『私でよかったら支えちゃる』など短編5話【74】 – 感動する話・泣ける話まとめ

『私でよかったら支えちゃる』など短編5話【74】 - 感動する話・泣ける話まとめ 感動

 

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感動する話・泣ける話まとめ 短編5話【74】

 

 

柿が好きな女の子

昔24時間営業のスーパーで働いてた。
この時期はただえさえ寒いうえに店内冷房ですごく寒かったな。
それはさておき、その年は柿がすごくおいしかったんですよ。
で、うちもたくさんカキを置いたわけ。入口の近くにね。
働いた経験ある人なら分かると思うが、斜めの棚に陳列してある果物は、よくお客さんに落とされちゃうことがある。
もちろん拾って棚に戻すんだけど、すぐ痛んできてしまって、誰にも選ばれず、結局買われないまま廃棄というのが定番パターン。
(店員がもらうのも限界がある)

そんな中、いつも夜遅くに来ていたカップルの行動が泣けた。
いつも男のほうが先にスーパーに来て、女の子が後から荷物(仕事がえり)を抱えてスーパーに入ってくる。
男のほうが料理がうまいみたいで、女の子が来るまで男はスーパーの中をぐるぐる回って色々考えて、女の子が来るとうれしそうに駆け寄って、その日の献立の予定を話すのがいつものパターン。
いつも果物棚の前くらいで落ちあってたんだけど、その日は柿がおいしそうだねってそのまま柿の棚をながめてた。
女の子は柿がすごく好きみたいで
「すごいね」
「真っ赤できれいだね」
「立派だねえ」
「神さまが作ったみたい」
とひたすら柿を誉めまくり。
うちは果物力を入れていたから離れたレジで聞いていて嬉しかった。
そんなことを話しながら彼女が手に取った柿が痛んでいた奴だったみたいで、おもわず声を上げる女の子。

女「あっ!これかわいそうだよ。」
男「あ、ほんとだね。落ちたのかな?」
女「きっと買ってもらえないよね、これ」
男「そうだろうねえ・・・」
女「・・・」
女「これ、買っていい?他にも痛んでる柿を今日は買って帰りたいな」
男「ええっ!でも安くないし、今あんまりお金ないよ」
女「今日剥いてたべちゃだめ?剥くのめんどい?せっかくこんなにきれいに生まれてきたのに、捨てられたらすごくかわいそうだよ。お金は私が出す!」
男「じゃ、じゃあわかったよ苦笑」

なんかじーんときたよ。
ほんとに痛んだ柿5つ買っていった。
今思えば半額にしてあげればよかったな。

自分の家が農家だから何となく、野菜は生きてると思うときがある。
(経営側からすればそんなことは言ってられないんだろうけど)
だから、その女の子が柿を買ってった時は、ぼんやりと日本人で良かったなと思った。
彼氏夜遅く柿むいてくれたのかな?
ちょっとうらやましいなとも思った。

でも今でも覚えてる私の好きなエピソードです。

 

 

万引きで警察に捕まった

少し昔話をしようか・・・

俺が中2の時だったかな?
当時はすごく荒れてた。
中二病ってこともあったとは思うんだが。
窃盗、暴力… いろんなことをやってきた。

部活は野球部。
荒れていたけれど部活だけは一生懸命だった。
でも顧問の先生はすごく怖かった。
何度もやめそうになったよ。
それでも俺は続けた。
なにより野球が好きだったから。
そんなある日、事件が起きた。

俺は万引きで警察に捕まったんだよ。
署で指紋をとったり、事情聴取などをした。
無論、警察から親に連絡をして、母が迎えに来ることになった。
母が来て、母は必死に警察の人に頭を下げていた。
そのあと親にはこっぴどく怒られた。
母は口をきいてくれない。
親父には殴られる…
そのあと警察から学校に連絡され、俺は一週間の部活停止…
顧問の先生にはもちろん怒られた。
めちゃくちゃに言われた。
もう終わりだと思ったよ。
このまま部活を退部して、ぐれて、ろくでもない人生を送るんだと思った。

それでも顧問の先生は俺を見捨てなかった。
部活停止の一週間はすべてトイレ掃除だった。
全学年のトイレを掃除した。
顧問先生は部活には顔をださず、その一週間、ずっと俺のトイレ掃除を手伝ってくれた。
一生懸命、便器をこすってる先生を見て、俺は思ったよ。
『変わろう』って。

それから俺はぐれることなく、中学、高校を卒業した。
今は普通に働いて、家族もいる。
今の俺があるのは、あの先生のおかげなんだよ。

ありがとうございました。先生。

 

貴方達のような夫婦になりたい

俺、中学の時ばーちゃん死んだんだけど、ばーちゃん、じーちゃんのことすごく愛してたんだろうな。
じーちゃんが先に死んだせいか
「早く死にたいじーちゃんのとこに早くいきたい」ってよく言ってた。
俺ばーちゃんのこと大好きだったから毎日会いに行って
「俺の結婚式でて嫁さんと曾孫みるまで死んだらダメ!」
って言ってた。
結局じーちゃん死んでから二年後にばーちゃんも死んだんだけど、
葬式の時、
俺宛てに手紙があって読まれたんだけど、ただ一言

「○○約束守れなくてごめんね」

泣いた。
人前で泣くのは恥ずかしいって思ってたけど号泣した。
結婚式、披露宴にじーちゃんとばーちゃんの席をつくった。

明日、結婚します。
近くで観ていてください。
貴方達のような夫婦になりたいです

 

 

私でよかったら支えちゃる

親父がサラ金で借金つくって逃げた。
遠の昔に別居していた母さんと住む事になった。
友達にも母さんにも明るく振る舞ってるけど正直まいってる。
あんたは強い子やなとか言っとるけどずっと一緒に暮らしよった親父やぞ!!
と言いたいけど言えるわけもなく。

彼女に当たってしまいました……
いつものようにまた喧嘩かなと思いました。
でもそいつは

私でよかったら支えちゃるし助けてあげる。
でもあんたはお母さんの支えになってあげないかんやろ?
がんばろうや。
辛いことあったら私が支えになっちゃるし聞いてあげるきん。
がんばろ?

俺の片想いから必死にアプローチで付き合ってくれた彼女の言葉です。
馬鹿みたいに泣いてしまいました。

 

 

二代目じっちゃん

じっちゃん。
僕は今人生で一番幸せな時です。

あれから二年後、僕は結婚してさ、仕事では重要な事を任せてもらえるようになったよ。
ただ、じっちゃんには僕の結婚式見て欲しかったな…
カラオケ、祝辞、あといろいろ。
じっちゃんはなにやらせても面白いから。
そうそうばぁちゃんの葬式のときも最後の挨拶ビシっときめないといけないのに笑わさせてもらったよ。
そんなじっちゃんがもういないんだね。

でもね、じっちゃんが亡くなった日決めたんだ…
僕はじっちゃんの変わりに全ての人を明るくすっから心配すんな。

二代目じっちゃんより

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