『好きになったら奪う』など全5話 – スカッとする話 短編 – 傑作選【因果応報・復讐・武勇伝】

スカッとする話【短編 - 傑作選】まとめ - 全5話

 

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スカッとする話【短編 – 傑作選】まとめ – 全5話

 

好きになったら奪う

職場で新しく組むことになった新人の女(Aさん)が雑談の中で
今までこの人!と思って落とせなかった男性はいなかったと言った。

男性を落とすのにはコツがあって、それは別に身体を武器にすることではない、
そのコツがなにかは内緒~らしい。
すごいなぁと思いながら、その事が強烈に印象に残ってた。

それから数ヶ月経った頃に、Aさんと一緒に外回りしていたら
以前喧嘩別れした元友人のB子とバッタリあった。
B子の後に隠れるように、バツが悪そうに元彼の姿も。

B子は「今、式場の予約してきた所なのー」と得意顔。
B子と別れたあと、Aさんが「さっきの男性、あの人の婚約者?」と聞いてきた。
「好みかも。ああいうちょっと頼りない感じって好きなんですよね」と。

B子は私と彼が付き合ってることを知ってて友達なのに横取りしたこと。
横取りされた時「好きになったら奪うのは当然。自分の気持ちに素直になっただけ」
と言ってのけたこと。

「あんた(私)と違って、彼氏を奪われるようなヘマ、私だったらしない」
と笑われたこと。
・・・を、ある期待を込めてAさんに話した。

私がAさんに話したのはそれだけだけど、
Aさんは期待通りにB子から婚約者を奪ってくれた。

元彼のことは馬鹿な浮気性の男だと見抜けなかったのは自分だし、
あのまま知らずに付き合わなくて良かったと心から思ってる。

なので今更なんとも思ってないけど、
B子が婚約者を奪った女が私と一緒に歩いていた女だと知って
私の差し金だと思い込み(ある意味正しいけどw)、

家まで怒鳴り込んできた時、
「あれれれ?好きになったら奪うのは当然だって言わなかったっけ?
奪われるようなヘマしないとも、あんた言ってたような気がするけど違ったっけなぁぁぁ?」
と言い返してやることが出来て、やっとあの日の屈辱をはらせた。

 

 

毎朝電車で一緒になる男

私もイタズラ成功したっぽい
毎朝電車で一緒になる男がウザかった

乗車位置や時間変えてもなぜか電車内で近くにいて
足を踏まれたり、肘てグリグリされたり、傘をぶつけてきたり
そして、にこやかに謝ってくる
アレな人だと思って無視してたんだけどすごいストレスだった

で、正月に家族の年賀状を仕分けしてたらその人からの
「家族が増えました」写真入り年賀状が来てた

一瞬ゾッとしたけど父宛てで、特に問題のなさそうな部下っぽい
大騒ぎして面倒なことになると私や父に不都合なことになるので
その人の気持ち悪い行為や関わりはだまってた

一昨日、新年一発目の攻撃時に
「アレ田さん(仮名)年賀状ありがとうございますお子さん生まれたんですね」
って言ったら固まってた

昨日、今日と遭遇しなかった
アレ田よ、脅えて暮らせ

 

中学時代の同級生

正月なので中学時代の同級生と会う機会があった。
その時の話。ちなみにアラフォー世代。
集まったのは居酒屋。

校区内に公営団地があった為、ぶっちゃけ治安が悪い中学だった。
カースト内訳は、貧乏でも運動神経良くてケンカ強くてDQNな奴ほど上位。
金持ちでもモヤシは下。

そのカーストトップに君臨するAという奴がいた。
家は公営団地で、父親はアル中DQN。
Aも中学時代から金髪リーゼントで、DQNのエリートだった。
確か17で女孕ませて18で結婚した筈。

居酒屋に一歩入った瞬間、明らかにシロウトでない派手な姐さんがいた。
姐さんの背後にはホストっぽい黒服の若者がついて、煙草に火つけたりしていた。

同級生にあんな姐さんいたっけ?と思いつつ適当に飲んでいると、姐さんがなぜかキレ出した。
Aに向かって「火ぃつけろや気がきかねーな」という内容の事を怒鳴り散らしていた。
Aはイヤそうに顔をそむけていたが、姐さん益々キレる。
俺らは「Aにあんな口きける女いたっけ?」と呆然としていた。

Aがチッと舌打ちした。
途端に黒服ホストが「アッアアアアァアアアテメエナンダコラ!ッッダラゴラァ!」と
怪音を発しAの髪の毛を掴んで引っぱり回した。
Aは涙目で立ちあがった。

震える手で姐さんのタバコに火をつけながら、「っざけんな…ざけんなや…」小声でブツブツ言うA。
火を点け終わった瞬間、黒服に「ッダラオラァァ!」グーで殴り飛ばされ、ケツを蹴り上げられるA。

