【山にまつわる怖い話】『一つ目の山神様』など 全5話|洒落怖名作まとめ – 山編【53】

【山にまつわる怖い話】『一つ目の山神様』など 全5話|洒落怖名作まとめ - 山編【53】 山系

 

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山にまつわる怖い話【53】全5話

 

 

散歩ルート

ちょっと昔の話を。ふと思い出すと不思議だなと思うので投稿します。

生きているのが辛くなりもう山でも行って遭難でもするかと、徹夜明けの躁状態で行った10代の終わりのこと。
行ったのは都内の某有名なあの山です。
観光の方々で賑わっている売店やらある山頂の先にもまだ登山道があると案内掲示板で知り、黙々一人で登って行った。

賑わっていた山頂で満足して帰る人が多いのか、山頂より上の山道には誰もいないけど道らしきものがあるのでその道をひたすら歩いていた。
途中、道が分かれていてこれどっちだ?と悩むようなことが何度かあった。その際には、道に被る草が少なくて人が通った形跡のある方を選んで進んだ。道は変わらずあるけど長いこと不安になりながら歩いていた。
そうしたら、いつの間にか10m先におじさん、またはおじいさんがいた。一人でわからない道を歩いていて怖かったので、おじさんが付かず離れずの少し先にいて安心していた。
このおじさんに付いて行けばどこかへ辿り着くと。人生どうやって生きていけばいいかわからなかったけど、本当は遭難なんかしたくなかった。
そしておじさんを目印に一定の距離を保ちつつ歩いていたら、木の椅子と机がある休憩所みたいなところへ着いた。
そこにはおじさん、おばさんのそれぞれ一人登山者がいた。ほっと安心し一緒に休憩をした。二人に女の子一人で登山なんかと驚かれたり感心されたりした。
おじさんの方はこの先も登山するそうで、おばさんの方はもう下山すると。
本当は行けるところまで登る気があったけど、前日が雨で山道がぬかるんでいた上に、靴はランニングシューズでもう泥だらけだしよく歩けてなかったし、何よりこの先おじさんと二人で登山は怖かったので、おばさんと一緒に下山することにした。無事下山して帰りました。

そう、あの目印おじさんを忘れています。不思議体験というのがあのおじさんです。
登山は学校行事でたたことがないので、よく登山をする方々からしたら別に普通のことかもしれません。夏場だったし。
でも、そのおじさんの服装がどうも登山する人のそれか?と。
麦わら帽子をかぶって、上はランニング、下は短パンなんです。靴は草履かなんかで。そこら辺の家の縁側でうちわなんか扇いでいそうな。
後ろ姿しか見てない気がするけど、そのおじさんは軽快というかずっと笑みをたたえていそうな剽軽な雰囲気だった。
優しいとか楽しいとかそんな雰囲気で。おじさんの後ろを歩いていて怪しんだことはになかった。休憩所のおじさんには不信感を持ったのに。
あのおじさんは近所の人で、あの山道が散歩ルートだったのか、それとも…。
どちらにせよ、あのおじさんのおかげで遭難はしませんでした。
でも相変わらず人生辛いです。

 

一つ目の山神様

私の体験です。

現在大学3年でそれは大学2年になってしばらくした時の話です。
久しぶりに地元に帰り、家族に近況報告をすませると何となく昔よく遊んだ近所の山に行って見たくなりました。
外は少し寒かったこともあり、ウイスキーの酒瓶を片手に軽く飲みながら出かけました。
山に入ると、昔と何ら変わってないことを確認できて非常に嬉しかったです。
しばらくそうしてフラフラ歩いていると少し遠くの茂みから、
「こっちにきて飲まないか」
と誘う男の声が聞こえました。茂みの周りは薄く照らし出されていて焚き火をしている様子でした。
酔っていたのも手伝い、別に怪しいとも思わず茂みに行くと男が一人で焚き火をしながら魚を焼いていました。
ウイスキーを渡すと珍しがりずいぶん気に入ったらしく、私に魚を勧めながらいろんな昔話を話し出したのです。
魚は美味しかったし話も面白く、とても楽しかったのを憶えています。
しばらくすると男は「そろそろ帰りな」と言ったので、私はウイスキーの残りはあげると言い立ち上がりました。
すると男は満面の笑顔で魚や山菜などをどっさりとくれました。
その時になってはじめて私は男の顔を見たのですが、目が一つしかありませんでした。
しかし、怖さは不思議と感じず、なぜ今まで気付かなかったのかもわかりません。

