『変わり者なうちの姉の武勇伝』など全5話 – スカッとする話 短編 – 傑作選【因果応報・復讐・武勇伝】

スカッとする話【短編 - 傑作選】まとめ - 全5話

 

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スカッとする話【短編 – 傑作選】まとめ – 全5話

 

変わり者なうちの姉の武勇伝

私は三姉妹の末っ子だが、2番目の姉がオタクで変人。
狩りゲーと洋モノホラー映画が大好きで、vitaやりながらぐふぐふ笑ったり
自分で借りてきたDVD観てはgkprしている素敵な姉。

こやつが家では上下スエット+前髪パイナップル+のび太眼鏡がデフォだが、化粧して着飾ると化ける。
もともと凹凸がはっきりした顔なので陰影が出て日本人離れした顔に、
黒髪ウエーブなので「無原罪の御宿り」のマリアさまみたいになる。

フォーマルな場に現れると登場というよりは降臨て感じなので、
付き合い浅い友達からも結婚式に呼ばれたり、
平社員なのに会社がらみの式典に参加させられたりと、けっこう忙しい。

そんな姉と三年ほど前、地域の企業が連名で催行したクリスマスパーティーで偶然鉢合わせした。
お互い会社の付き合いで来てたんでその場では軽い挨拶しかしなかったんだが、
私の同僚がその様子を見ていて、マリア状態の姉に一目惚れした。

翌日から紹介してくれと頼み込まれ、同期だし少しチャラいがイケメンだし、
明るい人で悪いイメージは無かったから姉に会ってみないか聞いてみた。

すると姉は渋り、「そういう人は信用できん」という。
いくら美しいといえど当時すでに姉はアラサー。
早く結婚してほしかった私は変なスイッチが入り、同僚をごり押し。
私の顔をたててと懇願したら姉は仕方なし受けてくれた。

喜んだ私はセッティングを買って出て、個室のあるレストランを予約。
デート当日、姉はロングワンピにペンダント、アンジェラ・アキ眼鏡に控え目メイクと
パーティーの時のような派手さはないけど綺麗なお姉さんて雰囲気で、私に写メを撮るよう言った。
なんだかんだで乗り気じゃんとからかったら、「そのうち解る」とニヤニヤして出かけていった。

午後5時に待ち合わせたデートだったけど、姉は8時前に帰ってきた。
ずいぶん早いんでどうかしたかと聞いたが姉は「紳士だからさ」と答えただけですぐスウェットに着替えてゲーム。
同僚にメールしてみたら「せっかくだけど、合わないかも」と返ってきた。
自分から紹介してくれ言ったくせに何だよと思ったが、問題は次の出社日から起きた。

同僚、姉のことを「化粧落とせば普通」「若作りしてたけど近くでみれば年増」「危うく騙されるところだったw」と好き放題に言いふらしてた。
確かに姉はピッチピッチに若いわけじゃないが、それでも充分すぎるくらい綺麗だった!って論より証拠、姉の写メを皆に見せた。

結果、大多数が同僚の言ってることは検討違いで姉は美人と認めてくれた。
残り少数は紹介してくれと言ってきたのでお断り。
同僚は日頃の行いも相まって、女子社員から総スカンを食らうようになった。
いろいろ悶着はあったが違う部署だしたまに恨み言食らうくらいでウザーで済んだ。

んで今年、姉の結婚が決まった。
相手はどこで見つけたか、めちゃくちゃかっこいいネイティブアメリカンの方。
マリア状態の姉に一目惚れしたのは同僚と一緒だが、その後控え目な姉にマジ惚れ、
猛アタックしたそうな。オタク剥き出しの姉を知っても愛はさめやらず、一緒にゲームしてる。

挙式から少し後、どこから聞きつけたか同僚が、姉の結婚相手についてどんな人か尋ねてきた。
30過ぎでよく結婚できたね~なんて言ってたからpgrするつもりだったんだろうが、
映画のワンショットみたいな二人のスナップと結婚式の神写真見せたらどっか行ったw

色々やらかした罪滅ぼしに、いつか生まれる甥姪を可愛がると約束したが、
来年夏ごろに願いが叶いそうだと今日聞いたもので、さっぱり眠れない。

 

 

何言ってけつかる!うちの嫁に

うちのトメさんの愛あふれるスカ。

妊娠11週目くらいの頃とにかくつわりが酷くて毎日船酔いみたいだった。
その日は午前中検診→午後から出勤予定で仕事柄、大量の荷物だったので、
近居のトメさんがそれを持って検診に同行。

うちは始発駅なんで必ず座れる。トメと私はシルバーシートに着席。
座っててもしんどいから私は壁際の席で壁にもたれ撃沈。隣にトメさん。
何駅かして中年の女性2人が乗車してきた。40代後半~50代くらいかな?
この時点で車両は満席だけど隣の車両はまだ空席がある感じ。

