後味の悪い話【8】『結婚でつまずいた』など 短編5話収録

後味の悪い話【8】『結婚でつまずいた』など 短編5話収録

 

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後味の悪い話【8】 短編5話

 

結婚でつまずいた

今年の3月、一年付き合った彼女に「結婚してください」とプロポーズ。
彼女は「嬉しい!」と喜んでくれた。
六月に式を挙げるので、式の日取りを彼女の両親と相談。

そこで彼女から「今後の生活の設計を二人で立てたいから、
ボーナスと月給の明細を見せっこしよう」と言われたので、明細を渡した。
それから一週間。彼女の両親から携帯に直接電話が掛かってきた。

電話で「あなたの将来が無いとは言わないけれど、
毎月の給料が手取り36万じゃ安すぎません?あなた32歳だったわね?
ウチの娘を食べさせていけるの?結婚はままごとじゃないのよ。
とにかく結婚は延期してくださる?」そうまくしたてられ、電話が切れた。

俺は呆然とした。
確かに手取りは少ないけど一部上場の企業だし、
組合はしっかりしてるし、福利厚生も悪くはないし、
ボーナスは確実に夏冬2.7 ヵ月分は貰えるし、
悪くないと自分では思っていたが・・・。

彼女と電話で話し合ったら
「この給料じゃ生活できない。私は専業主婦になりたいし、子供も欲しい」と言われ、
最後に「年収は800万位と思っていた」と言われた。

それきり彼女から電話は無い。もう結婚はしなくていいと思ってる。
周りの友達に結婚報告して祝福してもらった後だったから、
説明するのが悔しくて、情けなかった。

唯一の救いは会社には言わなかった事かな?
今日も何とか生きています。
182:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/09(月) 20:46:18.22 ID:p7u7syjc0
>>169
年収700万ぐらいあるじゃん
相手バカすぎワロタ、むしろ痛快なコピペ
186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/09(月) 20:49:38.46 ID:K5a7KQNv0
>>182
ごめん、俺がバカなだけかもしれんのだが…
年収、何度計算しても432万になるんだが
192:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/09(月) 20:53:05.11 ID:t/bC02bh0
>>186
ボーナス入れたか?
あと、手取り36万なら額面で50万くらいあると思うけど。
201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/09(月) 20:58:03.13 ID:K5a7KQNv0
>>192
ボーナス入れてなかったwww
スッキリしたわ、ありがとう
209:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/09(月) 21:01:03.34 ID:p7u7syjc0
>>186
年収は手取りじゃなくて総支給で計算だから、
税金とか差し引く前の額の12月分+ボーナスになる

 

会社に入った

ちょっと聞いてくれ。
俺もこのままじゃダメだと思って今年の4月に無職と決別しようやく会社に入ったんだよ

入社式とかビビリまくりで周りは訳わからん奴らばっかで死にそうだった
でも数日たってから何人か話しかけてくれて友達もできたんだよ。
俺心の底からこの会社に来て良かったと思った

それでこの前少人数での仕事があったんだよ。もちろん周りとは会話交わしてない
で、グループ分けが行われたわけ。動揺しまくったけど、自己紹介は何とかできた。
ところがそこの部長がこの仕事で何がしたいか代表選んでプレゼンしろって言うのね。

知り合いいないし黙って下向いてたら、案の定周りが俺にやらせてきた。
隣の奴が「やる気ないなら会社来るなよ」とか言うの。じゃあお前がやれよ。
と心の中で言いながら渋々やったわけ。
もちろん何も考えてないから「ア、アノ」とか言ってた。1分間ずっとそれ。

何言えばいいか全然わからないから冷や汗ダラダラで手足とか震えまくってた。
それみて同じグループの奴らから「お前やる気あんのかよ・・・」とか「大丈夫かよ」とか言われた。

それ聞いて中学時代の嫌な思い出が蘇ってきたわけ。
雑巾投げつけられたり机の上に牛乳ぶちまけられたてたり
情けないことに泣いてしまった。涙が止まらなかった。叫びそうになった。

でも部屋の雰囲気がシーンとなってて俺も少しずつ冷静さを取り戻してきた。
ウックウックとなりながら今ならまだ挽回できると思って、
「…すみません。で、では自分達のグループの考えを…」とか何とか言った時に部長が
「そうだね、まだ会社に馴染めない方もいるよね。こんな雰囲気だし、今日はこれくらいにしようか。○○君(俺)、ちょっと残れる?」
って言って正直その助け舟にすごく感謝した。手の震えとか止まらなかったけど本当に嬉しかった。

皆が帰った後に部長のとこに行ったら「君大丈夫?仕事辛いか?」とか言われて
この部長なら本当の気持ちを言えると思って「ちょっと辛いです」って正直に言った。
そしたら「そうか、じゃあもう来なくていいよ。君がいると雰囲気悪くなるし」と言われたので

もう会社には行かないつもりです。

全部駄目だった

火曜日に正社員の面接行ったのね。もうこれで20数社目。今まで全部駄目だった。

それで、その日は車でしか行けないところだったんで、母親が仕事を休んで付き添ってくれた。
駐車場の車内に母を待たせて面接してもらった。

出てきたのは社長と人事課長。社長が絵に書いたような悪人顔でさ。
鼻くそほじりながら履歴書見て「職歴なし?あんたもう30だろ?」
「バイトなら経験あるっていったって職歴なしは職歴なしだろう?」
「うちでそんなの雇うわけないだろ?もう帰ってくれ。用はないだろ。終わり終わり」

車に戻ると母は面接には触れず、「また明日から暑くなるんだって、今ラジオで行ってた」
「ごはん食べて帰ろうか」って。
無言のままうどん屋に入ってカツ丼食べた。

そしたら母親が「受かるといいねー」って言うからさ、俺答えに困っちゃってさ。
で、いろんな言い訳考えた末に正直に「いや、駄目だったんだ、今日も」といった。

母親、「また次も送っていくよ、カツ丼、あんまりおいしくなかったね」だってさ。
今頃になって泣けてきたよ。情けねーなー。就職してーなー。
今まで何やってたんだろうな、俺は。

 

地獄のようなロープウェー

たまには外に出なくては、と
意を決して一人紅葉狩りに出掛けてみた
ロープウェーで一人座って出発を待っていると
発車間近に若いカップルが駆け込んできた

駆け込みの焦りと俺の座席位置が相まって
俺が見えてなかったらしく
「やったぁ、かしき・・・」まで出た女ね言葉が止まるのと
笑顔から一変、表情が無になる瞬間を眼前で見た

そのまま客は俺とカップルのみで発進
何故か気まずい俺

窓を覗きつつ
「わーきれいだねーあかーい」などと喋る女だが
声のトーンと口調の無機質さが、明らかに俺との遭遇、存在で
機嫌を損ねましたと言わんばかり
オマケに野郎までテメェのせいだと言わんばかりのオーラ

俺は、外を見る気すら失せ、ただ俯き目を閉じていた
緩く、永い、地獄のようなロープウェーだった

俺はそのままロープウェーで下山した

 

未熟なヒヨコです

あなたは未熟なヒヨコです。
あなたは今、卵の殻の中にいます。

あなたはあと数日で、殻を破って外に出られるまでに成長します。
あなたはあと数日で、完全なヒヨコになるのです。

そんなとき、あなたの卵の上に何かがやってきて、影ができました。
ぐしゃ。

あなたの卵が、踏み潰されました。
あなたが踏み潰されたのです。
あなたは死んだのです。
あっけなかったですね、さようなら。

これが中絶です。

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後味の悪い話短編
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