『精神崩壊』など 短編5話【32】本当にやった復讐の体験談

『精神崩壊』など 短編5話【32】本当にやった復讐の体験談

 

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短編 – 本当にやった復讐【32】

 

ジャイアン

学生時代にガタイがいい同級生が自分と友人に腹に手刀突きしてきたりとやたらちょっかいを
出してきてたんだが(漫画の技名言いながら)、自分はまだしも友人の方は本当に
つらそうな状態だったので我慢ならずに行動する事に。

昼休み、いつも通りガスガスちょっかいかけてくるのを我慢しといて
先生がもうすぐ来るタイミングを見計らって膝蹴りを一発、腹だか股間だかに食らわせてやる。
もちろん復讐なんて呼べる威力じゃないが、それに切れた相手が今までにない位に
殴りかかってきてもろに顔面を殴り付けられる。でもしばらくのちに先生が入ってきて止められた。

その時には目にも一撃食らってたもんだからジャイアンに殴られたのび太みたいな顔にw
今まで影でやってた事が表沙汰になり、怪我も派手なもんだから相手は停学で
こちらは一切おとがめなし、翌日に相手の母親が一緒になって菓子折り持って
謝りに来た。(いい意味でジャイアンの母的な人だった)

内心、顔面殴られた時点でこうなる事を予見してほくそ笑んでたんだが、後日そいつと
偶然二人きりになった時にしょんぼりしながら「今までごめん…」と言ってきたのには
不覚ながら少し罪悪感さえ感じたよ。

 

もしかしたら悪い奴ってより「人付き合いを知らない調子に乗ってる奴」
だったのかもわからん。今ではなんでそこまで怒ってたのか自分でも思い出しにくいけど
それも自分の中で終わった事だと整理がつけられたからだと思う。

普段から大人しい自分がこんな事するなんて余程腹に据えかねたんだろうと
先生達も味方してくれたんだが(不良校だから逆に正義感ある先生が多かった)
元々その辺も期待値に入れてやったんだけど、それなら最初から先生に相談しても
解決すると思いつつ相手に痛手を負わせるために痛い目にあったのは
我ながらひねくれてると思ったw

 

職場の冷蔵庫

職場の冷蔵庫のお茶(緑茶)の減りが早かった。
市販のペットボトルだけど、デカデカと名前書いたタグを掛けてあるから(社則)
間違って飲んだって訳じゃないんだろう。

なので小便を注いどいた。
世には飲尿健康法とか言うのもあるし、自分のだし、味見もした。
うん、一口ではまず気付かない絶妙なブレンドだ、と悦に耽った。

翌日、かなり減ってた。男ならざまぁみろ、女ならデュフフフw

 

ネット工作

特定回避のため一部フェイクで投下。

高校の頃遠縁の親戚が同じクラスで、友達として仲良
くしていたんだがそいつがある時期から俺を避け、蔑むようになった。

避けるようになったはいいとして、新たにつるみ始めた集団と大声で俺の悪口、
ネットにも暴露愚痴日記のオンパレード。
地方のゲーセンコミュニティの痛い連中とも
俺の悪口ネタにオンライン交流しててそれはそれは気持ち悪い有様だったわ。

あげくその時そいつと付き合っていた彼女が勝手に俺に激高し、
「○○君はアタシが守る!」キャンペーンを開始。
ネット上でのファビョりに飽き足らず俺の自宅に無言電話をよこしはじめる始末。

受験期の大事な時期に散々面倒起こされたこっちは大迷惑だ。
その点お前は良いよな。地元の底辺に推薦決まってんだから。

とうとう俺は耐えかねて、元友人の立場をフル活用して復讐を始めた。

まずは別の友人Bに根回しし、タゲのmixiの公開制限かけた日記を読めるようにした。
マイミクにユダがいるとはついぞ知らぬタゲはmixiに飲酒、
喫煙、学校サボリ、深夜のゲーセン通いの自爆燃料を大量投下。

あとは大漁の燃料記事を俺の悪口記述と一緒に全ページコピー取ってファイリング。
彼女の寄越した迷惑電話の録音データも忘れずに。

それから集めた証拠達を 生徒指導部長→学年主任→担任の順番に提出する。
この順番大事な。担任のより立場が上の先生から順に被害報告すんの。そうすると
担任が上から〆られて痛い目見るでしょ?これでそいつのクラス内での扱いはガタ落ち、
大学の推薦なんか勿論取り消し。

学校で一通りざまあしたらあとは親とじいちゃんの権限で親戚中にこの情報を広める作業。

最初冒頭に遠縁の親戚って書いたろ?親戚関係性で言えば
俺が本家の長男でそいつが下っ端の分家なんだ。

田舎に住んでる奴なら分かると思うが、まだまだ土着の「家」の考え方ってデカくてさ、
分家の息子が本家の嫡男になんかしたってなったら年寄達は黙っちゃいないわけ。これで
そいつの家は家庭ぐるみで面目総潰れ。ご愁傷様。

スッキリしたところで俺はしっかりと第一志望に合格。上京して楽しく学生やってるよ。

良い復讐したよ。今こそ声高らかに言うわ。

ざ ま ぁ ! !

