『能ある鷹は爪隠す』など全5話 – スカッとする話 短編 – 傑作選【因果応報・復讐・武勇伝】

スカッとする話【短編 - 傑作選】まとめ - 全5話

 

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スカッとする話【短編 – 傑作選】まとめ – 全5話

 

物凄く嫌みで横柄な英語の教師

中学の時に顎が長くてしゃくれていた物凄く嫌みで横柄な
英語の教師がいて
クラス全員で声を合わせて発音するときとか
みんな渋々怒られない程度にぼそぼそやるのが常だったけど
ラフカディオ・ハーン?だっけかな。
のっぺらぼうの怪談の時に
Long agoって部分があってその部分の時だけ
ハキハキと大きな声でみんなが声を合わせて
発音してた。
別に打ち合わせとかしたわけじゃないのに
みんな同じことを考えていたみたいで
クラス全員の心が一つにまとまった瞬間だった。

 

 

能ある鷹は爪隠す

私の武勇伝ではないけど。

中学1年の時、自称お嬢様で父親が国際的な語学力を身に付けるようにと小学校の頃から英語を習わされてるとか
(昭和の頃の話で、英語は中学で初めて習うのが普通だった時代)
母親が日本人の心とたしなみを身に付けるためにとお琴を習わされてるとか、
同じ習い事でもシモジモの者たちとは違うのよ、おーほっほっほっほ・・・的な事を自慢げに言うAちゃんって子がいた。

ある日、どういうイベントだったか忘れたけど、学校にアメリカ人の男性教師がやってきた。
まだ「Apple」の発音でG馬場のモノマネをやって喜んでる程度だった私たちに
先生が英語で話し掛けてきてもチンプンカンプン。

それでみんながAちゃんに「通訳してよ!Aちゃんの出番だよ!」とか言って煽った。
嬉しそうに立ち上がるAちゃんだったが、全く聞き取れないようだった。
そしてアメリカ人教師がAちゃんのすぐ後ろのBちゃんに話しかけたら、普通にペラペラ返して一同ビックリ。
Bちゃんは私たちと違って校区外の小学校から入ってきたんだと思ってたけど、実は帰国子女だった。

そして一週間ぐらい経ってそのアメリカ人教師が帰ることになって“送る会”みたいなのが催されたんだが、
Aちゃんが「せっかくだから日本の伝統を観て貰いましょうよ」と言い出し、
自分が着物を着てお琴を弾くと言い出した。
お琴は自分が家から持ってくるって言うし、私たちは本物のお琴って見たことなかったから
見てみたいってのがあって、それに決まった。

で当日の朝、持ってきたお琴を教室に広げてみんなの前で試しに「さくら」を弾きだした。
ちゃん(さ~)・・・ちゃん(く~)・・・ちゃ~ん(ら~~)・・・
ちゃん(さ~)・・・ちゃん(く~)・・・ちゃ~ん(ら~~)・・・
って感じで、1音ずつ弾く感じ。

そしたらこれまた大人しいタイプのCちゃんが「あのー・・・調弦がオカシイと思うんだけど・・・」とかナントカ言いだした。
私たちにはよく分からなかったけど(調弦って言葉も知らないw)
それを聞いてAちゃんが怒っちゃって「じゃああんたが整えなさいよ!」みたいな事言った。

静かにお琴の前に座ってCちゃん、あちこち弄りながら弦を弾いたりしてたけど、
「これでいいかな?」と言った後、軽く弾きだした。それが・・・
ちゃん・・・ちゃん・・・ちゃ~ん チャカチャカチャカ
ちゃん・・・ちゃん・・・ちゃ~ん チャカチャカチャカ
ンちゃん ンちゃん ンちゃん ンちゃん ンちゃんちゃんちゃんちゃん チャカチャンチャン
って感じで流暢な調べだった。

