『一口くれ教の信者』など全5話 – スカッとする話 短編 – 傑作選【因果応報・復讐・武勇伝】

スカッとする話【短編 - 傑作選】まとめ - 全5話

 

スポンサーリンク

スカッとする話【短編 – 傑作選】まとめ – 全5話

 

「一口くれ」教の信者みたいなやつがいる

大学に「一口くれ」教の信者みたいなやつがいる。
俺は親兄弟とでも食い物のシェアはしたくないタチなのでその都度断ってるんだが
目を離した隙にガブっと食われることがよくある。

サンドイッチとか歯型が残るものでやられると特に殺意が湧く。
相手がかわいい女の子でも微妙なのに、野郎の歯形が残ったサンドイッチとか食う気うせるどころかキモイ。

酷い時は金ないのについてきて
なにも頼まないで「みんなから一口ずつもらおうと思って」とほざく。

断るやつは断るんだけど気の弱いやつは押しに負けて食わせてしまう。
そうすると待ってましたとばかりにガバっと1/3くらい食っちゃう。

ひどいときはうどんとか頼んだやつのどんぶりに、ねぶり箸した割り箸を突っこんで
「つばつーけた!」と叫ぶ。

そいつが食欲なくすと「じゃあ食ってやるよ」とどんぶりごと奪って食う。
怒って弁償しろと言われたら「ケチくせー!」とふてくされ
その後もグチグチ言い続け、場の空気を最悪にしてしかも帰らない。当然弁償もしない。

ムカついたのである日
皆でしめしあわせて地元でもっともうるさいラーメン屋に行ってカウンターに座った。

そいつがいつもの通り「財布持ってない。みんな一口ずつくれ」と言い出したところで
店主が「ア゛ア゛ア!!??」
そっから店主の怒涛の説教。どう見てもヤクザにしか見えないラーメン店主
「金がねえだァ!?なら来んな!一口寄越せだァ!?テメー何様だ!!オイゴラオイゴラオイゴラ!!」
怒鳴りながらも麺を茹でるオヤジ、超プロ。

一口野郎、顔面蒼白。
俺らが全員ラーメンを食い終えた時もオヤジはそいつへの説教を終えておらず
「根性叩きなおしてやらっ!皿洗ってけゴラア!」と怒鳴っていた。

ヤクザにチャカ向けられても一歩もひかなかったという伝説を持つオヤジ、さすがです。
一口野郎はそれ以来、メシについて来ようとするたび
「は?またあのラーメン屋行くぞ」と追い払われるようになりましたとさ。

 

 

空いてるから座ったら?

ン年前、都心部のセレクトショップに勤めてた頃。地下鉄通勤してた。
その日も満員って程じゃないけど、立っている人が多い程度の混み具合で、
私も立ってたんだけど、私の前のお兄さんが微妙な隙間を空けたまま座ってた。

もうちょっとずれてくれたら一人座れるのに、そんなことお構い無しにPSPに夢中。
私はカロリー消費の為(笑)がらがらじゃない限り座らないんだけど、
座りたい人もいるだろうに、とか思い冷たい視線でお兄さんの方を見てたら、
(お兄さんの)向かい側に座ってたおばさま2人組に「空いてるから座ったら?」と言われた。

私はちょっと躊躇したけど、再度
「気にしないで座ったら?」と言われて、座ることにした。

隙間の幅がちょっと足りなかったので、思い切りお兄さんの太ももに乗っちゃった!
お兄さん、その時初めて気づいたみたいにビビって、慌ててずれた。

それを見てたおばさま方と私の隣で立ってたおじさんが、クスクス笑ってた。

ちょっとDQNっぽかったかな?と今頃思う。

 

