後味の悪い話【13】 短編5話
ウェルニッケ脳症
医療過誤の話。
ある男性が胃がんを発症し、胃を全部摘出した。
その後食事もなかなかとれないため、しばらくの間すべての栄養を点滴で摂取していた。
ところが、この点滴には必要なはずのビタミンB1が入っておらず、
『ウェルニッケ脳症』という病気を発症する。
男性の場合、この脳症による症状は『新しい記憶ができない』というもので、
過去の記憶はある程度あるものの(記憶障害もあるため完璧ではない)、新しい記憶の積み上げが不可能となってしまう。
例えば、買い物のメモをしても、十数分後にはメモの存在も忘れてしまう。
買い物にいく道はわかっても、買い物に行く道中で買う必要のあるものを忘れてしまう。
買い物を無事完了し、家についても、十数分後には買い物にいったことそのものを忘れてしまう。
いわゆる認知症に近い症状を若いのに起こしてしまう。
この病気を妊娠中に発症をした女性は、発症後に長男を出産したが、長男を出産した記憶すら無いため、
毎朝「何故か自分の横に赤ちゃんがいる」という状態で、子供に対する愛情がもてないという例もある。
何故ビタミンが入ってなかったのかというと……
お役所が医療赤字を抑えるため、ビタミンの投与を原則的に保険適用から外してしまったため、医師が点滴にいれずに投与してしまった、というもの。
必要なものなのに保健適用外にするお役所もおかしいが、だからといって点滴に入れろと指示しない医師もおかしい。
そのため男性は毎朝、朝起きたら子供が成長していることに驚き、
自分が老けていることに驚き、
自分が仕事をしていないことに驚き、
そして、自分が記憶障害であると妻に説明を受ける。
でも、その悲しみすら十数分で忘れてしまう、という毎日を過ごしている。
当然裁判も起こしているが、裁判を起こしていることすら覚えていない。
テレビ局が取材にきて話を聞いていても、スタッフが「何故私たちがここにいるかわかりますか?」と聞くと、
「ええっと……なんでですか?事件でもありましたか?」と聞くような状況。
『自分が被害者である』ということすら記憶できない状態。
余談だけれど、この男性は記憶障害の3級と認定されてしまい、これも係争になった。
3級というのは『仕事はできないけど日常生活は可能』というもので、確かに日常生活をこなすだけの技術はあるが、十数分程度でやったことすら忘れるのに日常生活が可能といえるのか?
すべてにおいて妻がフォローしている現状を役所は認めず、
「でも食事できますよね?お風呂も入れますよね?じゃあ3級でしょ」
という判断をした。
後、係争の結果、後に2級が認められる。
東武東上線人身事故
学生の時、大学からの帰りに電車の先頭車両の一番前に乗っていた。
するとガッタンと何かに乗り上げたような感覚があったかと思うと急停車した。
最初は木の枝にでも乗り上げたのかと思ったら人でした。(後で分かった)
でも怖かったのは一緒に乗ってた小学生数人と引率の大人。
そのうちの女性の一人がおもむろに携帯を取り出すと、どこかにかけ始めた。
すると沿線の家のベランダから女性が顔を出す。
そこに手をふりながら
「ねぇ、どうなってるか分かる?え、人の手が見える?うそ~!!テレビ来るじゃん!すごくない?」
ものすごく嬉しそうに話しているのを聞きながら私は意識が遠のいた。
再び目覚めるとそこは病院。
カーテン引いた隣から
「手足分裂だって」
「体育座りでいたんだとか」
「テレビとかすごかったんだって」
など聞こえる。
付き添ってくれていた友人(一緒に電車にも乗っていた)がカーテンを引くと、医者と看護婦がバツの悪そうな顔でこちらを見た。
「そうだった……乗っていたんでしたよね」
気絶したのは私だけだったそうだが、しばらく座席に放置され、周りを別車両にいた友人たちが駆けつけて来てくれて、囲み他の乗客からの視線をシャットアウト。
しかし乗客たちを降ろすために座席を乗務員たちはどんどん外す。
私が寝ているのも構わずに外そうとするのを、一人のおじさまが
「まずはこの子を何とかしてやれ!!」
と怒ってくれたそうです。
小学生の中にはそんな私を写真に撮ろうとしていたのもいたそうですが、友人が無言で睨み付けてやめさせたんだとか。
全部かなり後になってから聞いた話ですが、(ショックが収まるまで伏せていたそうです)、霊より生きている人の方が怖いと思った。
なぜならみんなものすごく嬉しそうにしていたんだとか。
おじさま以外、みんなテレビにピース、取材に嬉しそうに答えていたらしい。
衆人環視で救急車に乗せられる私を友人たちは必死に視線からかばってくれていたそうです。
782:2015/10/15(木)22:20:38.33ID:hJtdgfLN0
どうしてそういう作り話が出来るのか
それこそが怖いよ
783:2015/10/16(金)07:28:13.24ID:u/X/B85UO
作り話じゃないよ。どこの電車の話か言う?
