スカッとする話【短編 – 傑作選】まとめ – 全５話
トメが小声で「死ね」と言ってくる
トメはすれ違いざまに小声で「死ね」と言ってくる人。
最初は私の聞き違いかと思って「すいません、よく聞こえませんでした」
と聞き返したのですが「何でもないのよ、気にしないで」と笑われました。
他には嫁いびりといえるものは無く、でも1日1回のペースでボソっと
言われるので悪意があるんだと私にも分かりました。
やめる感じでもないし言い返したところで誤魔化されるので夫に相談。
幸いにも私の話を信じてくれたので対抗策を二人で考えました。
参考にするつもりでdpn返しスレやまとめを見ていたら
偽装首吊り自殺の話があって、これだ！となりました。
「死ね」と気軽に言える人にはこれくらいしないと何も伝わらないと思ったので。
でも私達には器具を用意するのは無理。
考えた末に手首を切ることにしました。
切るといってもお芝居。
計画を実行した結果、私と夫の話をまとめてみると
・朝、風呂掃除担当のトメが浴室に行く
・トメが見たものは服を着たまま浴槽に浸かっている嫁
・嫁の側にはカミソリが落ちており、周囲には血のような物が飛び散っている状況
・「ぎゃぁあああ！嫁が死んでる！お父さんー！息子くんー！嫁がぁああ！」と大騒ぎしながら浴室から出るトメ
・トメがいなくなったので嫁は慌てて浴室の窓から脱出
・嫁、身を隠して着替える
・ウトメと夫が浴室に行った時には嫁の姿は無く、浴槽の中が赤くて周囲にも赤い液体が散っているので気持ちわるい状況（夫談）
・トメパニック
・嫁の遺書を見つけた夫はウトと共にトメを責める
ウトが警察を呼ぼうとしたタイミングでネタばらし。
ウトは「こんな事をさせるほど追い詰めたトメが悪い」とトメに怒鳴り、
トメは悪意があったことを認めて「御免なさい、私はこれから変わります。だから許して」と大泣き。
そんな状況でしたが夫が
「口先で謝っても多分なにも変わらない。死ねなんて言葉を簡単に使う人間は信用できない」
と別居を決めてくれて今はほぼ絶縁です。
夫が言うにはトメは「お母さん、今度からこうするね」と宣言しても
実行した事がないそうで…信用できるはずもないし、
そもそも「死ね」となんて言ってくる人と同居を続けるのは無理。
血糊の作り方を調べたり準備するのは面白かったです。
液体絆創膏を使って傷口に見せようとしたけど微妙な出来上がりでした。
それより着衣のままだった事がトメにはインパクトがあったようです。
夫が提案した「服を着たまま浴槽に浸かる」。これはかなり体が冷えます。
私はこれで風邪をひきました。
それから早朝4時にスタンバイしてトメに発見されたのが6時なんですが、
暇だなー、トイレに行きたいなー、ちょっとお湯を足そうかなー、と待ち時間がとにかく退屈。
こんな事はもう二度としないし、したくないと思う反面、
次はもっと上手にできるかもと考えてしまう自分がちょっと嫌。
女子にイジメられてた
成功か成功じゃないかよく分からないけど仕返しした話。
高校の頃。
とてもシンプルな話で、昔女子にイジメられてた。
俺ともう一人気の弱いガリ勉の子。
俺はそんなに大したことされてないけど
ガリ勉の子は少し行き過ぎてて可哀想になった。
参考書とか燃やされてたから毎度新しいの買ってるし。
とりあえず先生に相談した。
そしたら意外に親身になって考えてくれて、
自宅に主犯格の両親が来て土下座する事態にまでなる。
しかし主犯格は来なかった。
後日、その主犯格の彼氏が不良で俺をはっ倒すと息巻いているという噂が流れる。
前々から噂は聞いていたけど本当にそんな不良に目をつけられたら溜まったもんじゃない。
主犯格はクズだし何を言ってもダメだろう、と諦めていた。
ただウチにきたあの両親ならマトモだろうと思った。
自宅にきたときも
「娘が来なくてすいません。ただ、必ず言い聞かせます。二度とこんな…etc」
と泣きながら謝ってくれたし。
ただ、主犯格の家に行くと鉢合わせの可能性もあるので
父親の仕事場で待って帰りの時に直接言うことに。
職場前で待っていると同僚の人と2人で出てくる。
1人になるのを待つため後をつけた。
そしたら女子高生風の若い女の子と落ち合い、４人で歓楽街へ消えていく。
驚いて後つけて写メでパシャパシャ撮ってたら
何隠し撮りしてんだ、と警察につかまった。
