あるタクシーの運転手が深夜に人通りの少ない道を走ってたら、不気味な女がぽつーんと立っていて、タクシーに向かって止まるように合図をしてきた。
少し君が悪かった運転手だが、一応その女をタクシーに乗せた。
するとその女の行き先は、深夜の時間帯に行くはずのない山奥だった。
運転手は「あーこれあれだわ、幽霊だわ、途中からいなくなってシートが濡れてたりするパターンのやつだわ」
と思ったが、一応その行き先へ向かった。
数分後、後ろの席を確認するとまだ女は座っていた。
運転手はまだいるんかい、と思いつつタクシーを走らせた。
数分後、また後ろの席を確認すると、まだ女は座っていた。
運転手はいつまでいる気なんだよと思いつつタクシーを走らせた。
山奥の近くに差し掛かった時に、後ろの席を確認した。まだ女は座っていた。
「おいおいこいつ人間だったのかよ、何しに山奥行くんだよ」
とタクシーの運転手は思った。
そして目的地に到着して、代金を請求しようと後ろを振り返ると女はいなくなっていた。
あーこれあれだわ、幽霊と思わせて人間と思わせてやっぱ幽霊のやつだわ…色々しんどいやつだわ…
と思い、長距離の疲れからぐったりしていると
「見つけてくれてありがとう…」
という不気味な声が聞こえた。
びっくりして前を向くと、その女が首を吊っていた。
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