『仕事先の壁の落書き』など全5話 – スカッとする話 短編 – 傑作選【因果応報・復讐・武勇伝】

スカッとする話【短編 - 傑作選】まとめ - 全5話

 

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スカッとする話【短編 – 傑作選】まとめ – 全5話

 

俺を苛めてた奴を木刀でボッコンボコン殴った

俺を苛めてた奴を木刀でボッコンボコン殴った。
ヒョロガリだったから数ヶ月かけて鍛えたのに、パワー不足で骨一本折れなかった(あとで知った)。

ずっと調べて夜道一人になるタイミングで襲ったのに、偶然人が通りかかって途中で逃げるしかなかった。
必死で走って逃げてなんとか追手撒いて、時間かけて迂回してアパート帰ってベッドに倒れこむように寝た。

起きてニュース見たけどなにも無かった。こんな小さな事件なら当たり前だけど。
でもそれからは自分でもしばらく挙動不審だったと思う。

1週間ちょっとして、そいつの家がボヤ出してた。これは新聞にのってた。放火らしい。
数日前の暴行との関連を調べていると書かれていた。俺は放火はしていない…。

でも木刀事件も放火も解決することなく年月が経った。
そして偶然そいつと出会った。なんかみすぼらしくなってた。

俺は木刀事件以来ずっと鍛えてて、もうそいつは怖くなかった。
話しかけると俺を思い出したようで、「あ…○君か…」とか言ってた。
俺は「あの頃はいっぱい世話になったねー!」とか言いながらその辺に座るよう促した。
そいつは苛めてたことを謝ってきた。

今さら謝られても許せないが、俺は鍛えてるうちに彼女も出来て仕事も順調でえらいことになってた。
だから正直復讐はもうどうでもよかった。

話を聞くと木刀で襲われて放火されたことで疑心暗鬼になり、ストレスで家族に暴力を振るうようになって離婚されたんだと。
そういやこいつ18でデキ婚してたっけ。苛められてたとはいえ、父親で仕事してる奴を我ながらよく木刀で襲ったな…。
…とにかく、その時奥さんにいろいろ責められて初めて俺らみたいなの苛めてた事を反省したと。
ほんと今さらだよなー。

もちろん気の毒には思わなかったが、追い打ちかける気もおきない。
俺は事件のこと聞いて、こっちは聞かれたこと(仕事とか家庭とか)だけ答えて別れた。
帰ってから何故か笑いがこみ上げてきた。こらえきれずゲラゲラ笑った。
我ながら性格悪いなーと思った。

忘れたころにいつの間にか復讐成功してたって話でした。

 

 

仕事先の壁の落書き

何年か前の丁度お盆の季節にあった出来事。
仕事先の男子トイレの前の壁に
「○○(私)はだれとでもねる女 今もフリン中」
って落書きをされた。もちろん事実無根。

嫌がらせにしても何なのこれ?中学生かよと呆れた。
こんなこと書きそうな犯人はすぐ分かった。
「ね」と「今」の書き方の特徴と
「誰」「寝る」「不倫」程度の漢字も書けない頭の悪さから。

いつもは極端な右上がりの癖を隠そうとしてるけど
無理してるから一字一字があっちこっち向いてるのも可笑しい。

字の特徴に気付いた人は私の他にも何人かいて
その日のうちに「あれ書いたのAさんだよね」って囁かれてた。
Aさんの逆恨みってこともみんな分かってくれてた。
Aさんにはちょっとカマをかけた。
「みんな分かってくれてるから別にいいんだけど、
 こういうイタズラ嫌いだから
 犯人突き止めて名誉棄損で訴えようと思ってるの」
って言ったら
「分かってくれてるならそこまでしなくていいんじゃない?
 お金もかかるんだし」
って言われたから
「うん、そうなんだけど、こういうことやる人って
 一度痛い目に遭わなきゃ分からないじゃない?
 守衛室に監視用のビデオ残ってるから証拠は提出できるしさ」
って言った。

監視カメラがあるのは本当だけど、本当にその場面が撮れているのか、
一社員が内容確認できるのか、全然知らないけど適当にそう言った。

その日の夜に電話がかかってきて近くのファミレスに呼び出された。
菓子折り渡されて、書いたのは自分だと告白し謝ってきた。
「うん、知ってる。ていうかみんな知ってるよ」
って言ったら愕然としてた。

