『幽霊が出る部屋』- ほっこりする話【長編】

『幽霊が出る部屋』【ほっこりする話 - 長編】まとめ ほっこりする話

 

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幽霊が出る部屋

 

引っ越してから部屋の空気がおかしいと思ってた。ある晩…

ちょっとステレオタイプな幽霊と違う気がする…
絶対信じ無いでしょお前ら

実はその幽霊

オネエなんです

 

3ヶ月前くらいに引越ししたのね

結構良い部屋で値段もお手ごろだったから速攻契約したんだけど

どうも引越ししてから、「何かこの部屋空気が変だなー」と思ってた

でもいわく付きとか言われてないし、気のせいだなって暫く過ごしてたんだけど

ある日の夜、トイレの前に黒い影みたいのが立ってたんだよ

「え?」と思ってよく見ると、俯きがちに立ってる男だったのね、若い背の高い男

 

 

霊感とかないし幽霊も見たことなかったから、まず「幽霊だ!」って発想もなくて

「ヤバい泥棒だ!!」って思って慌ててスマホ取って警察に電話しようとした

でももう一回確認したらそこには何もなくて、念のため包丁持って部屋中探したけど誰もいなかった

疲れてたし、メガネかけてなかったから気のせいだったんだって思うことにして、結局その日は寝た。

でまた3日後くらいかな

ラップ音みたいなのが鳴り出した。家鳴りとかじゃなくて、なんかガラス踏んづけるみたいな音

これマジで幽霊なんじゃないかってガクブルしてたら、彼との2度目の出会いが訪れた。

夜中の10時くらいにご飯作ってたら、後ろが急に寒くなって

後ろには食器棚しかなくて、そんなに隙間はないんだけど

気になって振り返ってみたら、奴が首かしげるみたいにしてめっちゃ密着しながらこっち見てた

 

「アオオ!!?」みたいな声出しながら持ってたオタマで反射的にぶん殴った

泣きながらリビングに逃げて今度こそ警察に連絡しようと思ったけど、多分相手にしてもらえないだろうし

だいたいこういうトラブルって誰に連絡すりゃええのって泣きながら震えてた。

しばらくテレビ大音量でつけて、唱えたこともない念仏をブツブツいってた。

そしたら「パキ、パキ…」みたいなガラスのラップ音が聞こえ始めて一層ガチ泣き。

人間極限状態にいると何がなんだか分からなくなってきて、とにかくこいつをリビングに入れたらダメだ!って思って

「なんだテメー!!!人の家で勝手にウロチョロしてんじゃねえ!コロすぞぉおおお!!」

みたいなことを鼻水飛ばしながら叫んだ

ら、静かになったんだよね

ほんこわとか見てたら分かるけど、こういうときが一番気を抜いちゃいけないんだ。

後ろにいたりしたら困ると思って、毛布被ってソファに体ぴったり付けて、とにかく念仏唱えてた。

気づいたら朝になってた。

3時間くらいは意識あったけど、気絶したかなんかで寝てたみたいだ

そっと毛布剥いで出てきたら、何もない。

ただつけっぱだったテレビがなぜか消えてて泣いた。

その後急いで管理人に連絡して「幽霊出たんですけど」って訴えたら

「ここはいわくつきじゃないし、前住んでた人も普通だった。あなたの夢かなにかじゃないの」

ってキチ外見る目で言われた…

とりあえずサイトとかで除霊の方法とかを調べまくって、申し分程度に盛り塩をやってみた。

ふと考えてみたら知り合いに自称霊感ある女がいたので、そいつに連絡してみたら

「部屋の画像を送れ」

ってきたから、色々なところを撮って送った。

彼女いわく、「確かに霊がいる。若い背の高い男で、さっき撮った写真ではキッチンにいた」

って返ってきた。しかし

「放っておいても問題はない」とのことだった

絶対問題あるでしょと思ったけど、悪霊とかじゃない分良かったと若干ホっとしたと思う。

なんか恐怖というより勝手に家に上がられた怒り?みたいなのが沸いてきて

こんな貴重な機会ないし、霊と交信でもしたろと思って、

「お前誰なん?」

ってキッチンに向かって声かけた。

そしたらマジで「ペキ」みたいな音返ってきて変な声でた

以下会話(?)こんなかんじ

1「お前誰なん?」

霊「ペキ」

1「ひっ」

1「いや音で返事すんな!!!!(ブチギレ」

霊「…」

1「だから誰なん?ここでジサツとかした人なの?」

霊「ペキ、ペキ(3秒くらい置いて二回音がなった)」

1「それどういう意味?」

霊「…」

1「出てってよ」

霊「ペキペキ(高速で二回)」

1「お願いマジ怖いから出てってくれない?」

霊「ペキキ(長めの音一回」

マジで会話できた、誰も信じてくれないけど

多分二回ペキってすんのが「ノー」とかだったんじゃないかと思ってる

勿論怖いし、声は震えててスマホ握り締めながらの会話だったけど

なんか「あ、こいつ話できんだな、レスポンス返してくれんだな」って若干怖さが薄らいだ気がする

霊感女に何度も害がないということを確認して、なんか「まあ、いいか」ということになった

1「おい」

霊「…」

1「友達がな、お前のこと危なくないって言ってるけど本当か」

霊「ペキィ」

1「それイエスなん?」

霊「…」

1「イエスだな?」

霊「…パキ」

1「私に何もすんなよ?この間みたいにいきなり出てきたらマジでお祓いするから」

霊「パキ」

1「本当に何もすんなよ」

霊「…」

1「こえーわ…。マジ気持ちわる…」

霊「…」

この一連が終わった後、いきなり部屋があったかくなった。

多分いなくなったな、と思ってキッチンに入ったら、昨日の残り物が冷めてて固まってた

そういえば何も食べてないわと思ってチンして食べた。不味かった。

暫く過ごしたけど、霊は何もしてこなかった。

ああ言うこと聞いてくれるんだなと思って、まだ若干怖かったものの普通に過ごした。

一週間くらい何もなかったから、さすがに気になってきて

1「ねえー」

ってキッチンに声をかけてみた

そしたら数秒後くらいに部屋が肌寒くなって

「パキ」って音がした。いんじゃんって思った。

1「まだいたん?」

霊「パキ」

1「お前マジ誰なん?」

霊「…」

言葉とかタヒぬと発せないのか、と妙に納得して

紙とペンを持ってきてテーブルに置いた

紙には

「男 女

年齢

ここで死にましたか

私に関係ある人ですか

誰ですか(自由に書かせる質問)

出て行ってください」

という質問を書いて、YES NOの枠を作っておいた。

1「ここ置いておくから、朝までに書いておいて」

って言って寝た

 

 

朝起きると、ペンがテーブル下に転がってた。

紙を見ると、マジで何か書いたあとが残ってた。うっすらとだけど

まず年齢は書いてなくて、

ここでタヒにましたか NOのところに点

出て行ってください 何も書いてない

私に関係ある人ですか NOに薄い線

誰ですか 薄い線がぐしゃぐしゃなってる。解読不能

で、ここがミソなんだけど

男 女 っていうところに両方薄く線がひいてあった

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