ほっこりする話『娘たちからのプレゼント』など短編5話【2】 – 優しい話・体験談まとめ

ほっこりする話『娘たちからのプレゼント』など短編5話【2】 - 優しい話・体験談まとめ ほっこりする話

 

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ほっこりする話 短編5話【2】

 

 

娘たちからのプレゼント

パパ、ママ、小学生3人の3姉妹の仲良し5人家族
ある日ママが交通事故で死んじゃいました

慣れない家事にお父さんも奮闘
タマゴ焼きを焦がしたり、洗濯物をシワだらけにしたり・・・。
失敗しながらも笑顔で幼い3姉妹を育てます

そんなお父さんのささやかな楽しみはお風呂に入りながら唄うこと。
いつも
『カラオケボックスで思い切り唄いたいな~。』
と言いながら・・・

お父さんの誕生日の数日前、3姉妹は3人で集めた貯金箱を持って通学路の途中にあるカラオケボックスへ
『予約できますか?』
受付にいた若い女性店員は怪訝な顔で店長を呼びます。

この店長さん、いつも通学途中の3姉妹を見守っていました。
そして
『お母さんは?』
『死んじゃった!お父さんしかいないの・・・。』
『お父さんの誕生日会をしたいのです!』
現在と違い当時のカラオケボックスは高かったのです。
持参したお金では到底足りません。

全てを悟った店長は
『解りました、協力しますよ』
誕生日会当日、早くから個室を貸してくれたので、3姉妹揃って飾り付け
時間が来たのでお父さんを呼びに行く3姉妹。
幼い3姉妹とお父さんの誕生日パーティが始まります。

お父さんも唄ってビールを飲んで・・・(^^)
3姉妹もアニメの曲を歌ったり、踊ったり、楽しい時間を過ごします
パーティが終わり帰り際、お父さんはフロントに精算に行きます
お父さんも3姉妹の持参した金額で不足なのは、もちろん知っていたのです

そこで対応した店長さん
『会計は終わっています。娘さんから頂きました。』
父さん『足りないでしょう?』

店長『いいえ!充分頂きました。そしてお金以上の物を私たちも娘さんから頂きました。こちらこそありがとうございます。』

楽しそうに帰る家族を見送った後、店長と従業員は号泣!
お父さん、3姉妹、店長と従業員、みんな幸せな時間を過ごしたそうです。

 

 

俺がぶん殴ってやるよ

田舎の祖母が入院してるので、実家に数日戻ってきた。
祖母はあんまり長くないらしい。

祖父母は九州に住んでて、祖父は完全に頑固一徹の昔ながらの親父って感じ。
男子厨房に入らずを徹底して、晩酌は日本酒(必ず熱燗)ビール・ワインを、その日の料理と気分で飲み分ける。
当然、すべて祖母が準備。
熱燗がちょっとでもぬるいと、口を一度つけたあと、
「ぬるい」
とひと言だけ言い、無言で祖母に温めなおすよう指示。
祖母は、「すみません」と言い、その熱燗を持って台所にいき、温めなおす。
祖父は祖母を怒鳴りつけることはなかったが、とにかく一貫してそんな態度だった。

小さい頃から、こまごまとよく働く祖母を呼びつけて、「茶」だの「新聞とってこい」だの召使のように扱う祖父をみて、なんだか理不尽なものを感じていた。
その反動か、俺は小さい頃から母親の手伝いをよくやったし、今も家事を積極的に手伝うようにしている。

その祖母が先月いきなり倒れたらしい。
検査の結果、癌発見。
しかももう手遅れで、手術して無駄に体力を奪うより、このまま・・・という方針に決まった。
仕事が忙しかったので、連休明けて仕事一段落して長めの休暇もらっていってきたんだが、実家に帰ってびっくりしたのが、祖父が連日祖母の病院に朝から行っているらしい。
ほとんど一日病室で、二人で過ごしているそうだ。

病院に行ったら、祖父はいなかったが、しばらくしたら祖父が返ってきて、その手には売店で買ってきたプリン。
祖母の食欲が落ちてきたので、食べやすいものを、と思って買ってきたらしい。

見ていると祖父がよく動く。
カバンから祖母の着替えを出したり、ちょっとした買い物やなんやと。

俺がそろそろ帰ろうかとしていると、祖父がいきなり、
「そうだ。せっかくだから写真を撮ろう」
と言いだした。

祖母が
「こんな痩せて、ガリガリの写真なんて撮らないでください。お葬式には、若いきれいな頃の写真を使ってくださいね」
と冗談めかしていうと、祖父が少し語気を強めて言った。

「病人だし、飯も食わんのだから、ガリガリは当然だ。今のお前がきれいじゃないという奴がいたら、俺がぶん殴ってやるよ」と。

祖母は
「まぁまぁ・・・」
なんて笑ってたけど、ちょっと泣いてたんだよな。
なんだかんだ言いながら、この二人は夫婦なんだなぁと思ったよ。

 

チャラチャラした男子高校生

前の話ですが。
その日バス乗ってたんですょ。
そしたら耳の不自由な女性が
乗ろうとしたみたいで声にならない声と
身振り手振りで運転手さんに話し掛けてました。

運転手さんは困った様子でした。
そしたら急に後ろのほぅに乗ってたさっきからうるさかったちょっとチャラチャラした男子高校生が
バックからノートとペンを持って

男子高校生が汚い字で
「どうしました?」

すると女性ゎ
「〇〇に停まりますか?」

男子高校生
「はい。止まりますよ」

それだけでもすごいって思って見てたのに
そしたら男子高校生その女性の手を
軽くひっぱり自分の席にあった荷物どかして席を譲ってたんです。

何もしなかった私はすごく恥ずかしぃ気持ちになりました。
物騒な事件が多いけど世の中捨てたもんじゃいなって思いました。

 

