恥ずかしくて死ぬかと思った体験 短編10話【27】
1
小学六年生の誕生日、父にファミレスに連れて行ってもらった時の事。
メニューを見ていると「誕生日の方にはケーキと記念撮影サービス」とあったので、
迷わず店員に申告した。
少しして店員がケーキを持ってきたが、意外な事に二段重ねのゴージャスなホールケーキ。
しかし近づいてくると違和感が…作り物だ。父と微妙な空気を感じながら「ケーキと記念撮影」
悲しい撮影が終わると次は店内の照明が暗くなった。そして店内放送。
「本日、○○○○君(フルネーム)が12歳の誕生日を迎えました。
お誕生日おめでとうございます。皆様、盛大な拍手をお送りください。」
2、3ヶ所から聞こえるパラパラとまばらな拍手。
偽者ケーキに軽く集まる視線。
人生で最悪の誕生日でした。
店側もあんなトラップ用意すんなよ。
2
会社のお昼休みに昼食を取ろうとエレベーターに乗っていたとき、俺のお腹がグーっと鳴ったのが結構な音で響いてしまった。
知らない人がその人の連れの音だと思って、「お腹鳴らしてる~」とか言ったので、つい「すみません、私です」と答えてしまった。
その人も気まずかったに違いないが、自分も12階から直通のエレベーターが早く1階まで着いてくれとただ願っていた。
3
友達と電車に乗っている時の会話で、新聞の社説が話題になった。
友「シャセイって結構いいこと書いてあって、ためになるよ。今度読んでみな、新聞のシャセイ」
とか言ってきた。明らかな勘違いで「社説」を「シャセイ」と言っているので、俺は放っておこうと思って
俺「ああ、じゃ今度目を通してみるよ」と返してみたが、しばらくお互いの沈黙の後、
友「………あ、社説だ、社説」とか訂正してきやがった。
その後しばらくどうもギクシャクして気まずいムードになったまま沈黙が続いた。
イヤ、聞いてたこっちが恥ずかしくなった。
4
先日コンタクトレンズの検査のために眼科へ行きました。
目玉の状態を調べる時、キカイを覗きこみ、反対側から先生が覗きこむ奴があるんですけど、2人で顔をつき合わせてるかと思うとおかしくてこらえるのが大変なんです。
いつもは大丈夫だったのに、先日は最初から笑いモードが入っていて、先生も反対側から覗きこみだした時からおかしくておかしくて、肩を震わせてこらえてたんです。
先生は「こわくありませんよ」なんていうし、ついに「ブハッ」と噴出してしまいました。
「子供で笑う子はいるんだけどねえ」などといわれながら再度挑戦。また震えだして全然検査にならず。すいません、と誤った後は冷静になるんですが、向かい合うともう駄目。
「ププププ」と笑い出してしまい、先生も仕舞いには怒り気味で、
「日を改めて来てください。」
とピシャといわれました。もうここの眼科へはいけない。
でも心配なのは、別な眼科でも笑いそうな気がすること。ちなみに21歳です。
5
15年ぶりぐらいに歯医者に行った時のこと。
思った以上に虫歯の状態が悪く、抜くしかないと診断された。
早速麻酔をかけようと先生が注射を用意。
その時俺は、子供の頃のトラウマから全身に力を入れて踏ん張ってしまい
麻酔がかけられない状態へ。
先生「はい、力を抜いて」
俺 「無理です」
先生「無理じゃないよ、力を抜いて」
俺 「解りました。じゃあ一カ所だけ力を入れさせて下さい。どこですか?」
先生「(笑)解りました。(歯科助手の女の人に)手を握ってあげて」
俺 「いや、そういう問題じゃあないんです。力を入れたいんです。」
結局、歯科助手の人に笑われながら手を握っていて貰いました。
ちなみに私は32歳・男・身長178・体重80・筋肉質・強面です。
6
職場(水商売)に向かう途中デパートのトイレで化粧直そうと思ったんです。
トイレに入るとちょっと違和感。化粧直すには不便な大きさの鏡、スペースの狭さ。
「なんだよ、今時トイレにドレッサーも無いのかよ」と文句を言いつつも化粧直す私。
と、まだ中学生くらいの男の子二人がトイレのドアを開けて私を見るなり
「あっ、間違えました」と言いました。
ウフフ、女子トイレと間違えて入ってきちゃったのね!カワユイ★★なんて思ったのも束の間、
ドアの向こうから声が聞こえます。「ここ、男子トイレで間違いないよな?マークついてるし」
瞬間、私は入った時の違和感の正体を悟りました。振り返れば並ぶ男性用便器たち。
スカしたスーツ姿の私は今更『間違えちゃった!キャッ』なんて態度は見せられない。
ならばさっさと化粧を終わらせて堂々と出ていけば良いものを…
突然何を思ったか私は
オカマ兄さんのフリをした。
ドアを開けて戸惑う中学生にすれ違いざま、
「んっ、もう!女子トイレじゃなきゃお化粧直せないじゃないのっ!
