『壊滅的に空気が読めない男子』など全5話 – スカッとする話 短編 – 傑作選【因果応報・復讐・武勇伝】

スカッとする話【短編 - 傑作選】まとめ - 全5話

 

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スカッとする話【短編 – 傑作選】まとめ – 全5話

 

とある男子が気色悪いことを主張した

全く意図せず生まれた武勇伝
大学生になって色んなところに遊びに行く機会が増えて出費が多くなったのでバイトを始めようと思った
とにかく手っ取り早くたくさんお金を稼ぎたくて給料が高くて交通費がかからないところを探した結果、
バーとパチンコの二択に絞れた
前者は髪型や爪は自由だけど深夜の仕事、後者は時間帯は都合がいいけど外見に関する規則が厳しい
どっちにしようか悩んでいた

ちょうどその頃にゼミの最初の発表(発表の練習みたいなものだったのでお題は自由)でとある男子が気色悪いことを主張した
内容はうろ覚えなんだけど、欧米から取り入れられた人権や自由といった概念により日本古来の美徳が失われたとか、
昔はアメリカでは黒人の奴隷が、日本では女が家事を担ってたのに女や黒人が自由になったせいで家事を担う者がいなくなって社会が回らなくなった、だから人権のような感情論は不要
みたいなの

そのキモい発表の中に「茶髪やネイルは欧米から取り入れられた価値観の弊害」みたいな主張があったもんで、そいつの求める黒髪であることが凄く気持ち悪く思えてしまった

即刻バイトをバーに決めて、その日の内に髪を染めて爪も自分でマニキュア買ってきて塗った。
そいつのことが本気で気持ち悪かったから

そしたらなんと次の週のゼミでは女の子全員が髪の毛を染めて爪も綺麗に飾っていたwww
まだお互いに面識も薄かったから示し合わせた訳じゃなかったと思うw

そいつへの嫌悪や当て付けが動機かは分からないけど、その日の例の男子は見るからに機嫌悪そうにして足を机に乗せたり女子を睨んで舌打ちしたりしてた
一年の前期が終わる前に学校来なくなっちゃったから実害はなかったけどね

バーのバイトは友達も増えたし給料も高かったし賄いも美味しかったし貯金も増えて大成功でした

 

 

大学に居たぶりっ子女

なるべくかいつまんで書いたのでわかりにくかったらすまねぇ

昔大学に居たぶりっ子女
高校生の彼氏作って彼氏のことを「愛方(相方のこと)」とか言っちゃってめちゃくちゃアイタタタな人だった
愛方がそばにいるわけでもないのに、常に惚気ばっか
周りはへいへいゲロ甘すぎて集ったハエも死にますわと内心思いながら皆表面上は仲良く、ウラでは適度に距離を置いてた

冬に卒論も有り研究室に篭もりきりになったとき、ピザか何かとる?と話してたら、ぶりっ子女が
「わたし、愛方に電話してお弁当届けてもらおーっと」と言い出し携帯片手に出ていった

そいつのことはほっといて残りでピザ注文
少ししたらピザか届き、その後入れ替わりで愛方とやらが登場したんだけど、そこに同じ学校の制服をきた女の子がいた

「愛方くん?その子誰?」と敵意むき出し
前に「私の愛方に手を出す奴は全員死刑」とか書いてたから、そういうんかなーと思っていたところ
愛方「まおたんが弁当って言うから届けたんだよ。まおたん、子供のオムツ買ってきて欲しーって昼間言ってたでしょ?ついでに買ってきて運ぶの手伝ってもらった」

愛方は悪気無く爽やかな笑顔でニコッと笑い、女の子が持っていた紙袋を受け取って渡した
女の子はこれまた爽やかな笑みでニコッと笑い「愛方くんは自転車しか移動手段ないんだから、恋人に無理言っちゃダメですよ。旦那さん免許も車もあるそうじゃないですか、彼氏でなく旦那さん頼ったらどうですか?二人のお子さんですし」

もう研究室にいた全員がwktkしながら話聞いてた
只でさえ存在が痛々しいのに、子持ちで不倫とかハンパねえ
しかもその時の研究室、ピザの香りを嗅ぎつけた教授がいましたからねwwww(ピザの代金は教授が払ってくれたよ)

教授は部外者を勝手に大学の研究室に入れたことを注意するって名目でぶりっ子女を連れ出し、そして帰ってこなかった
ツイッターやフェイスブックでは早子持ち不倫だってことが拡散されまくってて笑った

愛方が連れてきた女の子、かわいい顔して笑ってたけど、違う意味で目が楽しそうに煌めいてたが、
その子がこの愉快な顛末を知ってるのかだけ気になる

その後ぶりっ子女は大学に数回来たきり姿を見せなくなった
発表会も欠席
教授も黙殺してたし卒業できたのかは不明。多分出来てないけど
不倫に加え未成年、それも18歳未満に手を出してたから人生詰んだんじゃね?ともっぱらの噂