池袋から川越通って寄居まで行く電車だよ。結構、板橋辺りで自殺が多い電車の話だよ。
十二年前の東武東上線、高坂駅数百メートル手前。もう十数年前だもの、月日までは忘れました。
792:2015/10/17(土)22:36:37.45ID:oyem5BUE0
>>
2003/11/14、金曜日の夕方7時前ですか?検索で引っかかりました。
11月の金曜日夕方ならほぼ間違いないかも。
794:2015/10/18(日)08:08:07.64ID:J/jhSJEcO
検索するとまだ残っていたんですね。
本当に月日は覚えていませんが、そう、夕方で結構帰宅する人が乗っていましたっけ。
おじさまもサラリーマンのようだったと友人が言ってました。
騒いでる小学生たちと引率の大人たちも、どこか遠足に行った帰りのようでした。
本当に東武東上線は人身事故が多いと聞いていましたが、まさか自分がその事故に巻き込まれるとは思ってもいませんでした。
807:2015/11/01(日)00:37:36.54ID:/RxXHkANO
>>
今の東上線は人身事故件数日本一、事故が起きても、あぁまたかでテレビなんか来やしない。
三年ぐらい前、東上線に近い本川越駅を出てまもない場所で轢いた当該に乗っていた事がある。
警官や消防がわらわらとやってきて、ちょうど自分がいる車両の真下に死体がある状況だった。
ちらりと外を見ると黒いスニーカーが転がっていてあわてて目をそむけた。
車内は静まり返り、乗客のほとんどはうつむいてケータイや本に目を落として外を見ないようにしていたが、十人ぐらいの男性客がドア前に立って外を見物していた。
突然、外にいた警官がこちらに向かって「見るな、見るな!」と叫んだ。
たぶん、死体を引き出したんだと思う。隣の車両の男性客が倒れて担架で運ばれていき、俺らの車両にも白衣姿の消防隊員が来て
「気分悪い方はいませんかー」
と声かけをしていった。
「救出作業は終了、ただいま警察の現場検証中」
とアナウンスが流れ、もう大丈夫かなと車窓を見ると、若い男女の警官が手に半透明ごみ袋を持って笑っていた。袋の中には、赤黒い何かが入っていた。
その後、当該は隣の駅まで行って、回送になるので俺らは全員降ろされた。
同じ車両に顔見知りがいたので、降りた後のホームで声をかけたら、なんとそいつは人身事故が起きた事に全く気付いていなかった。
乗車してからずっとゲームに夢中になっていたかららしいが、それが一番怖かった。
生きていても何も楽しくなかった
数年前、母親が急な病気で亡くなった。
当時の俺は学校にもろくに行かず、毎日フラフラしていた。
母親は毎日、頭痛や睡眠障害などに苦しんでいることを、亡くなってから知って、俺は罪悪感を感じていた。
四十九日も過ぎた頃、夢を見た。
俺(A)が母親にめちゃくちゃなわがままを言って母親を困らせているのを、
第三者の視点で俺(B)が見ている夢だった。
意識は俺(B)にあり、俺(A)は他人のような感覚。
俺(A)が母親の前から去ってから、俺(B)が謝ろうと母親のそばに行くと、
それまでうつむいていた母親が鬼の様な形相で
「生きていても何も楽しくなかった」と言った。
そこで目が覚めた。
気がつくと泣いていた。
あれから数年たつけど、未だに罪悪感は消えない。
今、十四歳の息子がそんな感じで、私も一度頭痛と疲労で倒れた。
それでも息子は変わらなくて、疲れはつのる。
最近は胃炎も出て薬が増えた(笑)
で、そのお母さんの気持ちがすごくわかる。
でも、息子がもしそんな事を何年も思ってたら、もう気にしないでと言いたい。
その気持ちで上に上がれそう。
うちの息子もそう思ってくれる未来があるだろか?
