スカッとする話【短編 – 傑作選】まとめ – 全5話
出会い系厨
数年前の出来事。
新しいバイトを始めてすぐの頃、同い年の先輩(以下、ゴミ)からしつこく口説かれた。
とりあえず付き合うことにして、1ヶ月経つか経たないかの時、ゴミが出会い系厨だと分かった。
私が手続きをしている間、ゴミは近くのベンチに座ってスマホを弄っていた。
思ったより手続きがスムーズに進み、ゴミの背後から近寄る形だったから、スマホの画面が見えた。
「初めまして!大学3年の男で~」
みたいな文章だったので
「出会い系とかキモイ」
と声を掛けた。ゴミはビックリする様子もなく
「出会い系じゃないよ、メル友サイトだよ」
と答えるから、暫く出会い系かそうじゃないか口論になった。
ゴミはあくまで
「メル友だから、やましいことはない。スマホを調べてもいい」
というスタンスを貫くので、スマホ検査をすることにした。スマホ検査をしながら
「そこまで言うなら、バイト先のみんなに判断を委ねていい?」
と聞いたら、ゴミは快諾。
スクリーンショットを撮りまくってLINEのバイトグループに投下することにした。
スクリーンショットを撮りまくる私とそれを余裕で嘲笑するゴミ。
ゴミ曰くメル友サイトで
「初めまして~」
とコンタクトを取っている画面から、LINEで相手の画像を要求したり、自分の画像を送ってる画面まで。
更にブックマークからSNSへアクセスし、送信BOXを確認した。
当然といえば当然なんだけど、モバゲーでもGREEでもmixiでも出会い厨をやっていた。
気持ち悪いことに、GREEは14歳で登録してあり
「中学2年の男です!」
とメッセージを送っていた。(けど返信なし)
これはヤバイと思い、音声メッセージで録音しながら
「ゴミさ、本当にスクリーンショットをみんなに公開していいの?」
と聞いてみた。ゴミは
「いいって言ってるだろ?恥かくのはそっちだからw」
と答えたので
「じゃあ投下するね」
と言って、録音を終了してスクリーンショットを30枚ほど投下した。
投下した音声とスクリーンショットは、自称メル友サイト関連だけを残して削除し、スマホを返した。
私の方から
「これどう思う?出会い系だよね?ありえなくない?」
と発言した。
ゴミはやれやれって感じで
「気は済んだ?あんま恥ずかしいことすんなよなー」
と言いながら画像を確認することなくスマホをポケットに入れた。
その直後、バイト仲間の1人が「鎮まる会」と称したグループを作った。(グループ名は氏名をもじった)
メンバーはゴミを除く、親しいバイト仲間。
こちらで経緯を聞かれ、ゴミに対する本音&ゴミヲチグループになった。
もう1つ、ゴミを入れて私を除いたグループも作り、そちらはゴミを慰める雰囲気を作っていた。
調子に乗ったゴミは
「携帯チェックをする束縛女で、友人とのやり取りまで嫉妬された」
「グループへの投下も、自分が見ていない隙に勝手にされた」
と話を捏造して被害者面していた。
すぐにゴミとは別れ、ゴミが新人に言い寄り始めたら情報提供をし、被害者撲滅に努めた。
幸い、バイト先の被害者は私だけで済んだ。
今はどうしてるか知らない。
メシマズ嫁呼ばわり
メシマズという言葉を覚えた旦那にメシマズ嫁呼ばわりされることがちょくちょく出てきた。
2日目で味が染みこみすぎた煮物とか、味噌がちょっと少なかったかなーと思う味噌汁とか、
そういうことにまで「もしかしてメシマズ?」とか言いやがる。
それまで普通に食べていたし「2日目だし味濃いのかな」とか「ちょっと味薄いかもね」くらいしか言わなかったのに。
決定的に頭に来たのが、帰宅した旦那が何かの料理のレシピと簡単な作り方をメモしたものを持ち帰ってきて
「テレビでやってた、美味しそうだったから作って」と言うのでその通りに作った。
