墓場まで持っていく話 短編10話【21】
1
出身地、出身校、家族構成、生い立ち、学歴、小さい頃のエピソードなど自分の人生のほぼすべてを嘘で通してること
妻にも本当のことを言ってない
時々どれが本当なのかかわからなくなる
名前は変えてない
嘘を付く理由はなんだろうな…なんとなく自分の素性を知られたくないからかな
別に犯罪者とかではないがw
親族はほとんどいない
十代の頃に家を出てそのまま十数年音信不通にしてたしね
両親は死んでて祖父と母の従姉妹(母と仲が良かった人で祖父の後見人もしてる)がまだいるんだけど、相続関係で最近向こうから連絡が来てちょっと困ってる
結婚した時はまだ父が生きてたけど、色々あって連絡を取りたくないで通した
妻はちょっと疑ってるかもしれないとは思う
2
学級文庫の本にひどい落書きしたり、ページをビリビリ破って事件にしたのは私です。
先生は犯人探しのために、筆跡をチェックしようとクラス全員を一列に並ばせて国語のノートをチェックした。
そんなことがあろうかと、私は左手で、しかもクラスの「あんまり好きじゃない子」の筆跡に真似て落書きしました(藁
案の定、その子が疑われて職員室に連れていかれた。
動機は、ただむしゃくしゃしていたから。なんかドキドキすることがしたかっただけ。
小学校1年生の時の話です。
3
小学校の頃の転校生で、変な奴が居た。
そいつはその言動からしてすこし変な奴だったのだが、
一番目立ったのが図工の時間、それも絵を描くときだった。
小学生の中では人間の皮膚は肌色の色鉛筆で描くものと
決まっているのだが、彼だけは不思議なことに
緑色の色鉛筆で皮膚を着色していた。
それが一番大きなきっかけで、彼はいじめられだした。
そんなある日、僕の誕生会を開く事になった。
誕生会というのは、誕生日を迎える人が招待客に手紙を渡して、
それを受け取った招待客は近くのスーパーで適当なプレゼントを買って、
そして誕生日を迎える子に渡す、というイベントだった。
僕は、クラスのみんなと共謀して、彼に嘘をつくことにした。
「誕生日会はやらないよ」
誕生日会が終わってそんなことを忘れかけていたある日、
どこから漏れ聞いたのか、彼から「誕生日会やったんだよね?」
と聞かれた。仕方なく頷くと、学校の帰りで良いから
彼の家に寄るように誘われた。
彼の家に行くと、そこには綺麗に包装されたプレゼントがあった。
「誕生日おめでとう!」
それの様子を見ていた彼の母親に、
「**君、**を誕生日会に呼んでくれなかったんだって?」
となんでもない声と表情で聞かれ、答えに窮したのをよく覚えている。
それからもう15年以上経った最近のこと。
大学の研究で、赤緑色盲/色弱の文献を調査する機会があった。
赤緑色盲/色弱というのは赤と緑の区別がつかない(つきにくい)人のこと。
調べていくうちに、赤緑色盲/色弱のイラストレータの話で、
「肌色を着色するために、他の写真やイラストから肌色をピックアップして
着色するようにしている、そうでないと肌を緑色に着色して
納品することになってしまう」という話に行き当たった。
彼は、そうだったんだね。
これをきっかけに、忘却の彼方にあった彼のエピソードを
糸を巻くように次々と思い出した。少し泣いた。
もう当事者には会えないから、墓に持っていくしかない話。
4
僕の父方の祖母は、血が繋がっていないようです。
ようです、という微妙な表現を使うのには理由があって、
実は誰からも話を聞いていないんですね。
物心つく前にそういう話を聞いたような記憶があるだけで。
確かめようにも、父と父方の祖父母は仲悪いので父にそういう話は
しにくいですし、母に聞くのもどうかなぁ?