叔母(父の妹、50代後半)は親戚中のお姫様な人

叔母(父の妹、50代後半)は親戚中のお姫様な人。
旦那との間に子供はいない。

若いころは細くて小柄でそりゃもう妖精のように可愛らしかったとよく写真を見せられた。
確かに可愛い。当時は。

しかし今は加齢には勝てずミニデブのおばさん。
150㎝あるかないかで70㎏くらいある。

でも親戚や、うちの父や、叔母の旦那にとっては
今も細くて小さな妖精ちゃんが見えてるらしい。

うちの母はその年代にしては背の高い人で165㎝くらいある。
叔母にはいつも陰でゴリラと言われていびられていた。
同じくすくすく育って167㎝になった私も叔母に会うたび
大きすぎて池沼っぽいとか本当に女なの?生理ある?pgrとか言われていた。

若い頃は母も叔母の所業を父に訴えたりしたらしいのだが
父は「ひがむな」「デカいのは本当のことだろ」と言って相手にもしなかったという。

そのうち母もあきらめて訴えるのをやめ、
私と叔母がなるべく会わないようこっそり陰で画策してくれた。

それでも冠婚葬祭やお正月なんかはどうしても顔を合わせたけど、
数時間のことだからと我慢してた。

しかし叔母がついに妖精の座から陥落する日がやって来た。
正月に従兄が嫁さん候補を連れて来た。
大学出たばかり、推定152㎝前後40㎏あるかないか。

目大きい。色白い。まさに本物の「細くて小柄な妖精のような子」。しかも若い。
よせばいいのに、叔母が彼女に対抗し出した。

私の方が手首が細い、骨が細い証拠よ。
骨太は百姓みたいで育ちが知れる、とかなんとかグダグダグダグダ…

従兄が怒って「やめてくれ」と言うと、叔母は口をとんがらして「やんっ!」とそっぽを向いた。
これは叔母得意のポーズで、いつもならこれをやるとうちの父や叔母旦那がメロメロになる。
しかし今日は本物の若いかわいこちゃんがいる。
客観的にはどう見ても妖精をいびってるズゴックがいるだけ。

誰も機嫌をとってくれないことにあせった叔母は泣き真似をして部屋の隅へ。
しかしやっぱり誰も来てくれないので、従兄彼女のそばへ戻り、またグダグダ粘着。
整形でしょ?過激なダイエットで痩せてるんでしょ?生理止まってんじゃない?子宮もボロボロとかグチグチ…

従兄彼女は言い返さず、目に涙をいっぱい溜めてうつむく。可憐。
可憐vsガンタンクの勝敗はすぐにつき、叔母はまわり中からいいかげんにしろと怒られ泣いてタクシーで帰った。

その一件以来、父や叔母旦那の目には真実の姿が見えるようになったらしい。
150㎝70㎏、若いころの花柄ワンピースを「今でも似合う」とはちきれんばかりに着るノーブラ57歳おばさんという真実の姿が。

あれほど叔母大好きだった叔母旦那は、めっきり「家事しろ」「寝てばかりいるな」と口うるさいおじさんになったらしい。
うちの父は急に母と仲良くしたがるようになり、なにか買ってやろうかと持ち掛けては無駄なものはいらないと断られている。

一昨日私に「おまえすらっとしてるなあ」とお世辞を言ってきたのでちょっと気持ち悪く感じ
「私が叔母さんに池沼とかオカマ呼ばわりされてる時に、そう言ってかばってくれたなら嬉しかったんだけどね」
と言い返してしまった。父はしょぼんとしてた。
いつか言い返そうと長い間イメトレしてたけど、思ったほどスッキリしないもんだな。

 

 

「うちの実家来ない?」と言われて、ひどい目に合った

一年くらい付き合った会社の同僚の男性に、
「うちの実家来ない?」と言われて、ひどい目に合ったことがある。

彼と待ち合わせて、手土産下げて行って、
玄関から笑顔で出てきたご両親に「初めまして、○○です」と挨拶。
が、シカト。
両親、彼にだけ「おかえりー」と。
「挨拶の声が小さかったかな?」ともう一度大きな声で言うと、睨まれた。
彼、全く気にしない模様。