期待しないで繋がり続けるしかないかな……
神社に灯油まいて放火
地元の神社はさびれてはいたが、まだ地元商工会支援のもと、村祭りがとり行われたりしていた。
ただ過疎化を食い止める事は難しく、年を追うごとに祭りも貧相な物になっていったんだ。
神主もいない村の鎮守の神様だし、いっそつぶして公民館にでもするかという意見も出たが、そうした商工会の若手からの意見は、村の古老が反対して結局通らなかった。
町議会議員の息子、地元一の秀才で、東京の私大の歯学部を出て地元に戻って来て、歯医者を開業していた奴が、同じ中学の2コ下の後輩だったんだが、こいつが神社のそばに住んでいた。
公民館になればテニスコートを使いたい放題だって考えた(公民館に併設されるテニスコート)
で、別の宗教を信じてるもんだから、罰が当たるなんて考えもしないんで、誰のためにもならないボロ社なんかなくなった方が町のためだ、ぐらいに考えたのか、不審火起こして燃やしちゃえって思っちゃったんじゃないのかな。
同級生で、中学時代は一緒に悪さしてた地元土建屋の息子と組んで、灯油をまいて火つけたらしいんだよ。
らしいっていうのは目撃者が誰もいないから。
ただ、駆けつけた消防団の奴が言うには、消火活動する間もなく一瞬で燃えてすぐに灰になってたらしい。灯油臭かったって。
無知って怖いよな。土建屋の息子がその直後に飲酒運転、自損事故で死亡。
自慢のSUVがガードレールに突っ込んでた。
シートベルトなんてしない奴だったためか、フロントガラスを突き破って車外の崖下に投げ出されてた。
あー、これ祟りだよな。じゃあやっぱりこいつが火をつけたんだ、ってみんな思ったんだ。ホント直後だったしね……
でも歯医者本人の方はほら、鳥居とかくぐれない奴だったんで、神罰なんて考えもせずに暮らしてたんだよ。
で、確か奥さんが三人目を妊娠した頃だったか、同じようにSUVに乗ってガードレールを突き破って落ちて、崖下で死んでるのが発見された。
やっぱそうだよなってみんな思ってた。
だってそのSUVはもともと死んだ息子の物なんだよ。
事故車を形見わけしてもらって「外車は丈夫だから修理すれば乗れる!」って、そりゃむちゃだよお前。
商工会で金出しあって、お社再建したった。
古老に言わせると、祟ることはあっても恵みはくれない神様らしい。
【実話】チリで最悪な犯罪者に絡まれた話。
これは、南米旅行が趣味だった頃、チリの古代遺跡で有名なとある島に行った時の話。
ある夜、有名な観光地の商店でもの凄いDQNっぽい格好したアジア人の男が、現地の商店で買い物してた少女にしつこく詰め寄ってたんだよ。
んで、明らかに少女は涙目になってて嫌がってるのに、男は大声でなんかまくし立ててんのよ。
しかも片方の手をズボンの中に突っ込んで何やら〇〇〇をモゾモゾといじってなさる。
声聞いてたら明らかに酒に酔ってる感じの日本語……
うわ最低だなぁ……ロ***変態の日本人かよー、最悪じゃん!