祖父母に直接聞く(僕と祖父母は良好な関係)というのも
父を裏切るような気がして。
それでも何気ない一言に色濃いヒントが隠されてたりするんです。
離婚はウチの家系だ、とかね。
叔母(父の妹)は大学に行くことが出来たけど、
俺は行かせてもらえなかった、とか(たぶん叔母は連れ子か
今の祖母の実子なんでしょう)。
その反動か、父は母にとても優しいらしいんです
(今僕は一人暮らしをしているのでその様子はわからないのだけど)。
普段は亭主関白なんですが、母が仕事で遅く帰ってきたときは
夕食を作る、風呂は洗う、洗濯はする、
あんたの方が仕事大変だろうになぁと僕は思うのですが。
親戚の話をなんとなく集めてみると、
どうやら父の祖父(僕の曾お爺ちゃんですね)も、
叔母も離婚しているらしく、父はそれをとても気にして、
いつか気持ちがとぎれてしまうのではないかと
怯えているようなのですね。
子供に余計な心配をさせたくない、と。
人は何か一つくらいコンプレックスを持っている方が
人に優しくなれるのかもしれませんね。
僕は祖母に関する色々や父の本当の気持ちを聞いてみたくて
一杯なのですが、墓までもってってやろうかなと考えています。
5
前の彼女が編んだマフラ-を「捨てた」と言っていたのに
大事に大事に隠して取ってあった彼氏。
それを見つけた時の私の顔は物凄く恐ろしい形相だったらしく
あまり日頃感情を出さない彼が恐怖に凍りついた顔をしていたのが印象的だった。
次の瞬間そのマフラ-を握り締めすっ飛んで灯油缶とライタ-抱えて部屋に戻り
「今すぐこれを私の目の前で焼け。灯油かけて焼け。
灰も残すな。残った残骸は海に捨てろ。そうすれば許してやる」と
彼の目の前で滅茶苦茶にマフラ-を引き裂いた
青い顔で近くの砂浜でマフラ-を彼は焼いた・・・
その間中私はやはり物凄い怖い表情で彼を見てたらしい
思いきり若い頃の私の話(汗)
誰にも言えない・・
6
中学生の頃、母親が浮気していた。
相手のオヤジは私たちとも面識があって、一度母のいない時に車で送ってもらった。
ドライブだと言って連れて行かれた河原があった。そこが彼らの「場所」だった。
その時の私に向けたイヤらしい目に寒気がして、すぐに帰りたいと騒いだ。
母の手帳を何気に読んでしまい、知った。やっぱりか、って感じだった。
直感って当たるんだと思った。
母以外の家族で帰省したとき、家に泊まらせたと書いてあった。
気持ち的にどうしようもなくて、でも密かな抗議行動として、その手帳をガムテープでぐるぐる巻きにして、遠くの駅のゴミ箱に捨てた。
その何週間か後、家の中でその手帳をまた見つけた!浮気の日記が書かれていた部分はちぎってあった。思うに、ゴミあさりのおじさんが見つけて連絡してきたのでは、と。そしてもしかしたら脅迫くらいされてたかもしれない。
それで母の浮気が修まったかどうかはわからないけど、死ぬまでに、そのことを知ってたんだよと言いたいような、やっぱり言わない方がいいような。
その後もう一回浮気騒動があった。ほんとに浮気だったのか、親友のような関係だったのかはわからない。こっちは聞きたくも無い。
7
うちの実家は新興住宅地です。
わりと早めにその地域に家を建てて越していました。
道路を挟んだ向かいはまだ空き地でしたが、誰かが土地を買って家をたてる予定らしく
土地所有者の名前等々を書いた看板が立っていました。
私が小1のある日、イタズラ心でその看板にガムテープをべたべた貼ってみました。
翌日から、うちの隣のドキュソ爺さんが「ここは俺が買ったんだよ~
前の持ち主の名前消してあるじゃろお?」とか近所に吹聴しだしました。
爺さんはアル中とボケがまじっていたので嘘を認めなかったらしく
(というか買ったものだと脳内変換?)建設会社とかもまじえた
けっこうな騒ぎになってしまったようです。
いまだに誰にも言ってません。ごめんなさい。
8
大学のある友達がうちに遊びにくるたびに
家に飾ってあるちょっとしたもの(人形とか花瓶とか時計とか)
が毎回なくなっていく・・・犯人はそいつだって
分かっているんだけど、友達関係にヒビ入れたくないから
どうしても指摘できない・・・・・
性格のいいヤツだからどうしてそんなことするのか
分からない。精神的に不安定なんだろうか・・・?
万引きと同じ心理状態なのかな。
9
いまの夫は前に8年つきあってた彼女からもらった
洋服やら手紙やらいまも持ってるよ。
大事にっていうんじゃなくてなんとなくって感じでゴッチャリと。
(服は普通にタンスに入ってるけど)
その8年が彼にとって大切な時間だったのはわかるし、その8年は
いまの彼の一部だと思うので別になんともおもわん。
むしろ前の彼女さんと会って一緒に呑みたいぐらいだ(w
ちなみにわたしは前の彼との思い出は箱に大切にまとめてしまった。
そして箱ごと燃えないゴミの日に出した(w
10
バイト先の後輩の女の子が帰宅途中に拉致られた。
歩いてたら、DQNのワゴン車に引きずり込まれたらしい。
2日後に帰ってきたんだけど、リンカーンされた上に薬物投与されててひどい状態だったそうだ。
でも病院で正気に返ったとき、拉致されてた時の記憶がなくなっていたそうだ。
その後、彼女の一家は引っ越していった。
店では店長と自分しか事情を知らない。
ワゴン車を見るとびくついてしまう訳を、彼氏にも言えない。
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