短編怖い話『しがみつく女』『真っ赤な男』など 全20話|洒落にならない怖い話

短編怖い話『しがみつく女』『真っ赤な男』など 全20話|洒落にならない怖い話 厳選

ホームと電車の隙間

…彼女が小学校低学年のとき、よく電車に乗って祖母の家へ遊びに行っていた。
その祖母に「電車に乗る時は、ホームと電車の隙間に落ちないよう気をつけなさい」とよく言われた。
いつもは優しい祖母も、その時は厳しい口調で話しかけるため、電車が来るとすぐ顔を俯けて
気をつけるクセがついてしまった。

ある日、いつものように祖母の家からの帰り、一人で地下鉄を待っていた。
電車が入ってくると、彼女はその空間を見つめはじめた。…電車が止まり、扉が開く。
慎重にホームから車両へ、俯きながら足を踏み出した瞬間。

その隙間から、逆さ向きの笑顔が見えたのだという。
それは首だけの、男性の笑顔だった。

頭出てないか?

大学時代後輩から聞いた話。
大阪府寝屋川市のあるワンルームマンション。
そこの各階縦一列の部屋では怪現象が起こるという。

そのマンションには同じ大学の学生が多く入居しており
後輩の友人もそこに住んでいた。
コップを床に置いて『よくみてろよ』と言うと
ピョコンとコップがひっくり返ったりしたそうだ。

ある晩彼の部屋の下の階に住む友人から電話がかかってきた。

『今よ、天井から河童の足が出てるんだけど、そっちの床から頭出てないか?』

 

はあ~い

子どもの頃の話。

子どもの頃、僕は2階建ての借家にすんでいた。
母親も仕事をしていたので、学校から帰っても自分一人のことが多かった。
ある日、夕方遅く学校から帰ってくると、家の中が暗い。
「おかあさ~ん」と呼ぶと、2階からか小さな声で「はあ~い」と
応える声がする。もういっかい呼ぶとまた「はあ~い」。
自分を呼んでいるような気がして、2階へあがる。
階段をあがったところでまた母を呼ぶと、奥の部屋から「はあ~い」と声がする。
奇妙な胸騒ぎと、いっこくも母に会いたいのとで、奥の部屋へゆっくりと
近づいていく。
そのとき、下で玄関を開ける音がする。母親があわただしく買い物袋をさげて
帰ってきた。「しゅんすけ、帰ってる~?」明るい声で僕を呼んでいる。
僕はすっかり元気を取り戻して、階段を駆け下りていく。
そのとき、ふと奥の部屋に目をやる。
奥の部屋のドアがキキキとわずかに動いた。
僕は一瞬、ドアのすきまに奇妙なものを見た。
こっちを見ている白い人間の顔だった。

 

真っ赤な男

ゲーム製作者飯島健夫氏の十八番の話。

少年時代、山にボーイスカウトかなんかで夏キャンプに行った時、
それを見たんだそうだ。

真っ昼間。
カンカン照りの中、何人かで歩いていると、
木立の中、少し暗がりになった所、ほんの5mほど先に、それはいた。

人間…?
木立の緑色のなかに、
全身を血で塗りたくったかのような、真っ赤な男。
どろっとした感じで、服を着ているかどうかもわからない。
目だけはぎょろりと白く剥いて、じっとこちらをみつめている。
横笛のような、何かわからない物を、両手で支えて口に付け……、
しばらく、にらみ合いが続いた。

と、いきなり、足も動かさず、す──っと横方向に滑るように、
赤い男は木立の中に消えた。

真っ昼間、明るい太陽の下の出来事でもあり、怖いというより、
なにか、現実感を感じられずにいたが、
夜になって、寝床で男の姿を思い出して急にゾッとした。

近くに精神病患者の施設があったらしいが、そこの患者が
脱走したり出歩いていたということはないという。
そもそも、人間らしいところが全く感じられなかった。

あれは、現代に生き残った妖怪のたぐいではなかったか。
飯島は今、そう思っているそうだ。

 

リビングのゴミ箱

三日前くらいに夜中リビングのゴミ箱の袋がカサカサ言い出して、
「これはGに違いない」と意を決してゴキジェットと逃走防止に新聞紙を片手にゆっくりゴミ箱に近付いた
ゴミ箱の袋はまだたまにカサカサ鳴っていてやつが中にいるのはほぼ確定事項だった
本当は見るのも嫌だがとりあえず敵の姿を確認しようとゴミ箱を覗き込んだら

ゴミ箱の中に髪の毛がびっしり詰まり、それがたまに動いてカサッと音を立てていた
まるでゴミ箱から首が生えて来るように…
びっくりしてゴキジェット超噴射して新聞紙で蓋して、自室に逃げた
朝、親が見た時には普通のゴミしか入ってなかったらしい
なんでゴミ箱から出てこようとしてたんだろう。意味不明過ぎる

 

警告

小学生の頃、祖父と松茸を採りに山に行った
採れるスポットは裏山を30分ほど登っていくと
山の神様が祭ってある神社があって、そこからまた30分位登った所
何本か収穫し、持ってきたお菓子やミカンを食べ、
しばらく山を散策した後帰る事にした
神社まで下り、もう少しと降りるんだけど一向に麓につかない
ただ下りていけばいいのに何故かその場で足踏みしている気分になる
時間は15時くらいで木漏れ日が綺麗なんだがどこか不気味だった
異変に気付いたのか祖父も無言だった
駆け降りようとすると祖父に止められもう一度神社まで戻り、
余ってたミカンを備えた
木陰でしばらく休憩し、
もう一度下りると今度はすんなり入り口までたどり着いた

当時は山の神があまり採っていくなと警告してるんだよ、
と言われ本気でビビり、山には行かなくなったが不思議な体験だった

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