墓場まで持っていく話 短編10話【22】
1
中学２年のバレンタインデーの時、女の子にチョコをあげるから学校終わったら家にいてくれと言われた。
居ると返事したんだが、帰宅後、突然恥ずかしく思い外に遊びに出てしまった。
家族にそういう現場見られたくないというのもあったと思う。
夕方そろそろいいだろうと家に着いたら親がチョコとサッカーボールのクッションを預かってた。
自分はサッカー部だったので、それで彼女がくれたと思う。。
次の日、その子は学校を休んだ。ちょっと心配になった。
夜、他のクラスの彼女の親友から電話がかかってきて、彼女が自殺未遂したって聞いた。
電話できいた瞬間トンカチで殴られたように頭の中グワーンときた。
もし死んだらこの先のオレの人生どうなんだろうと思った。
彼女の体の心配よりも正直その時はそっちの方を強く思った。
最悪ですね、オレ。
手首切って血ダラダラ流しながらその親友のとこに「○○に嫌われた。あたし、このまま死んじゃうのかなー」とか話したらしい。
それで親友がいそいで彼女の家にとんで行ったと。
一週間ぐらいその子は学校来なくて、その日を境に担任の先生からもの凄く嫌われるようになった。
先生の耳にも当然入ったんだろう。彼女はしばらくご飯一杯も食べられない拒食症。
高２になったころ彼女が結婚したという噂を聞いた。
たぶん恋愛になるとガッーってなっちゃう人だったんだなあとその時思った。
結婚して幸福になってくれれば本当にいいなあと思った。
当然中学の時の友達とか誰にも言ってない。
2
私の墓場話。
幼稚園の時、ふざけてて階段から姉が落ちたが(今思えばかわいいものだが)いじめられていて狡猾に？それとは判らないように突き落とした。
死というものを理解してはいなかったけど本気で殺そうと思っていた。
骨は無事だったが、ちょっとした地の海になった。
あの時姉が本当に芯でいたら、と思うとぞっとするし今は大好きな姉だから、一生言わないと思う。
3
前の会社での事。
取引先から振り込みしたとの確認電話が来たので、通帳持って２５０万おろして横領しました。
当時、１日数億円というお金が取引上動いていたので、経理スタッフも伝票が合わないものは『欠損金』や『使途不明金』扱いしていたので、ばれなかったようです。
その会社を辞めてから車買いましたが、退職金代わりだと思ってます。
１日１５時間働いて残業代無しでしたから正当利益と勝手に解釈してます。
4
私の父親は私が１０歳の時病気で亡くなったのね。
夜中に入院先の病院から電話がきて父の同僚の人が私たち兄弟を
病院まで連れて行ってくれることに。
そのとき私は「父を病気で亡くし悲劇のなかでも明日への希望を捨てない
けなげな悲劇のヒロイン」という立場に酔いしれていて
連れの大人の目を盗んで非常階段に上り、朝日に向かって
「私・・・くじけない！天国のお父さん、見守ってて！」なんてやっていました。
父親の死と言う非常事態に何でそんなに酔いしれていたのか・・？
２０年以上も前の話ですが、申し訳なくて母と兄弟には絶対にいえません。
5
数年前、某社長の鞄持ちでアメリカに連れて行ってもらった。
結構高齢な方なのに、どうしても急流下りをやりたいときかない。
私もそういうのは苦手なんだけど仕方なくお付き合いした。
乗っている間は私も自分の事で精一杯で、
社長の事を見る余裕がなかった。
無事下って、みんなが立ち始めてるのに社長はじっとしたまま。
不審におもいながら、社長の前に回りこむと
白目をむいて、ヨダレがだら～で意識がなかった。
とにかくパニックで「へ、へるぷみぃぃ」って叫んだ記憶はある。
しばらく後 救急隊が来て社長をストレッチャーに乗せようとした時
・・・社長の髪の毛がズレた。
とにかくあせった、社長が白目をむいていた時よりも焦った。
とっさに社長の頭を押さえた。
そしたら救急隊員が
「患者に触るな・・・」どうのこうの言っている。
私はまともな英語が出てこず
「アデランス イズ ブロークン！！」と答えた。
もちろん救急隊員は？？？って顔。
「ヒー イズ アデランス オア アートネイチャー！！」
と叫んだら、側に居た日本人が爆笑しなが通訳してくれた。
それで救急隊員も分かって、ズラをパチっパチっと止めてくれた。
その後社長は無事、意識を回復し今もご健在だけどズラの事だけは墓場まで持っていくしかない。
あの時通訳してくれた日本人の方もどうか墓場まで持って行ってやって下さい。お願いします。
6
２０代前半のある一時期。発情していたとしか思えないんですが、
複数の男性と付き合っていました。
月火、水、木金、土日（４人）と仕事を終えて家に帰って、
２１時ごろ迎えに来てもらって毎朝出勤の３０分くらい前に帰る生活。
失恋して壊れたんだけど、２ヶ月間だけと最初から決めていて最後には
皆別れました。
その時、男友達ともしてしまったので、それ以来会っていません。
今は結婚して子どももいるけれど、主人も友達も知らない。
このまま墓場に持っていきます。あの時、遊んでくれた人たちありがとう。
忘れてください。私も忘れます。
人に言えない話って結構あるもんだなと思う、ある冬の一日。
7
小学校１年の娘が担任に見込まれ、敬老の作文コンクールを書く
ように言われたが、本人は書かない（その辺の事情はうろ覚え）。
仕方がないので、私が娘の名前で仕上げたら、何と、都の福祉局長賞を受賞。
娘は「都民の日」に、日比谷公会堂の壇上で表彰された。
本人はもう覚えていないかもしれない十数年前のこと。
関係者には申し訳ない話なので、真相は墓場に持って逝きます。m(_ _)m
8
不倫してた彼氏の家で、リビングのソファの上でやっちまいました。
結婚式と家族4人の写真の目の前で・・隣の部屋には子供が寝てたのに。
整理中だったため、血がついたティシュが、ソファの下に入り込んでしまい、
そのままに・・・・で奥さんのナプキンを借りて帰ってきました。
はげしーく反省しております。私も彼もドキュ決定です。
9
小学生のときふとした、旅行中に見た交通安全の標語の看板。
旅行から帰ってしばらくして市の標語募集に
何気なくそれを書いて提出したら見事１等！
ホールで表彰してもらって図書券をいただきました。
小さな学校だったから一躍私は有名人。今更いえないよ～。
10
小学生の時、万引きで補導された。
反省して「もうしません」と言ったものの
年に1度くらいやっていた。
本当にやめられたのは25歳くらいになってからです…
消しゴムとかガムとか、そういうどうでもいいものを
なんとなく、のパターン。
さすがに「たかが数百円で見つかったらシャレにならん」
と自分を戒めたのが最近だなんて…墓場まで持っていきます。
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