アレンジ系の料理で今まで自分は食べたことないものなので、味見してまぁこんなもんかなレシピ通りだし……
なんて思いながら食卓に出したら「味が薄い、レシピ通りにも作れないなんてメシマズだ」と言われた。
頭に来たので検索してみたらその料理のレシピが出てきたけど、明らかに旦那のメモ間違え。
例えば本当は「醤油大さじ1」のはずが、「醤油小さじ1」になってたみたいなもの。
なのでお望み通りメシマズ料理を作ってあげた。
とはいえ自分が食べる分を途中で取り分けるのでそこまでひどいものはできなかったけど、
3日目くらいで旦那がヘラヘラ笑いながら謝ってきたのを無視し、1週間ほどで半泣きで謝ってきたので
またいつも通りの料理に戻したけど、それからはちょっと喧嘩するたびにメシマズ料理を出している。
白衣を着た見知らぬ男性
病棟ナースやってます。
先日病室(個室)から医者の白衣を着た見知らぬ男性が出てきたので
「すみません、お名前と所属をお願いします」
と聞いてみた。
「あー?ヤマダだけど、じゃ」
「どちらのヤマダさんですか?」
「医者だよ、何だよ」
「名札をお付けになってないので確認です」
「ちょっと忘れただけだよ」
「ですから所属をお願いします、どの医局のヤマダ先生ですか」
ここで腕を掴んだら振りほどいて逃げようとしたので股間へキック!
動きが止まった所で
「師長!不審者です!警備員呼んでください!」
ポケットからテレビカード(換金できる)が3枚出て来て窃盗犯てことで警察呼んだ。
白衣は休憩室から盗んだものらしい(番号で誰の白衣かわかる。持ち主の医者叱られてた)。
翌朝の院内報でお手柄って誉めてもらえたけど金一封とかは出なかった、残念。
今の時期は職場に知らない顔の人が居てもスルーしがちなので、皆さんも気をつけてね。
ハーゲハーゲ
会社のそばが小学生の通学路なんだが、子供たちが一人をいじめながら帰っていた。
「ハーゲハーゲ」
ハゲって言われた男の子は帽子を深くかぶってくやしそうにしていた。
俺がここで出て行って色々言うのも無粋だしなー、と思っていると社長が出て行って
「ハゲって俺のことか?うん?今ハゲって言ったな?」
と、ニヤニヤしながら子供たちに絡んでいる。
「違うよう、おじさんじゃないよ」
「いや、ハゲって言ったな。言ったよな」
「ごめんなさい」
「俺はハゲてても社長なんだぞ?」
「マジで社長!?」
子供たちは急にしおらしくなって歩いていった。
いじめられてた子が涙をためたまま社長を見てニヤっと笑った。
小さい会社だけど、社長マジで尊敬してます。
自分のシステム
昔、安月給でさんざんこき使ってくれた上残業代を払わないと宣言してくれたお礼に、定期的に餌をやらないと自作のシステムが停止する仕掛けを作りこんだことがあったな。
残業代もでないのに残業するのは馬鹿らしいから、自分でシステム組んで、自分の業務の7割近くを圧縮。
結果、定時で毎日帰ることができるようになったんだが、どんどん仕事が舞い込んできた。
まぁ、それもどんどんそのシステムに組み込んでいったわけで、当初の仕事量の5倍近くまで膨れあがっても、俺はそれでも定時に帰っていた。
そしたら、周りの人間がいるのに定時で帰るとかなんとか抜かしはじめて、評定まで下げ始めたので、辞めさせていただきましたw
もちろん、システムは別に作れと言われたものでもないし、仕事量を5倍こなしていたシステムをどうやら上司は当てにしていたようで。
俺がその会社を辞めることになって数ヵ月後、仕掛けが発動し俺の自作システム停止。
当然のように業務破綻。
すぐに元上司が「何とかしてくれ!」と泣きついてきたが「手でやれば早いんじゃないっすか?残業させてもコストゼロなんですしwww」
とすっとぼけたのも懐かしい思い出。
コメント