でもアタシが女子トイレ入っちゃったら問題よねぇ~ムホッ(はぁと)」
私の持つ全ての勇気を総動員させて発したオカマヴォイス。突き刺さる中学生の視線。
恥ずかしい通りこして虚しかったです。何であんなことしたんだ、自分。
もちろんその後は逃げるようにデパートのエスカレータを駆け下りた。
7
レントゲン撮影で全裸になってしまいました。ちなみに♀です。
海外だったんだけど、レントゲンを撮るため、更衣室でブラ1枚になった私に助手の人が『全部脱いで』と言いました。
私は「全部ですか?」と聞きなおすと「そう、全部」との答え。
「あ~、やっぱりいくらヨーロッパとはいえ、日本の医療科学の方が発達してるのね~。全 裸 じ ゃ な い と 撮れないのか」とか納得してしまいました。
更衣室に入る前、紙で出来た「焼き肉エプロン」のような背中で2,3箇所リボン結びをするものを渡されていたので、パンツも脱ぎスッポンポンの上にこの紙エプロンをつけ、『エプロン短いな~。毛、まるみえ』とか思いつつ、レントゲン室に入ると・・・。
皆さん、下半身は服を着ていました。
医者はタメ息をついていたような気が・・・。
でも、ア ジ ア で は こ れ が 普 通 よ・・・って顔をしてがんばりました。
8
車の運転をする時ってベルトを緩めるたくなりませんか?。
そのせいんだけど、”チャック”が全開、週に一度は全開。
そう、いわゆるひとつの社会の窓。
別に男だから多少は構わないんだが、彼女と初めてのデートの日もやっぱり全開。
彼女が途中でためらいながら恥ずかしそうに教えてくれた、あいてるって。
激しく動揺して前後不覚になり口から出た言葉が
換気しとんじゃ、悪りぃんか!。
気まずくデートを消化して、真っ暗な部屋に帰り膝を抱えて考えた。
あいしてる、と、あいてる、じゃ話が全然違うんだなって。
9
大学生の頃。商店街の抽選大会に並んだ。
前に居た子供達は一様にポケットティッシュ&ペロペロキャンディーを受け取っていた。
どうやら残念賞ばかりのようだ。
私の番になりくじをひいたら案の定残念賞だった。
係のおじさんがティッシュをくれた。
キャンディーが差し出されるのをじっと待っていたら
暫しの間があった後おじさんが「あぁ…はいどうぞ!」と飴をくれた。
ペロペロキャンディーは子供向けの景品だったらしい。
おじさんと周囲の人爆笑。恥ずかしかった。
でもペロペロキャンディーもらえて嬉しかった。
10
幼稚園の頃、冬に雪中ミカン拾い大会というのがあったんです。
(雪国在住)
やたら意欲的なガキだった私はスタートの掛け声とともに猛然とダッシュし、周りの人を押しのけてミカンを拾いまくった。
でもなにやら周りの雰囲気がおかしい。みんなポカーンとこっちを見てる。
「なんだよトロイ奴らが。まあいいか」などと思いつつ、両腕にいっぱいの
ミカンを抱えてゴールした時、先生が「○○ちゃん、ミカンは一つでいいのよ」
私より母の方が恥ずかしかったようですがw
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