 

我が家はあまり裕福じゃない

私の婦人科系の出費がかさんでいて、我が家はあまり裕福じゃない。
だから息子には申し訳ないんだけれど、おもちゃなんかは
お誕生日とクリスマスの年二回しか買ってあげてないんだ。
息子が6歳の誕生日に「欲しいものは?何でも買ってあげるよ。」って、夫婦できいたとき、息子が言ったのは「妹か弟が欲しい」だった。
「ボクはこの先一生おもちゃ買って貰えんでええけん、弟妹が欲しい。」
ごめんね。
あなたに弟妹をあげられないお母さんでごめんね。
子宮が無くてごめんなさい。ごめんなさい、許してね。
頭が真っ白になってしまって、親の癖に取り乱して、息子に縋り付いて泣いて謝ってしまったんだよね、私。
息子はビックリして「お母さんを泣かせてごめんなさい。」って泣きだした。
親としてなってないよね、私。息子を傷つけたよね。本当にバカだった。

この前の、子供の日。
夫の親・兄弟・親戚、一同が集まった席でいつものように始まった大合唱。
「一人っ子はかわいそう」「ロクな大人にならん」
「今からでも第二子は遅くない」「今の医療なら、なんとかなるやろ?」
困った顔をして薄笑いを浮かべてテキトーに生返事をしてやり過ごすしか私達夫婦には方法がありませんでした。
うっかり事情が知れたら、もっと傷つけられる。
ああ、仕方無いが、我慢しよう、嵐が過ぎるまで・・・そう思ってた。

その時、今年小5の息子が、鋭い口調で言い出した。
「ロクな大人の ロク って何さ?」
「嫌そうに聞いてある人間に嫌な言葉を言い続けるのが ロク なんか?」
「ここにいるみんな、おれ以外はみんなキョウダイがいるロクな大人やろうもん」
「ロクな大人の ロク がこういうことなら、おれはロクな大人にならんでよか!」
「ああ、よかったったい。おれはロクな大人になれん一人っ子で」
「ちぃーともかわいそうなこと、なかやっか。一人っ子ばんざい!」
一同が静まり返ってきまり悪そうに視線をアチコチに泳がせ始めた時
「母さん、おれを産んでくれてありがとう。一人だけでも俺を産んでくれてありがとうな。」
照れくさそうに言って、ちまきを2~3個引っ掴んで、
「△△のうちに遊びに行ってくるったい。いってきまーす!」
飛び出していったよ。

次の週
「今日と明日は、おれが家事やるけん。母さんはゆっくりしときー。母の日やけん。お金かからんいい孝行やろもん。おれってあったまいー。」
今、息子は昼ごはんにとホットケーキを焼いているようです。

でもね、母の日のプレゼントは先週にもう貰ったと、私は思っているんだ。
えへへ、親馬鹿だけど、いい息子に育ってくれてうれしくて。
誰かに聞いてもらいたかったんだ。

 

 

義父が勇者になった日

同居の義父(71)がさっき勇者になった。
晩飯の後、俺が居間のコタツで肩までもぐってウトウトしてたら
いないものと思われたらしい。
居間のすぐ横の台所で茶飲んでた義父と義母(70)
何か話してるのを夢うつつで何となく聞いてたら
義父「あー母さん」
義母「はいはい」
義父「あ、あー、愛してますよ、いつもありがとう」
義母「(沈黙)」
義父「あ、あー、あー、まあねえ、ふふふ(照れ隠しか)」
俺このへんでしっかり目が覚めてたんだけど動くに動けず
コタツあちぃ

義母「お父さん」
義父「は、はいっ」←いつも昔ながらの亭主関白なんだが
義母「私より先に死なないで下さいよう。
一秒でも一人にしないで下さいねぇ」
…義母にやられたぜ。
義父はうーとかあーとか言ってたけど、最後に
「しないしない。馬鹿、するわけないだろう、滅多な事言うな、馬鹿、だからおまえは馬鹿なんだよ」
って勢いよく言ってた。最後涙声だった。
義父に何があったのか知りたいが
俺も嫁に言ってくるわ。10年くらい言ってない。
コタツから出るタイミング逃して、ちと脱水症状だがな。
——–
ムコの番
言って来た。
心臓破れるかと思った。
お義父さん、よく心臓発作起こさなかったな
嫁が残業で帰宅が21時過ぎだった。
んで飯食うの付き合って(俺は茶だけ)、嫁が風呂入って、夫婦の部屋でまったりしてた。
嫁が鏡台で肌の手入れしてる時に、後ろから言ってみましたよと。

スペック
俺34
嫁33

俺「あの」
嫁「なにー」
俺「あのー」

心臓ばくばくして中々言えない
「あのー」とか繰り返して俺馬鹿

俺「あ、あい、愛してますよ」
嫁、反応なし。

こんなもんか…と思ってたら、鏡の中の嫁、難しい顔してんのな。
何かやばかったか…と思ったら、いきなり嫁がぼろぼろ泣いてんのな。

嫁「何だよー。いきなり言うなよーうわーん!」
俺「ごめんごめん!!!!」
焦って謝る俺何!?
嫁「私だって愛してんだよー。もっと言え馬鹿ー」
おまえだって言わねーだろが。

で、泣き声に驚いた義両親が突撃してきたんだわ。
何があったんだって言われたんで、

俺「お義父さんを見習ったら泣かれまして」
義父、一瞬ポカーン→真っ赤
義父「き、き、聞いいいてたのか!」
俺「スミマセンスミマセン!!」

本気で謝る俺何!?
義母笑ってるし
グダグダになって、今まで四人でコタツで酒飲んでました。
嫁大好き。義両親も大好き。

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