その後、祖母に土産を渡しその話をすると、それは山神で善いものに出会ったなと笑っていました。
私も「ああ、だから洋酒をあんなに気に入ったのか」と妙に納得してしまい笑ってしまいました。
またウイスキーを持って行ってみようと思います。

その男の話の内容は、昔からその山と周辺を生活圏にしていた人たちの生活の様子でした。
山菜取りにきた親子がいて、子供が転んで大泣きするのを必死であやす親の様子だったり
本当に何でもない事ばかりだったんですが、身振り手振りをつけて親や子供を演じ分けたりと、
中々の芸達者でしたw
話してる間は全然、違和感を感じず普通のおっさんと話してる感覚でしたよ。
だからもしかしたら単に光の加減とかで見間違えた可能性もあると思います。酔ってたしw

ただ転んだ子供の話のときに「着物が破れた」とか言っていたのでもしかしたら
本当に神様で古い話だったかも知れません。そうだったらいいなあって思います。

 

後日談

今、田舎のばあさんの家から書き込んでるんですが、昨日の夜にまたウイスキー
持って山に行きました。
会うことはできなかったんですが、以前と同じ場所に空の酒瓶と山菜が置いてあったんです。

酒瓶はラベルのあたりが多少はがれてたけどピカピカに磨いてありました。
山菜は取ってきたばかりのようで葉がピンとしてみずみずしかったから、
もしかしたら誰かが取って置いてあるのかと思ったんですが、周りに人がいる気配も無く、
これはやっぱりあの時のおっさんかなと思い、ウイスキーを置いて山菜抱えて家まで帰りましたw

 

ザクロの実

どうも皆さん始めまして、体験したてのを一つ投下させて頂きます。

今日、祖母に連れられてちょっと登山に行って来ました。
登山と言っても、私達が登ったのはハイキング程度のコースで、
普段着にジャンバーと運動靴+リュックと言う、ものすごい軽装でしたが。
30分ほど歩いて山頂につき、広場の辺りをウロウロしていると、
何やら植物園らしきものがありました。
下山までの休憩がてらに行ってみると、どうやら結構大きいようでした。
そして出口近くまで回り終えた頃、鳥の餌箱らしきものがあるのに気が付きました。
餌箱のうち、一番近くにあったものをみてみると、

小さなザクロの実が3つ置いてありました。

その内の2つはぱっかりと真ん中で皮が開かれていて、3つとも大分
枯れかけていました。
しかし、その場所にザクロの木などは見当たりませんでした。
何だか気味が悪くなったので、私はすぐに祖母の所に戻りました。

帰り際、私は以前このスレで読んだ、スイカの話を思い出していました。
確か、スイカをザクロと呼ぶような話もあったと思いました。
それと同時に3人の客の話も思い出していました。
皮の開かれた2つのザクロと、まだ開かれていないザクロ…。
もしかしたら、それは遭難者の数なのかもしれない…そう思いながら私は下を見ました。

私の視線の先にあった車道を、1台の軽トラックが通って行きました。
荷台には3つの、葬式でつかう花輪が揺られていました。

私達はその後、どうにか無事に下山出来ました。
偶然と言ってしまえばそれまでですが、最後にもう一つ付け加えておきます。
帰りの電車に乗る為、私達は下山後駅にむかいました。
私は切符を買う順番を待っている時、ふと下を見ました。

そこには登山行方不明者の捜索協力ポスターが、2枚貼ってありました。

 

コダマ

昔、山で仕事をしてた時のこと。

仕事を終えて作業道を歩いて下っていたら、上の方で妙な声がした。
「ホゥ」とか「ウォ」みたいに聞こえるんだけど、呼ぶ時にそんな声
(山でよく通る声)を出す人もいるから、誰かいるのかな?と思って上を見たら、
尾根の方に小さな人影が見えた。
逆光でシルエットしか見えないんだけど、こっちを見てる様子。
俺も「オオゥ」みたいな声で答えたんだけど、じっと動かない。
と思ったら、こっちに手を振ってジャンプし始めた。ワケわからんし
こっちも疲れてたから「降りるぞー」ってそのまま林道へ降りた。