菓子折りは受け取らなかった。
訴えるかどうかは今後次第だからって言ってやった。
次の日Aさんは出社してこなくて、そのまま退職した。
急に辞められても全く誰も困らなかったというぐらいの仕事ぶりの人だった。

 

コンクリートブロック

職場からの帰り道、懐かしい夢を思い出した。

歩道のない道で、飲み屋や一般住宅が立ち並んだ一方通行の端の方を歩いていら、
後ろから車が近づいてくる感じが。
後ろを振り向くと軽自動車。

道の端の方を歩いているから、車とのすれ違いにも問題はないだろうと、そのまま歩いたいたのだが、
なかなか私を追い抜こうとしない車。
不振に思いながら歩ていたら後ろからホーンを鳴らされた。

なんか面倒な車だなと感じ、さらに端により立ち止まり車を先に行かせることに。
すると、その車は加速して私を追い抜いたと思ったら、前方4~5m先にある飲み屋の店先近くで、
道の端に車を寄せて停車し、ドライバー(40代女性)が車から降りてきた。

このまま絡んでくるんじゃないかと、身構えながら車に近づいたら、私をひとにらみし、
そのまま、飲み屋に入っていた。
たかが4~5m先に停車をしたいからと、歩行者をホーンで威嚇するような行為に、
こんな飲み屋、早くつぶれるんだろうな、なんてことを思いながら店の前を通り過ぎた。

帰宅途中にあるコンビニによる事を忘れていた事を思い出し、帰宅数時間後、その道を歩いていたら、
あの車がまだ飲み屋の近くに停車しているのを発見。
帰宅途中の出来事を思い出し、忌々しく思いながらも車の近くを通り過ぎようとしたら、
その車の近くにコンクリートブロックが飲み屋の近くに、数個散乱をしているのが見えた。

歩行者にも通行をする車にも邪魔だろうと、そのコンクリートブロックを移動することにしたのだが、
見た目以上にコンクリートブロックは重く、長距離を移動させるのは無理だと考え、
飲み屋の入り口から離れ、酔客の迷惑にもならないだろうと思われる場所まで移動を開始。
ただ、その目標となる位置は、あの車の前方なので、車にぶつからないように注意しながら移動。
移動が終了し、本来の外出目的も果たし帰宅。

翌日、出勤でその道を歩いていたら、昨晩移動をした時とコンクリートブロックの位置が変わっていた。
なにぶん出勤途中。帰りにでも何があったのか確認だなとその場はスルー。
で、帰宅途中。コンクリートブロックを眺めたら、コンクリートブロックの角は欠けていて、
塗料が付着をしているのが見て取れた。
移動するときにコンクリートブロックをぶつけた覚えがない。
どうしたんだろうと、周囲を見渡したら、昨日の車がまた路駐をしていたのを発見。
何となく車の前方を離れた位置から眺めたら、欠けたコンクリートブロック位置と同じ位置と思われる場所(バンパー)に傷。
そして、コンクリートブロックに付着をしていた塗料の色は、車の車体と同じ色。
あのドライバー、車を動かすときに周囲確認をしなかったな。

なんて、夢を思い出した。

 

 

「性格ワルっ」と吐き捨てる鬱陶しい奴

うちは映画観賞を主とするサークル。その中に一人とても鬱陶しい奴Aがいる。
まず上映映画が、そいつがすでに観た映画だった場合
観ながら先の展開やオチを全部べらべらしゃべってしまう。

「オチ言うんじゃねーよ」と怒ると「ハア?教えてやってんだろ」「性格ワルっ」と吐き捨てる。
そいつがまだ観たことない映画だった場合は
上映中ずっと「つまんね」「くだらね」「女子供が観る映画」「レベル低っ」
ラストには必ず「オチ予想ついたわ」

そして注意されるとまた「ハア?正直な感想言ってんのに何なの」「性格ワルっ」と言って帰る。
なのにまた次の上映会になると来やがる。

映画観ながらずーっとなんか食ってる時もある。おまけにクチャラー。
ブラックスワンのバレエシーンの最中にクッチャクッチャクッチャクッチャからあげくん食ってた時は史ねよと思った。
もちろん食いながらネタバレもしっかりしやがった。