食卓にはご馳走がいっぱい。
「わー美味しそうですね、何かお手伝いしますか?」と言うも、これもシカト。
食卓には私の分のお皿もあって、一応座る。

ご馳走を褒める、家を褒める、彼の話をする、質問する、話題に食いつく。
何しても全員にシカトされる。
私は幽霊になったのかな、と気が付いたので、一時間頑張った後、「ご馳走様です」と言って
帰った。

家に帰ると、携帯の留守電に「ちょっと試したんだ、冗談だよ」とか
なんか色々入ってたけど返事しなかった。

その夜のうちに、私のアパートにあった彼の物は全部、彼の実家に送った。
鍵の救急車みたいな店に電話して、割高だったが鍵を変えてもらった。

付き合ってる時も、向こうから交際を申し込んだせいか、会ってる時はとても明るくて優しいのに、
「会社に交際がバレるといけないから、結婚するまでは周りに秘密にしよう。だから僕からは必要な時連絡するけど、
君はあんまり連絡しないで」とか、不可解な言動が多かった。
「もしかして他に女が」と思っていたので、実家に招かれて本当に嬉しかったのに。

ずっとメールや着信を無視して、家を空けていたら、家の近所で待ち伏せされて、
コーヒー屋に連れ込まれ、
「話を聞いてほしい」と言われたので、黙って聞いてあげた。
「気を悪くしたなら謝る、父親は厳しい人間で、嫁が家に相応しいかとか気にして、だから」
とか言ってた。
聞いてほしい、と言われたから黙って聞いて、黙って帰った。

夜中に鍵をガチャガチャひねる音がして、玄関扉を傷が付くほど何かで叩かれたので、
扉の修理費の請求書を彼の実家に送って、「会社と警察にストーカー被害で相談しま
す」と一筆書いておいたら、かなり多めの金額が入った書留がすぐ来た。

携帯もすぐ変えたせいかそれ以降は連絡ないし、
会社では元々あまり会わない部署だったので縁も切れた。

時々思い出しては、「口もききたくない奴に、あんなご馳走振る舞うのってどんな気分だったのかなー」
と思う。

今の義実家はあんなには料理美味しくないけど、賑やかで楽しい。

 

 

ハブられる毎日

中学の時、A子が好きな男子が私を好きだと言う噂があったらしく
それからA子とB子、その取り巻き達にハブられる毎日。
辛かったけど支えてくれる子が居たから学校には行ってた。

ある日部活から帰ったらB子から電話。
ブスだの学校来んなだの色々言われたけど、聞き流しながらそれがスピーカーで喋られてることに気付いた。
同時に隣にがA子が居るんじゃないか?と頭が回転。

何ヵ月もシカトや部活中の嫌がらせなど受けていて限界が来てて情けなさと怒りで泣けてきた。
その声の震えみたいなのをA子B子が感じ取ったのか
B子「はぁ?泣いてんのー?マジうけるー!!…自分だけ被害者ぶんじゃねーよ!!!」
と言われたのでカチーンときて、

「っるっせーよ!!どっちが被害者ぶってんだよ!被害者って言うならどう見ても私だけだろうが!!あぁん!?さっきから聞いてりゃスピーカーでこそこそしながら話しやがって!そこにA子おるんだろ!おい!人に物言いたいなら自分で言えや!!B子!!お前も一人で何も言えんくせにでかい気になって悪口ばっか言うとんなぞ!!!あ゛ーーーーー!!!ッッッ」ガチャ!

自分でもビックリするくらいすらすら言えてスッキリしたから切ってすぐB子宅へリダイヤル。
「ごめん、ちょっと爆発しちゃった。」

次の日話し合いがあって表面上は仲直りしたけど、心からは許せてない。

それからしばらくしてA子はタヒんだ。
B子はどこでなにしてるかわかんない。

 

【厳選】スカッとする話 一覧

【傑作選】スカッとする話 一覧

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スッキリ
kaidanstをフォローする

コメント

error: Content is protected !!