墓場まで持っていく話 短編10話【3】
1
旦那にはとても言えない話。
旦那と付き合うちょっと前から、他の人と付き合ってた。
はっきり言って旦那よりいい男。未だに夢に見るくらい。
でも、その人とは長く続くのかなぁって不安があった時に旦那と会って、
交際を申込まれた。その時、私の頭の中では
「ま、あの人とうまく行ったらこっちは別れよう」で二股状態。
なのに旦那と結婚…もう一人は、仕事の都合で海外に行ってしまって、
父親しかいない私は、さすがに海外には行けなかった…
まさか、キープのために付き合いだしたとは言えない…
でも、いまだにあっちと結婚してたら人生違っていただろう…と、布団の
中で考えてしまう…
旦那は旦那でいい人なんだけどね。チト後悔気味。
2
たいしたことじゃないけど、ずっと心にしまっておいたこと・・・
産後1ヶ月間くらい、乳が出過ぎて仕方なく余った分は搾って捨てていた。
しかしもったいない気がしたので、実家の犬にコソーリ飲ませていた。
老犬で元気がなかった彼が、急に散歩の足が軽やかになったので
家族が皆喜んでいたが、一人、笑うに笑えない自分・・・。
母乳って、マジ効くよ(w
3
旦那のかあちゃん(姑)の浮気告白。当時55歳。
浮気相手は旦那(姑からすると自分の息子)より3歳年下の部下。
嫁の私も顔見知り。
告白されたのは8年前で、定年後別れたけど、姑が墓場に行くまでは
誰にも言えないし、墓場に行った後も恨まれそうで言えない。
4
なあ、お袋よ。
祖母が言う「(漏れが)3歳の頃、階段から落ちて骨折したことがある」というのは、
「落ちた」ではなく「落とした」んだろ?
「落ちた」「落とした」はともかく、「骨折した」という事実すら
「そんなことなかった」と認めずに墓まで逝くつもりか?
黙ったまま逝ったら、おれが疑念を墓までもって逝くことになるんだぞ。
5
高校卒業するころまで
親の財布からお金を抜き取ってた。
総額50万くらいになるんじゃないかなぁ・・・
いつも万札抜いてたからネ。
幼稚園や小学生低学年のころは
お菓子を万引きしたり、友達におごらせたりしてた。
親元離れてからはお金がなかったら無いなりの生活は平気だったけど
子供の頃おこづかいが少ないのは辛かった。
親は気づいてたのかな?
でもそのことは一度も触れてません。
こんな私でも結婚して幸せに生活しています。
6
新宿で違法ビデオ売ってた。いわゆる海賊盤てやつ。
ウチの店独自の仕入れだと謳っていたが、実は大嘘。
ぜ~んぶ他店のコピー。わざわざ月末に近所の同系の店に買出しに行くんだから(w
で、私は最初それを知らなかった。世間知らずだったし店長も友達だったからさ。
事実を知った時には本当にショックだった。
頭に来たのでそれからは毎日、売上から勝手に1万円とか抜いてくるようになった。
(まっとうな商品も少し有ったので罪悪感はなし)
訊かれても、万引きかも?とかシラを切りとおし、お客にもただでコピーしてあげたり。
最後には欲しかった商品、全部お店でコピーして逃げた。
店長一味に対しては、今も「氏ねゴルァ!!」と思ってる。
でもお客さんには可哀想でコピーですなんて言えないよね。
スマソ。あの時のお客さん全員。
7
向こうから告白されて、今つきあってる彼氏がいるんだけど
実はぜーんぶ私が綿密に計画たてて予定通りにあなたとつきあうことになった
なんて言えない
「○○(私の名前)のあっさりしたとこがすごい好き」とか言ってくれる彼に
実は6年前からあなたのことをリサーチしつつ尾行していたなんてとても…
(知り合いになったのは一年前)
8
中学の頃、知らずに卒業式をメチャクチャにした事
卒業証書授与の時、左にお辞儀した所までは記憶がある
その時に急にクラクラしてきて・・・・・・・・・・・・・・・・
気が付くと保健室のベッドの上、何故か体操服を着ている
そして、時計を見ると三時間も進んでいる、背中が凄まじく痛い
何でこうなってるか、さっぱり分からない・・・・・・・・・
後は友達、先生に聞いた話だけど、突然仰向けに倒れ、舞台から転落
積み上げてあった卒業証書を入れる筒の上に転落
筒を押し潰し、それが載っていた机を圧し折ったそうで、
それっきり動かないので大騒ぎになった・・・・と言われた。
結局、伸びてしまった私を数人掛かりで運び出して
十数分の中断の後、式は続行された。
9
今まで幼・小・中・高・大と一度も同じ学校になったことはありません
私が中1の時にひとめぼれのような感じで好きになりました
(例)彼:甲子園のエース 私:TV中継で一目見て熱烈なファンになる のような。
知る人ゾ知るようなちょい有名人だったので共通の友人とかいなくても
近況とかだいたいはわかってました
高校になってその人を知ってる友人ができたんだけど、協力してあげる!とか
言われるのがうざくて黙ってたよ
休日服買いに行ったりすると年に1回くらい彼をみかけることがあったので
そのときは彼のいく店まで尾行してたw
死ぬほど好きだったんだけど自分からは告ることのできない性格だったので
ただひたすら見続けるだけの6年間
で、彼がバイトを始めた情報をつかんで私もそこでバイトすることにした
あとはまぁ普通のバイト同士の恋という感じ
彼が告ってきた時、私は
「私も実は最近○○君のこと気になってて…」とか言っちゃった
最近どころじゃねーよ(゜Д゜)ゴルァ
10
昨年末、健康そのものだった兄が(29才)いきなりくも膜下出血で倒れ
意識不明の重体。手術はなんとか乗り切ったものの、集中治療室で
絶対安静で、意識は三日間戻らない。
寝ている兄貴に婚約者の玲子さんが泣きじゃくって
「聞こえる!?賢!!目を開けて!!聞こえたら、手を握って!」
玲子さんはずっと会社を休んで、不眠不休で兄貴の世話をしてくれていた。
何の反応もない兄貴を見て泣き崩れる彼女
私は兄貴の耳元で大声で「おい!!聞こえたら何とか言え!!!!!」
すると、かすかにくちびるが動いて何か言った
「・・・・・・・・・・・・美夏・・・・・・・・・・・・・」
なんと兄貴の昔の女の名前だった。
婚約者「あ・・・今、何か喋ったよね!?なんていったの!?」
やばい
私「え~と・・・れ、玲子さんのなまえを呼んでた・・・(大汗)」
婚約者、感激しながら涙をこぼし
「ここよ!ここにいるよ!こんな状態になってまで
私のことを・・(感動)」と兄貴にすがりつく
その後兄貴は時間をかけて回復したが
このことは墓場にもっていく
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