俺たちは事なかれ主義な部長に直談判し「Aを追い出してくれ」と言ったが
部長は「追い出すのは無理。Aが自主的に辞めるならいいけど」とやはり弱腰だった。

そのAが同サークルのBという気弱な奴をつかまえて飲みに連れて行き
「おまえにだけは教えるけど俺じつはC子を狙ってるんだ」と言っていたことがBのチクリで発覚した。

AはC子にかっこいい博識な俺様を見せようとして一連の行動をしていたらしかった。
そういえばAはC子が推薦する映画にはケチをつけたことがなかった。
しかしクチャラーとネタバレはやらかしていたのでAは当然のごとくC子にも嫌われていた。

俺たちはAが自主的に辞めるべく、Aに対してのみネタバレ厨になった。
まず上映映画はあらかじめ全員がすでに観たやつに絞ったり、前日にA抜きで上映会をしたりした。
そして鑑賞しながら全員で「この先はこうなるんだよな~」「次の台詞は××だよ」
「ラストはこうなるんだぜ~」と盛り上がりまくった。

Aは「おまえらバッカじゃねえの」「マナーなってない」と激怒したが
「ハア?教えてやってんだろ」「性格ワルっ」を全員で連呼して黙らせた。

映画だけでなくAが読んでいるミステリー小説の犯人を教えてやったり、
Aが古本で集めているいちご100%の主人公が巨乳ヒロインとくつかないことを善意で教えてやったりもした。

最終的にAがブチギレて「こんなレベル低い奴らといられねー」と
サークルを辞めていったので、最後の最後にC子に彼氏がいることをネタバレしてやった。
そのC子の彼氏が俺…だったらいいオチなんだがそんなことはなかった。

今は平和な映画サークルです。

 

 

スプラッシュマウンテン

ほんとにささいないたずら?なんだけど10数年前の小6か中1位の頃の話

幼馴染とうちの家族でTDLに行った。
お互いの弟妹と親が疲れて休憩してる間に「コースター系乗ってきていいよ」と親の許可が降りたから、
二人でめっちゃ喜んで早速スプラッシュに並んでた。

運よくライドの一番前に乗ることができそうで二人でテンション上げてはしゃいでたんだけど、
すぐ後ろに並んでたカップルの女の方が「見て~あの子たち一番前だよwww水かぶっちゃうよねカワイそー」と彼氏にくねくね絡みながらひそひそ言ってた。

本人たちは私たちに聞こえないように話してたみたいだったけど、結構でかい声だったので丸聞こえ。

スプラッシュマウンテン、乗ったことある人なら分かると思うんだけど船型ライドで水の上を進んだり落下して最後一番の高さから落ちるんだ。
当然水がかかるんだけど、前から落っこちるから一番前が一番濡れた(今はどうか知らない)

話を元に戻すけど、女の話し方と内容がすごく嫌な感じがして楽しかった気持ちがしぼんでしまった。
子供だったから上手く理解できなかったけど、
それまで周囲の大人から声かけられた時のような好意のある感じの話し方とはあきらかに違う感じで、ねっとりしてて嫌だと思った。隣に座る幼馴染もそう感じたらしい。気づいたら目配せしてた。

で、どうしたかというと最後の一番水がかかる瞬間に二人で思いっきり体をくの字にしてライドの中に潜りこんだんだ。
二人とも小さかったしからだやわらかかったんで、うまい感じに本来最前列の私たちがかぶる予定だった水が全部後ろのカップルに直撃した。

カップルは「2列目だから水来ないよね~」といってノーガード。面白いくらいびしょぬれ。
二人とも「は?何で2列目なのにこんな濡れんの!?」とか言って険悪になってた。寒かっただろうね。真冬だったし。

落ちて水がかかるギリギリまで体を起こしてたから、私たちのせいで濡れたとは気づいてないみたいだった。
カップルは自分の方ががいかに濡れたか・寒いかで口論を始めたんで、降りた後はさっと離れて二人で爆笑してた。
あんなにうまくいくとは思ってなかったのでスッキリしたし面白かった。

大人になってから子供の行動を面白いと感じることはあるけど、この件以来子供にとって嫌な話し方をしないようにしたり、対象の子供がいるところで話さないようにしている。

 

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