ロリコンの義父

母親が結婚した男が糞で妹(中1)に手を出そうとしたので
家捜ししてロリ写真とpcの中に援交メールや
写真を売り買いしてるメールを見つけたので警察にちくった
それが9月

火曜日の朝出勤前に警察が来て男を引っ張って行った
家の中捜索されて色々持ってかれた

母親は馬鹿みたいに泣いてたけど
妹は安心したみたい
おじいちゃんおばあちゃんに電話して事情話して
もう母親とは暮らさないことにした
おばさんもおばさんの旦那さんもうちの子になりなって言ってくれた

男作るのは勝手だけどあんた見る目なさ過ぎだよ
何回目だよこういうの
まじ股ゆるビッチ
妹がなんか変だって母親に言ったらあの女殴りやがった
何があっても一生絶対許さない

 

忘れてた><
ここじゃないけど
ロリなら絶対写真やなんかがあるからって教えてくれたにちゃんのひとありがとう
探すこつも教えてくれてありがとう
おかげで妹は犠牲にならなくてすみました
本当にありがとう

 

精神崩壊

俺がやった話じゃないが、あまりにも驚いたので。

俺は高校時代、同じテニス部だったA、Bと特に仲が良く、よくつるんでいた。
3人とも、嬉しいことも辛いことも打ち明け合い、信頼し合っていた。
大学に進み、俺とAは地元名古屋の大学に、Bは大阪の大学に進学したが、
それでも年に5回くらいは会って遊んでいた。

そして今年。A、Bと付き合いだして5年以上経ち、文系法学部のAは大手企業に就職が決まり、
理系で工学部のBと俺は大学院への進学が決まった。
全員進路が決まり、落ち着いたということでいつものように
遊んでいた春の終わり頃、Bがいそいそと切り出した。

 

「なんか今、嫌がらせみたいなことされてるんだよね」

聞けば、2ヶ月ほど前から携帯に無言電話がかかってきたり、名古屋にある実家を撮影した写真、
B本人の写真を燃やしたものがポストや玄関前に散乱していたりするという。
あまりの過激さに俺は言葉を失っていたが、
Aは 「何でもない風にするのが一番いいんじゃないか?それが嫌ならアパート変わったりはできないの?」
と適格なアドバイスをしていた。

しかし、引越しするような資金はない、ということで、結局無視を決め込むということに。
俺とAは「大丈夫。俺たちがついてるから大丈夫」と勇気づけ、その時は別れた。

 

しかし、しばらくしてBは2年も付き合っていた彼女に浮気されて捨てられ、
更に嫌がらせの手は実家にまで伸び、赤い封筒でBの写真をズタズタにしたものが届いたという。
また、Bの母親宛てに送られてきた封筒には、父親の不倫の証拠写真が入っていたそうで、
元々おしどり夫婦だったというBの両親の夫婦仲は最悪になってしまった。

いよいよBは精神的に追い詰められ、覇気のない表情になっていった。
元々とても純真で真っ直ぐな性格だったBが、傷ついてボロボロになっていく姿が痛ましくて仕方なかった。

 

しかし、もう大学4年の後期ということで研究の方も忙しく、
俺もBも以前ほどは自由な時間が取れなくなっていた。
そこで、法学部で卒業単位数は他の文系より多いものの、比較的時間の自由がきく
AがBの元に行き、 元気づけようと励ますというような日々が続いていた。
Bも、「Aがいるからまだ頑張れる」と弱弱しくも言っていた。

 

今年も10月に入り、たまたま俺とBのゼミの休みが重なり、
翌日から連休で、Aもバイトがないということで、Bの大阪のアパートに行った。
お彼岸の時期には彼岸花が玄関前にたくさん置いてあってゾッとしたというBの顔は、
すっかり憔悴しているようだった。

少しでもBの気を晴らそうとUSJに行ったり、梅田で買い物をしたりしてはしゃいでいた。
Bも遊んでいる間は楽しそうに見えた。
だが、夜になってBの家に戻ると、Bは泣き出してしまい、
俺とAは必死でなだめて、ああでもないこうでもないと解決策を話し合っていた。

 

連休最終日、一通り遊びきり、辛いことも吐き出したせいか、Bは少し穏やかな表情になっていた。
俺はひとまず安心して、「そろそろ帰ろうか」と切り出そうとしていた。
するとAが「彼女、浮気したって言ったよね?どんな人?」と静かに呟いた。
馬鹿!何無神経なこと聞いてんだ!と思ったが、案の定落ち着いていた
Bの表情はみるみる歪み、「知らない」と答えた。

