『ドイツでの話』霊感主婦シリーズ|洒落怖名作まとめ

『ドイツでの話』霊感主婦シリーズ|洒落怖名作まとめ 短編
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ドイツでの話

 

霊感強い人はやっぱり怖い。

ベルリンにいたときはよく「見る」ことがあったそうだ。
その中でも凄いのは、ずっとある場所に立ち続けているナチス親衛隊の男の幽霊だそう。
「その場所が何だったか知りたくもないので調べてないけど、もしかしてベルリンでは
有名な話しだったりしてね。難しいドイツ語はわからないから、その手の本とかは読んでないけど」とか。
とにかく、同じ場所にずっと立っているそうです。
少なくとも、10年前と4年前はいたとか。
「悪意は、私には無いんだけどさ・・・一回、ユダヤ系の知人と通ったときは悪意を通り越して
敵意というか・・・なんか凄いものを感じたなあ。なんか、差別や偏見が魂まで入り込んでる
のかねえ? 宗教差別や人種差別って、やっぱわかんないなあと思ったわけですよ。」と。
ちなみに「見える」方への朗報。
凄い美形だそうです。「ああ、美形というのはこういうのを言うのか」と思うような男だそうで。
詳しい場所は?と聞いたら「とりあえずブランデンブルク門が見えるところ」までしか
教えてくれなかった。範囲けっこう広すぎ・・・。

彼女はその近くに長期滞在したときに毎朝通っていたそうなのだけど、「見える」ことに
感づかれた時に挨拶をされ、以後はその道を通ってないそうだ。
「目があった時やばい、と思ったからね。そこから離れる気は無さそうだったけど、まあ
かかわらないのが上策、と思って通る道を変えたそうです。

□ □ □

ドイツでは「こいつはちょっと恐ろしいわ」というものには出くわすことは
無かったそうだけど(前述の親衛隊で私は充分怖いが)まあ、古城ホテル
などはいろんなものがいたねえとは言っていた。
だが、生きてきた中でベスト3に入る怖い思いをしたのは、ドイツ関係。

ドイツに一緒に一緒に行った人がグレツキの曲を研究していた人であり。
その人について行った強制収容所跡(ドイツだけでなく、ポーランドとかまで
足をのばしたそうだ)は、強烈すぎて言葉にならないそうです。
「霊とか霊じゃないとかの問題じゃない。あの言葉に出来ない感覚は感じたことがない。
悪意じゃないのよ。言葉にすると一番近いのは、絶望。・・・なんていうのかな。
人が人にすることはそりゃあ恐ろしいことは多いよ、そんな中でも人数的に普通じゃ
無かったからかなあ?・・・・入り口近くでもうアウト。
入って見学してきた友達は、それ以後、幽霊が見えるようになってしまったらしいよ。」
ああ、自分は教会音楽専門で良かったと思ったそうです。
教会巡りもなかなかスリリングな事がなきにしもあらずだそうですが。
・・・ちなみに、彼女自身は別にキリスト教徒ではありません。

今でも、「一番怖いのは、ああいう時の絶望感だと思う」と言っております。

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