中年レディが私の前に立ち、「いま何か月?」と話しかけてきた。(私はポシェットにマタマークを付けていた)
しゃべったら吐きそうで、もうこの世の終わりだと思いながら
超小さい声で「さ、さんか・・・げつ・・・です・・・」と答えたら
中年レディが「あらー3か月なのね。まだおなかも大きくないし動けるうちは動かないと太って赤ちゃんも大きくなりすぎちゃうわよ」
みたいなこと言ってきた。ものすごい笑顔で。
こっちも難破船で魔のドレーク海峡みたいな状況だし脂汗垂らして「ハア」みたいにしか返せなくて、
でも、よくよく聞いたら「席を譲れ」ってことだった。
「まだまだ大丈夫よ」「立ったほうがいいわよ」って。
この状態で立ったらやばいなーと思いながら
中年レディの猛攻は止まらないし泣きそうになってたらトメさんが一言。
「つわりがひどいんですよ。立つのがお辛いんでしたら、私が変わりますよ」

明らかに自分たちより年上のトメ(70代)が席を譲ると申し出たことで中年レディは逆にヒートアップして、
「若い人を甘やかすのはよくない」「こんなことを人生の大先輩に言わせてイヤですねー」みたいにトメに同調求めてきた。
うちのトメさん、見た目が派手で、茶色いカーリーヘアーを頭上で束ねててお化粧ばっちり、洋服も華やかで、
富士真奈美さんがもっと強烈になった感じ。そしてお胸をはじめふくよか。
対する私は地味が服着て歩いてるような地味子でちびまる子ちゃんの野口さんみたいな見た目だから
中年レディはよもや二人が連れだとも、よもや嫁姑だとも思わなかったみたい。
そしたらトメさんが「何言ってけつかる!うちの嫁に!そんなに座りたきゃ譲ると言っとろうが!自分が座りたいからってしんどい妊婦いじめるとは何事か」!!
(ちょっと言葉は違うかもだけどこんな感じ。けつかるは間違いない)

トメさんは隣の車両の空席を指し示して、中年レディはアワアワ何か言ってましたが移動。
私はつわりが重すぎてその日入院したのでトメさんには荷物を往復移動させてしまった。
普段わりとおとなしくて標準語のトメさんがあんな風に言ってくれるなんてと驚くやら感動するやらでした。

 

タクシーの客がいちゃもん

正に昨日の事なんたけど。
昨日友人数人と飲みに行き、店を出たら駅の近くで何やら揉め事が。
どうやらタクシーの客がいちゃもんをつけて金を払わず帰ろうとして運ちゃんがそれを止めようとしてるみたい。
客の酔っ払いのオッサンは運ちゃんの肩を突き飛ばしたりしてかなりヒートアップしてた。

すると友人Aがタクシーにスーッと近付いてオッサンの肩を揉むように掴みながら「どーしたのおとーさんそんなに怒って、いい男が台無しですよ?」と声をかけた。

オッサンは「なんだお前は!すっこんでろ!!」などと怒鳴ったが、Aは「まぁまぁ」などとはぐらかしていた。
Aがオッサンの気を引いてる間に他の友人が警察を呼び、数分後に交番の警官が駆けつけてオッサンは御用。

簡単な事情聴取?を受けたあと駅で解散した。
武勇伝、って聞くと今回のケースでは暴れるオッサンを取り押さえて!!みたいなのを俺はイメージするが、誰もが遠巻きに見てるだけで傍観を決め込んでいる中で真っ先に行動に移せたのは凄いと思う。

 

 

頭湧いてんじゃねーの?

5年前の学生だった頃の話。
かなり大きい、学生向けのシェアハウスに住んでいて、友達の紹介で仲良くなったのがきっかけ。
冬休みに帰省する際、相手がメアドを教えてくれて、そこからずっと、冬休み明けに会うまで毎日連絡が続いてた。

はじめは仲のいい友達だったんだけど、繰り返すうちにちょっとずつ、いい雰囲気になって
「あれ、もしかして好きかも?」
という感じに。
相手が「休みがあけたらご飯行こうよ」と送ってくれた時はすごく嬉しくて、初めて休みが早く終わって!なんて思った。

学校が始まってから、彼の態度は急に変わった。
会ってもそっけないし、ご飯の約束の話をしても「また今度」ではぐらかされて。
その頃の私はもう彼が大好きで、恋人は無理でも、どうにか前みたいに……なんて考えていたけれど風当たりは強くなるばかり。
前までのはなんだったの?と思うくらいよそよそしくて、すごく辛かった。

ある日ご飯を仲のいい友人達と作っていて、その中に彼も混ざっていた。
お金が無いからとうどんを茹でていた子に友達のひとりが
「オレンジジュース入れたら美味しくなるんじゃないの?」
なんて冗談を言った。
それに乗っかって
「私のコーラもいれる?コーラ煮とかあるじゃん」
と、言った時だった。

「はあ?うどんにコーラとかお前さ、ほんと頭湧いてんじゃねーの?」

好きだった彼の一言だった。
もちろんそこにいた全員がコーラを入れるというのが冗談だとわかっていたし
「うどんでそれはないでしょ!」
なんてツッコミを入れられた後だから、余計に場の空気もどんよりとした。