本題に関係ないから省いたけど、絶対5時には帰るんだよ。やること残ってても
当番とかあっても5時以降は無理!って突っぱねて、勝手に帰る

SNSでは愛方といっしょ(はぁと)とか言ってたけど、子供いたからじゃね?って皆言ってる
何にせよそんなんだったから迷惑してた
でぇと(はぁと)とかで実験ドタキャンしやがったし
流石にコレは教授から雷落ちたけどね

あと周りに居た俺達の心情としては、もしかしたら俺達はこの糞女の尻拭いをしてたことで不倫の片棒担がされてたんじゃないか
って疑惑が出てきて嫌悪感ぱない
これは後から出てきた感情だけどね

 

祖母は悪人かもしれないけど私にとっては救世主

私じゃなくて祖母の武勇伝

父も母も仕事が忙しかったから家には弟と二人でいることが多かった
私が中学を卒業する頃まで

弟が皿を割ったり壁に落書きをしたりする→家のものが壊れたと母に報告→何故か私が怒られる
っていう理不尽なことが何度か続いて家に帰るのが心底嫌になって、
ある日の帰りに家に帰らず祖母の家に逃げ込んで泣いて吐き出したのが契機になった

これは後になって知ったことだけど祖母は母にとってはあまり良い姑ではなかったようで、
結婚してからも仕事を続けていた嫌味を言っていたらしい

私が生まれてからは嫌味は収まっていたようだけど、私の号泣を口実に嫌味が再開
結局母は仕事を辞めた

あらかさまに弟を優遇するようになったけど昔からこんな感じだったし、
少なくとも弟の粗相の責任を押し付けられることはなくなったから気は楽になった

客観的に見たら祖母は悪人かもしれないけど少なくとも私にとっては救世主

 

 

寝ながらがっくんがっくん盛大に横揺れしていた

武勇伝とはちょっと違うかもだし、賛否両論だろうけど、
自分的にすっきりした話。

今朝電車で座っていたら、隣の隣に座ってる兄ちゃんが、
寝ながらがっくんがっくん盛大に横揺れしていた。

私と兄ちゃんの間にはスーツのおじさんがいて、
揺れるたびにおじさんの胸のあたりに兄ちゃんの顔が来てた。
おじさん、迷惑そうに、でも控えめに手を当てたりしながら耐えてたんだけど、
途中で立ち上がってどこかに行ってしまった。

すかさず、目の前で立ってた別のおじさんがその席に座った。
スマホとか使ってなかったから、今の光景を見てたはずだけど、
この揺れを承知で座るなんて勇者だなー……と思ったのもつかの間、
おじさんが兄ちゃんに容赦ないひじ打ちを食らわせはじめた。

私にまで衝撃が伝わるくらい、肩から腕全体を使った大ぶりのひじ打ち。
そのたび兄ちゃんは一瞬起きるが、再びガクガク→ひじ打ち→ガクガクを30秒周期で繰り返し。

私も電車で良く寝るので、迷惑かけたくないけど眠い、目が覚めてもすぐ眠い、どうしようもない、
その気持ちはよくわかる。
だから、分かってて後から席に座ったくせに、兄ちゃんを迷惑そうに扱うおじさんに腹が立った。

腹が立ったので、私は立ち上がって、おじさんに向かって言った。
「私と席を替わりましょう」
そしたらおじさんは、
「いや、いいです」と言ってきた。
「(いいですじゃねえよ、お前のためじゃねえから!)このままじゃ彼がかわいそうなので!」
そこまできっぱり言ったら、おじさんはあっさり席をズレてくれた。

そのあとは私がお兄さんの隣に座って、きっちり肩を貸しました。
おっさんもイライラから解放されて、お兄ちゃんもゆっくり眠れて、
結果的によかったよね?
いつもならチキンでそんなことできないのに、
今日はスッキリ言えてしまった記念カキコ。

 

 

壊滅的に空気が読めない男子

目付きと喋り方が何だか妙で服装や髪形が全体的にモッサリしてる男子が同じ学部にいた
しかも壊滅的に空気が読めない

仲良くもないのに話しかけてきたり会話に割り込んできたりするところまでは許容できる
こいつの場合は今この話をここでする?って聞きたくなるようなことを話してきたり、
どうでもいい自分のことばっかり語るから鬱陶しいこと極まりなかった

こいつがまぁいつもの如く会話に割り込んできた
その日はファッション誌を囲んで「春先だから軽い色にしたいよね~」と髪型の話をしてる私たちに
折角の黒髪を云々
ヤマトナデシコの美徳を忘れてしまって云々
黒髪の方が男は喜ぶのに女は分かってない云々
大体こういったことを抜かした

そしたらその場にいた後輩が
「先輩みたいな男を追っ払うためですよ~^^」
と発言
みんなも相当欝憤が溜まってたのか知らないけど、
周囲はいじめっ子の集団がいじめられっこを笑うような感じの大爆笑に包まれた

それ以来この男子は講義の時も教室の後ろの方で小さく静かになってる
後輩には感謝してる

 

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