この恥さらしが!って怒鳴りつけてやろうかと思ってたら、店の外から派手なギャル風の格好をした二〇代くらいの女が入って来て、男に向かって何かしゃべりかけて来た。
すると男は何事もなかったかの様に〇〇〇いじりを止めると、ササーとその女の所に行って、何やらゲラゲラと談笑しはじめた。
少女はどっかに走って店から出て逃げたので俺は安心した。
ギャル風の女は最初はムスッとして話を聞いていたが、しばらく男と談笑をした後店を出て一緒にワゴン車に乗った。
男は窓から酒缶をポイッと投げ捨てると、ワゴン車は夜道に消えていった。
次の日、観光地巡りをしてる時またソイツに出くわした。昨日のギャル風の女を連れている。
今日は〇〇〇はいじくってなかった様子だが、相変わらず酒缶を手に持ってゲラゲラ笑っている。
その声を聞いたらまた嫌な気分にさせられた。
一秒もその場にいたくないので帰る事にして、男の横を通り過ぎようとした時だった。
酔ったソイツがすれ違い様に蹴りを入れて来た!
頭に来てソイツを睨んだんだけど、ソイツも睨み返して来た。
で、「お前昨日俺の女ジロジロ見てただろ?殺したろうか?あ?」
とか言ってきたので
「ええ、そうですよ!店で大声で騒いでたので迷惑な人達だなあ……って思ってつい見入ってしまいました(笑)」
って言ってやった。
そしたら「んだクソコラッ!」
って大声で怒鳴られて、酒缶で思いっきり殴られて俺は倒れた。
そしたら周りに人が集まって来てギャル風の女も
「やめなよセキくん!私気にしてないから、暴力はやめよ?小学校の先生になるんでしょ?」
とか大声で言って男を抑えてくれた。
だけど男の方は、俺とギャル風の女に唾吐きながら大声で
「お前が売ってきたんやどが!どうすんだぁ!甘ったれてんじゃねえぞ?」
とか、わけがわからない事を延々と怒鳴り散らしていた。
その後で野次馬の誰かが警察を呼んだらしく男はどっかに連行された。
俺は「ざまあ見ろッ」と吐き捨てると、面倒なのは嫌なので野次馬にまぎれ、速攻でその場を後にしたので警察のお世話にはなってない。
その日はどっと疲れたので、ホテルに付いたらそのままシャワーも浴びずにベットにダウンして寝た。
それから数日後、泊まってるホテルの部屋でネットを観てたらソイツが逮捕された事が日本でも話題になってた。
「ざまあみろ!あ、でも酒缶野郎が自白したら裁判所とか呼ばれるのかなあ?めんどくせえなぁ」
とか思ってたが、逮捕理由を読んでみて仰天した!
信じられるか?
何と世界遺産である観光地の遺跡に、自分と女の名前を彫ったんだとよ!
しかも修復不可能なくらい深々と……
『ふっざけやがって!あのキチガイそんな事までやってたのかよ!』
ってもう一度ブチキレた。
だいぶ前のニュースだったし、匿名報道されてたせいで覚えてる人は少ないと思うけど、知ってる人は知ってる事件だよ。
何が腹が立つってさあ!あの男がチリで傷つけた遺跡は、昔は荒れ放題だったのを日本の商社がチリ海軍と協同で不可能と言われてた遺跡の修復プロジェクトを立ち上げて見事に成功、修復した事で有名な遺跡で、現地の人はその事にとても感謝してたんだよ。
実は俺がチリ旅行しようと思ったのもその話がキッカケなんだ。
それがたった一人の腐れDQNのせいでパーにされた気分だ。
本当に胸糞悪い最悪な旅行になったよ!海外旅行にはそれ以来行く気にもならなくなった。
本当に死ぬ程シャレにならない話だよ!
あの時に一発ブン殴っておけば良かった。
何が先公になりたいだ!ふざけやがって!
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