慌てて携帯を隠したら今隠した携帯を出せ！と言われたので、
当時携帯をウィルコムとガラケー2つ持ちをしていたためウィルコムの方をさしだした。
すると内容確認するから！と、ウィルコムを没収されもう一人いた警官が
主犯格の親父グループを呼んできて事情を説明した。
親父さんすごく焦ってた。
一緒にいた女の子は大学生らしかったけど完全に浮気だ。
店に入る前からイチャついてたし。
まず警官は俺のウィルコムをその親父さんグループと
一緒に確認。もちろん何もはいっていない。
撮る直前だったと言い張り何とかウィルコムを返してもらった。
警官に何故そんなことするんだ！
と詰問されたので
「自分はイジメられている。一度この人に謝られたが本人は全く懲りていない。
今度は不良を使ってボコボコにされる。
だから後をつけていた」
と話したら警官は態度が変わり、
そういうことなら本人同士で話し合って解決してくれとトンズラされた。
同僚の人と女の子たちに気を使われ、親父さんと２人きりになった。
２人になるなりまた親父さんは土下座した。
「イジメの件も申し訳ない。今日の事は言わないで」
要約するとこんな感じ。
そんな感じの土下座を写メに撮った。
イジメが無くならないと今の写真をバラまきます。とつたえた。
次の日、主犯格の女に彼氏がお前を殺すと電話で脅された。
あれ？イジメ無くなってないじゃん。
と思って、少し遠めで分かりづらいがイチャつきの写メと
土下座の写メを送って「お前の親父さん浮気してるぞ、家族には言わないでって土下座したぞ」とメールを送った。
そのまま高校抜け出して自宅に。
３日ほどサボった。
その後に学校呼び出されて、先生たちに尋問され、
めちゃくちゃ怒られたけど結果的に主犯格は転校。
主犯格の両親は離婚。残念な結果になった。
婚約者を愚弟に寝取られた
年明けて2週間経たないうちに婚約者(当時)を愚弟に寝取られ、あちら有責で婚約破棄した。
ショックではあったが、それは別にいい。物心ついてから常々「兄貴のお下がりはいらない」
と言ってた奴なので、「あいつは女ならお下がりとは言わんのか……」とは思ったけれど。
で、この後の事後処理(という名の家族会議)で家がまっぷたつに割れた。
俺の主張:あっち有責で貰うもん貰ったしもうどうでもいい、地元は居心地悪いし転勤届け出したら受理されたわ
愚弟の主張:兄貴より素敵な男でごめーんねｗｗｗｗあ、当然婚約者ちゃんとは結婚するんでｗｗｗｗ
親父殿の主張:結納までしておきながら、婚約者の弟にホイホイ釣られて腰を振るような女を係累に迎えるなぞ御免だ
出産者の主張:爽やかでスポーツ万能で人気者(という名の八方美人)の次男タンが全てに優先されるに決まってるでしょッッッ
結果、親父と出産者は離婚。何故か出産者が『俺に養われようとすり寄ってきた』が、
「さんざんかわいがった次男きゅんがいるだろ？」で終了。
というか、物心ついた時には次男爆ageで、俺はネグレクトされてたのに養うわきゃねぇだろと。
愚弟に関しては何かしら報復してやろうと思わないでもなかったが、どうせ地元を離れるのだし、
事後報告だけでいいかと思い、俺と元婚約者と愚弟の共通の知人(3人とも大学が一緒なので結構かぶってる)を対象にLINEとメールで
『常々「兄貴のお下がりはry」と言っていた愚弟くんが、このたび元婚約者さんと結婚することになりました。
兄のお下がりを喜んで受け取る愚弟、またバンドマンという名のニートを「夢に向かってる」とのたまった元婚約者さんですが、
どうかこれからも生暖かい目でニラヲチしてやってください(意訳)』とだけ一斉爆撃。
wktk!kwsk!が殺到したので「本人に聞いてくれ、俺はもう地元出てるし戻るのダルいから」とだけ返してスルー続行。
地元でニラヲチされながら暮らしてる出産者&愚弟&愚弟嫁から上から目線での養え哀願メールが届いたのと、
事情を知ってる転勤先の上司が「俺の親戚でよければ紹介するか？」と言ってくださったので、人生再起動記念カキコ。
変な男に付きまとわれてた
高校の時に変な男（以下変男）に付きまとわれてた。
そいつはイタリア人かスペイン人？って感じの濃厚な顔立ち＋背の高い細マッチョで、
それだけなら別に良いんだけど、何故か上半身の筋肉美を見せびらかす…
基本的に男子の中でやっててそこではネタみたいな感じだったんだけど、
