【長編- 名作】スカッとする話
爆音を響かせたバイク集団
姉の会社でトラブルが起きて、姉が急遽園にいる子供の迎えを頼んできたので姪っ子たちを預かった
姉と姉旦那が21時半には家に帰れるとのことだったのでそれに合わせて21時家に送り届け、
姉が帰ってきたら連絡事項を伝え、22時ごろ帰路についた
するとその時間夜間工事が始まってて行きと同じ道が通れなくなってた
少し遠回りして街灯の少ない慣れない道を走っていたら、
細い脇道から爆音を響かせたバイク集団が現れて取り囲まれた
窓をきっちり閉めて鍵もかけて、震える手で「とまっちゃダメだ」とハンドルを操作した
車の前にはバイクがあるけど、私が速度を落としたらきっとこのバイクも止まって行き先を防がれると思うと止まれなかった
30キロほどで走行し、カバンを探って携帯を取り出したら、隣を並走していたバイクに窓をバンバン叩かれた
通報させる気はないらしい
手に棒を持ってる男もいて、刺激できなかった
頭をフル回転させて、この道がどこに繋がるのか、最寄りの交番はどこか、
囲まれたままそこまで行けるかを必死に考え、前方を走るバイクが止まらないよう逆に煽りながら平然を装って走った
バイクからは時々缶を投げつけられたり足で蹴られたりしたけど無視
本当に怖かったが、しばらく走っているといきなりサイレンの音がなり、
どこからともなく白バイとパトカーが登場して助かった
警察によると爆音がゆっくり動いてたことで騒音で通報があったらしい
本当に偶然だった
警察によると、一月前ほどから現れた集団らしくて、これまでに何度も住民から通報があったとのこと
一応地元に近い場所ということで、こんなことがあったと顔本に書いて地元の同級生に注意を呼びかけてた
皆心配してくれてたんだけど、1人同じ大学の男が「なんでやり返さなかったんだ」と怒りだした
俺ならこうする、前のバイクにぶつけてやればよかった、バイクより車の方が強いのに負けるのは雑魚、
そうやって逃すから次の被害者が出る、お前は次の被害者を作った加害者
などなど、長い長い文章が送られてきた
周りは注意してくれたけど、私がそいつらをしとめていたら未来の被害者が生まれなかったんだ、と、まだ生まれてもいない被害者のために責まくられた
今ならそいつの言い分も簡単に突っぱねられるけど、その時は恐怖で心が弱ってたからかなりこたえた
弱り目に祟り目を実感した
そのまま時間も経過したのに、男から顔を見る度嫌味を言われて、
顔本でも遠回しに私の悪口を定期的に書いているらしく、うんざりすると友達に話していた
ある日友達に誘われて学校帰りに買い物に付き合うため出かけることになった
そこにはなんでか嫌味な男も混じっていた
男は私のことを嫌いだという感情を顕にして「お前がいなければな」と直球で言われた
帰ろうとしたのに友達は私の手を掴んで逃さないし、なんの嫌がらせかと思った
電車で移動して、促されてあんまり人の使わない駅で降りると、改札を出た途端いきなり巨漢の集団がやってきてナンパされた
私が青ざめていると、友達が男に「あんたこんなときやりあって懲らしめるんでしょ」と男の背中を押して集団に差し出した
集団はすぐに私と友達から離れ、男に「おい、ちょっと付き合えよ」と連れて行こうとした
男は巨漢集団にビビりながら「だだだだ誰ですかややや辞めてくださいよ」と小さい声で答えた
そして私たちに振り返り「何で見てんだよ助けろよ」というようなことをどもりながら訴えた
巨漢集団はそんな男を遮り、男を囲んでそのまま連行していった
姿が見えなくなったところで友達が頭を下げて謝ってきた
「ずっとあの男が許せなかった。バイクのときからもう数ヶ月たつのに傷を癒やす間もなく友達を傷つけるのが悔しくて仕方なかった。あなたの気持ちを無視してこんなことをしてごめんなさい。でもこのまま卒業まであなたがいじめられるのは見てられなかった」と潤んだ声で言われた
巨漢の集団は友達の高校生の頃の知り合いで、高校でラグビーをしていた人たちだった
その日の夜、汗で髪の毛が顔に張り付いたみすぼらしい男が、自分のしたことを一通り話し、認め、謝る動画が友達から送られてきた
顔本でも謝罪の文章が載せられた写真を送られてきた
動画はナンパのところから始まってたけど、殴ったり脅迫したりはしてなくて、歩きながら巨漢の集団は動画で私にやったことの事実確認をしてただけだったのにこの体たらく
私にやったこと、言ったことを一つ一つ確認され、俯いて汗をダラダラ流しながら言い訳していた
男は私に対する態度が酷かったので、顔本で中学や高校からの友達からも友やめされてたんだけど
謝罪をしたことで唯一残ってた類友からも愛想をつかされたらしくて、顔本ですら孤立してるらしい
ここまでされても私はスカっとどころか陰鬱になるだけだったけど、世間的にはスカっとする話らしいのでこちらに投稿
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