先に降りてたおっさんが「誰かいたのか?」と聞くので
説明すると、ちょっと嫌な顔をした。
「コダマかも知れん」と言う。「何それ?」と問うと
「人に化けて悪さをする」
「昔はコダマを見たらその日は家に帰って一歩も外へ出るなって言われてた」
「夜中に呼ばれたり、戸を叩かれても絶対返事をしてはいけない」
「今はそんなことないかもしれないが…」
おっさんは、ひとしきりそんなことを言った後
「念のため、今晩はお前も外へ出ない方がいいぞ」

俺はその頃、駅そばの飲み屋へ毎晩のように通っていたけれど、
やっぱり気になって、その夜はおとなしく家に居た。
が、別に名前を呼ばれたり、戸を叩かれたりはしなかった。

次の日の朝、仕事の続きをしに作業道の入口までくると、おっさんが先に来ていた。
いつもは先に来てさっさと足拵えを済まし、火を焚いて待っているのに、
なぜか軽トラの中でタバコを吸っている。
俺が近づくと降りてきて、作業道の入口を指差した。
ウサギ2匹と鹿の死体が重なって置かれていた。
内臓が抜かれている。一目見て吐きそうになった。
「今日は山へ入らない方がいい」
そう言われたが、俺も仕事をする気にならなかったので、これ幸いと引き返した。

その後も、その山の仕事を続ける気にならなかったので、
おっさんに頼み込んで他の仕事師に代わってもらった。
おかげで年末にかけて金が足らなくなり、飲み屋に行く回数も減ったけれど、
おっさんから、代わりの仕事師が大けがをしたという話を聞いて本気でゾッとした。
何かに気をとられていて、倒れてくる木の下敷きになったらしい。
もしかして「コダマ」に呼ばれたのか?

 

奇妙な発光体

私は航空自衛隊でパイロットをやってる者ですが、先月奇妙な体験をしたので聞いてください。

それは私と僚機の二機で、地形慣熟飛行の訓練を行っていたときのことです。
場所は中国山地上空、時間帯は1800過ぎ、ちょうど地平線に太陽が沈むころでした。

そろそろ基地へ帰投する時間ということで、45°左バンク姿勢をとったんですが、
ふと地面の方向に目をやると、西日を浴びて陰影の濃くなった山の頂付近に明滅する灯りが。
登山者か?
そう考えてあまり気に留めてなかったのですが、緊急信号の可能性もあるので一応僚機に無線を送ったんです。
ところが、「いや、こっちからは視認できない」との無線が。
編隊の間隔はおよそ20mほどですので、私から視認できて僚機からできないというのはありえないはずなんですが・・・。

私は灯りが気になり始めたので、僚機にバンクの維持を命じ、その灯りの移動を確認しようと考えました(移動してるなら緊急信号ではないはずですから)。
しかし、灯りが移動した感じもなく、いよいよ緊急信号かと思い、基地へ詳細を伝えるための無線スイッチへ手を伸ばしたときでした。

HD越しに、その山を見ていたのですが、ふいに明滅する灯りが上昇し始めました。
当然頭の中は???状態。
その光る物体はフワフワと少しずつ上昇し、いよいよ当機と同じくらいの高度まで来ていました。
私は僚機に怒鳴るように同空域からの離脱を命じ、編隊を解して距離をとることにしたんです。

そして、その空域から20kmほどの指定空域まで離脱し、また光の方向に機首を向けたときです。
なんとすでにシルエットになった山の稜線から、無数もの光がフワフワと浮き上がっていました。
もちろん、すでに僚機も無数の光を視認しており、二機とも軽いパニック状態。

私は危険だとは感じませんでしたが、万が一を考えてできる限り距離をとろうと思い、再びバンクに入った時でした。
ちょうど同じ高度に漂っていた光の群れが、ものすごい速さで急上昇を始めました。
なにか、まるで示し合わせたみたいに全くの同時に。
そして、あっという間にその光は薄紫の空の中に消えていきました。

私と僚機は、しばらく口をきけないまま周辺空域を飛び続けましたが、燃料がやばくなったらコトですのであわてて基地に帰投して、上官の聴取を受けました。
やばいな、なんて説明すればいいんだろう・・・と、かなりびびっていましたが、上官が一言、
「今日のは記録には残さんからな、よくある事や。気にするなw」

後で聞いた話ですが、空の世界では、山から浮かび出る奇妙な発光体というのはよくある話だそうです。
もちろん私も僚機も初体験でしたが。
けっきょく同僚との話では、死者の魂なんじゃないか、という結論になりました。

空も不思議なことがたくさん起こりますが、山がらみの不思議な話ということで書かせて頂きました。

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