感動する話・泣ける話まとめ 短編5話【44】
戌年
今年の元旦の事だった。
僕の実家にはKという犬が居た。
Kは僕が大学の頃に飼い始めて、かれこれ14年。
飼い始めの頃は、まだちっちゃくて、公園に散歩に連れて行っても、懸命についてくるのが精一杯だったのを覚えている。
大学時代は時間の余裕もあったせいか、毎日散歩をしてたよ。
散歩用のロープを持ち出すと、大はしゃぎして、飛びついてきたりしてな。
お手とか、お座りとか教えたのも懐かしい。
その後、大学を卒業し社会人になり、ひとり暮らしを始めると、大好きなKに会うことも出来なくなった。
正月やお盆に帰ると、忘れもしないで飛びついてくる。
ほんとに、可愛いやつだな。
そんな感じで、約10年が過ぎた。
僕も仕事が忙しくなり、なかなか実家にも帰れない年が続いた。
去年の暮れ、仕事も落ちつき、正月は実家で過ごそうと、久々に実家に帰ったわけだ。
Kに久々に会った。
相変わらずしっぽをぶんぶん振っている。
相変わらず、飛びついてくる。
僕も、久々の対面に、馬鹿親さながら可愛がった。
その日の夕食時、母から最近Kは年のせいか元気がなく、寝てばかりいると聞いた。
そんなこんなで、明日の朝はみんなで、元朝参りにでも行こうと早めに寝たわけだ。
次の朝、起きて散歩してあげようと思いKの名前を呼んだ。
何故か犬小屋で、寝たままだった。
前日の母の話しぶりから、この事かと思いながら、小屋に近づいて名前を呼び首もとをさすると、いつもの体のぬくもりはなかった。
Kは天国へ行ったんだと
理解したくなかったが、それが、現実だった。
去年は戌年。
Kは戌年を全うして生き抜きました。
救いようのあるバカ
お前らは本当にバカだな
むかしカーチャンに反抗しただろう?
それ以来カーチャンはお前に気を使ってんだぞ
誕生日か母の日を一度でもすっぽかしたことがあるだろう?
カーチャンはすげー楽しみにしてんだぞ
連絡せずに夜遅く帰ったことがあるだろう?
カーチャンは心配しながら待ってんだぞ
「生んでくれなんて頼んでねえ!」って言ったことがあるだろう?
カーチャンはその言葉に、半年は苦しんだぞ。一生の傷になるぞ
家事の手伝い、最近してないだろう?
やってもらうのは当たり前じゃねーぞ。
カーチャンはさも当然のようにやってくれるが
お前らはバカだ。だが、救いようのあるバカだ。
俺は救いようがない。
孝行する相手がいないからな
なあお前ら。
とりあえずパソコンを離れて、今すぐカーチャンに電話でもしろよ。
近くにいるなら会いに行け。
「育ててくれて有難う」くらい言ってみせろ。
カーチャンは「何だい急にw」って言うだろうが、見えない所で泣いて喜ぶぞ
矮小な恥ずかしさなんか捨てて、小さな親孝行してきな。
お前らが受け取ったものに比べれば、まだまだちっぽけな愛だがな
犬と私の最後の約束は
今日は邦画DVD「犬と私の10の約束」借りて来て観ました
一、私の話をがまん強く聞いてくださいね
二、私を信じて。 私はいつもあなたの味方です
三、私とたくさん遊んで
四、私にも心があることを忘れないで
五、けんかはやめようね 本気になったら私が勝っちゃうよ
六、言うことをきかないときは理由があります
七、あなたには学校もあるし 友達もいるよね。でも私にはあなたしかいません
八、私が年をとっても仲良くしてください
九、私は十年くらいしか生きられません。 だから、一緒にいる時間を大切にしようね
中学生のとき近所で飼われてる犬の世話をするというバイトをしてました
毎日散歩してやって餌やって水替えて…
三軒掛け持ちで月に三千円ずつだから一万円近く
中学生にとっては十分な稼ぎでした
そのうちの一匹が老衰で弱ってたころに俺はインフルエンザで40度以上の熱を出し、でも翌朝には嘘のように治っちゃって、その朝にその犬も死んじゃってたってことがありました
その犬が最後の命で俺を助けてくれた?
そんな訳ありませんし、俺はそういうの信じる人間じゃありません
でも…
寒い冬の日、できれば早く散歩済ませて帰りたかったからリードを引っ張って帰り道の方向に行こうとする俺に 短い前足で「ヤダ」て踏ん張って…
ボクはもっともっと散歩したいのに…
そんな目で俺を見ていたアイツの顔が今でも忘れられません
様子見に行ってやらなきゃいけない俺が熱だして寝てたもんだから、アイツの最期はひとりぼっちにしてしまいました
アイツが死んだ朝、アイツの口元には俺が忘れていった手袋があったんだそうで
「私たち以上になついてたんだね」
世話してくれて本当にありがとねって 飼い主に言われました
十、あなたと過ごした時間を忘れません。 わたしが死ぬ時おねがいします
そばにいてね
母ちゃんの皿にはキャベツだけ
子供向けの漫画とかでよくある、おかず作ってる母親の目を盗んでツマミ食い、
っていうのをやってみたくて決行した。
揚げたてのおかずををひっつかんで。
それがトンカツだったんだ。
遊び場でもしゃもしゃ食べた。
で、夕食は当然トンカツだったんだよね。
自分の皿にはトンカツがある。
でも母ちゃんの皿にはキャベツだけ。
母ちゃんのおかず、キャベツと味噌汁だけ。
夕食の間、顔が上げられなかった。
トンカツ食ったけど、紙粘土食ってるみたいだった。
喧嘩ばかりの妹
いつも喧嘩ばかりの私と妹
妹が中学に入学して合唱部に入った
で数日たってから偶然母さんと部活の話をしてるのを盗み聞きした
そしたら妹
「先輩にね!おねーちゃんにそっくりな人がいるんだ。顔とか声とかは全然違うんだけど、なんでかなーうれしいな!」
ってはなしてた(´・ω・`)
自分だったらこんな素直になれない
こんなことイエナイ(´・ω・`)
これからもくだらない喧嘩しちゃうとおもうけど
もっと妹思いやろうと思った瞬間でした
なんか
うまくかけないや
おやすみ
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