」と突っ込んできたので、避けた瞬間に右足をサッ。

固いコンクリートの上にべちんと痛々しい音が響いたあと、絶叫。

歯でも折れたのかもしれない。

とりあえず、今さらだが勘違いだと恐ろしいので、カバンを取って、走ってきた被害者らしき人にこのカバンかどうか、色々と聞いて渡した。

わらわらと人が集まってきて、ひったくられた瞬間も見た人が居たので、安心。

警察と救急に通報をお願いして、会社に遅れそうなので、と一言詫びてその場を去りました。

下にぶっ倒れた人は、う、ううとピクピクしていたので皆近寄るのがイヤそうでした。

あ、一応何かあればと名刺は渡してきました。

簡潔ですが以上です。

ママだと分かった理由は、ひったくる時に「ウチの王子と出かけるカバンがないのよ!」

と喚いていたそうです。

 

 

体格良くてボクシング習ってた友達

昔俺が中学だったころの友達に体格良くてボクシング習ってた奴がいた。

ボクシングは上手いらしいけど気弱というか大人しい性格だったし、普段人を殴るとかしない奴だった。
それを知ってたDQNが「喧嘩しようぜ」とか「俺がボクシングにどれだけ通用するか試してぇ」言っちゃってたらしい。

格闘技とか習ってる人にとって当たり前らしいけどそういう技術は素人相手には使っちゃいけないってのが鉄則で、友人もそれをちゃんと弁えていてDQNの挑発に乗ることは無かったんだけどだんだんエスカレートして。
最後の最後、卒業式間際でDQNが調子にのって手出した途端、反射的に友人が放ったボディーブローで見事DQNが崩れ落ちた。

何が起きたか分からなかったけどボクシング詳しくない俺がボクシング観戦で急所突かれた選手を見て「何で倒れてんの?」って感覚と同じだった。
あまり人もいなかったし、DQNにもプライドがあって先生に告げ口とかは無かったから大きな問題にはならなかった。

崩れたDQNに群れてたDQN達もあまりの凄さにやり返す事は無かった。
それからと言うもの友人はDQNを倒した英雄的な扱いでクラスの人気者になった。

友人本人は最後まで手を出してしまった事を悔やんでたけどね。

どうでもいいけど倒されたDQNはその日以来一切姿を見せず卒業式にも現れませんでした。

 

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