鼻血が床にボタボタ落ちていた。
姐さんが鼻から煙吹きながら、何か言った。

何を言ったかちょっと覚えてないんだが、その独特のイントネーションで、
「あっ、B子だ!」と俺は気づいた。
だよな?と隣の奴を見たらウンウンと頷いた。俺よりもっと早く気づいていたかもしれない。

B子は中学時代ずっとAにいじめられていた女だった。
なぜいじめられてたのか理由は知らないが
教卓の上で生理中にパンツを脱がされたり、
オッパイ丸出しで廊下を何往復も走らされたりしていた女子だった。

Aはその後もB子に絡まれ、B子お付きの黒服にビンタされたり、
芸人のモノマネをさせられていた。

以上が俺が自分の眼で見たことで、以下は噂。
B子はホステスか風俗嬢か、とにかく夜の世界でけっこういい顔に出世したらしい。
Aはあるキャバクラに通い詰め、数百万単位の借金あり。

B子のバックの893にキツい取り立てを喰らい、一家離散。
元嫁や子供はもちろん両親にも会えなくなった。

容赦ない取り立てはB子の意向だそうで、
しかもAの行く先々に、居酒屋でやったみたいに
逐一ついて行ってイビるんだそうだ。

あくまで噂だが、Aに暴力してた黒服はAの実の息子らしい。
見た限りAはブツブツ独り言が多くて、壊れかけてたが、
完全に壊れるまでヤラれるんだろうな、と思った。

 

 

一銭たりとも相続させない

ちょっとした、じゃないかもだけど。

今年一番の思い出というか出来事というか決心というか。
遺言公正証書を作成した。旦那にも話してない。
目的は姉に一銭たりとも相続させない為。

姉は未婚のまま50代半ばで県住で一人暮らし。
私が難病のひとり娘の看病に必死だったころ、
海外旅行に食べ歩きにと、独身生活を謳歌していた。

それは別に構わない。
自分で稼いだお金をどう使おうが口出しするつもりはない。
だけど、娘の前で「だから子供なんか産まない方がいいのよ。
お金もかかるし、自由もない」と言ってのけたことは許さない。

その娘が亡くなったあと、「あんた(私)にもしもの事があったら
私にも相続する権利があるんだよね」と嬉しそうに言った。
この女と同じ血が流れていることに吐き気がした。

その姉は50代目前でリストラされて現在はスーパーで惣菜を作ってる。
若い頃ほとんど貯金もしてなかったし、
死んだ両親から相続したお金も、アッと言う間に底をついたようだ。

元々裕福な家庭でもなかったのに何を期待していたのか
あまりに少ない両親の遺産に愕然としていた姉。

独身を貫くつもりなら、とらぬ狸のなんとやらじゃなく、
そのつもりの人生設計を立てなかった姉の自業自得。
親だけでなく私の遺産まで狙うとは開いた口が塞がらない。

私が死んだあと遺るものは、たぶん姉が想像してるよりかなり大きいものだと思う。
それを一切姉には相続できないようにした。
ざまーみろ。

 

 

不愉快な話題しかしない同僚

同僚に某まとめサイトが服を着て歩いてるような人がいる。
女はクソ、専業主婦は寄生虫、痴漢は100%冤罪、老害は早よシネ、朝鮮人と左翼は日本から出て行け、
マクドナルドざまぁ、フジテレビ潰れろ、結婚は墓場、流行はステマ等々…

別にそう思っててもいいんだけど、会話の内容がそれしかない&主張のゴリ押しがうざい。
特に最近「痴漢は100%冤罪」「老害早よシネ」の主張が激しい。
聞き流している皆もさすがにうんざりしていた。

先日社内の回覧板に「駅前に変質者が出没し、被害が数件あった」
という市警からの注意喚起のプリントが挟まれていた。
女子社員の多くは駅を利用するし、残業で帰りが遅くなることも多いので
「自衛するように」というお達しも出た。

例の社員は「また事案発生か」「どうせ自作自演」「男こそ痴漢冤罪に遭わないよう駅前で自衛すべき」
と大はしゃぎしていた。

午後になってもまだ同じことばかり言っているので、別の同僚が
「そういえばA社(取引先)のBさんが依願退職したらしい」と言った。
A社のBさんはまさに痴漢で捕まった人で、現行犯逮捕、常習犯で余罪ザクザクの人だった。

例の社員「Bさんて60代だったよな。まさに老害w 老害はこれだから…
どうせ嫁がババアで相手してなかった…やはり結婚は墓場…」
といつもの話へ持っていくのをさえぎって
「老害だろうとなんだろうと痴漢してたのは事実だし、この世に痴漢がいる以上女が自衛するのは当たり前だろ」
と言ったらやっと黙った。

1時間位したら復活して「なら男が自衛するのも当然だよな!」とか言い出したが
課長に「おまえは入社してこのかた不愉快な話題しかしないな。忘年会来なくていいぞ」
と言われてようやく静かになった。
ここ数日おとなしいが、もしかしたら嫌われていることに気づいたのかもしれない。

 

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