【長編- 名作】スカッとする話
他人から借りた消しゴムはカドを使うのがポリシー
意味の分からない話をしようと思う。意味の分からない実話です。
高校の頃、自称ヤクザの息子で、自称ニコ生で1000人のリスナーを持ち、
「他人から借りた消しゴムはカドを使うのがポリシー」とかほざいている奴(横Y)がいた。
どのぐらいポリシーにしているかと言うと、消しゴム貸して言われて、その消しゴムが丸いと
「あー、丸いの俺無理っすわぁ、生放送でも言われてて―or親父は堂々と消しゴムのカド使うのよ」と言うぐらい意味不明な奴だった
おかげ様で、ほぼ強引にクラスの奴らから消しゴムを奪いあげカドを削る悪魔だった。
クラス中の消しゴムのカドがなくなったらカッターで切断して、わざわざ消しゴムのカドを作るようなやつだった。
つーか、自分の消しゴムを持って来ない奴だった。
そんなある時、転校生がやってきた。結構優秀な学校からの転校生で、
なんでこんなバカ高に?と思うほど頭がいい学校から転校してきた不思議なやつだった。
案の定、転校生に消しゴムを借りに来る横Y。
そしてバカみたいに消しゴムのカドを削り切った。かつお節すっているぐらい削ってた。
転校生は露骨に嫌な顔をしたが、横Yは得意の親父さんの名前と武勇伝を語る
そして消しゴムポリシーを語る、ニコ生のリスナーにいるヤクザについても語る。
クラス中で「ああ、また意味の分からない絡み方しているよ」と呆れていると、
転校生は急に笑顔になって「ほぉー!お前もなのか!実は俺もなんだよ!!」と明るい笑顔でいった。
転校生「俺の親父も○○組(指定)の幹部でさ、俺もニコ生で歌ってみたやっててさ、消しゴムはカドが好きなんだよね!」
横Y「嘘乙ッ!w俺のことバカにしているんだろぉww」
転校生「いやいや、マジマジww」
横Y「○○組って俺の親父も幹部やってるぜ!」
転校生「なら知り合いかもなぁ」
横Y「歌ってみたとかwwそんなんでリスナー何人いるの?ww」
転校生「1000人ぐらい?まあ○○さん(大手歌い手)のコミュにお邪魔してリスナー増やしたんだけどww」
横Y「つーか消しゴムのカドは俺のものだわww」
転校生「いやいやいやいやwてかさ!」
転校生「お前も消しゴムのカド好きなら、どのぐらい恨まれているか分かってんだろうなぁ?おい゛?」
急に声音が変わった。クラス全員が二人の方向を見る。
転校生の胸ぐらをつかむ横Y。転校生はすました顔でヘラヘラ笑ってる。
流石にそこで教師がようやく止に来て、横Yは手を話したが、
俺らは転校生に「アイツ意味不明だからほっとけ……」と教えた。
おやじさんの事実はハッキリとしていなかったが、横Yの兄貴さんがヤクザの舎弟頭しているのはガチらしく
(その事は横Yは今まで言ったことがなかったが)変なことに巻き込まれたくないから、みんな黙っているのだとも伝えた。
転校生は「その人知ってるww」
全員がギョッとした。
そして翌日。
顔が真っ赤に晴れて青あざだらけの横Yが登校してきた。
その日は朝から居ないと思ったが、急に昼休みに登校してきたからなおさら印象的だった。
横Yは転校生の顔を見るなり「すまねぇ」と言った。
転校生は「テメーと友達じゃないのに、その口の聞き方ワロタww
兄貴さんに口の聞き方は教わらなかったのかぁーw」とヘラヘラしてた。
直前までボカロ会談を俺らとしていたはずの人の良さそうな転校生は、
スイッチが入ったように人が変わったのでビビッて、みんな黙り込んでいた。
転校生「お前の兄ちゃん、親父と同じ組なんだわ。それに面識あったのよ。
俺が此処に転校するって知った時、弟によろしく言ってたのになぁ…ww
あとお前の親父はパチカスだろww働いていなくて兄貴にパラサイトしているクズじゃんww
よりにもよって俺の親父の組で働いていることにするなよ…ww」
その後、スマホで何かを確認すると、それを横Yに見せる。
「これ、お前が生放送しているコミュだよな?」と、ニヤニヤしていた。
コミュ参加数は200人ぐらい。日頃の放送はゲーム放送と、飲食放送。
で、問題なのは飲食放送のほうで、横Yはワインなどを飲んでいた。
ご丁寧にタイトルに飲酒中とか酒乱中と書かれている始末。
それを学校に報告すると脅した。
転校生「それで俺のコミュがこれ」
(有名歌い手とのデュエット放送などが履歴にある。登録者数1000人越え)
転校生「お前嘘つきすぎじゃねwwww」
横Yは泣き始め、勝手に土下座し始めた。
転校生は「土下座要求してねーしwwきめーんだよww」と容赦無く顔を蹴飛ばした。
その日から横Yは学校にも来なくなった。
その後更に分かったのは、横Yは勝手に兄貴の名前を使って昔〆られたことがあったらしい。
ただ、その時に味をしめ、ヤクザの後ろ盾を使い続ける為に親父が所属しているとして使っていたらしい。
一度学校に来た横Yの兄貴さんは見事なインテリヤクザな人で、クラス一人ひとりに消しゴムを一箱ずつと五千円くれた。
転校生の正体はガチ物ヤクザの組長の息子さんで、生主なのもガチで、消しゴム好きなのもガチだった。
転校してきた理由は普通に学力が追いつかなくなったからだが、ここまでレベルが低いやつが居る学校だとは、と卒業まで言い続けていた
「消しゴムの天使の方」という変なアダ名をつけられても苦笑いで済ます、基本いいやつだった。
この横Yとのやりとりを何度も再現してみんなで真似していたが、嫌な顔せずネタとして受け止めて、寧ろ「いやこうだったわ!」とツッコんでくるような奴だった
消しゴム好きをこじらせたらいく、こないだ書店で文房具コーナーを受け持っているのだと誇らしげに同窓会で話していた。
意味がわかない奴ではあったが、こっちはいいやつだった。
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