何故か女子の中で私にだけ見せびらかしにくる…
私は高校生なのに中学生（酷い時には小学生）に見られるくらい背も低くて、
いじられキャラだったのもあると思う。
身長差があって怖かった私は無視と逃走を駆使して対応していた。
友達は「嫌がってるんだからやめてあげて」って止めてくれたりしてたけど、
変男のファン（３名）には「羨ましい」「調子に乗るな」「クソチビ」
「チョビッチ」「小学生」「生理きてるの？」等と罵られた。
ある日所用で放課後一人残ってたら変男が突然出現し、
虚を突かれた私は瞬く間にコーナーに追い詰められてしまった。
変男は何か言ってたけど恐怖で耳に入らない私。
何故かその体勢からシャツのボタンを外し始める変男。
これまでは他に人が居る時しかやってこなかったのに…と初めてのシチュエーションにテンパった私は、
唐突に昔やらされてた空手の突きをぶち込んだ。変男の下腹（それも下の方）に。
変男は「ゴッ」だか「オッ」だか発して腰を押さえて体をくの字に曲げ、
それでも上半身を見せつけるかのように背筋を伸ばしてたけど、数秒後に倒れた。
その隙に私はコーナーから抜け、股間を押さえて悶えてる変男の写真を撮った（私は写真部）。
それ以後、変男はビクビクして絡んでこなくなり、私も変男のことが怖くなくなった。
おまけ。
文化祭の時、無理やりアーティスティックに仕上げたその時の変男の写真を
展示したら評判が良すぎて３０分で撤去されてしまった。
乳首の露出と股間を押さえてるのがいけなかったらしい。
悔しくて（嘘）焼き増しして変男のファン（「羨ましい」とだけ言ってた１名）に売ったら
何故か他の２人と一緒に「酷いこと言ってごめん」って謝りにきた。
毒舌で頭の回転が早い、お調子ものキャラ
非常にうざったい同僚がいる。以下Ａとする
昼休みに皆でしゃべっていると、まあたまに愚痴っぽい話題になることがある。
たとえば「車上荒らしにあった」とか「親（毒親）に金たかられてる」とか
「契約寸前で横から他社にかっさらわれた」等の話。
皆が「えー大変だったなあ」と同情してると必ずＡがやってきて
「車上荒らし？治安の悪い場所に停めるからだろ。事前調査が足りてないよｗ」
「金をたかるとわかってる親と連絡取れる状態にしてるのが悪い。危機感なさすぎｗ」
「他社が割り込んでくるのなんか想定の範囲内だろ？何年この仕事やってんだよｗ」
等々と嘲笑ってくる。
そりゃ理屈はそうかもしれんが、現実にはそうそうなんでもうまくいくもんじゃねーよ、と
反論したらしたで面倒なので、皆表だっては穏便にすませていた。
ある時、会社に関係のある某氏が不幸に巻き込まれた。
特定を防ぐため詳細は伏せるが、「運が悪かった」としか言いようがない巻きこまれ方で
通り魔にあった的な、某氏にはまったく落ち度のない不幸。
某氏は一命をとりとめたが障害が残った。
皆がお見舞いはどうしよう等と話し合っていると、Ａが来て言った。
「見舞金は有志でしょ？俺出さないから」
それはまあいい。問題はそのあと
「某さん、よっぽど日頃の行いが悪いんじゃないｗ」
さすがに皆怒り、不謹慎だ、第一某さんは日頃の行いからして立派な人だと言い返すと
「じゃ、前世の行いが悪いんだろｗ」
そこで課長が叱責し、Ａは渋々黙った。
その後某氏へのお見舞金が包まれたが、有志にＡは参加しなかった。
2年くらい経った頃、Ａが事故で入院した。
社から見舞いに行った者はいなかった。見舞金が包まれることもなかった。
Ａは自分のことを「毒舌で頭の回転が早い、お調子ものキャラの人気者」と自己評価していたらしく
（退院後自分でそう言った）かなりショックだったらしい。
退院後まわりに愚痴ろうとしても、皆足早に立ち去るだけだった。
Ａがいない時、社員Ｂがぽろっと
「性格悪いのは承知で、『交通量の多い道をスピード出して走るから事故るんだ。
事前調査が足りない』って言ってやりたくなる。あいつと同レベルに落ちたくないから言わないけど」
と言った。
皆それに賛同し、Ａは結局辞めたが、最後まで誰もやつにその手の台詞は言わなかった。
送別会は開かれなかった。
ぬるいけど、最後の最後まで誰もあいつのレベルに付きあってやらなかったことが仕返し。
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