これまたCちゃんも、おばあちゃんがお琴と三味線やってて子供の頃からガチで習ってたらしい。
だけどババ臭いと言われそうで黙ってたんだって。

Aちゃんの方は可哀想なぐらい大風呂敷がバレて、それ以来すごく大人しくなった。
まぁちょっと可哀想ではあったけどね。
能ある鷹は爪隠すって言葉、誰かが言って、この時覚えた。

 

ナイフとフォークの使い方にやたら自信のあるウザ男

俺が個人的にスカッとした話
ナイフとフォークの使い方にやたら自信のあるウザ男がいた
親が金持ちで頻繁に海外にいっていたせいか「これが本場のフォーク使いやぁ(ドヤァ」とか言って見せつけてくる
マイ箸ならぬマイフォークを持っていて、宅配ピザを食べるのにもフォークでくるくるっと巻いて食べていた
食堂ではカットしてあるステーキ定食にわざわざフォークを求めてくるくらいだった
そうやって本来フォークいらんやろって食べ物でもフォークを使ってドヤァしてくるので、飯を食べるときにはウザ男とかち合わないよう皆避けてた

春になり職場に新しい人材が増えたんだが、歓迎会でまたウザ男はやらかした
新人に向かい、いかに自分のナイフさばきとフォーク使いが上手いか、多くの日本語がナイフとフォークの使い方がどれほど下手かを力説した
新人はウザ男がウザ男である所以を知らないので、皆萎縮しながらうんうん頷いていた
そんな時である
ウザ男「日本人は不器用だからpgr、それに引き換え俺は海外で本場の使い方をry」
新人女性「日本人は不器用?棒2本あればスープ以外何でも食せる日本人が不器用なんですか?私、食事に関して日本人以上に器用な人種は知りません」
ウザ男ポカーン
新人女性「日本人の箸使いは洗練されていて、ナイフやフォークと比較出来るものではないと思います」
新人女性は綺麗な箸使いをしていた
それこそお手本のように美しい手つきで
対するウザ男は箸の使い方が下手だった
指を全部ピーンと伸ばして箸を持つため、硬いものは切れないし、豆のような滑るものは掴めない
麺でさえ箸の先から滑り落ちていく
なので言い訳のように何でもフォークでブスブス刺して食べていたのだ
皆解ってはいたが、箸使いを指摘できるほど自信を持って箸を使える人など今の日本にどれほどいるだろうか
俺も多少箸に癖があるので、言いたくても言えなかった
ウザ男の面目丸つぶれ顔は見ていて本当に滑稽だった

 

 

苦しい中、1週間も頑張れた

近所に、父の親戚筋というAさん夫婦が住んでいた。
女性と縁遠いAさんを心配した親戚が、Aさんの遠縁という女性を紹介して結婚した。
なので、ご近所には、私たち一家も含め、お互いの親戚が多く住んでいた。

非常に仲むつまじい夫婦で、やがてA君も生まれると、3人でニコニコと出かける姿をよく見かけた。
A君が小学校高学年の頃、旦那さんが倒れ、A君の制服姿を見れぬまま亡くなってしまった。
奥さんは随分沈みこんだが、A君の成長を見届けられなかった旦那さんの分までと、一生懸命働き、
ご近所づきあいやA君の学校役員など積極的にこなしていった。

しかし、その奥さんも急逝。A君が高校受験を終えた直後だった。
仕事場で倒れ、1週間ほど植物状態だったが、意識が戻らぬまま亡くなってしまった。
私も通夜に行ったが、喪主として詰め襟姿で座るA君が本当に痛ましかった。

通夜振る舞いの席で、一緒にいた近所のおばさんが独り言にしては大きな声でA君の背中に言った。
「A君もねぇ。まだ親が必要な年よねぇ。親だったら、死んでなるものかって、なるものでしょうに。
 A奥さんも、子不幸なことよね、息子より旦那ってことかしら。信じられないわ。私だったら、死んでも死にきれない」
しんと静まりかえる会場。呆然と振り返るA君。おばさんは、まるで良い同情の言葉をかけてやったと言わんばかりの満足げな顔。