 

「そっか、まあそりゃ言えないよね、向こうも」Aの言葉は淡々としていた。
「もう忘れたいんだからその話はやめてくれ」Bは涙声になりながら弱々しく言った。

俺もAに、「お前なに蒸し返すようなこと言ってんだ!」と一喝したが、
Aは今まで見せたことのない冷たい目で俺に一瞥を投げた。
「まだわかんねえのか?」突然冷たくなったAがBに言う。
「元カノと浮気したの俺なんだよ」

 

「それだけじゃないよ。お前の周りでおこったことは全部俺がやったんだ」
言葉が出なかった。というより、意味がわからなくて頭がついていかない。
「嘘だよな・・・?」Bの顔は引きつっていた。
「嘘じゃないよ、事実色々起こったじゃん」Aは悪びれる様子もなかった。

「何でそんなこと言うんだよ・・・俺が傷ついたのを見て、満足して止めてくれればいいのに。
なんでわざわざ言うんだよ!」Bは悲しみと怒りが混じった声でAに詰め寄る。
Aは突然クスクスと笑い出した。
「何でって・・・言わなかったら、その情けない顔見られないだろ?」

 

俺ですら頭をゴンと殴られたような気分がした。
「じゃあ、お大事にね」Aは笑いながらそう言い放つと、去って行った。
俺とBは呆然としていたが、しばらくするとBは「嘘だぁ!」と泣き喚き、暴れだした。
放っとくわけにも行かないが帰らないわけにも行かないので、
Bの大学の友達に連絡し、後を任せて俺も帰路についた。
何度もAに電話したが、Aは電話を取らなかった。

 

Aはイケメンで成績優秀、テニスも上手く女子からの人気も高かった。
震災によって超氷河期と言われた就活も難なく成功させており、
俺はAの人生は順風満帆だと思っていた。
そんなAが何故あんなことをしたのか、皆目見当がつかなかった。

それから一週間後の土日、Bが俺を訪ねてきた。一段と痩せてしまったBがSDを取り出した。
例のことがあった2日後に届いたという。ノートパソコンでデータを開くと、音声データが入っていた。

 

そこには俺たちの会話が記録されていた。会話の途中から記録されていたし、
携帯で録音したような音質だったが、はっきり聞き取れた部分があった。
『B「・・・でもさ、親に捨てられたとか、親に虐待された人って、そこで人生コケてるよね」
俺「そうか?(笑」
B「だって、一番愛されるべきとこで愛されてないんだよ?親いないと学校で苛められたりとかするし、絶対歪むことない?(笑」
俺「まあ、確かになぁ」
B「結婚して子供作って幸せな結婚生活とか絶対無理っしょ。不幸になる人の典型だよな(笑」・・・』

 

Bはこれいつの?と言っていたが、俺は覚えていた。
3人で和歌山の温泉旅館に泊まったとき、彼女が出来たてで浮かれていたBが、
普段はしないような幸せアピールや上から目線の発言をしていた。
その会話の中で、Aの声は聞こえなかった。
確かにちょっと気に障る発言ではあったが、
これが理由であそこまでするだろうかと、俺は腑に落ちなかった。

Aに何があったのかと、A宅を訪ねると、Aは近くの入院していると隣人が教えてくれた。
病院に行くと、そこには点滴やら何やら色々つけて眠っているAと担当医、
精神科医、児童擁護施設の職員と名乗る人がいた。
話によると、睡眠薬の大量摂取が原因で運ばれたとのことだった。

 

俺は自分がAの親友であると明かし、事の一部始終を彼らに説明した。
色々話を聞いたところ、驚くべきことがわかった。

Aの実父はAが5歳のときに蒸発、その後3年間母親と暮らしたが、母親に虐待を受けたため、保護された。
その後短期間の施設での生活を経て、現在の家に引き取られ、後に養子になったと言う。
上手くやっていたのだが、引き取られた先の養父が、2年半ほど前に病死してしまったとのことだった。

そしてA自身も、高校生の頃、突発性難聴とそのストレスからか
胃潰瘍を患い高3の夏休みに治療していたが、精神的に不安定になり、
精神安定剤や睡眠薬を使っていたと聞かされた。

 

これらのことと合わせると、>>147でのBの発言が、
Aの心に深く突き刺さったということが察知できた。
平凡に暮らしてきた俺からすれば、「言ってくれればよかったのに」とか、
「『そういう言い方やめてくれ』とか言えばいいのに」とか
思ってしまうが、そういう問題ではなかったんだろうか?
何でも知り尽くしていると思っていたAのことを全然知らなかったという事実に、俺は衝撃を受けていた。

Aと話し合うべきなのか、Bに本当のことを告げるべきなのか、
そして彼らと今後どのように付き合っていけばいいのか、
正直今はわからないでいる。

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本当にやった復讐短編
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