そしてどんなに冷たくされても好きだったのに、一気にその気持ちが嫌悪に変わった。
すごく悔しかったのもあるけれど、何より周りの人がどういう気持ちになるかとか、そういうことすら考えられないのか!と怒りも強かった。

それから私は化粧もダイエットも、勉強も頑張るようにした。
頭が湧いてると言われた悔しさはものすごいバネになった。
化粧は上手な友達に教わった。
ダイエットはクビレを重点的に作るようにした。
勉強は学校のものはもちろん、その後役立つだろうとTOEICの勉強もした。

三ヶ月後、彼に呼び出され、告白された。

冷たくしたのは恥ずかしくて。
けれど君なら言わなくてもわかってくれると思ってた。
だからそうやって綺麗になったんだろう?

そんなことを言われた。
面白くて仕方がなかった。
もうとっくに好きじゃないこと、綺麗になったのは自分のためだということ。
それを告げると目を釣り上げて怒ったけれど
「言わなきゃわからないってことすら、教えてもらわなくちゃわからないの?」
「頭湧いてるって言ったの誰だっけ?よくそんなことを人に言っておいて告白なんかできるよね。頭湧いてるのかな?」
と返すとバツの悪そうに
「ブース!死ね!!」
と言ってどこかに走っていった。
すごくすっきりした。

それから一ヶ月後、シェアハウスの中で彼氏ができて、私たちが仲良くなにかをしてるのを見て恨めしそうにするのが滑稽で仕方なかった。
来年、その彼氏と結婚が決まったので厄落とし。

 

 

トップレベルの私立高校

私の父には公務員の兄がいて、県内に住んでいる。
伯父夫婦にとって、伯父の職業と小さい頃から優秀な息子2人(3歳年上&同い年)が自慢だった。
一方私は4、5歳まで周囲から「普通級は難しい」と言われるほど発達が遅れてた。(結局追いついて普通級判定された)
伯父夫婦からは、その件をネタに祖父母がいない時pgrされてきた 。

・冬休みの宿題で出された問題を間違えた→伯父「こんなのも解けないのか?やっぱ言葉が遅かったから学力低いなぁプッどうせ将来ろくな仕事に就けないなwww」
・市民マラソンの小学生の部で入賞→伯父嫁「でも短距離走苦手でしょ?歩くのが遅かったから(ry」
・公立高校受かって母娘で一安心→伯父嫁、母に向かって「ムチュコタン達に比べたら大したことないプッ母親が高卒だし保育園行ってたから(ryあっ、障害あるから幼稚園に入れなかったんだっけ?」
父が〆ても無駄だった。
従兄弟達は親譲りの性格で私を「池沼」と呼んできた。

ところが、高校入ってから状況が変わっていった。
上の従兄弟は、隣県の進学校から都内有名私大に進んだものの、友達が出来なくて通えなくなり除籍された。
下の方は、県内トップ校から2浪の末中堅私大に進んだ。
不況もあり、NNTのまま卒業した。
私は県内の公立大学に進学し、看護師免許を取って大学病院に就職。
今もそこで働いている。

去年親戚の集まりで伯父嫁から「ムチュコタン達に研究職を紹介しろ」と言われた。
なんでも、私が職場で研究にも携わってることをどこからか聞きつけたらしい。

「病院で研究!?優秀なムチュコタン達にふさわしい!」とのことだが、30前後なのに資格も職歴も無しの2人には無理な話。
やりとりを聞いた親戚のおじさん達が「神童も二十歳過ぎたら無職の人か」と言ったら、伯父一家以外爆笑。

私からは「まぁまぁ!従兄弟君達はトップレベルの私立高校出たんだし働き口見つけること位どうってことないでしょ?子供の頃、知恵遅れで落ちこぼれで、看護師なんかなれるわけないと言われた私でもなんとかなったんだし。」と叱咤激励しといた。
丁度茶の間でタ*ンワークのcmが流れてたので、別の親戚が「慎吾ちゃんみたいにスーパーのリーダーなんてどうかしら?」と言ったら、また爆笑。
今思い出しても、お腹痛くなりそう。
伯父達、遂にプルプル震えて勝手に帰ってしまった。

先週、実家に伯父嫁から電話が来て経済的な援助を求められたらしい。
父は「兄貴は公務員だし子供2人を私立の高校・大学にやったんだから大丈夫でしょ?」って断った。
とはいえ、伯父はとっくに懲戒免職されて従兄弟達は結局働かないから、伯父嫁のパート収入で生活せざるを得ないみたい。
確かに私は有名大学出身でも医者みたいないわゆる“いい仕事”をしている訳ではないが、ニートよりはマシだ。

伯父は教員だけど、免職理由はわ〇せつ行為。
他の先生と生徒に現場を見られ、調査をしたら余罪がザクザク出てきて懲戒免職になった。
女子生徒に、推薦や内申書をちらつかせて手を出したんだと。

 

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