「あんた!何てこと言うんだ!」という父に、おばさんはなぜ怒られたのか分からないという風。
無言でうつむくA君に、私の母が声をかけた。
「お母さんは、またA君に会いたかったに決まってるじゃない。だから、苦しい中、1週間も頑張れたのよ。
 A君が心配だったに決まってるじゃない。だから、苦しい中、1週間も頑張れたのよ。
 でも、今日のA君の立派な姿を見て、お母さん、安心したと思うわ。私ならそうよ。A君のお母さんでよかったって、そう思ってると思うわ」
泣いてはいけないと、気が張っていたんだろうか。喪主の挨拶も立派にこなしていたA君大号泣。
おばさんはその間に強制退場。おばさんの夫が後日近所にお詫び行脚してた。

母の台詞はもっと胸に染み入る感じだったんだけど、私も動揺してたのでうろ覚え。
ただ、一週間「も」頑張った、という言い回しだけは覚えてる。

A君は、近所に住んでいる中で一番親しかった親戚一家に後見人となってもらい、元気に自宅から通学。
その家に、今度の春、大学で出会った奥さんと住むそうなので書き込みしました。

 

 

これ生焼けなんじゃないですか?

バレンタインの手作りチョコトラブルなんだけど
俺の彼女そこそこメシウマなのね
でもチョコレートが大嫌い
ダメ元でお願いしてたら、月曜の朝、テーブルに弁当と一緒に焼きたてフォンダンショコラが8個も並んでたのよ

後から聞いたら「お菓子一個作るって難しい」と言ってたので、単に作りやすい分量でつくったのかもしれないんだけど
(普段天邪鬼で絶対誰かのために作ったとか言わない)

同僚と後輩が前に彼女作のドーナツとかチーズケーキ食べて喜んでたし、もしかしてその分?と思い、朝ごはんに一個食べて残りを持っていく事にした

フォンダンショコラ知ってる人は解ると思うんだけど、時間経つと真ん中へこむし中が固まって生焼けみたいになる
会社に行って昼休み皆に配った時には、案の定真ん中に割れ目が入って凹んでた

職場にはレンジが置いてるから、俺は「皆弁当温め終わってレンジあいたら、20秒くらいレンチンしてくれ」と伝えといた
皆席の上にフォンダンショコラ出したまま夫々昼飯買いに行ったりなんだりしてたんだけど、それをみた女性社員が「なにこれケーキ潰れてるじゃん」と言い放った
「これ生焼けなんじゃないですか?」
「お腹壊しますよ」
「捨てたほうがいい。誰ですかこんな嫌がらせしたの」
散々な言われようにカッチーンってきたわ

けど皆「俺さんの彼女、料理上手だから大丈夫ですよ」と気にせずレンチンして食べてくれた
うまいうまい言って食べてたら部長がやって来て興味示したので、俺の分をあげたら部長もうまいうまいとペロリと平らげてた
女性社員は「後でお腹壊しても知りませんからね!」とキレ気味に捨て台詞吐いた
なんでそんな突っかかるんだよと思っていたら、その女性社員がもってきたホールケーキがフォンダンショコラと似てるガトーショコラだった
しかも茶色くてわかりにくいけど明らかに色が焦げてた
その女性社員はガナッシュ色とか言ってたけど
同僚や後輩は「被ったからライバル排除しようとしたんじゃね?」と言ってたが、女ってそんなことすんの?怖すぎ
その女性社員が配ったケーキは食べるとザリザリする(マネージャー談)とのことで、人のケーキ貶したことも有り、誰も手を出さず、減ることはなかった
手作り品に不安を植え付けるようなことを自分で言わなければ誰かしら食べてくれたと思うのに、「お腹壊したら困るし」と言って断る人も居た
フォンダンショコラを食べた組はそれを理由に辞退できたし、彼女に感謝だわ

 

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