『模倣』|名作まとめ【巣くうものシリーズ】

『模倣』|名作まとめ【巣くうものシリーズ】洒落怖・怖い話・都市伝説 巣くうものシリーズ

そして今となっては、調査もできない状態だったりする……と言うのは、
あの日、Hに全力でぶん殴られたモノに何があったのか、あれ以降、
その貧相な気配の持ち主は居なくなってしまったからです。

後日、石碑を訪れたH(with 俺とA)は「居なくなっちゃった」と
苦笑しながら言いました。
Aも同意したし、その頼まれ事は、どうやらこれで解決ってことに
なるらしい。
パニックでフルスロットル状態のHに殴られて、消えたか逃げたか
したんじゃないか、とはAの言です。

また、Hの突然の暴行に仰天した以外は特に体感がなかったと
思った俺だが、後で思い出すと、ひとつだけ確かに変なことがあった。
石碑の横でB(だと思ってた何か)とひとしきり喋った記憶があるのに、
何を話したか全く思い出せないんだ。
『大学の頃の話をした』と言うような曖昧な記憶だけ残ってて、
何年生の時のこと、とかどのイベントの話、とかが全く解らない。
飲み屋で本物のBが喋ってたことは、俺が上の空気味だったにも
関わらず、しっかり覚えてるのに。

HとAに話すと、さらに難しい顔で「ってことは、幻覚系じゃないよな」
「変身で、Hさん騙すほどそっくり?うーん……」と、
二人して首を傾げていました。
長いわりに結局オチなしですが、以上です。

[完]

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